魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~ 作:行雲流水
帝さまが意識を失った一報が入ると、ドエ城は一気に騒がしくなっていく。どたどたと廊下を歩く人が増え、城主であるナガノブさまの意見を窺おうと部屋前に集まっていた。ピリッとした空気が流れる中、ナガノブさまが武士の人に顔を向けた。
「詳しいことは?」
彼の声は今までで一番静かで真剣だった。
「帝が意識を失ったことで朝廷も困惑しており、情報が錯綜しております」
あたふたとみんなが動いているけれど、一大事だから肝心な情報を掴めていないとのこと。歯切りしたナガノブさまが大きく息を吸った。
「っ……ここで議論しても埒が明かぬ。朝廷に赴く! 疾く準備せよ!!」
右手を前に出してドエ城の皆さまに命が下る。帝さまが意識を失ったなら、なにかしら原因があるはずだ。
老齢だったからなにかの病気で倒れたかもしれないし、命に関わることでなければ良いけれど……ここで心配するならば直接現場を見た方が良さそうだ。倒れた帝さまを看る力はあるはずだし、謁見できる地位も得ている。せっかくアルバトロスの友好国となったのに、ここで問題が起きても困るのだから。
『ナガノブ!』
『私たちの脚の方が早いでしょう!』
『急ぎ準備を終え、乗りなさい!』
雪さんたちが立ち上がって、三十秒で支度しなと言いたげに覇気のある声を出した。ナガノブさまは彼女たちに驚きつつも首を縦に振り畳から立ち上がる。
「ナガノブさま! わたくしも連れて行ってください! 帝さまがお倒れになったなら、役に立つこともありましょう!」
彼がこの場から去ってしまう前に話をつけなければと、急いで声にした。私の声にナガノブさまがこちらを振り返って、考えた素振りを見せる。
余所者だから断られるかと覚悟し、駄目ならヴァナルを出汁に使って雪さんたちを説き伏せればどうにかなる。少し狡い方法ではあるが……連れて行ってくれないなら仕方ない。帝さまと関わったのだし、化粧品を頂いたり、水晶を贈って頂いたりと気を使って貰っている。ここで部外者として待っているくらいなら、関わって助かる命があるなら助けたい。
「すまん、頼れる者は多いにこしたことはない。アルバトロスには事後報告になるが、良いか?」
アルバトロスに報告してくれるなら有難い。私も行動記録を報告書に記さなければならないし、裏取りが楽になるのだから。ただ巫女さんと呼ばれる方たちがいるし、出しゃばり過ぎるのも問題だろう。
「もちろんです!」
無言でナガノブさまは頷き、部屋を出て行った。また部屋付きの女中さんを呼び出して、男性陣には出て行って頂きリンと共に聖女の衣装に着替え終えた。
「ヴァナル、申し訳ないけれど……大きくなって私たちを朝廷に連れて行って貰っても良い?」
『ン。ミンナ、乗セル』
雪さんと夜さんと華さんにはフソウの方々が乗るのが道理だろう。なら私はヴァナルを頼るしかない。ヴァナルであれば雪さんたちのスピードに追い付けるし、ジークとリンに支えて貰えば背中に問題なく乗れるのだから。
「ありがとう。ごめんね、勝手を言って」
ヴァナルの顔を撫でると、彼は目を細めて私の手を受け入れてくれた。それと同時に影の中からびょーんとロゼさんが登場した。
『マスター! ロゼが転移できる!」
「でも、ロゼさんはフソウの人たちを転移させるのは嫌じゃないの?」
ロゼさんは人見知りする傾向があるから無理だろうと判断してお願いしなかった。私が転移するなら必然、フソウの方々も一緒になるのはロゼさんも理解しているはず。
『嫌だけれど……マスターが心配しているのが分かるから、我慢できる!』
ぴよんと丸い身体を伸ばして元に戻るロゼさん。
「ありがとう。フソウの方たちの了承を得られれば、フソウの人も一緒に転移をお願いするね」
ロゼさんの体に手を添えて撫でると、まだ温かいままだった。雪さんたちもロゼさんの意見に問題はないようで、一刻も早く朝廷に辿り着きたいようだ。
『うん!』
ロゼさんも少しづつ成長しているのだろうか。小さなことに嬉しさを覚えながら、しょんとなっているヴァナルに『ごめんね』と伝えると『ロゼのテンイ、ハヤイ』と納得はしてくれているようだ。
ただちょっと、脚の速さに負けてしまったことが悔しいらしい。その辺りは男の子なのだろうとヴァナルを見ていれば、雪さんと夜さんと華さんがヴァナルを慰めていた。借りた部屋に九条さまが姿を現して真っ暗な外へと案内され、フソウの面々と着替えを終えたナガノブさまがいた。
