魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~ 作:行雲流水
――なんで納豆は成功するのだろう。
いや、うん。フィーネさまが喜ぶから構わないけれど、納豆菌が繁殖すると醤油やお味噌を作る為の麹菌が育たなくなるらしいから。
副団長さま経由で魔術師団の方々に保温庫を製作して貰い、お屋敷で菌を繁殖できるように頑張っているけれど失敗の連続だ。メンガーさまが麹の必要ないお味噌の作り方もあると教えてくれたけれど、うろ覚えらしくレシピ作りは難航中。どうにも成功しないので、こうなれば大豆を自前で用意しようと子爵邸の裏庭にある家庭菜園畑にやってきていた。
「食い意地張り過ぎじゃねえか?」
「子供たちが喜ぶから僕は有難いけれど……まあ、ナイだからね」
暇つぶしと言って私についてきたクレイグと、託児所の子供たちを連れてきたサフィール。いつも一緒のジークとリン。ようするに幼馴染組が勢揃いして、家庭菜園畑の横に立っていた。
畑の妖精さんたちが気合を入れて育ててくれている作物は、子爵邸で働く料理人さんたちや女性陣に好評である。美味しいし、量があるので、家計の足しになっていると。結構早く育つから、畑の土が痩せないかなあと心配していたら、妖精さんが『ヒリョウクレ!』とドストレートに訴えるので、心配は必要ないようだった。
「食い意地を張っているのは自覚してる。でも、食べたいから仕方ないじゃない」
お味噌さんとお醤油さんが手に入れば、日本食を食べる機会が絶対に増える。お米がないのが頂けないけれど、南の島の大蛇さまが住まう沼地のお米もどきに期待している。
お米さまが手に入る前にどうしても、お味噌さんとお醤油さんは手にしたいのだ。焼きおにぎりとか美味しいだろうし、お味噌を塗ったおにぎりも絶対に美味しい。口の中に涎が溢れるのを感じて、喉をごくりと鳴らす。私の足元で両手を上げた畑の妖精さんに囲まれる。
『タネクレ!』
『シゴトクレ!』
本当に社畜精神溢れる妖精さんだなあ。お婆さまとお姉さんズ曰く、妖精だから二十四時間、三百六十五日働いてもなにも問題はないと。過労死はせず、仮に消えたなら土地の魔素が薄くなった証拠なのだとか。魔素が土地に在る限り、永遠に働き続けるという宿命を持った畑の妖精さんの下にしゃがみ込む。
「ごめんね、私たちで大豆さんを植えたいから少しだけ我慢して欲しいなあ」
私の言葉を聞いた妖精さんが、しょぼんと肩を落として畑に戻っていく。いや、そんなに落ち込まなくてもと苦笑いになりながら、畑の片隅に大豆用に作った畝へ種を蒔く。
託児所の子供たちも一緒に土いじりをしているのだけれど、子供たちは元気いっぱいだ。王都だと土を触る機会なんて少ないだろうし、楽しいみたい。小さく掘った穴に大豆の種を数個入れて、土を被せる。
畑から納豆ができたら怖いなあ、と余計なことを考えてしまい頭を左右に思いっきり振った。凄く怖い絵面だし、納豆の匂いが周囲に充満しそうだ。好きな人は喜ぶだろうけれど、納豆を知らない人が多いから『なんじゃこりゃー!』となりそうだ。
また騒ぎになっても大変なので、真っ当な大豆さんに育ってねと祈っておく。そういえば大豆さんができたなら、挽いてきな粉を作っても良いなかな。お砂糖をまぶしておはぎが作れると良いのだけれど、もち米って存在するのかな。
『聖女さま』
ふいに呼び止められて顔を上げると、いつの間にかエルが畑の横に居て私を見ていた。
「どうしたのエル?」
ゆっくりと立ち上がってエルの下へ行き、口元を撫でると目を細めて受け入れてくれる。少し遠くにはジョセとルカの姿が。
