魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~ 作:行雲流水
項垂れている勇者さまは放置して、幽閉塔から階段を上り外へと出る。やはり外の方が空気は良いなあと、肺の中にある淀んだ空気を大きく息を吐いて吸ってを繰り返して入れ替える。気持ちを新たに、メンガーさまへと向き直った。
「メンガーさま、本日は突然お呼び出しして申し訳ありませんでした。残念ですが、勇者さまが反省してくれることはなさそうですね……」
メンガーさまに頭を下げてお礼を伝える。割と急な呼び出しだったのに対応して頂けたことに感謝している。私が子爵位を持っているから彼は断れないという、世知辛い事情もあるだろうが伝えるのと伝えないのじゃあ印象が違ってくるから。
「お気になさらないでください。俺も結局大して役に立ちませんでしたから」
メンガーさまが私の言葉を聞いて頭を下げた。いえいえ、まあまあとやり取りしてしまうのはお互いの性格なのだろう。私たちを見ていたソフィーアさまとセレスティアさまに『そろそろ止めておけ』『お互いに頭を下げ合っても意味がないのでは?』と突っ込みを入れられてしまった。
勇者さまには罪を理解してから裁きを受けて頂きたかったけれど、一生理解することはないだろう。自分のことばかりを考え、周囲のことにはお構いなしの性格みたいだし。
それにしたって好きな女性のことを娶ると言い切りながら、思いやる気持ちが一切なさそうな所や、日本人というアイデンティティーを持っているはずなのに人を撃つことに躊躇わない勇者さまに恐怖を覚えてしまう。
「ふう。メンガーさま、少し遅くなりましたが――」
彼に伝えたいことがあるので、話題を変えようとした時。
「――ナイさま!」
城から出てきたであろうフィーネさまが護衛を引き連れて、こちらへと走ってくる。彼女へと体を向けると、フィーネさまは微妙な顔をしていた。
「フィーネさま。どうしてこちらに? 幽閉塔があるので、あまり近づくのはよろしくない――」
「――ナイさま! 見捨てないでくださいぃいい!!」
フィーネさまが大きな声を発しながら、私に抱きついた。大聖女さまの威厳が全くないけれど、聖王国的に大丈夫なのだろうかと聖王国側の護衛の方を見ると、見て見ぬふりをしていた。クロはフィーネさまが私に抱き着いたので居場所がなくなり、セレスティアさまの方へと飛んで行った。
「え?」
なんでこんな状況になっているのかと後ろへと振り返りみんなを見ると驚いているから、なにも知らないようだ。唯一メンガーさまがなにか言いたげな顔になっているけれど、口を挟むつもりはないらしい。
黙って私たちの様子を見ているだけ。なんだろうこの状況と頭を捻る。私が彼女を見捨てると言いたいのだろうけれど、見捨てるなんて選択肢は存在しない。ましてや前世は私と彼女は同郷だから、いろいろと懐かしい気持ちで過去を語るのも話すのも嫌いじゃない。リンが私のこの気持ちを知れば拗ねそうだが、彼女にも就寝前に話すのだから問題はない。
「フィーネさま、見捨てないで欲しいとは?」
本当にどうしたのか。フィーネさまは大聖女という役職持ちなので学院でも聖王国の代表として、毅然と振舞っている。転生者組と事情を知っている方だけでサロンに赴けば、年頃の女の子そのものという雰囲気だけれど。銀髪で顔が整っている彼女が納豆を食べているシュールさだけは、未だに慣れないけれど。
「だって、だって……! 私、最近役に立てていません! ゲームの知識しか取り柄がないし、お味噌とお醤油の開発だって順調に行かず、結局フソウという島が発見されていて……ナイさまは北大陸へ行ってしまいますし、私忘れ去られているんじゃないかって!」
ゲームと大きな声を出しているけれど、周りには事情を知っている方しかいないのでとりあえずは大丈夫。これ以上大きな声となると不味いけれど、フィーネさまも分かってて言っているようだから心配は必要ない。
今回の件は、エロゲー『勇者光臨』が関わって、フィーネさまは知らないのだから仕方ない。お醤油さんとお味噌さんの開発だって、失敗はしたけれど無駄ではない。何故か納豆ができるというミラクルを引き起こしたのだから。
「調味料の開発が難航していても、忘れるなんてしませんよ。そもそもゲームの知識を持っていても、既に影も形もないようですから役に立つもなにもないはずです。それに、気にしてしまうと息がし辛くなるだけですよ?」
