魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~   作:行雲流水

363 / 740
0363:勇者さまの想い。

 北の青年が個人Aランクを取得して、しばらく時間が経った。ギルド本部の掲示板には『竜が暴れているので、討伐依頼をお願いしたい』という珍しい依頼が張り出され、冒険者たちの興味を引いていた。

 募集要項には、Aランクパーティー以上が複数構成されていること、という文字が踊り、討伐の難しさを物語っていた。厳しい戦いとなるのは理解しているので、ギルド本部も依頼者も巨額の成功報酬を出している。誰か困っている人がいるならばSランクパーティーとして参加すべきである。

 

 「みんな、この依頼を受けよう。困っている人たちがいるなら冒険者としての使命を果たさなきゃね」

 

 己の命とみんなの命を掛けなければいけないけれど。みんなの顔を見る。命を掛けなければならないのはいつものことで、僕が率いるメンバーも誰も士気は落とさず、むしろ竜という強敵と戦えることに胸を躍らせていた。

 僕たちより力のない普通の人たちはきっと竜の脅威に怯え、日常の生活もままならないだろう。魔獣や魔物の脅威に立ち向かうためにギルドは設立されたのだ。ギルドの一員であるならば、ギルドが掲げた理念に従わないと。

 

 「はーい!」

 

 「ああ!」

 

 「うん!」

 

 「おう!」

 

 調子の軽い声、確りと腹から出した声、いろいろな人が僕と一緒に戦ってくれる。自分たちの役割を理解し、それぞれが担った仕事をこなして――ふと、誰かの足音が聞こえて、そちらへと顔を向ける。そこに立っていたのは北の青年で、真剣な眼差しで僕を見つめていた。

 

 「竜の討伐へ向かうと聞きました! お願いします、俺を貴方のパーティーに入れてください!」

 

 がばり、と勢いよく頭を下げる北の青年。さて、どうしたものか。個人Aランクの力を持っているならば、十分な戦力を有しているけれど……。

 

 「それは……どうだろう。竜は凄く強い生き物だ。連携も取れていない君を臨時で入れたとして、君の実力を遺憾なく発揮できるのは難しいと思う。だからもし君が参加するなら、今まで組んできた仲間と組む方が実力を発揮できるよ」

 

 それに複数パーティー募集だからね、と言葉を付け加えて北の青年の望みを断った。だってそうだろう。いくら個人で強くとも、今回はチーム総力戦となる。彼の実力も扱う得物や魔術もどんなものか知らないし、急場で編成したところで下手をすれば総合的な実力を下げるだけかもしれない。

 だからリーダーとして、彼の望みを受け入れる訳にはいかなかった。パーティーメンバーも僕の意見に賛成のようでなにも言わない。もし、彼の力が欲しいならば、僕に助言をくれていたはず。

 ふう、と息を吐き目の前で立ち竦んでいる青年を見る。申し訳ないことをしたけれど、生き延びる確率は高い方が良い。僕たちSランクパーティーは最も危ない場所へと配置される可能性も高いのだから。まだ命を散らすには早すぎるだろう……って僕も彼と同じくらいの年齢だった。どうにも達観し過ぎて年寄り臭い考えになるのは如何なものか。

 

 「俺の実力が認められないということですか?」

 

 「違う、そうじゃないよ。君は個人Aランクを所持する実力者だから強さに関して疑う余地はない。ただ僕たちと組むには練度が足りず、お互いに実力を出せなくなると言いたかっただけだよ」

 

 冒険者がギルドが定めた実力を疑えば、ランキングシステムの信頼性が下がってしまう。すなわち僕たちのSランクパーティーという看板の価値が落ちてしまうのだから、疑うなんてあり得ない。目の前に立つ青年に、少しばかりの危うさを感じ始める。僕の仲間も同じようで、少し身構え始めた。

 

 「なら! 一緒に戦わせてください! どうしても心の底から愛している女に認めて欲しいんです!」

 

