魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~   作:行雲流水

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0328:北からの使者。

 なんだか凄くややこしい事態になっていないかな。サロンで転生者三人が集まって、メンガーさまから話を聞いた。どうにも彼から齎される話と現実に起きていることが乖離して、分かり辛いけれど。

 子爵邸に戻って、アルバトロス上層部に提出する報告書を出す前に頭を整理しようと、自室の机で唸ってる。

 

 ――ミズガルズ神聖大帝国。

 

 国の歴史が随分と長く、北大陸の覇者を名乗る国。メンガーさまのゲーム情報曰く、西大陸よりも文化が成熟しているし、政治も皇帝だけが判断する訳ではなく、お金持ちの商家やお貴族さまが権利を買って政治に参加しているのだとか。

 政治的アレコレはありつつも、基本平和で一般市民の皆さまは安寧に暮らしているとか。奴隷制度は存在しつつも、自分でお金を稼いで解放奴隷となる方や皇族の家庭教師の座に就いた人もいるって。ちょっとローマ帝国みたいだなと思ったのは秘密である。

 

 「神聖大帝国と勇者と魔人……というか魔王か。見事に思惑が絡み合っていないよね。これからどうなるか予想が全くつかないなあ。あっちは魔術や魔力持ちが貴重みたいだし、やっぱり侵略の足掛かり……って考えるよねえ」

 

 ゲームだと魔王が出現して神聖大帝国を恐怖の淵に落とし、立ち上がった勇者が魔王を倒して平和を得るという王道ストーリー。攻略ヒロインには聖女に女聖騎士に魔術師とか定番設定の登場人物がいるのだとか。

 魔王討伐の報酬に帝国の第一皇女さまと結婚するみたい。まあルート次第だろうけれど。これでハーレムエンドだと……アリと言えばアリなのかなあ。一夫多妻は王族関係者が血を残す為や貴族の繋がりを維持するために使う手段だし。女性の立場が弱い国だと、経済力のある男性に囲って貰って生活する為の手段でもあるのだし。

 

 でも現実は当の魔王本人は戦いたくないからと、魔人を引き連れて西大陸へ逃げてきている。神聖大帝国も西大陸に興味はなかったはずなのに、アルバトロス王国を選んで使者を送ってきている。勇者は今現在どうなっているのか情報がないし、向こうの大陸の内情を使者に聞くのは迂闊だろう。どうして知っているのかと警戒されるだけだ。

 

 肥大した国土をさらに広げるべく、西大陸に目を付けた侵略の足掛かりにしか考えられない。

 

 『起こることを沢山思案するのは悪いことじゃないけれど、それに囚われると危ないよ、ナイ』

 

 紙を目の前にして一人で唸っていると、机の片隅にちょこんと乗っているクロが首を傾げながら私を見る。ちなみに私の足元にはヴァナルが丸くなって寝ていて、丁度居心地の良さそうな所にロゼさんが鎮座してる。

 私のベッドサイドにはジルヴァラさんが腰を掛けて、こっちを見ている。気配を醸し出すことを覚えたし、目に見えているし、ちょこちょこと会話も増えている。

 私が学院へ赴いている際は屋敷の中を好き勝手しているようだ。子爵邸で働く人たちに迷惑を掛けてはいないので、好きにして貰っていた。妖精さんだからか、畑の妖精さんと仲良しである。『タネクレ』『シゴトクレ』としょっちゅう声を上げている畑の妖精さんに、種や苗を与えてニコニコしながらその様子を眺めていると報告で聞いた。

 

 って、話がズレてる。

 

 「分かっているけど、気になるよ。大帝国の皇子さまと皇女さまがこっちに来るんだし……なにを目的にしているかも分からないから」

 

 苦笑いを浮かべた私に、クロが机の上から私の肩に飛び乗ってスリスリと顔を擦り付ける。でも、まあ。クロの言う通り深く考え過ぎて、ゲームの展開に囚われる訳にはいかない。要素やポイントを心得てアルバトロスと亜人連合国の皆さまと一緒に立ち回れば良いのだから。