フィーネさまは聖王国の立て直しで、ずっと気を張っていたようだから偶には息抜きも必要か。まあ、所かまわずやられると、彼女も私も立場があるから困るけれど。私の言葉を聞いたフィーネさまが、ずびっと鼻を啜り妙な顔になる。大聖女さまがそんな顔になって大丈夫かと心配になってくるが、偶には良いだろう。
「あ、フソウのお土産で納豆を買ってきました。あまり日持ちしないものですし、気候がアルバトロスと全然違う場所の品なので味が落ちていなければ良いのですが……」
辛気臭い空気は苦手だから、フィーネさまが喰いつきそうな話題を振ってみる。戻って直ぐ、子爵邸の冷蔵庫へ放り込んで貰ったけれど、大丈夫か心配である。
私は納豆が苦手で食べないけれど、フィーネさまは凄く嬉しそうに食べているから印象に残っていた。越後屋さんに聞いてみると、納豆も取り扱っていたので買い付けしておいた。フィーネさまに喜んで貰えると良いのだが……。
「え! 納豆ですか!! 味の違う納豆!」
フィーネさまは私から離れて目を輝かせて言葉を紡いだ。喜んでくれるのは嬉しいし、もっと美味しくなる方法を私は知っている。――まあ、私は苦手だから食べないけれど。
「お醤油さんもありますし、白ご飯も炊けますよ」
せっかくなのでメンガーさまとフィーネさまと一緒に食べようと、私はまだ食べていなかった。他の方にお土産として買ってきたものは、仲間内や子爵邸の方々と先に味見させて頂いているけれど。
「……!!!! ナイさま!! 私は一生貴女についていきます!」
「大袈裟ですよ、フィーネさま」
さっきまで泣きそうな顔だったのに現金なものだ。でもまあ、彼女らしいといえば彼女らしいか。私より若くして亡くなり転生したようだから、幼くても仕方ない。
「夢が広がりますね! 炊き込みご飯とか美味しいでしょうし、他にもお刺身とか……! 無理かなあ……」
日本食を思い出して夢想していたけれど、フソウに行けないとフィーネさまが悟ってしまったようだ。
「フソウと取引すれば良いだけですよ。まだ信頼構築中なので直ぐにはできませんが、紹介状を書くか、一緒にフソウに赴くことだってできるでしょうしね。お刺身は現地で望めば食せるかと――話は変わりますが、メンガーさま、フィーネさま」
フソウと取引したければ、紹介状くらいは書けるはず。もしくは一緒に同行する許可を頂ければ問題は解決できる。フソウにもう二度と行かないという訳じゃないし、これからもご贔屓にしたいのだから。南の島の大蛇さまが住まう沼のお米さまも気になるから、長期休暇中に一度は顔を出さないとなあ。ダークエルフのお姉さんから、大蛇さまが寂しがっているから遊びに来てくださいとも言付かっている。
長期休暇は楽しいことが沢山あるだろうなあ。ミズガルズに行っていた期間の分だけ補習を受けなきゃいけないけれど。まあ、仕方ない。学生の本文は勉強だし、きちんと学院を卒業すると目標として決めているのだから。
「はい?」
「どういたしました、子爵?」
フィーネさまとメンガーさまが不思議そうな顔を浮かべて私を見た。
「正式な招待状は後日に認めますが、フソウ島の食を食べに子爵邸へ遊びにきませんか?」
話はフィーネさまとメンガーさま以外には通してある。勝手な行動をしても怒られるかなと、後ろ盾の公爵さまと辺境伯さまにも相談済み。
流石にメンガ―さま、ようするに誘う相手が男性一人だけだと問題があるので、他の男性も誘いなさいとのこと。といっても事情を知っている人に限られるから、ジークを誘うことにしている。あまり意味ない気がするけれど。
「え?」
「は? え?」
素っ頓狂な声を上げたお二人が、さらに大きな声で同時に叫ぶのだった。あ、フィーネさまがこの場に参られた理由は、メンガーさまがこの時間であれば私に会えるかもと教えたそうだ。
学院よりも王城の方が声を掛けやすいし、問題が少ないだろうって。フィーネさまも機会を伺っていたとか。北大陸のことで役に立てなかったことが、彼女を追い込んでしまったらしい。
今は納豆によってからりと笑顔を浮かべているが、私がいない間悩んでいたとメンガーさまから教えて頂いた。フィーネさまが離れる気がないのであれば、私は彼女が困っていれば助けるつもりくらいはあるけれど、人の心の内は見えないから不安になっても仕方ないとお城から子爵邸へと戻るのだった。
◇
――自称勇者にセーブデータを使ったのかと問うてから、一週間が経つ。
長期休暇前、少し湿気は多いものの空は晴れ渡っていた。
アルバトロス王都の貴族街。俺はメンガー伯爵家の馬車を借りミナーヴァ子爵邸前で大聖女さまがくるのを待っていた。一人だけで子爵邸に入るのは気が引けるし、大聖女さまも一人で入るのは勇気が必要だと苦笑いしており、それなら一緒に赴こうとなった。