 北の青年の目的を知っていたけれど、臆面もなく大声で叫んだことを褒めるべきなのだろうか。確か、一夫一婦制と聞いているし、西大陸の各国も王族の方々以外は一夫一婦である。お金を沢山持っていれば愛人を囲んでいる貴族がいるけれど、大ぴらに公言はしないもの。

 

 「君の気持ちは分かるけれど、一夫一婦制を採用している国に望むべきことじゃないと気付いている?」

 

 「なにを言いますか。俺は北で魔王を倒しました。ミズガルズの大貴族や帝室は俺を認めていませんが、いつか必ずベルナルディダたちには俺のことを認めて好きだと言ってくれるようになる」

 

 「君の誰かを好きだという気持を否定したくはないけれど……それよりまず先に北の帝室の方々を呼び捨てはいけないよ。僕も君も平民だから、立場はちゃんと理解しておいた方が良い」

 

 「理解をしていないのは貴方だ。俺は魔王を倒し、勇者を名乗る資格がある。だからベルナルディダたちを娶る資格は十分にあるし、俺を試すために彼女たちから試練を与えられた! この西大陸で強くなれ、と!!」

 

 確かギルドの話では彼が勝手に皇女殿下方に強くなると言って、勝手にその場を去ったと聞いている。片方の言い分を信じる訳にはいかないが、王政や貴族制度の在る国では個人の言葉よりも、国や貴族の方を重く取る。彼の言葉を鵜呑みにするのは危険だ。ふと、パーティーメンバーが僕に近寄って耳元で囁く。

 

 「うわぁ……リーダー。巻き込まれてませんか、私たち完全に」

 

 「みたいだね…………」

 

 北の青年に聞こえないように、彼を刺激しないようにと気を払いながらメンバーと話を交わす。もう一度断ろうと口を開こうとしたその時、ぱたぱたと木の床を踏みしめて、冒険者ギルドの受付嬢が掲示板の前に立つ。

 

 「冒険者のみなさーーーん! 竜の討伐依頼は取り消しとなりました!! 依頼を受けようとしていた方々には申し訳ないのですが、取り消し、取り消しでーーす!!」

 

 確か彼女は以前はアルバトロス王国の冒険者ギルドに勤めていた子だったか。一時期、好きな上司の下から離れてしまって気落ちしていたけれど、元気になったようでなによりだ。

 そうして彼女は掲示板に貼られていた竜の討伐依頼の紙を回収して、そそくさと別部屋の事務所へと姿を消す。少し取り消された経緯が気になって、顔馴染みの受付の人に話しかけてみる。北の彼は気合を入れていた所に舞い込んだ突然の話に頭がついていかず、僕たちのことは忘れ去り場に呆然と立ち尽くしたまま。そのうちに立ち直るだろうと、僕とメンバーは足を進めた。

 

 「ああ、申し訳ありません。依頼は取り下げられました」

 

 「うん、それはさっき聞いたけれど、一体どういうことですか?」

 

 「亜人連合国の方々が悪さをしている竜を捕まえて、彼の国が引き取ることが決定しました。迷惑を掛けて申し訳ないと、被害を受けた領や人々には見舞金が払われることになりましたから」

 

 冒険者と各国から戦力を募るより、亜人連合国の方たちにお願いした方が死者もなく穏便に解決できると判断された、と。同族が迷惑を掛けたと亜人連合国から見舞金が支払われるし、遺族には弔慰金もでるそうだ。彼の国に所属していないフリーの竜なのだそうだが、関係はないと見て見ぬふりをされるよりよほど真摯な対応だ。

 

 「そっか、そういうことなら安心したよ。引き籠っていた亜人連合国が、あの事件を切っ掛けに西大陸の国々と国交を持ったことは悪いことじゃないと証明されるだろうしね。うん、本当に良かった」

 

