魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~ 作:行雲流水
ハイゼンベルグ公爵さまに呼び止められた私は、意外な人物と顔を合わせることになる。
――筆頭聖女さま。
老齢を理由に表舞台から遠ざかっていたというのに、どうして今、私の目の前に立っているのだろうか。アルバトロスの将来を担う方のおめでたい席なので、彼女がいらっしゃることは納得できるけれど、就任式の時には一体何処に居たのだろう。
謁見場全体を見回して、どのような方が来賓でいらしているのか確認していたというのに、筆頭聖女さまを捉えることは出来なかった。まじまじと眺めることは出来ないので、軽く見ただけだから見逃してしまっても不思議はないが。
「初めまして、黒髪の聖女。貴女の話はそこにいる公爵閣下から聞き及んでいます」
ふふふ、と笑って皴を深くしながら、筆頭聖女さまは私から公爵さまへと視線を送る。視線を向けられた公爵さまは苦笑いを浮かべながら、私を見た。あれ、いつも泰然としている公爵さまが珍しい。気圧されているというか、なんというか。
筆頭聖女さまを何度か遠目でお見かけしたことがあるけれど、凄く綺麗に歳を重ねた方だった。公爵さまとそう変わらない年齢だというのに、歳を取っているように感じないし、纏っているオーラも力強い。
若かりし頃はさぞお綺麗だったのだろうなあ。私と同じように彼女も聖女の衣装を着こなしていた。本当に、老齢を理由に表舞台から去っていたのだろうかと疑問になる。それくらいに老いを感じさせない風貌だった。……って、考えている場合じゃないな。
「お初目に掛かります、筆頭聖女さま。ナイ・ミナーヴァ子爵と申します。わたくしを貧民街から救い出してくださったこと、誠に感謝しております」
私の名を告げて、聖女でもなく貴族でもない、一人の人間として頭を深く下げる。彼女は名乗らなかったので不要かもしれないが、流石に名乗らなければ不躾だろう。私たちを見ている周囲がざわついたが、今は放置でいい。以前からお礼を伝えたかったけれど、機会がなくここまで延びに延びてしまったのだから。
筆頭聖女さまの異能『先見』で私を見つけて貰っていなければ、私は貧民街で孤児のままだった可能性が高い。もしくは野垂れ死にしていたか。ジークとリンにクレイグとサフィールも守れなかっただろう。あの日、あの時、隊長さんたちが貧民街に現れたことは感謝してもしきれない。
私たちは貧民街から助け出されたけれど、他にも孤児は居た。公爵さまに願えば彼らも救い出された可能性はある。全て救えないのは理解していたから、何も告げず自分の仲間だけの助けを求めた。
「私は少し先の未来を覗いて切っ掛けを作っただけ。歩むべき道を切り開いたのは貴女自身よ。――マリア・アイゼンシュタット子爵です。気軽にマリアと呼んで頂戴」
一応、私の上司であるから名前呼びはご勘弁をと言いたかったが、上司自身が望んでいるのだからそう呼ぶしかないのだろう。
にっこりと笑みを浮かべる筆頭聖女さま、もといマリアさまに公爵さまが『紹介はしたぞ』と告げて、夫人と一緒にこの場から去って行った。え、公爵さま私を置いていかないでくださいと、その背に訴えるが振り向かないまま人ごみの中へと消えて行く。
公爵さまが居なくなったことでマリアさまと私、一対一の図式が出来上がる。礼を伝えた今、何を話せば良いのか分からないし、そもそも彼女の目的が分からない。
「そのように緊張しなくとも。今や私よりもナイの方がアルバトロスにとって価値が高いのよ」