 私たちが転生者であることは知っているし、ゲームが舞台の世界ということも知っているから、随分と立ち回りやすくなっている。メンガーさまも噂を聞いて直ぐに、立ち回ってくれたのだから有難いことだ。椅子の背凭れに背を預けて、背伸びをすると不意にノックの音が二度部屋に響いた。

 

 「ナイ、入っていいか?」

 

 「ナイ」

 

 開放したままの扉の前でジークとリンが立っていた。どうぞ、と入室を促すと二人が足を進める。私も席から立ち上がり、ソファーに移動して再度腰を掛けると、また部屋の扉を二度叩く音が。

 

 「ナイ、少しいいか?」

 

 「部屋にお邪魔してもよろしいでしょうか、ナイ」

 

 今度はソフィーアさまとセレスティアさまが部屋の扉の前に立っていた。追い返す理由もないので、どうぞと部屋に入って貰う。ジークとリン、ソフィーアさまとセレスティアさまが同時に私の部屋に訪れるのは珍しい。ソフィーアさまとセレスティアさまとは執務室にいる事が多く、こっち……私室にくる機会は随分と減る。ジークとリンはプライベートの時間によく訪れている、もちろんクレイグとサフィールも。

 

 「少し聞きたいことがあってな」

 

 「ジークフリードさんとジークリンデさんは楽にしてくださって構いませんわ。仕事というよりも確認の為にナイの部屋に赴いただけですから」

 

 椅子に腰かけたお二人とジークとリンは私の後ろに控えた。そんな二人にセレスティアさまが声を掛ける。確認ってなんだろうと首を傾げると、ソフィーアさまが口を開いた。

 

 「ナイ。えろげー、とはなんだ?」

 

 真剣な顔を浮かべて私を見つめるソフィーアさま。え、ソコ。ソレ。聞きたいことってそれだけ……? いや、確かにメンガーさまが暈して発言するから、ぼそりと呟いてしまったけれど。

 

 「ええ。おとめげーむ、は理解致しておりますが新しい言葉がナイの口から齎されましたので。ソフィーアさんと話して確認しようと参った次第ですの」

 

 どこからともなく出した鉄扇を広げて口元を隠すセレスティアさま。しまったなあ。つい口走ってしまったことが、こんな形で返ってくるとは。

 彼女たちもサロンで私たちが話していたことを、報告書として纏めなきゃいけないから仕方ない。腹を括って言うしかないのか。私が恥を掻く訳ではないのだけれど、純真無垢なご令嬢二人と元の世界の娯楽を知らない後ろの二人がどう捉えるのかが心配なだけで。

 

 「ええ、と……なんと申せばよいでしょうか。乙女ゲームは女性を対象とした恋愛物語というのは分かりますよね?」

 

 私の言葉に真剣に頷く二人。乙女ゲームについてはどんなものか詳しく説明してある。完全に理解するのは難しいだろうけれど、だいたいの大枠くらいは分かっているはずだ。

 私の後ろに控えているジークとリンも真剣に聞いている。彼らも報告書を書かなくちゃならないし……ってジークとリンが部屋にやってきたのはソフィーアさまとセレスティアさまと同じ理由なのかな。

 

 「ああ。前に説明を聞いて理解した。おそらく類似のものだと分かるが、一応確認して他の方々に説明できるようにしておかないといけないからな」

 

 「ええ。手間を取らせて申し訳ありませんが、ナイに聞くのが一番早い上に確かな情報でしょうから」

 

 お二人とも真面目である。どうしよう。高位貴族のご令嬢の口から『エロゲー』と発することになるだなんて。申し訳ない気持ちに苛まれるけれど、説明しなきゃ始まらない。

 