 「ええ。無駄に戦力を消耗させなくて済みますし、ギルドとしても有難い話でしたので。まあ、賞金を得られないのは少々痛手ですが……そこは諦めるしかないのでしょうね」

 

 自然と笑みが零れた。竜は天災級の強さを持っているから、人間だと精鋭の冒険者に各国から軍や騎士団を抽出して倒さなければならないから。

 被害が甚大になるのは目に見えているし、暴れている竜を引き取ってくれたというなら文句はひとつもない。少し残念なのは、腕試しができなかったことくらいか。僕たちの今の実力を測れなかったことは仕方ないのだろう。諦めて他の強い魔物が現れれば、また冒険者として旅に出る。それまでの辛抱だと、受付の人との話を切り上げて北の彼へと視線を向ける。

 

 「そんな……どうして、俺の邪魔ばかりするんだ……よし、なら……!」

 

 小さく呟く北の青年に不安を抱き、冒険者ギルド本部運営委員会へ彼のことを伝えるべく階段を駆け上がるのだった。

 

 ◇

 

 ――嘘、だろう。

 

 竜を倒せるなんてせっかくのチャンスをむざむざと逃してしまうなんて。一度依頼が発生したのに取り消されるなんて聞いていない! 早くベルナルディダたちに会いたいのに、手の届きそうな時にすっとチャンスが遠のいて行く。冒険者ギルドで実力を発揮して個人Aランクを取得して、名前も売れている。Sランクパーティーの加入権だって得ているのに、冒険者ギルド本部に所属しているSランクパーティーには、連携が取れないと俺の参加を断られてしまった。

 

 もっと力が欲しい。

 

 もっと力があれば俺はベルナルディダたちに認められ、彼女たちを迎え入れることができる。魔王を倒して駄目ならば、魔王と同程度の存在か魔王以上の存在を倒せば良い。だから竜の討伐依頼は俺にとって絶好の機会だったのに。今まで使ってこなかった銃を使用して屠ることも考えていたのに。

 西大陸、冒険者ギルド本部の受付で俺は立ち竦み、周りの冒険者たちが訝しむ視線を俺に浴びせていた。周りの奴らのことを気にしている暇はない。俺は俺の目的の為に力を振るい、俺の目的を達成するのだから。

 

 「……俺が一人で倒せば」

 

 そう、そうだ。魔王の危険も事前に摘んで脅威を避けたのだ。暴れている竜により被害が出ているのだから、倒してしまっても問題はなくむしろ感謝されるはず。依頼以外の勝手な討伐は冒険者ギルドのルールには反するが、倒してしまえば関係ない。魔王を倒した時のようにみんなから感謝され、俺のことを認めてくれる。

 

 「よし」

 

 依頼掲示板に視線を向け残りの依頼を確認する。ギルド本部に掲示される依頼は、他のギルド支部に提示されているものより討伐難易度が高い。だからこそ実力者が集まり、日々依頼をこなし実力を付けて冒険者ランクを上げている。俺がこれから一人で行う竜退治はきっと熾烈なものになるだろう。

 死んでしまうかもしれないが、ベルナルディダたちに俺のことを認めて貰わなければ生きている意味がない。ずっと彼女たちが好きで、彼女たち以外とは関係を持たないと童貞を守っているのだ。

 絶対に俺の思いを彼女たちに届けるんだと、ぎゅっと握り拳を作る。そうして一歩踏み出して、討伐依頼に記されていた被害の出ている場所を目指そう。急がなければ亜人連合国というふざけた名前の国の連中に先を越される。

 

 ――随分と遠くまできたな。

 

 西大陸に詳しくはなく数日の時間が掛かってしまったが、竜の被害に出ている場所へと辿り着いた。きょろきょろと周囲を見ると、大木に鋭い爪の跡が残っている。なるほど、力を誇示したいがために跡をつけているのか。だが、俺くらいの力を持つ者ならば恐れることはなく、むしろ高揚感が漲ってくる。この辺りにいるであろう竜を倒せば、俺はベルナルディダたちに認められるはず。