『ルカが遊んで欲しいと申しておりまして……ご迷惑でなければ、ルカと遊んでやって頂けないでしょうか?』
ぐしぐしとエルの顔を指で撫でていると、肩の上のクロがぐしぐしと顔を擦り付ける。そんなに主張しなくても良いのに、対抗心なのか単純に相手をして欲しいのか。いまいち分からないけれど、クロが良く取る行動だった。
「種蒔きが終わったから構わないよ。あと子供たちも一緒に良いかな?」
エルの言葉に了承する。何故かエルは妖精さんが間引いた苗をむしゃむしゃ食べている。
『はい。もちろんです』
むしゃむしゃしているのに言葉がきちんと聞こえるのは、念話のようなもので話しているからだろう。エルと他のみんなと一緒にジョセとルカの下へと歩いて行く。
『聖女さま。ルカが我儘を申して申し訳ございません』
「気にしなくていいよ、ジョセ。ルカも遊びたいならいつでも言ってね。無理な時は断るけれど、今日みたいに暇なら付き合うから」
ジョセと話して、手に持っていた苗を手渡しすると口先で器用に取って、むしゃむしゃとジョセが食べ始めた。ルカは私と遊びたいのか、くるくると周って立ち止まり前脚で地面を軽く蹴っている。
私が近づくのを待っていられなかったルカは、顔を寄せて撫でてと主張する。そんなルカに苦笑いを浮かべて、手を首元に持っていき指をしっかりと立ててマッサージ。ルカの身体は随分と大きくなり、ジョセと大差なくなっていた。筋肉も随分と付いて仔馬らしさなんて、微塵も感じられなくなっている。
「そういえばルカ。ルカは北大陸には行ってないの?」
ふと、気が付いて聞いてみた。東のアガレス帝国に顔を出したようだし、ルカの気分次第で北大陸にも向かっているんじゃないかな。少しでも情報が欲しいし、話ついでに聞いてみても問題はない。私の声にルカが鼻を鳴らして答えてくれるけれど、残念ながら天馬語は分からない。ジョセの顔を見ると、苗を食みながら目を細めて教えてくれる。
『行ったけれど寒くて直ぐに戻ったそうですよ。確かに北大陸は西大陸や東大陸よりも夏の時期が短く、冬が随分と長いと聞きます』
ジョセが追加で情報をくれた。北大陸というだけあって、冬が長いのか。まさか食料難で西に接触を持ったとかかな。アルバトロスは小麦の輸出を各国へ行っているし、北も小麦が目的だろうか。でも、アルバトロスを手に入れたとしても飛び地だものなあ。ただ食糧難に喘いでいて、アルバトロスを食糧庫とするなら、十分な価値があるだろうから気を抜かない方が良いな。
「そうなんだ。確かに神聖大帝国の人たちの恰好って暖かそうな服装だったね」
ジョセと喋っているとルカが私の胴体と腕の間に顔を突っ込んでくる。既に馬体が大きくて、前みたいに顔をすっぽりと挟み込めない。ブフーと鼻を鳴らすルカの顔に両手を伸ばして、ゆっくりと撫でた。まだ子供気分が抜けないようで、特殊個体といっても精神面はまだまだ大人には程遠いようだ。
『ルカはまだまだ子供ですね』
『大きくなりましたが、お腹を痛めて産んだ仔です。いつまでも子供ですよ』
エルとジョセの言葉に、そういうものなのかと首を傾げる。親という感覚がイマイチわからない。
「そういうものなの?」
ルカの顔を撫でながら、エルとジョセを見上げる。
『そういうものかと』
『そういうものですねえ。自分が産んだ仔はいつまで経っても子供ですし、可愛いものです。未来を思い、幸せであって欲しいと私は願っていますから。聖女さまも番を得て子を産めばご理解できるかと』
ジョセが目を細めながら、私に言った。親がいなかった私にはどうにも理解し難い感覚だった。確かにジョセの言う通り子供を産んで親になれば分かることかもしれないが。施設で育ち、職員の人や年長者に世話になっていたし、私も年長者になれば下の子の面倒を見ていた。
