魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~   作:行雲流水

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0389:どこの国にもいる。

 帝さまの目が覚めた。安堵しているフソウの皆さまと、魔力の受け渡しが上手くいって良かったと小さく息を吐く私。失敗していたら、ナガノブさまの刀の錆となった気がする。帝さまは起き上がれるようになってはいるが、体の黒い痣は一向に消える気配はない。帝家の皆さまは凄く不安そうな顔で黙ったまま、帝さまの側に控えているだけ。

 なにか解決策はないものかと思案してみるが、こういった事例に詳しくなく方法なんて浮かばない。詳しそうな副団長さまがいないのは、ちょっと痛手だった。魔術の知識もきちんと手に入れた方が良いのかもしれない。

 

 「雪と夜と華がいることに驚きましたが、どうしてナガノブたちとみなーばぁもいるのです?」

 

 ゆっくりと顔をこちらに向けて、小さく首を傾げた帝さま。事情説明はナガノブさまに任せようと彼の顔を見ると一つ頷いた。

 

 「貴女さまが倒れたと聞き疾く赴きました。みなーばぁは、なにかできることがあるかもしれぬと、我らと一緒に参った次第」

 

 「そういうことでしたか。心配を掛けました」

 

 「いえ。貴女さまが倒れたとあってはフソウの一大事、皆、気持ちは同じでしょう」

 

 帝さまがお隠れになると年単位で喪に服すからフソウの一大事だろう。民の方々の悲しみも深いから、フソウの頂点に立つ重責は計り知れない。

 

 「みなーばぁも遠い所から参ったばかりというのに、騒ぎに巻き込んでしまいましたね」

 

 帝さまは私に視線を向けて目を細めた。周囲に人の目があるから簡単に頭を下げられないようで、無言で申し訳ないと仰っている。神獣さまの懐妊報告は届いているようで、側にいた雪さんと夜さんと華さんのお腹をゆっくりと撫でていた。元気に産まれてくると良いのだが、今は、先にやらなければならないことがある。

 

 「いえ、お気になさらず。帝さま……屋敷内に嫌な雰囲気が立ち込めておりました。早く手を打った方がよろしいかと」

 

 内政干渉だと言われてしまえば、もう口出しはできない。さて、フソウの皆さまはどうするのだろうと、帝さまの目を確りと見た。

 

 「やはり、みなーばぁはただ者ではありませんね。手を打ちたいのは山々ですが、私と大巫女たちの力では呪いに太刀打ちできずこの様です。呪いを放っておけば、時間をおかぬうちに民に累が及びましょう」

 

 帝さまはナガノブさまを見て『アルバトロスの聖女に浄化儀式の依頼を打診なさい』と告げると、畳の上に座っていた高貴な男性が身を乗り出した。

 

 「お待ちください! 他国の者を頼るのですか!?」

 

 叫んだ男性はどことなく帝さまに似ている気がする。年齢はナガノブさまと同じくらいだろうか。体の線が細いので武士というより文官系に見える。というか彼は……ナガノブさまから聞き及んでいた帝家の問題児か。帝家の次代は決まっており、帝さまの第一子である男児が継ぐと決まっているそうだ。

 で、問題の彼は第二子なのだが、上昇志向が強い上に国内志向が強いものだから、他国には厳しい態度を取るお方と。そろそろやらかし累積が溜まっているので、ご退場願いたいと朝廷も幕府も裏でこそこそしているとか。

 

 「ええ。しかしフソウとアルバトロスは友好関係にあり敵ではありません。距離は離れておりますが、困ったことがあればお互いに助け合うと取り決めをした所。そして、アルバトロスの聖女に他国が依頼を出すことは西大陸では一つの手段でもあるのです」

 

 問題がありましょうかと帝さまが高貴な男性に告げると彼は私とナガノブさまを見ると、ジークとリンにアルバトロスの護衛の皆さまの空気が変わった。

 

 「ナガノブ! 貴様も同じ考えか!」

 

 「はい、帝の勅命です。逆らう理由もありません。殿下、彼女を見れば分かるでしょう。竜を従え、神獣殿の番の主である者の力が弱いはずなどない」

 

 ナガノブさまが男性に厳しい視線を向け静かに威圧する。

 

「確かにそうだが……フソウは小国だ! 他国から攻められ支配される日が訪れることもあろう! 安易に頼るなど以ての他だ!」

 