 「女性に向けて作られたものではなく、男性向けに作られた恋愛物語ですね。あと年齢制限を設けているので、性的描写があります」

 

 こう取り繕うしかないよねえ。その手のモノに詳しかった友人曰く、一部のオタクに受けたので、エロゲ業界も細分化されてニッチなものから王道なものまでいろいろと取り揃えてあるらしいけれど。

 

 「……」

 

 「……」

 

 フリーズして黙ったままのソフィーアさまと鉄扇を広げたまま何も言わないセレスティアさま。どうしたのだろうと声を掛けようとすると、再起動したのか目をぱちくりさせた。

 

 「ナイ、もう少し恥じらいを持て。ナイの口からはっきりと性的描写と言われると、どう反応したものか困るだろう」

 

 それは見た目が幼い人間がはっきりと口にするなというアレなのかな。

 

 「知識があるのであれば、いろいろと説明する手間が省けるので構いませんが、ナイの口からそういう言葉を聞くとなんとも言えませんわねえ」

 

 鉄扇を閉じて、私の顔を見るセレスティアさま。案外、普通なのかなあ。まあ彼女たちがどんなものを想像したのかは分からないけれど、伝わったならそれでいいか。

 貧民街出身の私がそういう知識が薄いことの方があり得ない。貧民街に住む女性は、春を売って日銭を稼いでいた人もいるから。リンだってなんとなく分かっているだろうし、性知識は自然と身につくから。

 

 「娯楽が多い所でしたから。こっちよりも、暇つぶしには事欠きませんでしたとも」

 

 言い訳の為に、エロゲについての補足を語ると理解してくれたのか、ソフィーアさまとセレスティアさまは部屋から出て行った。浅く息を吐いて、後ろを振り向くとジークが微妙な顔を浮かべ、リンはいつも通り澄ました顔をしている。

 

 「……どうしてナイが知っているんだ」

 

 「前の友達が詳しかっただけ」

 

 片眉を上げたジークが私に問いかけて答える。

 

 「男の事情というか性事情を話すものなのか……?」

 

 あー……。そっか。オープン度合いが違うから、何故異性の間で性的な話題が上がったのか不思議なのか。こちらの世界では異性間で猥談なんてしないから。

 

 「話の流れでそうなった記憶があるね……って、どうしたのリン」

 

 むっとした顔を浮かべながらリンが私の横に腰を下ろすと、彼女の腕が伸びてきて腕に絡む。

 

 「……また知らない話」

 

 ぼそりと呟いて、私の肩にリンの顔が乗る。私の過去の話を彼女は知らないから、不安に駆られるようだった。

 

 「リン」

 

 名前を呼んで、リンを抱きしめる。本当、どうしたものかなあと天井を仰げば、苦笑いを浮かべているジークに笑みを返すのだった。

 

 ◇

 

 メンガーさまの告白から一週間後。ようするに三学期が始まって少し経った頃に、ミズガルズ神聖大帝国の第一皇子さまと第一皇女さまがアルバトロスにやってきた。

 

 どうやって外交ルートを築いたのか不思議でならないが、魔力や魔術がある世界だし、竜や不可思議な生き物が沢山生きている世界である。移動手段に飛行機や電車を使わずとも、長距離移動が可能な世界である。

 各国との調整さえつけば、転移魔術陣を使用することだって可能である。西大陸北部の国と北大陸沿岸部の国同士で国交があったのかもしれないし、その辺りはお偉いさん方だけが知っていること。必要になれば私にも情報が齎されるから、今考えても仕方ない。

 

 公爵さまと宰相さまに望まれた通り、アルバトロスの陛下と大帝国の皇子さまと皇女さまとの謁見に参加する為、侍女さんたちの手でお着換えを終えた所だった。ありがとうございます、と侍女さんたちにお礼を告げると、ご当主さま頑張ってくださいねと言葉を頂き部屋から去って行く。