歳早く結婚して家庭を築き子供を儲けていた子もいたが、上手く子育てをしていた人もいれば、悩んでノイローゼになった子も知っている。彼女たちをみて『大変そうだな』と、なんとも他人事な感想を漏らすくらいで、結婚よりも日々を過ごす為に必死に働いていた記憶の方が強い。
「そっかあ……って、ルカっ、どうしたの?」
ルカが上手に首を使って、私を胴体の上に乗せて走り始めた。遊んで欲しいと言っていたし、あまり構わなかったことに腹を立てたのだろうか。
凄い速度で庭を走るルカの背に、どうにか体勢を整えて鬣にへばりつく。馬って結構揺れると聞いていたのだけれど、ルカの背の上はあまり揺れない。六枚翼をばさばさ動かして凄いことになっているけれど、気にしちゃ駄目。
「ルカ。ルカー! そろそろ止まって!」
というか屋敷の廊下を歩いていたセレスティアさまと視線が合った。物凄い目を見開いてガン見されたから、直ぐこちらにやってくるだろう。辺境伯家のご令嬢さまが鞍の付いていないルカの上に騎乗することが、果たして叶うのかどうか。――まあ、彼女なら天賦の才で綺麗に乗りこなす事ができるのだろうなと、ルカの背に必死にしがみつきながら、しばらく子爵邸の庭をルカと共に駆けるのだった。
◇
ルカは私を乗せていても疲れた様子は全くないようで、いつまででも走っていられそう。黒い天馬のルカは普通の天馬さまより体力があるし、力も強くよく食べて元気いっぱい。ルカの背中に乗せられて子爵邸の庭をぴゅーと好き勝手に駆けていると、セレスティアさまが鬼の勢いで私の下へやってきた。
「ナイ、ナイ! 羨ましいですわっ!」
若干息切れしたセレスティアさまが私を見上げて、声を掛けられた。あ、誰かを見下ろすって凄く新鮮な感覚だ。馬車から降りる際にエスコートを受ければジークとリンを見下ろすことは良くあるけれど、セレスティアさまを見下ろすことはほとんどない。ちょっと気分が上がって、考えたことを口にする。
「鞍が付いていませんが……乗りますか? ルカも良い?」
ルカならば二人乗っても大丈夫だろう。天馬さま、というかルカは競走馬であるサラブレット種のようでいて、かなりがっしりとした体形だ。馬体もかなり大きいし、エルとジョセ曰く『お二人程度なら容易いですよ。女性ならば尚更です』と教えてくれている。
「…………っ!!」
私の言葉にセレスティアさまは言葉にならないほどの喜色に溢れた顔になり、ルカは鼻を鳴らして前脚で地面を掻いている。
どうやらセレスティアさまとルカは問題ないようで、私が右腕を差し出すと彼女の手が重なる。よいしょと腕に力を入れると、セレスティアさまがひょいとルカに飛び乗った。随分と体高があるルカの背に簡単に跨るセレスティアさま。簡素なドレスでお嬢さま座り……横座り……で良いのかな、ではなく、ちゃんと跨っているのだけれど他の人が見れば驚かれるのでは。
「少し狭いですね」
横座りでルカの背の上にいる私は、ルカの背に跨ったセレスティアさまの顔を見ると少し視線を外して考える様子を見せた。
「ルカの翼がありますものね。ナイ、わたくしの前に」
普通の馬と違って天馬さまには翼が生えているので、人間が乗るにはちょっと狭くなってしまう。セレスティアさまの腕が私の脇の下に伸びてきて、強制的に体の向きを変えられた。ちょこんとセレスティアさまの間に挟まった私。両脇からはセレスティアさまの腕が伸びていて、ルカの鬣をしっかりと掴んでいる。乗りやすいけれど、子ども扱いのような気がしてならない。
「さあ、参りますわよ、ルカ!」
セレスティアさまの声にルカが嘶きで答える。