「申し訳ありません、お待たせ致しました」
「いや……では参ろう。神獣殿、申し訳ありませんが、よろしくお願い致しまする」
神妙な面持ちのナガノブさまが雪さんたちに一礼すると、彼女たちは私の方へと体を向けた。私が説明するより、フソウの神獣である雪さんたちから話をした方が早いと小さく頷く。
『ナガノブ』
『転移で帝家まで連れて行ってくれるそうです』
『私の脚より早いので、お願いしましょう』
「転移……?」
雪さんたちが説明するものの、ナガノブさまは『転移』が一体どういうものか理解できていない。確か陰陽道はあれど、魔術の概念は存在しないから転移魔術は珍しいのだろうか。力のある陰陽師なら転移できそうだけれど、あまりぱっとイメージが浮かばないようだった。説明するよりも、実地で体験する方が早いと判断した私はロゼさんの名前を呼ぶ。
「ナガノブさま、申し訳ありません。わたくしは転移魔術を使えません。今回はスライムのロゼに転移を頼みます」
立場が必要な場なのでロゼさんのことを呼び捨てにしたけれど、私の影からぴょんと飛び出たロゼさんは気にしていない様子。
むしろ、さん付けされなかったことが嬉しかったのか、いつもより体をうねうねさせて喜びを表現していた。ロゼさんの突然の登場に驚きつつ、要領を得ていないフソウの方々に雪さんと夜さんと華さんが転移の説明を軽く伝えてくれる。時間もないし、理解してくれただろうと私は口を開いた。
「フソウの皆さま、わたくしの周りにお集まりください。決して私の側を離れないように……!」
わらわらとフソウの男性陣が私の周りに集まった。アルバトロスの面々ももちろん控えているし、ジークとリンも私の側で静かに護衛を務めてくれている。
「……すまぬ、感謝する!」
ナガノブさまの言葉を聞き、地面にちょこんと真ん丸ボディーを揺らしているロゼさんを確りと見た。失敗しないようにと、少しだけ私の魔力を込める……そして。
「ロゼさん、帝家の門前に転移をお願いします!」
流石にナガノブさまが一緒でも、帝家に直接入ることは許されない。雪さんたちがいるけれど、彼女たちはフソウの特別だから許されているのだろう。ならば、安牌を取って門前一択だ。
『うん!』
ロゼさんの了承の声が聞こえると、大きな丸い魔術陣が浮かび上がる。浮かぶ幾何学模様は転移の術式を示している。
おそらくフソウの皆さまにはどんなものか分からないだろう。今は魔術の解説を繰り広げる時間ではないし、ロゼさんの魔術が発動されるのを静かに待つのみ。暗闇に光る青白い魔力光に照らされると一瞬、お腹が中に浮かぶ感覚に襲われた。
「なっ! 本当に一瞬にして……!」
「ナガノブさま、感心するのはあとにしましょう」
驚いているナガノブさまに本来の目的を思い出して貰う。ロゼさんに感謝を伝えると『また呼んで!』と言って、私の影の中へと消えて行った。ぎょっと驚くフソウの面々だけれど、ナガノブさまだけが正面の大きな扉に視線を向けている。
「そうであるな。――我はナガノブ! 開門を願う!!」
雪さんたちがナガノブさまの横に並び、彼の顔を見上げる。
『ナガノブ』
『我らが先に参りましょう』
『屋敷内側の門番に話を通しておきますゆえ』
「頼みます!」
ナガノブさまが確りと頷けば、雪さんたちはぐっと後脚に力を込めて高い塀を一度で乗り越えた。まるで猫のようだと感心していると、直ぐさま門扉が開いて帝家を護衛する方々がナガノブさまを迎え入れる。
私も特例として、中に入ることを許されて歩を進めるのだが……屋敷内に満ちる気持ち悪さは表現し難いものだった。
約三年前の大規模討伐遠征の時に感じた不快さとは、また違う質のもの。寒い国だというのに、ぬめりとした生温かい嫌な空気が流れている。生温かい空気の中には魔力も含まれており、以前訪れた時よりも肌で感じる濃度が高い。クロとヴァナルと幼竜さんが魔力に充てられ、嫌な顔になっていた。雪さんたちは、帝さまの下へと急いで向かったとのこと。
「この不快さはなんだ……!」
「ナガノブさま。実は……」
ナガノブさまの耳元でごにょごにょと語る帝家側の護衛さん。一体なに……と言うよりは、黒い鳥居の奥に封じられている呪いが暴れだしたと解釈するのがしっくりとするのだが。
「なっ! 呪いが……ついに……!」
ナガノブさまが護衛さんの言葉により、鳥居の方へと顔を向けた。先ほど見た夢の所為もあるけれど、異質な魔力の流れは呪いと称される刀が暴れだしたのだと納得しながら、ナガノブさまと共に鳥居の方向へ顔を向けるのだった。
