HELLVOYAGE〜地獄が航海する〜   作:結城朝晴

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 ワンピース×HELLSINGものが少なく思いつきで書いた。後悔はしていない。なろうをメインに活動している作者のクロスオーバー作成欲求を満たすために書いてるため更新頻度は不定期


大航海時代(原作前)
真の吸血鬼


 この世には民衆を襲い平和を奪い、命を奪い、財産を奪う海賊がいる。

 

 この世には民衆を抑圧し自由を奪い、命を奪い、財産を奪う国家がある。

 

この世には民衆を見下し平穏を奪い、命を奪い、奴隷にする階級が存在する。

 

 この世には民衆を守らず、賊に協力し甘い汁を吸う軍隊が存在する。

 

 私はそれらを許さない。たとえ世界が敵になろうとも私はそれらに罰を与える。この世から抹消する。それが私の使命だ。

 

 

 

──────────────────────

 

 私はもともと警官だったはずだ。市民を犯罪者から守り、安心と平穏を与える警官に憧れて警官になったんだ。それから必死に勉強や訓練を行って機動部隊でもエリート部隊に配属してもらってた。

 そうだ、そうなんだ。全ては市民のために、安全と平穏を守るために頑張ったんだ。

 

 そして私はテロで死んだ。人質をとったテロリストたちの鎮圧の最中にテロリストの凶弾に倒れてしまった……。

 

 

 

 しかし、どうだろうか。私は生前、輪廻転生や天国や地獄、神の存在なんてほとんど信じていなかった。

 だが、私は女に性別を変え転生した。してしまった。私が趣味で読んでいた小説や見ていたアニメのようなことが私の身に起きた。最初は当然驚いた。死んでしまったと思ったら、見知らぬ女性に抱かれ私は泣き叫んでいたのだからこれで驚かない者がいたら相当な肝を持っているのだろう。

 

 それからは、少しずつ成長しながら現状を理解して慣れていった。

 10歳になった今、この世界があろうことかあの世界規模で大人気の漫画“ワンピース”の世界だと気付いた。このときばかりは転生したとき並に驚いた。第二の故郷となったこの港町はグランドライン後半の海〘新世界〙にある小さな島らしい。

 

 ワンピースの世界だと気付いた理由はこの港町に寄港してきた青い軍艦のマストに描かれたカモメのマーク。こんな船はワンピースに登場する海軍のものしか存在しないだろう。

 

 海賊から市民を守る海軍。この世界がワンピースの世界と分かったらやっぱり海軍に入りたい。せっかくのワンピース世界、海賊をやるのが王道なんだろうが前世と同じ結果になろうとも市民を守りたい。

 

 港に行ってみるとは3隻もの軍艦が寄港してきた。なんだか軍艦はボロボロでこの村に来る前に海賊と戦闘でもしたんだろうか。

 軍艦から降りてきた将校と町長がなにやら会話をしていた。なにやら町長は困ったようだが……。将校は顔が真っ赤になるレベルで怒り出した。どんな会話をしているんだ……。

 

 え……。市民を守るべき海軍がそれも将校が町長を斬りつけた……?

 

「お前ら、この町は我々海軍に補給をさせない悪人たちの町だ!正義の名のもとに全て徴収してしまえ!」

 

「「「おおおおおおおおおおお!!」」」

 

 軍艦から何十、何百もの海兵が降りてくる。彼らの手にはサーベルやマスケット銃をが握られ、守るべき市民にそれらを使っている。

 

 私は何を考えていたのだろう。この世界はワンピースの世界だ。海軍にも一定数の屑がいることは分かっていたはずだ。前世でも一定数犯罪に走る警官はいたがこの世界レベルの奴らはいなかった。

 新世界という凶悪な海賊が多い中で守ってくれるはずのヒーローが敵になるなんて市民に一体どれだけの絶望を与えるだろうか。

 

 私は海軍に“失望”しながら急いで港から走った。たかが10歳の少女、武器を持った成人男性に勝てるわけがない。

 そして逃げながらも私は誓った。もし生き残れたら海軍でも海賊でもない、市民を民衆を守る存在になると。

 