「うわ!」
嘶きついでに、ルカが前脚を地面から離したので落ちそうになるのだけれど、私の後ろはセレスティアさま。身長と座高の所為で、私の頭が彼女の胸にぽすんと嵌った。服と高級下着に遮られているから、直接の柔らかさはないけれど『むにっ』とする感触は十分に伝わった。というかリンより大きいのでは。
私が知っている限り、大きいのはリンだ。なにがとは敢えて言わないが。セレスティアさまがルカに声を掛けると、凄い勢いで走り始めた。車の速さをしっているけれど、ルカの速度は車にも劣らない気がする。広いとは言い難い子爵邸の庭をルカは縦横無尽に駆け回り、セレスティアさまかなりハイになっている。
私はがっくんがっくん揺れるルカの背の上で耐えているだけだ。ジークとリンにエルとジョセ、私の肩からいつの間にか避難しているクロは見ているだけだし。誰か助けて、と叫びたいけれど、嬉しそうにルカの背に跨るセレスティアさまのことを考えると忍びない。耐えているとようやく満足したルカが立ち止まってドヤとこちらに首を向けた。
「ルカ、貴方さまは凄く足が速いのですね!」
彼女も満足できたのか、普段よりテンションが高かった。私はようやく激しい振動から解放されて、胸を撫で下ろしていた。クロの鞍を考えていたけれど、ルカが身に着ける鞍も作って貰おうかな。鞍があれば振り落とされる心配も緩和されるだろうし、振動もマシになるのかなあ? 分からないけれど、ルカと相談した上で製作依頼をかけてみよう。
「心惜しいですが、降りましょうかナイ」
しゅんとなっているセレスティアさま。そんなに惜しいのかと苦笑いして。
「はい」
彼女の言葉に頷くと、いつの間にかリンが駆け寄って両手を差し出した。リンの後をジークとエルとジョセがゆっくりと近づいているのを視界の端に捉えた。どうやら私がルカから自力で降りられない事を察知したようで、リンはにっこりと笑っている。腑に落ちないとルカの上で唸っていると、後ろのセレスティアさまが私を抱きかかえてリンへと渡された。
「ナイ。食べているのは知っているのですが……軽過ぎではないでしょうか?」
片眉を上げたセレスティアさまが私に声を掛けた。
「…………身長が低いので」
うぅ。私だって平均身長くらいは欲しかったけれど、平均まで伸びなかったのだから仕方ない。夏休みを終えると子爵邸のご飯の品数が増えて結構な量を食べているし、出されたものは残さない主義なので完食しているのだけれど……体に栄養が回る気配がなく。ふうと息を吐いてリンに地面に降ろして貰った。セレスティアさまもルカから降りてお礼を告げており、私もルカにお礼を述べる。
『皆さま、ルカが申し訳ありません』
『どうも相手にして欲しかったようで』
ゆっくりと私たちに歩み寄ったエルとジョセが頭を下げる。気にしないで良いよ、と天馬さまたちに答えてセレスティアさまとジークとリンに私は執務室へ赴いた。部屋の中には家宰さまとソフィーアさまが居て、セレスティアさまの顔を凝視している。どうしたのかと首を傾げながら執務机に座ると、ソフィーアさまがセレスティアさまを見た。
「ようやく戻ってきたか……なにをしていたんだ、セレスティア?」
「ルカの背に乗りましたの! わたくしとナイを乗せてもとても速く走りますわ!」
問いかけたソフィーアさまが『しまった』という顔になった。セレスティアさまの大好きな幻獣の話である。下手をすればいつまでも語っている可能性もあり、余計なことをこれ以上言わないようにと警戒していた。幻獣の話になると彼女は嬉々として長口上になるので、話を伸ばさないように書類の方へと目を向けた。ふふふ、と悦に入っているセレスティアさまは放置して、ソフィーアさまが私の前に立って一枚の書類を差し出した。