 謁見場に突っ立っているだけなので頑張るもなにもないのだけれど、謁見を終えた後になにかありそうだよなとは考えている。公爵さまと宰相さまが意味なく私を謁見場に召喚する訳はないだろうし、なにかしらの意図はあるだろう。侍女さんたちが出て行った扉の前に、気配を感じて顔を向ける。

 

 「ナイ、準備できたか?」

 

 「……入るね?」

 

 教会騎士服に身を包んだジークとリンが部屋の扉の前に立っていた。お着換えだからと部屋の外に追い出されていた、クロとロゼさんとヴァナルも一緒だった。ソフィーアさまとセレスティアさまとは、それぞれの家で準備を済ませお城で合流する手筈になっている。

 

 「うん。入って良いよ」

 

 そっくり兄妹がゆっくりと部屋に入ってくるなり、ジークの頭の上に乗っていたクロが飛び立って私の肩に乗る。ジークの頭皮は大丈夫かなと心配しつつ、クロに視線を向けると目を細めて尻尾をぺしぺしと何度か揺らす。

 ロゼさんとヴァナルはお出かけすると分かっているのか、私の影の中へと潜り込む。おもむろに手を机の上の花瓶に伸ばして黒薔薇を二輪、手に取り状態保存の魔術を施した。

 

 「今日も一日よろしくお願いします」

 

 ジークとリンに声を掛けて、二人の胸ポケットに黒薔薇を挿し込んだ。

 

 「ああ」

 

 「うん」

 

 笑みを浮かべるジークとリンと私でグータッチをして、お屋敷で働く人たちとクレイグとサフィールに行ってきますと挨拶をして屋敷を出た。

 王城までは時間は掛からず、見慣れた馬車からの景色を眺めていれば城門を抜けて馬車回りへ辿り着く。先に待っていてくれたソフィーアさまとセレスティアさまと合流して、近衛騎士さまの案内で謁見場控室に案内される。部屋の中には公爵さまと辺境伯さまがいらっしゃり、おいでおいでと手招きされた。

 公爵さまの手招きって珍しいなあと首を少し傾げながら歩いていくと、椅子の上で小さくなっているメンガーさまの姿が。どうしてこんな所にいるのだろうと訝しんだけれど、ミズガルズ神聖帝国の情報元は彼だった。

 報告書にしっかりはっきりと彼の名を書いたし、ゲームと齟齬があるならば直ぐに確認できるから、公爵さまたちに呼ばれてしまったのだろう。なんだか居たたまれないくて彼に小さく頭を下げると、公爵さまに座れと告げられる。

 

 「さて、向こうさんはどうでるのか。アルバトロスに益を齎してくれるのであれば良いが、不利益ならば……」

 

 公爵さまの言葉尻で凄い気配を発していた。不利益を齎したなら、単身で大帝国の半分くらい潰してこい、なんて私に言い出しそうな勢いである。公爵さまの覇気に当てられてメンガーさまが『ひえ』となっているけれど、敵対しなきゃ大丈夫なので安心して欲しい。

 

 「ええ、本当に。目的がはっきりとしない上に、国力は向こうが確実に上。上手く立ち回らねば」

 

 辺境伯さまは相手と敵対した時のことを勘定しているのだろうか。辺境伯さまの気迫に、またメンガーさまが『ひえ』と息を吸い込み縮こまっていた。高位貴族のご当主さまを務める人たちの雰囲気って独特だから、慣れないとメンガーさまのようになるのか。どうも公爵さまとの付き合いがあるので、感じ方や捉え方が鈍くなっている。

 

 「あの……」

 

 格上のご当主さまが話している所に邪魔をしてはならないのだが、気になることがあるので挙手をした。私の後ろ盾を担ってくれているお二人なので、問題は少ないだろうけど。

 

 「どうした、ナイ」

 

 「ミナーヴァ子爵?」

 

 公爵さまと辺境伯さまが私を見る。咎められないので、気になることを聞いてみようと口を開く。

 