 故郷は小さな島で逃げるには海に出るしかない。自宅に戻ればお母さんとお父さんはいなかった。どうか、逃げ延びることができているよう願うしかできることはない。

 バッグに逃げるのに必要な物を詰め込み、裏口からでると裏庭に生えていたザクロの木に禍々しい果実が実っているのが目に入った。すぐにそれが“悪魔の実”だと分かった。どんな能力なのか分からないし見た目もヤバそうなこの果実を私はもぎ取り、口に入れながらフェンスを乗り越え走った。

 

 なぜか、食べないといけないと思った。

 なぜか、市民を守るには食べないといけないと思った。

 

 納豆に醤油の代わりにコーラを入れ、石鹸を混ぜ、鉄にかけたような味が口いっぱいに広がり吐き出しそうになるがなんとか飲み込む。

 

 飲み込むと同時に視界が真っ赤に染まる。

 

「カハッ!ハァハァ……うゔゥ……」

 

 呼吸ができない。

 

「ヘァガ!」

 

 足が乾いた水のように崩れる。

 

「─────────」

 

 体が影になる。

 

 

 

「お前ら、こっち来い!上玉の女がいるぞ!」

 

 やめろ

 

「いやぁぁぁぁ!来ないで!」

 

「へへっ。そんなに逃げなくてもいいじゃねぇか。おい、足を狙って撃て。殺すんじゃねえぞ」

 

 やめろ

 

「俺らにも後で貸してくださいね?軍曹」

 

 やめろ

 

「おうよ、構えろ!……………てぇ!」

 

『辞めろって言ってるだろうがぁ!』

 

 影は実体となりスタイルのいい女型になる。女型とは別の黒い影が逃げる女性の背中を守るように駆け抜け、銃弾よりも早く女性に到達し影が銃弾を弾き返した。

 

 海兵たちは現実離れした光景に気を取られ足元によってきた影に気付かず、影によって串刺しにされた。

 

「これが悪魔の実の力……」

 

 感覚的に何ができるのかわかる。決して人間が勝てない化け物の力があの悪魔の実によって私に与えられたのだ。

 

「日光がウザい……この能力(ちから)から思うに吸血鬼にでもなったのか」

 

「その割には日光も流水も嫌悪感を感じるだけで特に体にダメージもない。ただ……血が美味そうに感じるのは倫理的になんか嫌だな」

 

 そう思いながらも私は串刺しにされた海兵の血を啜る。今まで食べてきた物のなかでもトップクラスで美味しい。

 

 しかし、傍から見れば黒いものに串刺しになった海兵が真っ黒の女型の化け物に捕食されているように見えるだろう。

 

「あぁ……ぁあ!」

 

 そんな吸血シーンを見てしまった海兵さん。SAN値チェックです。SAN値チェックをする前にその海兵も串刺してしまった。血が影に垂れ4体の串刺し死体の血液が影を辿るように私に向かって伸びてくる。血液は私の体に触れると体に吸収されていく。

 

 とある漫画でこんなセリフがあったな……

 

『血とは 魂の通貨 命の貨幣

 命の取り引きの媒介物に過ぎない

 血を吸う事は命の全存在を自らのものとすることだ』

 

 なら、その漫画の吸血鬼のようになれるのではないか。あの化け物に、人間でいられなかった弱い化け物に。

 

 奇しくもこの悪魔の実の能力は化け物(彼ら)の能力とほとんど変わらない。なら私もヘルメスの鳥となり自らの羽根を喰らい飼い慣らされよう。全ては民衆のために。

 

「そこの化け物!化け物の割にはいい体してるじゃねぇか。お前ら、あいつをやれ」

 

 大勢の海兵が私に銃口を向けてくる。化け物にすら劣情を抱くのかこいつらは。胸糞悪い奴らだ。

 

串刺し公の槍(ツェペシュ・ランサー)

 

 自分の影が一斉に海兵の影に混ざり、今までの海兵同様串刺しになる。視界に入った海兵は全員串刺しにされ、人の後ろで見えていなかった者だけが生き残こる。

 