 納得はしてくれないか……。彼は屋敷内の嫌な空気に気付いているのか、いないのか。帝さまの意識が戻ったことで少しマシになっているが、依然、胸に不快なものが流れている。

 

 「仰ることは理解できます。しかしフソウで神力が一番強い帝と大巫女でさえ御せぬ呪いを、我らがどうやって打ち砕きます?」

 

 ナガノブさまは男性を諭すように静かに告げた。私も呪いを御せる自信はない。なにせフソウの地に由来する呪いだから、アルバトロスの魔術師が開発した術式が通用しない場合もあるだろう。

 やってみなければ分からないが、失敗したら、目の前の高貴な男性に凄く責められそうだ。そらみたことか! って、凄いドヤ顔で言われそう。なんだか想像すると、口が一文字に結ばれていた。

 『あ、最近珍しいねえ。魔力漏れているよ~ナイ』と肩の上のクロが口にして、漏れ出た魔力を吸い取っている。私の魔力に気付いたヴァナルと雪さんと夜さんと華さんもこっそり吸い取っているし、ロゼさんは影の中から体の端だけ出して吸い取っている。器用なこともできるのだと感心していると、男性が立ち上がり握り拳を握って良い顔になった。

 

 「俺がやる! 俺は帝家の直系だから力は十二分にある! 帝家の一員として儀式の手解きは受けているのだからな! 兄上より上手くやってみせるさ!」

 

 どうだ良い案だろうと言いたげに、高貴な男性はナガノブさまたちを見下ろし、上座に座る男の人を見た。ジークが佩いているレダが震え、リンが佩いているカストルが『ぶふっ!』と吹いていた。

 二本の剣は高貴な男性には無理だと判断し、できると言い切ったことがおかしかったようだ。シリアスな空気だから、喋るのがバレては不味いとジークとリンに視線を送る。そっくりな二人は自身が佩いている剣のベルトに手を触れて二度揺らす。気を引き締めて、というサインだった。

 

 「勇むのは良いですが、貴方にこの痣が現れることになってもですか?」

 

 ドヤ顔継続中の男性に帝さまが服の袖を捲り黒い痣を見せると、彼は息を呑んだ。儀式を執り行えば自分にも同じ痣が現れるかもしれないと、怯んでしまったようだ。

 

 「し、神獣殿!? な、なにを!?」

 

 雪さんと夜さんと華さんが立ち上がり高貴な男性の下へ歩いて行くと、何故かヴァナルも一緒に付いて行く。どうしたのだと見守っていると、雪さんと夜さんと華さんは男性に向かって口を開いた。少し魔力を練って威嚇している気もするけれど……本当にどうしたのだろう。

 

 『其方は外へ出ていなさい』

 

 『進むはずの話も進みません』

 

 『さあ、参りましょう』

 

 男性のお尻を脚で蹴る雪さんと夜さんと華さん。大きくなったヴァナルが彼女たちの横に付いて、男性のお尻部分の服を噛んでぷらんとぶら下げる。

 

 『ハコブ。ムリシナイ』

 

 ありがとうございますとお礼を告げる雪さんと夜さんと華さん。ヴァナルがゆっくりと部屋を歩いて出ようとすると、係の人が障子を開いて外へと連れ出す。

 部屋をでる間際に彼女たちが『池にでも落としてください』『頭を冷やすには丁度良いでしょう』『誰か、念のために付いてやりなさい』と言葉を残すと、控えていた方が恐る恐るヴァナルの後ろに付いて行く。フソウは冷えるから池に放り込んで風邪を引かないようにという配慮だろうか。フソウのメンバーはやれやれと、アルバトロスの面々は『どこの国も問題児はいるのね』と呆れを堪えていた。

 

 「見苦しい所を見せましたね、みなーばぁ」

 

 帝さまが私を見ると『ぼちゃん』と水の音が響いた。

 

 「いえ、お気になさらず。帝さま。先ほど、私は夢を見ました」

 

 問題児はフソウの問題だから感知しないと、話を切り替えた。

 

 先ほど見た夢はおそらく呪いの刀が原因だ。魔力暴走が強くなり、私の意識とリンクしてしまったのかもと帝さまたちにことの経緯を伝える。難しい顔となったフソウの皆さまの話によると、呪いの刀が産まれた理由は、何百年も前に反朝廷と反幕府を掲げた一派の重鎮のある家族を体制側が殺めたことが始まりなのだとか。

 

 ナガノブさまが最初に教えてくれた話は、民の間に流布しているもので、真実を語るには……都合が悪かったのだろう。

 