気軽でいいのよ、と私の顔を覗き込んでくつくつ笑うマリアさま。彼女が『先見』で私を見つけたのは本当に偶然らしい。今はその力を失って未来を見ることは出来ないが、黒髪黒目の少女がアルバトロス教会の測定器を壊す姿が勝手に浮かんできたのだとか。
竜が持つ魔力量まで測れる測定器を壊す魔力の持ち主を見逃す訳にはいかないし、アルバトロス教会ということはアルバトロスに住んでいる可能性が高いこと。そして何より、黒髪黒目は珍しく少し探りを入れればすぐに見つかるだろうと、国と教会に先見で見た内容を告げ、教会騎士や軍が方々探し回る……ことはなかった。
王都の教会が主催する炊き出しに黒髪黒目の私が何度か姿を現していることを教会の人たちが知っていた。マリアさまの話を聞き、存外早く見つけ出すことができたのだとか。教会騎士が貧民街に赴かず、軍の隊長さんたちが姿を現したのは、話を聞いていた公爵さまが教会の人間よりも早く私を見つけろと軍に通達していたそうな。
測定器を壊すような者が本当にいるのならば、アルバトロスの障壁を維持することに暫くの間は頭を抱えなくて済む。教会が存在を秘匿する可能性もあるから、先に見つけたかったらしい。
「私は貴族として生まれ、国の為に生きてきました」
マリアさまは若かりし頃、聖女として戦場に立っていたそうだ。治癒魔術よりも火力に特化していたそうで、戦場では高火力の魔術を放って敵国の軍人を何百何千と殺めたと。
ご時世的に荒れていた時代。そういう聖女が重宝されていたのだとか。アルバトロス周辺を脅かしていた某国の王の死であっけなく終わりを迎えて、先代のアルバトロス王は戦後復興を掲げ、今代の王は周辺国との平和路線を提唱しながら、国の更なる発展に努めている。
「私の若い時代は戦うことで、聖女としての価値が認められましたからね」
公爵さまと一緒に戦場で共に戦ったこともあるらしい。貴族籍だったことと功績と魔力量を認められて、筆頭聖女の座に就いたそうだ。教会の礼拝で胸を押さえて倒れたお婆さんは、筆頭聖女の座を争った仲で今でも関係が続いているのだとか。
戦場に立つよりも、二週に一度の城の魔術陣への魔力補填が、どんなに幸せなことかと噛みしめながら長い時間が流れたと。歳を取ったので全盛期のようにはいかないが、月に一度は城の魔術陣への補填を担っているそうで。
「ナイ、私は貴女の生きる道を縛ってしまったのかもしれません。貴女の魔力はこれ以上とないもので、アルバトロスにとって利用すべき人間でした」
マリアさまは目を細めながら何とも言えない顔をして、賢い貴女であれば貧民街から脱出することは簡単だったでしょう、と。……どうだろうか。死んでいたかもしれないし、生きてどこかで暮らしていたかもしれないけれど。
今、この場に立っているのも、私の後ろにジークとリンが控えているのも、子爵邸にクレイグとサフィールが帰りを待ってくれているのも、ソフィーアさま、セレスティアさま、公爵さまに、副団長さま、他の人たちと出会えたことも。クロが私の肩の上にちょこんと乗っているのも、ロゼさんとヴァナルが私の影の中で待機してくれているのも、多分きっと彼女のお陰だから。
少し先の未来が見えるということは、良いことばかりじゃないはずだ。悪い光景だって見えたことがあるだろう。それをおくびにも出さず、国の為にと走ってきたマリアさまは強い人だ。
「マリアさま。わたくしは生きる道を縛られたなどと考えたことはありません。そして、利用されていたとしても問題はないのです」
温かい食事と寝床。夜、寝込みを襲われる心配をしなくて済んだし、雨風をちゃんと凌げる部屋を与えてくれたこと。教会には厳しい人や嫌な人、いろんな人がいて。魔力補填を始めれば、お城にもいろんな人がいたけれど。