「お、お前ら……?」

 

 戦友が一斉に殺され何をされたか理解できていないうちに地面を蹴り飛ばし急接近してその勢いで頭をもぐ。頭がなくなった体は力なく倒れ込み、頭部は私によって戦友の元へ渡され戦友の腹にどデカい穴を開けた。

 

 

 

◆loading…………◆

 

 

 

「おいおい、どうなってんだこりゃぁ」

 

「ぶあっはっは!!軍艦が真っ二つにされとるわ!自ら襲っておいてこのざまとはな!」

 

 世界を守る海軍、その中でも指折りの実力者であるクザンと老齢ながらも未だ現役、そして海軍の英雄とまで言われたガープは元帥センゴクに大至急『アラキワ島』に向かえと命令された。

 

 理由も聞かされるず軍艦に乗せられ島に向かって出港してから電伝虫で細かな理由が告げられたのだった。

 

 要約すれば

『G-6の第3支部が反乱を起こして基地に近い島を襲っている』

 とのことだった。

 

 これにはガープもクザンもことの重要さを感じ取り最大船速でアラキワ島に向かったのだ。海軍が一般庶民を襲うなんて言語道断、あってはならないことなんだから。

 

 海軍本部から最短ルートを最速で向かった先で島を見た2人の感想が先の発言だった。

 

 田舎の小さな島には似つかわしくない軍艦が港で真っ二つ割れて沈没している。

 

「おい、お前ら周辺に海賊は見えるか!」

 

「───確認できません!」

 

「ふむ……。じゃあ海賊の仕業ってわけじゃなさそうじゃな」

 

「ガープさん、一般人が軍艦を真っ二つにしたって言うんですかい?冗談きついっすよ」

 

「それもそうじゃが、実際に船はあの状態じゃ……」

 

「総員、衝撃体勢!島から砲撃です!」

 

「なっ!」

 

「ふーむ。クザンお前が対処せい」

 

「なんで俺が……両棘矛(パルチザン)!」

 

 砲弾は全て空中で爆破し船に届くことはなかった。

 

「でガープさんなにか考えてる見たいっすけど何考えていたんですかい?」

 

「こんな島に大砲なんて置いてあるはずがないないんじゃがどうやって砲弾を撃ったのぉ」

 

『全ては民衆のために』

 

「「!?」」

 

 声が聞こえた後ろを瞬時に見れば、そこにはまだ15歳にもならないような黒髪ロングの少女が立っていた。海軍の制服のような純白で統一された毛皮の帽子にマフラー、スーツ、コートと子供らしからない格好でその真紅の瞳が異彩を放っていた。

 

「……お嬢さんどうやってこの軍艦に乗ってきたんだい?」

 

 クザンが優しく彼女()に尋ねる。

 

「貴様らは生きる価値がある」

 

「え?」

 

 想像してた斜め上の返答にクザンは呆気にとられた返答しか出せなかった。

 

「あの船を真っ二つにしたのはオヌシじゃろ?」

 

「あの島にいる海兵は全員殺した。住民はもう海軍を信用していない。貴様らが向かっても火に油を注ぐだけだ。たとえそれが英雄ガープと海軍大将青キジであっても」

 

「全員殺した……!」

 

「軍艦3隻の乗組員全員を!2400人全員をか!」

 

 周りにいた海兵も、彼女()の発言に動揺する。この小さな少女が訓練された大人を皆殺しにしたなんて信じられるわけなかった。

 

「わっはっはっ全員死んだか、ならいい。じゃが、奴らは海賊ども(屑ども)と手を組もうとした奴らじゃが元は海軍じゃ、せめて謝罪くらいはさせてはくれんかの?」

 

「……どんな目で見られるかは分かっているのだろうな」

 

「あぁ、分かっとる」

 

「なら来い」

 

 そうすると彼女()は影に沈んでいき影は船を海を渡って島へ向かっていった。

 

 

 

──────────────────────

 

主人公が食べた悪魔の実

名前【ヒトヒトの実】

分類【ゾオン系幻獣種】

モデル【真祖の吸血鬼(アーカード)

 

 

 

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