魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~   作:行雲流水

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0385:フソウの地、再び。

 島での探検を終えて、ダークエルフさんたちの村で一夜を明かした。大蛇さまに赤米さまの面倒をよろしくお願いしますと伝え、ダークエルフの皆さまにも別れを告げて南の島を飛び立った。大きな竜の背中に乗って大海原を北上中である。南の島より気温が下がり始めたかなあと、持参していた服を取り出して厚着を始めた頃だった。

 

 「しかし、皆さまは背の高い方々が多いですなあ。フソウの者は皆、背が低いので羨ましい限りです」

 

 九条さまがジークとリンを見てしみじみと仰った。確かにフソウの皆さまは小柄である。昔の日本がモデルと聞いたから、小柄なのは致し方ない。

 私的には首が痛くないので有難いのだが、背の低いコンプレックスを抱えている身としては九条さまの言いたいことが凄く理解できる。女性で小柄なのは受け入れられるかもしれないが、男性で背が小さいといろいろなことを気にするだろう。

 

 「私も羨ましいです。噂によるとお肉を沢山食べると背が高くなるらしいですよ」

 

 転生者で知識があるとは言えず、大分誤魔化した言い方となってしまうが、和食から洋食へ切り替わった高度経済成長期後の日本人の平均身長は随分と伸びていたはず。

 ハンバーグやステーキ、ロールキャベツにその他もろもろのレシピが浸透すれば、フソウの方々の身長はある程度伸びるはず。大人は無理だけれど、子供であれば効果はそれなりにあるし、背の高い人たちの血が濃くなれば特徴として顕著でるはず。

 

 「肉ですか……フソウは島国なので土地が足りないのが手痛い所でしょうか。牛や馬は農耕作業に従事し大切に飼われております故、捌かれる機会は滅多にない……難しい所ですな」

 

 九条さまは私の背がみんなより低いことには触れず、お肉の部分に反応した。やはりまだ無理があるか。アルバトロスでも牛は滅多に捌かれず、農業に従事しているのだから。自然に生きる生き物を狩れば良いとなるのだが、乱獲すると数が減る。輸入に頼るのも難しい状況だから、フソウの人々の平均身長が伸びるのは数百年後だろうか。

 

 『人間も大きさに拘るんだねえ』

 

 「竜は大きければ大きいほど、力の証明になるんだよね?」

 

 九条さまと私の会話を聞いていたクロが面白そうに声に出した。竜は大きければ大きいほど力があるらしい。ディアンさまとベリルさまも大きいけれど、全盛期のご意見番さまは倍近く大きかったそうだ。

 クロは私から魔力を受け取っているから、もっと大きくなる可能性があるよと教えてくれたのだが、大きいと怖がる方が多くなるからまだ暫くは今のサイズで生活する。

 

 『うん。竜のみんながナイの魔力を強請るのは、大きくなれるからだよ。あとナイの魔力って馴染みやすいからねえ』

 

 なるほど。竜のみなさまは物欲しそうに私を見ていることが多いのだが、裏にはそんな理由が隠されていたのか。悪い竜に魔力を受け渡すのは駄目だけれど、亜人連合国の竜の方々であれば問題ないだろう。ご意見番さま亡き後はディアンさまとベリルさまが竜の皆さまを統括しているのだから。

 

 「親和性が高い、だっけ? あまり実感はないけれど……クロやみんなに出会えたから感謝、かな」

 

 魔力量が多くなければ貧民街で野垂れ死んでいただろうし、浄化魔術を施すこともできなかった。魔力がモノを言う世界で良かったし、仲間のみんなが幸せならそれで良い。

 

 「みなーばぁ殿の魔力を取り込めば、背が高くなる可能性があるのでござろうか?」

 

 『人に効果があるのかは分からないなあ……竜はナイの魔力を貰って、自分の体の中に取り込んで大きくなれるんだけれど……』

 