通行の邪魔にならない場所へ馬車を寄せて貰って、しばらく待っているとアルバトロス王家の印――といってもお城の関係者が乗っているよというもの――を付けた馬車がやってくる。馬車の窓を開け大聖女さまと俺が頷くと、馬車が再び動きだし子爵邸の正門を潜り抜け庭園をゆっくりと進んでいると、人が集まっている所があった。
どうしたのだろうと視線を向けると、庭の地面が大きく穿たれており修繕のために人夫を雇っているようだ。庭の片隅には黒い薔薇が咲いている。
黒い薔薇は社交界だと不人気だが、ミナーヴァ子爵が公式の場に立つ際、護衛の双子や公爵令嬢に辺境伯令嬢が好んで胸に付けていた。噂によると、子爵自身が黒薔薇を渡して彼ら彼女らが掲げており、子爵の近しい者しか付けられないと噂が流れている。
庭を抜けると直ぐに本邸の馬車回りに停まって、ゆっくりと足下に気を付けながら降りた。大聖女さまも俺と同時に馬車から降りて、改めて挨拶をするのだが……。
「初めてきました」
少し緊張している様子の大聖女さまも俺もミナーヴァ子爵邸に赴くのは初めてだ。ミナーヴァ子爵は二年前から今まで噂が絶えることはない。
やれ竜を従えている、天馬がお屋敷に出入りしている。亜人連合国の方々と仲が良い。子爵邸での待遇が良く食事は美味い、運営している領の発展が目覚ましい。フェンリルまで従え、屋敷の中を妖精が飛んでいる。アガレス帝国で大暴れしたとか、彼女を怒らせると末代まで呪われる――ハイゼンベルグ公爵閣下が噂を流したのではと考えている――とか、本当に噂が絶えない。
「俺も初めてです……しかし……子爵から……聞いてはいましたが」
大聖女さまと俺が庭へと顔を向けると、天馬が四頭興味深そうにこちらを覗いていた。うん、貴族のお屋敷に天馬がいるってどういう状況だろう。聞いてはいたが、荒唐無稽な話で信じられなかった――子爵が嘘を吐くわけないが――が、見てしまったならば真実なのだろう。
「天馬が私たちを見ています!」
大聖女さまが驚きつつも少しテンションが上がっていて、ファンタジーな生き物に憧れでもあるのだろうか。馬に近いから竜より親近感はあるけれど、背中から生えている翼はまさしく幻想種と呼ばれるもの。
俺は信じられないものを見ている気分である……って。四頭のうち立派な体躯の白い二頭と黒い体躯の一頭、そして三頭より小柄な赤い体躯の一頭。え、とお互いの口から声が漏れ、大聖女さまが先に言いたいことを発する。
「つ、翼が六枚あります!! え、天馬、天馬ですよね? 天馬って普通白じゃないですか? え、黒い仔と赤い仔がいますよ? 一体なにをしたのですか、ナイさまは!」
いや、子爵がなにかやったわけではないと思うが、子爵だからなあ。ちょっとしたことが大きく話が膨らみそうだし、案外なにか影響を与えているのかもしれないが……。ところで大聖女さま。俺の服の袖を引っ張らないでください。伸びはしませんが、距離が近いです。
「とりあえず落ち着きましょう。子爵邸に赴いたのですから、なにが起こっても不思議はないかと」
俺は大聖女さまに落ち着くように促すが、自分自身にも言い聞かせていた。死ぬことはないだろうが、ここはミナーヴァ子爵邸。なにがあっても不思議ではなく、俺たちは目の前で起こった出来事を咀嚼して受け入れるしかない。
『こんにちは。聖女さまから今日はご学友がいらっしゃると聞いておりました』
『聖女さまにご許可を頂き、ご挨拶をと思いまして』
二頭の白い天馬が俺たちに声を掛けた。隣の大聖女さまはぴしっと固まってしまった。天馬って喋れるのか。あ、いやそりゃ幻想種と呼ばれているから、喋ってもおかしくはない。だが、こうも友好的なものなのかと首を傾げつつ、彼らへと頭を下げた。
「ミナーヴァ子爵にお招きに預かりました。エーリヒ・メンガーと申します」
自己紹介に意味があるのか分からないが、つい彼らに名乗ってしまう。そうして俺の隣にいる大聖女さまが再び動きだす。
「聖王国にて大聖女を務めております、フィーネ・ミューラーと申します! よ、よろしくお願い致します!」
ばっと頭を下げる大聖女さま。二頭の天馬は優しい顔でくすくす笑っている。俺たちを馬鹿にしている訳じゃなく、微笑ましそうに見ているのだ。相手は動物――失礼だが――なのに、こうも感情が読み取れるのは不思議な感覚だった。
『ギャブリエル、と申します。セレスティアさんが素敵な名前を贈って下さいました。どうぞ、エルとお呼びください』