◇
夢で見たのは偶然ではなく、必然だったのだろうか。帝家によって封印されていた呪いが解けたようだ。大きな屋敷内に入ると、表現し難い気持ち悪さが漂っていて魔力が関わっていると肌で分かる。
クロとヴァナルに幼竜さんも分かるようで、情けない顔になっていた。おそらく流れている魔力が不快なのだろう。どうにか我慢できるけれど、逃げられるなら逃げ出したい気持ちに駆られてしまう。ナガノブさまの背を追いながら、気になることがあるので口を開いた。
「ジークとリンは気持ち悪くない?」
魔力に敏感な魔術師型の人は屋敷内に満ちる魔力に充てられているが、騎士タイプであるジークとリンは大丈夫かと後ろを向いて問いかける。
「嫌な感じはするが……それだけだ」
「うん。不快、まではいかないよ」
そっくりな顔で二人はそう言うけれど、いつもよりしかめ面になっている。彼らの表情は読み取り辛いので、他の人は分からないかもしれないが……微妙に普段とは違っていた。
「無理はしないでね。魔力除けの障壁も張れるから、耐えられなくなったら教えて。クロとヴァナルと幼竜さんも大丈夫?」
私の言葉にこくりと頷くジークとリンに、こてんと顔を傾げたクロとヴァナル。そしてジークの肩の上で少し元気のない幼竜さん。卵から孵ったばかりだし、一番耐性がないのは彼女なのかもしれない。幼竜さんはジークとクロに任せる他ないなと前を向けば、立派な武家屋敷の玄関先に辿り着く。
ナガノブさまを始めとする私たちを出迎えてくれた方は女性だけれど、おそらくお屋敷で働く女中さんのような方ではない。リンと同じ雰囲気を纏っているから、武力に長けた方だろう。夜中の訪問だし、用心することに越したことはないから文句はなかった。
「帝は大丈夫なのか?」
「今現在は……状況は良くありません」
ナガノブさまの言葉にちらりと視線を向けて淡々と答えた女性。ナガノブさまはぎゅっと手を力一杯握りこみ血管が浮き出ていた。
長い廊下を歩くこと暫く、お屋敷の一番奥まで辿り着き部屋へと通された。天蓋付きの寝台に横たわる帝さまと世話役の女中さんに、帝さまの横に控えている雪さんと夜さんと華さん……いや、神獣さまの姿があった。
「神獣殿、帝の容態は!?」
ナガノブさまが静かに呟き、天蓋の前に腰を下ろした。小さな声でも神獣さまの耳には届いたようで、三つの顔がこちらに視線を向けた。部屋には帝さまの親族だろう。よく似たお顔立ちの方が心配そうに側で見守り、御典医も控えているようだ。
以前お目通りした時より帝さまの魔力が減っている。筆頭聖女さまよりご高齢であるが、確りとした方で覇気のあるお方だったのに。魔力が失われただけならば補填すれば良いのだが、帝さまと私の魔力の相性が良いのか分からない。まだ口にするべきではないと判断して、
『ナガノブ、参られたのですね』
『あまりよろしくありません』
『黒い痣が浮き出ております。呪い刀の影響でしょう』
為す術がないと言いたげに神獣さまが首を垂れ、帝さまに視線を向ける。神獣さまが向ける視線は純粋な心配だろう。
きっと帝さまの幼い頃から付き合いがあるだろうし、雪さんと夜さんと華さんからすれば身内のような方である。番が見つかったと喜んでくれた方が床に伏している姿なんて見たくなかっただろうし、お腹の仔供だって見せたかったはずだ。
「大巫女さまは?」
ナガノブさまが声にした『大巫女』とは一体誰だろう。名前からしてアルバトロスの筆頭聖女さまや、聖王国の大聖女さまに近いニュアンスではあるが。
『彼女も帝と共に祓いの儀式を執り行い、状況は同じだそうです。他の巫女も同様に数名が床に伏せているとのこと』
『大巫女とは、神の力を多く備える者に与えられる称号であります』
『帝に次ぐ力を持ち、神事の際には帝の補佐を務めるのです』
神獣さまが首を傾げた私に気が付いて、大巫女さまについて教えてくれた。帝家は成り立ちから、魔力持ちであることが多く、魔力量も多大なのだそうだ。フソウ国内から魔力量の高い女性が選ばれ、晴れて巫女になる。
フソウ国内では女性にとって栄誉職であり憧れなのだとか。大巫女さまは巫女を束ねると共に、神事の際は帝と共に顔を出すので国内での人気も高い。あ、これ、帝さまと大巫女さまを同時に失えば、フソウにとってかなりの大打撃なのでは。その証拠にナガノブさまが物凄い表情で悩んでいるのだから。
「なにか手立ては?」