 九条さまの言葉にクロがうーんと考えながら首を大きく捻る。私の身長は依然と伸びる気配がないので、心の中で祈れば伸びてくれるだろうか。くだらないことを話していると、予定より随分と早くフソウ島についた。乗せて貰っていた竜の方曰く、出発前に私の魔力を貰ったからいつもより速く飛べたとのこと。

 無理をしないで欲しいと伝えると、ロゼさんが影からひゅばっと出てきて『南の島からフソウの移動なら、ロゼに任せて!』と元気に告げてまた影の中に潜っていった。長距離転移を簡単にこなしてみせるロゼさんが凄いのか、ロゼさんの元となっている魔石が凄いのか、私の魔力が凄いのか……どれが正解だろうか。

 

 ドエの都の外にある広い場所に降り立つと予定を聞いていたのか、籠と担ぐ人たちとお役人さんがお迎えにきていた。私たちを見る、と言うより大きな竜の方が珍しいようで、驚いた顔を浮かべていた。前にきた時はクロが大きくなって、割と直ぐに元の大きさに戻ったからなあ。

 竜の方に驚いても仕方ないのだが慣れて貰わないと困る気がする。友好が広まれば亜人連合国の方だってフソウにくるだろうし、アルバトロスのお偉いさんたちも顔を出すだろう。移動手段は飛竜便を使うし、やはり今のうちから慣れていて欲しい。ぬーと考えながらフソウの方たちを見ていると、私の隣に九条さまが立つ。

 

 「みなーばぁ殿、申し訳ありませんが城へ急いで頂けると有難い。大樹公が首を長くして待っているはず」

 

 九条さまが申し訳なさそうな顔で告げた。大事な神獣さまの懐妊報告だから、確かに急いだ方が良いのだろう。籠に乗り込む前に、声を掛けておくべき人に視線を向けた。神獣さまがドエの都を闊歩すると大騒ぎになるので、ヴァナルと雪さんと夜さんと華さんは私の影の中に入って貰った。

 

 「ジーク、リン。いつも申し訳ないけれど、護衛よろしくお願いします」

 

 そっくり兄妹の顔を見上げると、小さく笑った二人。ジークの肩の上にはちゃっかり幼竜さんがちょこんと乗っている。私が近づくと警戒されるのだが、前よりマシになっていた。

 

 「気にするな。ナイにはナイの、俺たちには俺たちの役目がある」

 

 「うん、兄さんの言う通りだから気にしないで。聖女の護衛を務めるのは騎士として当然だよ」

 

 三人で笑い合い拳を突き出し、いつも通りグータッチをする。小さく無言で頷いて気持ちを切り替え、お出迎えの籠の中に乗り込んだ。

 馬車とは違う趣きに慣れないけれど、あまり揺れないのが凄い所だよねと感心しながらドエの都を行く。何台も連なる籠の列にドエの都の人々は驚きながらも、それぞれの生活を営んでいた。着物って着付けが大変そうだよなあとか、いろいろと考えていれば、ドエ城に辿り着き『開門!』と叫ぶ声を聞いて中へと入って行く。

 

 「みなーばぁよ! 遠き所をよく参ってくれた!! 我々一同歓迎するぞ! して、神獣殿はどこに!?」

 

 お城の中へ入って籠から降りて直ぐ、お供を沢山連れたナガノブさまと出くわした。謁見の間できちんと面通ししなくて良いのだろうかと首を傾げるがナガノブさまである。神獣さまのことが気になって気になって仕方ないのかと、ヴァナルと雪さんと夜さんと華さんを呼べば、影の中から勢い良く飛び出して、ナガノブさまの前でちょこんとお座りした。

 

 『ナガノブ、久方振りです』

 

 『元気にしておりましたか?』

 

 『怒りで誰か斬ってはおりませんね?』

 

 雪さんと夜さんと華さんがナガノブさまに向かって声を上げた。ナガノブさまは怒りを覚えると、たまらず誰かを斬ってしまう口の方のようだ。怒らせないように気を付けようと心に刻み、久しぶりの再会だし邪魔するのは無粋だろうと彼らのやり取りを静かに見守る。

 