「わたくしの魔力量が多いことは、どこかで露見していたはずです。分かった場所が教会ではなく貧民街であれば、もっと悲惨な道を辿っていたこともありましょう」
貧民街という場所であれば、悪い大人に捕まって売り飛ばされていた可能性もある。魔術師として育てられ、傭兵とかになっていたかもしれないし。奴隷となって、主人の命令に従い人を殺していたかもしれない。考え始めるときりがないけれど、やはり教会に拾い上げて貰ったことは幸運だったのだ。
「アルバトロスの聖女として働いていることは、
これから先もアルバトロスの聖女として生きていく。どんなことが起こるかなんて分からないし、私の魔力でどんな未来に進むとしても。面倒ごとに巻き込まれても、頭を抱えることになっても。馬鹿だなあと誰かに笑われても。貴女の力によって助け出されて、今こうして生きていることに感謝しているから。
「もう一度言わせていただきます。あの場所から助けて頂き、本当にありがとうございました!」
本当にありがとうございます。ジークとリン、クレイグとサフィールが笑っていられるのは貴女のお陰だ。前世で生きてきた知恵があったとしても、必ず限界を迎えていただろう。見捨てたものもあるけれど、一番大事なものは守れたのだから。
「貴女は……いえ、なんでもないわ。そうね、後悔なんてナイに失礼ね」
公爵さまから私の話を聞く度に面白おかしく笑っていたけれど、心のどこかでずっと引っ掛かっていたのだとか。
マリアさまが先見で得た情報を噤んでいれば、私には別の道もあったのだろうと。でも今日は思い切って話をして良かったって。ふう、と息を吐いた後、吹っ切れた顔を浮かべて、マリアさまは私の肩に手を置いて耳元で囁いた。
――アルバトロスをよろしく。
そう告げて私の下を去って行くマリアさまは、先ほどの公爵さまと同じように人ごみの中へと消えて行く。嗚呼、どうあっても筆頭聖女さまは……マリアさまはアルバトロスのお貴族さまなのだな、と思い知らされるのだった。
◇
王太子就任式と筆頭聖女さまと直接お会いしてから数日後。
アルバトロスの筆頭聖女さまである、マリアさまが公式の場に姿を現した理由を聞けなかったなあと、自室のベッドの上に寝転がって考える。クロが私の顔を覗き込んで、スリスリと顔を擦り付けている。手を伸ばして頭を撫でると、目を細めながらじっとしたまま受け入れてくれている。
ロゼさんも子爵邸なので影の中ではなく、ベッドの足元で本を読んでいた。ヴァナルは床で体を丸くして寝ている。偶に体をぴくっとさせているけれど、大丈夫だろうか。犬とかも偶にああしているから心配は必要ないはずだ。病気なら魔術を施せばどうにかなるので、問題はないだろうけれど。
機会があれば筆頭聖女さま、マリアさまが私に接触した理由を公爵さまにでも聞いてみようと、ベッドから勢いをつけて起き上がった。
『うわ!』
「あ、ごめん、クロ。大丈夫?」
私の顔にすりすりしていたクロが、急に起き上がってしまったので驚いて翼を広げながら、二、三歩後ろに下がった。床の上に落ちなくて良かったと安堵しつつ、クロに謝る。顔を見上げたクロは困ったような顔をして、私の膝の上にちょこんと乗った。
『急に動くから驚いたよ』
「ごめんって。考え事してて、ちょっと意識が散漫だったから」
クロが近くにいたことを綺麗さっぱり忘れていたなんて言えずに誤魔化した。
『考え事って?』
膝の上に乗って、私を見上げながら首を傾げるクロ。あざといなあと、今度は手を伸ばして体を撫でるとジッとしている。
「どうして今まで表舞台に立たなかった筆頭聖女さまが、就任式の夜会に参加していたのかなって」
『単純にナイに会いたかったんじゃないの?』