ナガノブさまの言葉に答えは返ってこなかった。フソウではお手上げということだろうか。沈黙が暫く降り、誰も打ち破る人が現れない。この切羽詰まってしんみりとした状況を払う方が良いだろうと、小さく手を上げた。
「神獣さま、ナガノブさま。部外者ではありますが、帝さまのご容態を確認させて頂いても宜しいでしょうか?」
通常の場であれば雪さんと夜さんと華さんと呼ぶのだが、今は神獣さまとお呼びした方が相応しいだろう。彼女もそれを理解して、なにも言わない。
ナガノブさまは少し考える素振りを見せ手立てがないと了承してくれた。神獣さまも『お願いします』『フソウの問題に付き合わせてしまいましたね』『状況が変わると良いのですが』と帝さまを見ながら言葉にした。
「失礼致します」
畳から立ち上がればジークとリンも一緒に付いてこようとしたが、流石に帝さまは女性だから無防備な姿を誰彼に見せる訳にもいかないと待機をお願いした。
クロが一緒にいるし、影の中にはロゼさんもいる。心配そうな顔を浮かべた二人に、無言で大丈夫だと頷いて寝台に移動する。
帝さまの顔色は良くないし苦しそうだ。そして、うっすらと黒い靄のようなものを捉えることができた。先ほどまでいた位置では分からなかったと舌打ちを堪えて、帝さまの様子を窺えたことに安堵する。側付きの女性に他に異常なことはないかと問うと、彼女は静かに掛布団を捲る。
「これは……」
帝さまの生白い腕が見えた。年齢相応な細い腕であるが異常な部分が確実にある。約二年前、大規模討伐遠征で暴走した魔物に現れていた特徴とそっくりな、黒い痣の模様だった。
お付きの女性に確認を取ると、暴走した呪いの刀を封じるための儀式を執り行う前までなかったとのこと。
もしかして黒い痣に取り込まれてしまえば、あの時の魔物のように暴れ始めるのだろうか。黒い痣が原因だったのか、普通の魔物より五割から十割増しで強さが上がっていたのだが……嫌な予感を振り払うように、確りと帝さまの顔を見る。
「効果があるか分かりませんが、神力の受け渡しを試みても宜しいでしょうか?」
こればかりは魔力の相性があるので、成功するか失敗するか分からない。あと生身の方に浄化魔術を施した前例はない。
基本は呪いや恨みを募らせた相手に施すものである。その対象は命を失った者か生命体以外の無機物が対象である。だから辺境伯領で瘴気を放っていたご意見番さまに浄化儀式を執り行ったし、アガレスのヴァエールさまにも効果があったのだ。生きている人に対しては、効果は望めないだろう。
フソウの面々に順に視線を向けると私の提案に反対する方はいなかった。魔力の受け渡しだけならば、魔術を発動させて治癒を施すより拒否反応は薄いはず。お願いだから帝さまとの魔力の相性が合うようにと願いながら魔力を練る。込めすぎても問題だから、少しだけと加減をしながら魔力を練れば、青白い魔力の光が薄暗い部屋を照らした。
「失礼いたします」
布団から出ている帝さまの冷えた手を握らせて頂いた。失礼に当たるかもしれないが、誰も意見を言わぬまま私の提案を受け入れたのだから、今更触れたことを問題視されても双方が困るだけ。
アルバトロスには事後報告になるが、困っている人を助けるのは聖女の務めだからさほど問題ないだろう。まあ、アルバトロス上層部は頭を抱えるかもしれないが。
帝さまの手に温かさが戻ってくる。顔色も少し良くなった気がするし、魔力の譲渡は成功したようだ。失敗なら私の魔力が減るだけか、最悪の場合拒否反応を見せる。拒否反応を起こすのは限りなく可能性が低いと文献に記されていた。
「…………あ」
帝さまがか細い声を上げた。どうやら気が付いたようで、血色も良くなっている。ふうと息を吐けば側付きの女性が涙を流し、集まっていた帝家の方々も顔を見合わせて安堵の声を上げている。ナガノブさまは気が抜けたようで脱力していた。
神獣さまは帝さまの顔を覗き込んで『大丈夫ですか?』『貴女がいなくなると寂しくなってしまいます』『意識を取り戻して本当に良かった』とそれぞれ口にしている。覗き込んだ神獣さまの顔に細い腕が伸び、愛おしそうに撫でた。
「あら。城にいるはずの雪と夜と華がどうしてここに?」
消え入りそうな声だけれど目に力があるし、目が覚めたならば問題は少ないだろう。
『貴女が倒れたと聞いて、急ぎこちらにやってきたのです』
『本当に心配したのですよ?』
『無茶をしましたね』
ゆっくりと撫でる手を雪さんたちは受け入れて、とりあえず危機は去ったのかと小さく息を吐いたのだった。