 「神獣殿が去り際に仰った通り、気分で下の者を斬ってはおりませぬよ。みなーばぁから届いた懐妊の一報には腰を抜かしました。神獣殿、少し瘦せられた……?」

 

 ちらりと私を見る彼の目には、まざまざと怒りの文字が浮かんでいた。誤解です……単純に毛量を梳いたから痩せて見えるだけだし、お風呂にはいると凄くみすぼらしくなるのは毛の長い生き物の宿命だ。

 

 『これはアルバトロスが暑い故に』

 

 『子爵家の者が毛を梳いてくれたのです』

 

 『過し易くなりましたよ』

 

 刀に手を掛けようとしたナガノブさまの手がピタリと止まる。瞬時に私の後ろで反応したジークとリンに、ナガノブさまは視線を向けて小さく目線を下げた。そして安堵の息を吐くフソウの面々。

 

 「……肝が冷えましたぞ。失礼した、みなーばぁよ。我が国の大事な神獣殿のことになると、どうにも見境が付かなくなる。許してくれ。――……神獣殿、調子はどうなのです?」

 

 ナガノブさまの言葉に気にしないで欲しいと視線を向ける。仮に彼が刀を抜いていたとしてもジークとリンが守ってくれる。逃げようと思えばロゼさんか私の転移魔術を使って、城の外へ出るのは簡単だ。

 それにナガノブさまは刀に手を掛けようとしたけれど、利益を天秤に掛けて思い止まれる方だろう。今まで斬ってきたのは、国に貢献できない所かマイナスの要因しか持たない方だったのではなかろうか。

 

 『魔素の多いアルバトロスの方が強い子を望めます』

 

 『それを踏まえればミナーヴァ子爵邸は最高の環境でしょう』

 

 『ヴァナルさまも強いお方ですので、産まれてくる仔もきっと強いはずですよ』

 

 魔素の量はアルバトロスが多いのだろう。障壁を張っていることで魔素が外に逃げ辛いのかもしれないと、副団長さまが予想を立てていた。エルとジョセもアルバトロスは他の地に比べると、魔素が濃いと言っていた。やはり仔を成すのであればアルバトロスが良い場所となるのだろう。

 

 「それは重畳ですな。――みなーばぁよ、改めて感謝する!」

 

 ナガノブさまが神獣さまから私へ向き直って、大音声を上げた。

 

 「いえ。私の力は微々たるものです。故郷から新天地に赴く決意をされた神獣さまの強い意志が、良い結果を招いたのかと」

 

 「で、あれば良いのだがな。さあ、謁見の間に参ろう」

 

 行こうと告げたナガノブさまの背を追って、ドエ城の謁見の間へと移動するのだった。

 

 ◇

 

 ――ドエ城、謁見の間。

 

 やはり、ジークとリンにアルバトロスの方々は正座が苦手なようで。ナガノブさまも文化の差で苦手と知っているから、今回は『崩しても構わない』と先に通達されていた。私は慣れているので問題なく正座を取っているので、みんなが崩し辛くなっているのは申し訳ないけれど。広い部屋は畳の良い匂いで満たされて、懐かしい気持ちにさせる。

 

 「みなーばぁよ、此度の来訪は目的があると記されていたが、して、その内容は?」

 

 ナガノブさまとは手紙のやり取りで、私たちがフソウに訪れた理由を知っている。謁見の間に控えているフソウの方たちは、私がやってきた訳を知らない人もいれば、雪さんと夜さんと華さんが懐妊したと知らない人もいる。

 まあ、要するにパフォーマンスの場として設けられたのだ。個人的に訪れているのでナガノブさまと謁見する必要はなかったのだが、来訪前に『よろしく頼む』と手紙に認められていた。

 

 「はい。フソウの皆さまにご報告があり、ナガノブさまとの謁見を望みました」

 

 三つ指を付いて頭を下げる私の横には、雪さんと夜さんと華さんがちょこんと座り、更に横にはヴァナルもちょこんと座っている。肩の上にはクロと、少し下がってジークとリンが正座で控えている。ジークの肩の上には幼竜さんが乗っており、フソウの皆さまの視線に晒されてちょっと居心地が悪そうだった。でも、ジークから離れようとしないし直に慣れるはず。