理由の一つかもしれないけれど、それだけじゃ弱い気がする。まあ、王太子殿下に挨拶やら顔見せの意味もあっただろうし、陛下とも話をしただろう。
長期間筆頭聖女さまを務めている方なので、顔が広いだろうし、彼女と縁を持ちたいお貴族さまも沢山いるだろうに。聖女の代表として陛下と一緒に外遊することだってあるというのに。表舞台から遠ざかっているから、暇だったのだろうか。
「まさか。立場がある人だし、私に会うことだけが目的なんて思えないけれど」
夜会だから貴族としても立ち振舞わなければならないし、他のお貴族さまに囲まれることだってあるだろう。そんな中わざわざ私に声を掛けた理由。最後にアルバトロスをよろしくと言われたので、国に尽くせというのは理解できる。でも、貴族としてなのか聖女としてなのか、はたまた両方。
『そうかなあ……?』
クロは私の顔を見上げたまま目を細め、膝から肩の上に飛び移った。就任式を終えたから、次は建国祭でちょろっと聖女として参加すれば、今年度の催し物は終えたようなものだ。
大きいイベントが建国祭くらいだから楽で良い。戴冠式や就任式はそう何度も執り行われるものではないのだし。王族の皆さまの誕生会とかあるけれど、参加することはないだろうなあ。そもそも招待状が送られてこないだろうから。
建国祭ももう直ぐで、仕上げとなる最後の工程で私も魔力を注ぐ手筈となっている。
――で。
また数日が過ぎ、お隣の領事館にある転移魔術陣を借りて、亜人連合国へ向かいドワーフ職人さんの集落へと向かう。
陛下へ向けての贈り物は、リーム王や王太子殿下と一緒という訳にはいかないし、公爵さまやソフィーアさまとセレスティアさま、ジークとリンには竜の素材を使って贈り物をしている訳で。刀身の素材は竜の方の鱗を使い鍛えてもらう。魔力を注ぐと鍛える時間が短くなる上に仕上がりも良くなるのだとか。
ドワーフの職人さんが集う家屋に足を踏み入れると、とあるドワーフさんが出迎えてくれた。
「頼まれていた包丁も仕上がっているぞ。確認してくれ」
なんの前置きもなく部屋の中へと案内されて、机の上に並べられた包丁を見る。二十本ほど打ってもらったけれど、どれも良く切れそうだった。
私が包丁を握ることはほぼないので、子爵邸で働く料理長さんを始めとした、料理人の方々に使ってもらう。材質は鉄だから質は竜の鱗より劣るから、ドワーフさんたちは残念がっていたけれど。私も竜の素材を見てしまった所為で、価値観が随分とズレてしまったので気を付けないと。
「ありがとうございます。邸の料理人も喜びましょう」
とはいえ、使っていれば刃を研ぎ擦り減っていくだろうから、月日が過ぎればまた依頼を出さないと。美味しい物を作るには、料理人さんたちの腕だけではなく、食材や調理器具も大事だろうから。包丁を受け取って大事に大事に布に包み込む。ドワーフさん謹製の品は特別品らしいので、驚かれるかもしれないが、美味しい物を作って頂く為に受け取って頂けると良いのだけれど。
「嬢ちゃん、行くぞ」
「はい」
こっちだと手で合図されたので、ドワーフさんに付いて行く。後ろにはジークとリンが一緒に歩いている。
二人はこの場所に何度か顔を出している所為か、ちょっとずつ慣れているようだ。職人さんたちとも言葉少なめだけれど、会話を交わしている所を見る。まあ、もっぱら鍛えた剣の使い心地の話をしているようだけれど。どんな話題であれ、交友が広がるなら良いことだ。
「職人連中が気になって気になってしょうがねぇみたいでな。少々騒がしいが許してくれ」
ドワーフさんたちは私が魔力を込めることを期待しているようで、鍛冶の現場に職人さんたちが多く集まっているのだとか。