 

 「いないな……一体どこに行ったんだ……?」

 

 頻繁に暴れていると聞いていたのだが、竜の姿は見当たらない。近くの村に聞き込みに行くと昨日、黒色と白色の大きな竜が暴れていた竜を捕まえて、西の方角へと飛んで行ったらしい。暴れていた竜よりも数倍大きく立派だったと村の人間が口を揃える。周囲の被害を確認すべくまた明日、二頭の竜が飛来するのだとか。なら、一晩野宿して待っていれば必ず竜に遭遇することができる。村の人間に礼を伝えて外に出た。野宿は久しぶりだが、まあ、もう慣れているから問題ない。

 

 そうして、夜が明け。遥か彼方の西の空から小さな鳥のような影が、次第に大きくなり二頭の竜の姿を見ることができた。ぎゅっと剣の柄を握る。奥歯が擦れ合い武者震いをしていることに気が付いて、ぎゅっと強く歯を噛んで震えを止めた。さあ、俺がベルナルディダたちに認めて貰える絶好の機会がやってきた。

 竜を倒せば個人でSランク冒険者となれる可能性だってあるし、もし認められなければ北に戻り、ミズガルズで腕を磨くだけ。すっと鞘から片刃の剣を抜く。抜いた勢いで金属の擦れる音が鳴れば、いつものように俺は誰にも負けやしないと暗示を掛ける。

 

 「待って。襲っては駄目だ」

 

 ふいに背後から声が聞こえて振り返ると、冒険者ギルド本部所属のSランク冒険者パーティーリーダーが立っていた。

 

 「え、何故、貴方が?」

 

 竜の討伐依頼が発生した際、目の前の彼に頭を下げてSランクパーティーへの加入を願い出るも、連携できなからと俺の加入を断った張本人。その本人が何故、こんな場所にいるんだ。討伐依頼は取り消されたのだから、いるはずなんてないのに……。

 

 「君が無茶をしないか心配になって様子を見にきたんだ。ちゃんとよく見て。二頭の竜は近隣の村に復興資材を運びにきただけで、人を襲うなんてことはしないよ」

 

 冒険者ギルド本部からそう聞いたと彼は付け加える。静かに俺を見据えているが、流石Sランク冒険者、一瞬も気を抜いておらず、目の前の彼の……男のパーティーメンバー四人も警戒を怠っていない。俺は男の言葉で止まる訳にはいかないのだ。

 

 「俺の邪魔をしないでください。俺は竜を倒して力と名声を得て、ベルナルディダたちに認めて貰う」

 

 「認めて貰うなら、なにも竜を倒さなくとも。君は北大陸出身だから詳しくないのかもしれないが、暴れている竜以外は討伐してはならないと、西では周知されている。だから村の復興の為に亜人連合国から赴いた竜を倒したとなれば……」

 

 今度こそ冒険者ギルトは崩壊する、と男が告げパーティメンバーも同様に頷いていた。確かに俺も聞いている。冒険者ランクが昇進し講義を受けた際に、口酸っぱくギルド職員が繰り返していた。だが、竜という存在があるかぎり世界に平和は訪れないだろうし、いっそのこと根絶やしにしても問題ないだろうに。食物連鎖の頂点に立っているならば、その下にいる者たちが可哀想じゃないか。

 

 「ご忠告ありがとうございます。しかし、俺は竜を倒すと決めたのです。男が一度決めたら後に引けないことは、男である貴方が一番良く分かっているはずです。まして愛した女のためならば……」

 

 「どうしても駄目かな。君が止めないというなら、僕は同業者である君を止めなければならない」

 

 ぴり、と空気が軋む気がしたが……今は男たちを気にしている余裕はない。早くしないと竜が逃げてしまうだろうに。何故、誰も彼もが俺の邪魔をするのだろう。俺の味方だったのはミズガルズの大貴族だけ。しかも喧嘩別れして今はなにをしているのかも知りはしない。俺が西大陸で路頭に迷わず生活できているのは自分の力で冒険者業を担っているから。