 

 「神獣さまとヴァナルとの間に仔が儲けられました。懐妊、誠におめでとうございます」

 

 本来は雪さんと夜さんと華さんとヴァナルに伝えるべき言葉――既におめでとうと言っている――であるが、フソウの皆さまが喜ぶのなら一芝居打つのも悪くはない。私の言葉を聞いたナガノブさまは『めでたい!』と大きな声を上げ、謁見場に控えている皆さまは凄く喜んでいた。

 横にちょこんとお座りしている雪さんと夜さんと華さんは『そんなに喜んで貰えるとは』『長き間、番がいませんでしたから』『仔が産まれれば、彼らはもっと喜ぶのでしょうか……』と小さくぼやいて、尻尾を畳に箒のように撫でていた。ヴァナルは『コドモ、タノシミ』と甲斐甲斐しくお世話する気満々だし、お猫さまの仔を実際に面倒を見ていたから問題はないので良い育児パパになってくれるはず。

 

 「誠、めでたい。皆の者、今夜は祝いじゃあ! 酒と上手い飯を用意しろ! 神獣殿も参加してくれますな!? みなーばぁも一緒に祝ってくれ!」

 

 『全く、ナガノブは。こういう所はまだまだ子供ですねえ』 

 

 『相変わらずです』

 

 『真面目なナガノブも見てみたいものですが』

 

 テンションマックスになったナガノブさまに雪さんと夜さんと華さんは呆れ顔で言葉を返し、私は静かに彼の言葉に頷く。フソウの方々は『めでたい』『めでたい』と語り合い、どんな仔が産まれてくるのか楽しそうに話している。

 

 「盛り上がっているね。雪さんと夜さんと華さんは愛されているなあ」

 

 謁見の間はナガノブさまの一言で随分と騒がしくなっていた。祝いの席の準備をすべく右往左往し始めて、お酒はなにが良いかとか、賄い方に連絡をしろとか言葉が飛び交っている。今なら雪さんと夜さんと華さんと喋っても問題ないと声を掛けたのだ。

 

 『有難いことです』

 

 『少々気恥ずかしですね』

 

 『お腹の稚児(やや)も喜びましょう』

 

 嬉しそうに目を細めながら呟いた雪さんと夜さんと華さんは、少し照れ臭そう。良かったねえと順番に頭を撫でると、気持ち良さそうに尻尾を揺らして受け入れてくれた。

 横で見ていたヴァナルも撫でて欲しかったのか、右前脚を上げて私の太ももの上にちょこんと乗せてアピールした。喋って伝えることができるのに、行動で訴える姿は可愛いなとヴァナルの頭もひとしきり撫でた。

 

 「あ……陛下とディアンさまから預かった献上品をどうしよう」

 

 これからアルバトロスとフソウの国交が開かれるので、お祝いにとアルバトロス王から預かっていたのに。小麦の一大生産地だから、大量の小麦がロゼさんの収納魔術によって収められている。亜人連合国からも温和な竜の方が移り住む予定だから、ドワーフさんが造った長剣と短刀を数本とエルフの皆さまが拵えた反物も預かっていた。

 本来は正式な使者の方が持ち込むべきものだが、輸送コストを考えるとロゼさんに預けるのが一番良いと結論が出ていたのだ。私も手ぶらだと問題なので、お土産を用意しているのだが……。謁見前に打ち合わせをするつもりが話す間もなく謁見場に通されたから、段取りができなかった。

 

 『ナガノブが事を急ぎましたからねえ』

 

 『打ち合わせができないままでしたもの』

 

 『仕方ありません。ナガノブに一言申してきましょう』

 

 雪さんと夜さんと華さんにお願いしますと告げると畳から立ち上がり、ナガノブさまの下へとしずしずと歩いて行く。私が行けば速攻でフソウの方々に止められるだろう。フソウの神獣である雪さんと夜さんと華さんだから出来ることだった。