 「質問をよろしいでしょうか」

 

 私の言葉にこくりと頷いてくれたお二人に『謁見内容は決まっていないのですか?』と問いかける。どうやら今回はミズガルズ神聖大帝国『(みかど)』の名代として第一皇子殿下が挨拶をすると言うことらしい。

 が、ここは外交の場である。挨拶だけで終わるはずがないと踏んでいるようだ。謁見の場なので、本当に挨拶だけで終わるかもしれないが、終わった後で取引やら駆け引きやらがあるそうで。ようするに表ではニコニコと挨拶しながら、裏では足の踏み合いど突き合いがあるかもしれない、と。

 

 「皆さま、謁見場への入場を開始いたします」

 

 三度のノックの後、入室の許可を得た近衛騎士さまが扉の前に立って告げた。どうやら入場時間が訪れたようだ。公爵さまと辺境伯さまのご威光で、入場順は最後の方だろう。

 小市民よろしく端っこの方で小さくなっていたかったけれど、無理そうだなと苦笑いを浮かべると、メンガーさまが妙な顔になっている。大丈夫ですかと声を掛けると『緊張して胃が痛いです』とのこと。

 そういえば謁見場に入るのは初めてだったか。私も一番最初は緊張したし、厄介なことに巻き込まれたと頭を抱えていたけれど、メンガーさまは自分から厄介なことが起こるかもしれないとアルバトロスに申し出たのだから、確りしている人だ。私なんて、嫌だ嫌だと心の中で唱えていたから、本当に人間としてできた方である。お味噌さんとお醤油さんについても、失敗したのに諦めていないようだから。

 申し訳ないなあと、公爵さまと辺境伯さまの許可を頂き、痛みが和らぐ魔術をメンガーさまに発動させておいた。顔色が少しマシになったけれど、まだ緊張している様子。こればかりは慣れだなあと『頑張りましょう』と声を掛けて、みんなと一緒に謁見場へと向かう。きょろきょろと周りを見回すと、代表さまにお姉さんズに聖王国のお偉いさん。ヴァンディリアとリームのお偉いさんに周辺国のお偉いさんまでいらっしゃる。上手くいけば北大陸との外交ルートが開けるし、一大チャンスなのだろうか。

 

 ――陛下、ご入来!

 

 腹に響く声が届くと、ステージ横の扉から陛下がゆっくりと歩いて玉座に腰を下ろした。反対側の扉からは、王妃さまと王太子殿下に王太子妃殿下も姿を現した。そうしてまた暫く待っているとミズガルズ神聖大帝国、第一皇子殿下と第一皇女殿下が正面の大扉から赤絨毯を優雅に歩いて、陛下の前で頭を下げる。

 

 「ミズガルズ神聖大帝国第一皇子、サルバドール・ミズガルズと申します。此度は我が国の帝の名代として参りました」

 

 「同じく、第一皇女、ベルナルディダでございます。西大陸で勇名をはせるアルバトロス王との謁見、恐悦至極でございます」

 

 神聖大帝国の皇子さまと皇女さまが陛下に向かってしずしずと挨拶をして、この場に集まっている人たちにも短く言葉を下さった。

 あれ、大国なのに小国であるアルバトロスを見下していない。今までのパターンだと見下した態度や言葉を取っている方々がほとんどだったのに。おかしいと一瞬頭に過ぎるけれど、むしろ今までがおかしくて目の前の光景が普通なのでは。

 

 陛下は彼らの言葉に抑揚に頷いて、ここまでの道程を労う。

 

 「貴国の魔術体系や文化に興味があります。今日この日を機に良き交流を持てることを期待いたします」

 

 第一皇子殿下が恭しく礼を執ると、第一皇女殿下がアルバトロスへの献上品を差し出した。なんだろう、この普通のやり取りと訝しんでいると、何事もなく謁見を終えたのだった。


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