 大貴族は今頃西大陸のどこかでくたばっているのかもしれないな。俺がベルナルディダたち四人と添い遂げたいと願っていると知り、言葉巧みに俺を騙したのだから精々苦しむと良い。

 もし、どこかで見かけたならば、手を差し伸べたフリをしてやろう。きっともの凄く怒って唾を吐きながら、みっともない態度で当たり散らす。その時を楽しみにしているが、今は目の前の男を退けなければ。

 

 「止めない、止まるわけがない。俺は勇者として歩んでいるんだ。勇者なのに勇者という道から外れるわけにはならない……!」

 

 そう、ゲームで大嫌いだった勇者であるが、俺は俺として生きている。俺として生き、魔王を倒し勇者となったのだから。それ以上でもそれ以下でもない。

 ――俺は勇者だ!!

 

 「そう、残念だよ。みんな、申し訳ないけれど彼を止める手伝いをお願い。ギルドからは竜に手を出す前に連れ戻してきて欲しいと『依頼』が出ているから」

 

 依頼、という言葉にぴくりと片方の眉が動く。ということは、ギルドから俺を捕まえてこいとお願いでも命令でもなく、依頼として……金を貰って男たちは請け負ったのか。

 金を払ってまで俺を捕まえたいというのならば、目の前の男たちから逃げ切ろう。いや、魔王を倒した俺だ。たとえ、Sランク冒険者だとしても俺の方が強いに決まっている。ならば……俺は剣を握る手に再度力を籠める。

 

 「さっきから聞いていれば、好き勝手なことを言ってくれる。俺は勇者で、勇者たる者、強いヤツに挑戦し続けなければならない。なら、竜より先にアンタたちを相手にしてやるよ。――ハ!」

 

 目の前の男に詰め寄るまでの時間は刹那。一足飛びで男へと詰め寄り、握っていた片刃の剣を横薙ぎに一閃する。男はいつの間に構えていたのか、両刃の剣を構えて俺の剣を受け止めつつ力を流しながら一撃目を躱された。

 

 「リーダー! 大丈夫!?」

 

 Sランクパーティーメンバーだろう。小柄な少女が叫んで男を心配そうに見ていた。どうやら後衛職らしい。潰すなら先に潰しておいた方が良いと頭の隅に入れておく。

 

 「ああ、大丈夫。流石に一対多は卑怯だから、君たちは下がって。どうやら彼の標的は僕みたいだし、ね!」

 

 二撃、三撃、四撃と打ち込んでいるのに、男は澄ました顔で喋りながら俺の剣を受け止め交わす。苛立ち紛れの五撃目は渾身の力を入れて打ち込むと、ようやく有効な一撃を男に与えることができた。

 

 「俺は強いだろう?」

 

 「うん、強いよ。でも……――」

 

 強いだけで信念や矜持を全く感じないと男が告げれば俺の腹に重い一発が喰い込む。

 

 「ごはっ!」

 

 肺から空気が漏れ、俺の意識を刈り取るには十分な威力。たまらず俺は地面に倒れ込み、立ち上がろうと試みるも、気絶の沼に引き込もうと誰かが俺の意識を掴む。どんどんと意識が薄れていく中、俺は美しく気高い彼女たちのことを考える。

 

 ――ベルナルディダ、ディフィリア、メリディアナ、シラヤ……前世の時からずっとずっと好きだった。君たちを帝室という狭い檻から助け出し、みんなで幸せに暮らしたかった。

 

 ああ、そうだ。俺はここで負けるわけにはいかないと、無意識に脇に下げているホルスターに手をゆっくりと伸ばして銃を抜く。やけに重いと感じながら、霞む視界の中でパーティリーダーの男を見つけ、ぼやける視界でどうにか照星を合わせて……引き金を引いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。