 ナガノブさまの前に雪さんと夜さんと華さんが座って、なにか話しかけている。暫く見ているとナガノブさまがしょぼんと肩を落として、なにか呟いていた。大丈夫かなと眺めていれば彼と視線が合う。

 

 「みなーばぁよ! 此度の一件は真にご苦労であった。朝廷と幕府からお主に渡したいものがある!」

 

 ナガノブさまが謁見の間の隅々まで届く声で告げた。どちらの面子を潰さないように取り計らってくれたなあと、私も居住まいを正して小さく頭を下げる。

 

 「ナガノブさま、わたくしもアルバトロス王から貴国へ贈る品を預かっております。輸送の関係で亜人連合国からも預かって参りました」

 

 献上品の内容が記されている書状を差し出すと、係の人がナガノブさまの前まで手紙を持って行く。豪快に書状を開いたナガノブさまは文字をすぐさま読み解き、真剣な顔になった。

 

 「ふむ。アルバトロスと亜人連合国には気を使わせてしまったな。世話になるのは我らフソウである。みなーばぁよ、書状を認める故にアルバトロス王と亜人連合国代表に届けて貰っても良いか?」

 

 これからよろしくね、という気軽なものだし気負わないで欲しいけれど……。とりあえず、ナガノブさまに返事をしないと。

 

 「ありがとうございます。大役、承りました」

 

 「次は、我々からだな」

 

 ナガノブさまが、ぱんと二度手を叩くと、奥から三人のお侍さんが大きな箱と小さな箱を抱えて私の前に置いて下がって行く。漆塗の箱には朝廷の印と幕府の印が刻み込まれていた。

 

 「きちんとした礼が遅くなってすまない。帝からもみなーばぁへ渡して欲しいと預かっておってな。大したものではないが、受け取ってくれ」

 

 中身が気になるけれど、この場で開けるのは失礼になるだろうか。とんでもない品が入ってないことを祈っていると、ナガノブさまが面白そうに笑った。

 

 「見ても構わぬよ。気になるのだろう?」

 

 物欲に負けましたすみませんと心の中で謝りながら、立派な箱の蓋を開けさせて頂いた。幕府の紋が入った大きい箱の中には大小二本の日本刀、ならぬフソウ刀が納められていた。私は扱えないけれど、多分ナガノブさまが選んでくれたのだろう。

 

 「凄い……」

 

 立派な拵えに包まれた刀身は凄く斬れそうな雰囲気が放たれれおり、簡単に触れてくれるなと訴えているようだった。小さく零した私の言葉をナガノブさまが確りと拾って、どやあとした顔になる。そうして小さな箱に手を掛けて開いてみると、紫色の綺麗な布の上には掌サイズの透明な玉が鎮座していた。

 

 「……水晶、かな。綺麗」

 

 「帝がな、其方から並々ならぬ力が漏れ出ているから、その水晶を近くに置いておけばなにかあった時に助けになってくれるだろうと申された。強制はできぬが、帝の思いを汲み取って欲しい」

 

 フソウの霊峰から取れた水晶で、魔力を吸い取って緊急時には身代わりとなってくれるのだとか。帝さまとは一度会っただけだし、短い時間だったのに気を使って貰えるのは有難いことだ。戻ったら部屋に飾らなければと頭の中に刻み付け、ナガノブさまの顔を見る。

 

 「お心遣い、感謝致します」

 

 「気にするな。後でアルバトロスと亜人連合国に贈る品も用意しよう。みなーばぁよ、頼めるか?」

 

 ナガノブさまがちょっと困り顔で告げた。使者で西大陸に渡っていた九条さまは戻ってきているし、誰も行く予定がないなら私しか適任者がいないので順当なのだろう。彼の言葉に確りと頷くと『よし! 面倒なことはこれで終わりだ! 皆で祝おう!』と宴会が開かれる準備が始まるのだった。




 お待たせしました、投稿再開でっす! 担当さんから戻しがなければ、暫くの間は更新を続けられるはずです……はず! うん。
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