「ナイ。メンガーからの報告書だ。目を通しておいた方が良いだろう」
報告書に落としていた視線を上げて、ソフィーアさまにお礼を告げた。メンガーさまから国を経由して、子爵邸に届いた書類に目を通す。内容は北大陸を舞台としたゲームの詳しいことだった。
ある日、勇者の力に目覚めた主人公は強い魔物を狩りながら、神聖大帝国の首都である大帝都で武芸大会に出場する。そこで高位のお貴族さまの目に留まった勇者は、帝室経由で第一皇女殿下や聖女さまに聖騎士さまと魔術師さまと顔合わせすることに。
伝承に基づいて魔王討伐を掲げていた勇者と、勇者が現れたことにより魔王が生まれたと悟った高位貴族や帝室は思惑が合致して協力体制を取った。勇者を好待遇で迎え、魔王を討伐できれば第一皇女殿下と婚姻を結ぶと、報酬として提示した。ゲームでは個別ルートが存在するので、物別れになるルートもある。魔王討伐(笑)を一人で成し遂げた勇者さまはハーレムを求めているので、そこは重要ではないので割愛。
魔王討伐を邪魔する高位貴族と対立したり、勇者を取り入ろうとするお貴族さまを倒したり、割と政治的なイベントが多かったとか。帝室の権威が弱くなってきており、第一皇女殿下に勇者さまを宛がおうとしたのは、大帝国民からの人気取りが理由にあるみたい。
勿論、ラスボスは魔王さまなのだけれど、件の魔王さまは亜人連合国で保護されている。魔人の方々は北大陸に住まう人たちと同等の技術や知識を持っているので、代表さま……というよりエルフのお姉さんズであるダリア姉さんとアイリス姉さんがいろいろと聞きだしているそうだ。代表さまは、ドワーフの職人さんたちやエルフの方々がやり過ぎないように、ストッパー役。
神聖大帝国の第一皇女殿下と聖女さま方に、勇者の姿絵を拝んだメンガーさま曰く、ゲームのキャラと相違ないとの事。
一番ゲームと変わった所は勇者さまは帝室が囲ったはずが、高位貴族さまに先に手を出されて庇護下に入ったことだろう。あともう一つが十八歳を超えていなかったこと。
その事がゲームとの乖離を生んだのかは分からないが、確実にゲームと現実では違いを見せている。ただ今起こっているのは、アルバトロス王国内での出来事ではなくミズガルズ神聖大帝国内で起こっているのだ。アルバトロス王国が介入するなんて出来ないし、やったらやったで内政干渉になる。傍から眺めて、彼の国の動向を見ながら対策するしかない。
「三学期が終わると、新学期は直ぐですからね」
私は皆の顔を見ながら声を上げた。三学期はもうすぐ終了になる。春休みを終えると、新学期を迎えて三年生に進級する。
「だな。何事もなければいいのだが、こればかりは分からないからな。用心しておくべきだが……ナイ、進級試験は大丈夫か?」
ソフィーアさまは言葉の最後に微妙な顔になっていた。いろいろと起っているが、勉強も抜かりなく進めている。以前のように名前の書き忘れや回答記入が一段ずつズレていないとか、ポカミスさえなければ問題なくクリアできるはずなのだ。
「大丈夫です。二年生は一年生の時より時間があったので。それにソフィーアさまとセレスティアさまとロザリンデさまに教えを乞うていますから」
そう、三人から師事しているのだ、私が落ちれば恥ずかしいし彼女たちの顔に泥を塗ることになる。アリアさまも分からない所は積極的にお三方に聞いていた。
というかアリアさまは持ち前の明るさで、ソフィーアさまとセレスティアさまとの距離を詰めているので、彼女の人懐っこさが羨ましい限りだ。進級試験を落ちたら恰好が悪いなと、気合をいれなおすのだった。