「私は魔力を注ぎ込むだけなので。職人さんたちの邪魔にならないかが心配です」
「そんな心配はいらん。上等なモノに仕上げる為に集中してくれりゃそれで良いんだよ。あとは俺たち職人が気張るだけだからな」
ドワーフさんと会話を交わしながら、鍛冶をしている部屋へと辿り着く。一歩足を踏み入れると室温がぐっと上がった。暖かいを通り越してちょっと暑いかも。鉄か何かを鍛える甲高い音が規則的に響いて、耳に心地いい。
「嬢ちゃんに魔力を注ぎ込んで貰うのはコレだ」
ドワーフさんが顎をしゃくって、とある場所を指した。そこには剣が一本立て掛けられていて、随分と存在感のあるものだった。
竜の鱗をある程度鍛えており、両刃の剣の形になっていた。ただ鍛えている途中の所為か、まだ厚みがある気がする。クロはジークとリンと一緒に居る。危ないし、何が起こるか分からないので二人の側なら安心だ。
「もう一度熱を掛けて、魔力を注ぎ込んで貰いながら俺たち鍛冶師が打つからな。頼んだぜ、嬢ちゃん」
私が立つ場所や魔力を注ぎ込むタイミングをざっくりと聞き、さっそく剣に火を入れる。熱でどんどん赤くなっていき、ドワーフさんが私をみて頷く。魔力を剣に注ぎ込めという合図だった。
ドワーフさんたちから注ぎ込む量は好きなだけつぎ込めば良いと言われていた。ただ私の場合は魔力が強大なので、竜よりは抑えないと素材が耐えられないのだとか。なので、五節分の魔術を使う時と同じくらいが適当かなあと、魔力を練る。炉から放たれる熱気と私の放つ魔力がせめぎ合って、小さな渦巻を作っていた。
「凄いな……よし、気合入れて仕上げるぞ!」
「おう!」
「ああ!」
ドワーフさんたちの威勢のいい声が部屋に響くと、剣を打つ音も同時に響き始めた。ドワーフさん三名でタイミングよく鉄鎚を下ろして、形を整えている。何度も、何度も打ち下ろして刃の強度と切れ味を上げていく。凄いなと感心しつつ、一定量の魔力を継続的に注ぎ込むことが大事と言われているので集中しないと。
いつもより真剣に魔力を練る。魔力操作が下手糞なので、凄く気を使う作業だ。シスター・リズや副団長さまみたいに魔力操作に長けていれば朝飯前なのだろうけれど。
あ、考え事をすると雑になる。せっかく陛下に贈るのだから真面目に取り組まないと。頭の中で考え事をするのを止めて、目の前の作業に集中する。
「もういいぞ! あとは俺たちに任せろ!」
ドワーフさんの呼び声にはっとして、気付く。随分と時間が経っていたようで、剣の形が変わっていた。
「綺麗……」
なんとなくだけれど、刀身が淡く光っているのは気の所為なのだろうか。ドワーフさんたちの手が止まり、汗を拭う皆さま。
こりゃ凄いと集まった他のドワーフさんたちが喜色の笑みを浮かべて、鍛えあがった刀身をまじまじと見ている。あとは柄や鞘をあつらえれば出来上がりなのだそう。鍛えるのとは別作業となるので、もう少し時間が必要なのだとか。建国祭までには仕上がるから、問題はない。
「ナイ、お疲れ」
「汗、凄いよ」
ジークがこちらにやってくると、彼の頭の上に乗っていたクロが私の肩に移動して『お疲れさま』と告げて、顔をすりすりとしている。汗を掻いているのだけれどクロは気にならないらしい。リンから布を受け取って、クロに断りを入れてから顔を拭く。
「ありがとな嬢ちゃん。こりゃすげーもんになるぞ!」
呵々と笑うドワーフさんに私もお礼を告げる。陛下、喜んでくれるかなあ。公爵さまは私が贈った杖をいたく気に入っているから、陛下にも気に入られると良いのだけれど。ドワーフさんと私の合作みたいなものだし、建国祭がちょっと楽しみになってきたなあと、ドワーフさんたちの下を後にしたのだった。