『ジョセフィーヌと申します。皆さまはジョセと呼んでくださいますので、エーリヒさんもフィーネさんも気軽に名前をお呼びいただけると嬉しいです』
二頭の天馬はとても紳士的だ。人間に友好的であり悪い連中に狙われて数を減らしていると本で読んだから、温和すぎるのも考え物だ。だが、子爵邸にいれば妙な人物が手を出すことはないから、彼らにとって安全な場所だ。
『後ろの二頭は私たちの子供でまだ喋れないのですが、黒い天馬がルカ、赤い天馬がジアと皆さまに呼ばれております』
『聖女さまが名を贈ってくださいました。とても強く賢い仔たちなので、どうぞよろしくお願い致します』
教えてくだされば馬の代わりに馬車を引き、背に乗って頂き希望の場所まで行くことも可能だと天馬が告げる。有難いが、凄く目立つ上に噂になるので勘弁してください。
これ、ミナーヴァ子爵も彼らから言われたのだろうか。頭を抱えていそうだなと苦笑いしながら、やんわりと申し出を辞退すれば『残念です』『仕方ありません』と二頭の天馬が目を細めながら首を下へと下げた。本当に感情豊かだと感心していると、玄関から迎えの方が出てきたので天馬たちに別れを告げ、子爵邸の玄関の中へと案内される。
「ようこそおいで下さいました。フィーネさま、メンガーさま」
俺たちの前に立った子爵が頭を小さく下げた。彼女の肩の上には小さな竜がいつも通りちょこんと乗り、後ろには専属護衛である双子の兄妹の姿もある。
流石に今日は学院の制服でも聖女の服ではなく、普段着姿でシンプルではあるものの子爵然とした服を身に纏っている。子爵は服に頓着しなさそうだから、公爵令嬢か辺境伯令嬢のチョイスだろうか。もしくは幼馴染と聞いている赤毛の双子の片割れか。
「お招きに預かり光栄です。ナイさま」
「お誘い、ありがとうございます。ミナーヴァ子爵」
とにもかくにも礼を伝えると来賓室に行こうと、子爵が歩き始めた。途中、公爵令嬢のソフィーアと辺境伯令嬢のセレスティアが俺たちに挨拶をするために声を掛けた。彼女たちは同席するつもりはないから、気軽に楽しめと柔らかく笑いながら告げる。少し前なら同席していただろうに、俺たちのことを信頼していると受け取っても良いのだろうか。
状況が変わっていることに少し驚きながら、子爵が俺たちを見捨てることはないだろうと確信する。なんというか、俺たちが彼女から離れていかない限りは、子爵は俺たちを同郷の友としてずっと付き合いが続く気がするのだ。
でなければ荷物でしかなかった俺たちはアガレス帝国で路頭に迷っていた。だから心配なんて必要ないと大聖女さまの顔を見ると『?』と首を傾げていた。彼女は日本人としての記憶があるのに、いきなり立場を与えられたのだから俺なんかより大変だっただろう。今日という日が彼女の気晴らしになると良いのだが。
「どうぞ、お入りください」
案内された来賓室はメンガー伯爵家の来賓室より少し狭い。子爵位だから当然なのだが、彼女の功績から考えると狭いのではと考えてしまう。
「今日は私が作ったので、おふくろの味とまではいきませんが食べられるものにはなっているかと」
子爵が恥ずかしそうに告げる。前世では自炊していたと聞いているし、レシピから逸脱して作る人ではないだろう。今日は心待ちにしていた白米を口にできる。子爵からフソウの土産を買ってきたから日本食を作るから、一緒に食べないかと誘われた。先に食べるのは抜け駆けしているようだからと、食べないで我慢したようだ。
醤油と味噌を求めて止まなかった、あの子爵が! 本当は先に食べたかっただろうに、俺たちにそこまで気を使ってくれているし、大聖女さまにはフソウ島の納豆を買って戻っている。他にも、煎餅や羊羹を買っているからお茶請けとして食べましょうと、嬉しそうに笑いながら俺たちに告げたのだ。
「なくなればまたフソウに買い付けにいかないと……少し遠いですが、致し方ありません」
むーと難しい顔でなにやら考えている子爵。たしかに大量に買い付けるならば距離が遠いと大変だ。彼女の場合飛竜便が使えるから、あまり気にしないかもしれないが。あ、そうだ。フソウ島で買い付けができるなら伝えておかないと。
「麹を頂けるなら、俺たちでも作れるかと」
味噌や醤油が作れるのだから、元となる麹もあるはずで。麹造りに難航したから、俺たちはずっと失敗していたのだ。
「え?」
呆けた顔になる彼女。子爵、味噌と醤油造りに一番大事なものが何か気付いていなかったのか……。ま、子爵らしいかと笑って、次にフソウに赴くのであれば、他にもみりんも手に入れて欲しいと頼むのだった。