 見せしめのつもりで命を奪ったが、恨みが深く人斬りと化してしまったようだ。斬った数が増えると、人の道を外れて外道となり世間から『人斬り侍』と呼ばれるようになった。時が経ち、寿命かなにかで亡くなったものの、刀自体が力を持ち、新たな持ち主を取り込んで呪いの刀の完成と相成った。二千人斬り目前で帝家によって封じられ今に至る、と。

 

 「彼の者が悪鬼羅刹となってしまったのは、我らの責任でございましょうな……政が絡む故、みなーばぁには事実を暈して伝えてしまった。誠、済まなかった」

 

 ナガノブさまが一拍置いて帝さまを見たあと、私に向かって頭を下げた。隠したいことや、後ろ暗いことは沢山あるだろう。それに大昔の出来事で目の前の彼らに責任があるかと言えば、ないようなものだ。気にしないでくださいと口にすると『かたじけない』と顔を上げるナガノブさま。そして元の大きさに戻ったヴァナルが部屋に入り、雪さんたちが迎え入れる。

 

 「正式にフソウからアルバトロスに打診いたします。しかし今の状況を放置すれば民に被害が出ましょう。急ぎ、浄化儀式を執り行って頂きたく」

 

 帝さまに続いて雪さんと夜さんと華さんもお願いいたします、と私に小さく頭を下げる。最初からそのつもりでいたから『承知致しました』と頷くのだった。

 

 ◇

 

 正式に浄化の依頼を受けたが、言っておきたいことがあった。前にもいったがアルバトロスだけの手柄にすると、フソウの朝廷と幕府に対する求心力が下がることもある。

 儀式を実行するのなら、フソウの誰かと一緒に執り行った事実があった方が良い。フソウの面々に打ち明けると、帝さまもナガノブさまも異論はなく、むしろ有難いと仰ってくれた。しかし帝さまは目が覚めたばかりだし年齢的な理由もあり、幕府側は参加を見送って欲しいと願い、朝廷側も無茶はさせたくない様子。

 

 帝さまの寝所でフソウの重鎮が集まって、あーでもないこーでもないと話を練っている。アルバトロスの面々はあまり口を出す気はなく、とりあえず助言を求められれば話す程度だ。

 同行している外務官さまもいるので、私の行動が不味ければ真っ先に彼らに止められるだろう。その気配がないなら、アルバトロス的に問題ないと言っているようなもののはず……。若干、彼らが頭を抱えている気もするが、浄化儀式を頼むかもしれないとアルバトロスに話を通していたことが良かったのだろう。私の勝手な行動が国から責められないなら、行動の幅が広がる。

 

 「大巫女はまだ目覚めておらぬのだな?」

 

 ナガノブさまが難しい顔で配下の方に言葉を投げれば首を縦に振る。ふうとナガノブさまは息を吐き、困り顔の帝さまが口を開く。

 

 「私以外の者となれば大巫女が適任でしょうけれど……目覚めていない――」

 

 「――大君(おおきみ)! お目覚めになられたのですね!?」

 

 どたどたと廊下を歩く音と共に障子が開くと、焦げ茶色の髪を下げた目が真ん丸な女の子が入ってきた。視界に捉えた女の子の第一印象は『小さい』と言うのが正直な感想だった。おそらく私より低い気がする。年齢が定かではなく幼い顔立ちなので、今後成長期が訪れる可能性もあるからなんとも言えないが。

 

 「っ! お客人がいらっしゃいましたか……。目が覚めれば側付きの者から大君が倒れたままと聞き、火急の事態と判断しこちらまで赴いた次第です。お目汚し失礼致しました」

 

 アルバトロス勢を確認するなり、少女は畳に膝を折り頭を丁寧に下げた。おそらく帝さまの寝所に他国の人間がいることを一瞬で理解し、頭を下げる判断したようだ。この部屋から出された高貴な男性よりマトモで話ができる人だろうと『お気になさらず』と私も小さく頭を下げる。

 

 「みなーばぁ、大巫女が失礼しました。少々、元気過ぎる所があり先ほどのようなことを繰り返しております。全く、淑やかになりなさいと言っておるのに、其方は……」

 

 私も淑やかさなど身に付いていないので、大巫女さまの態度や行動に口を出せばブーメランとなってしまう。黙って話を聞いている方が賢明だなと、帝さまと大巫女さまのやり取りを見つめる。帝さまの身長はフソウの女性の方々より高めである。対して大巫女さまは少々小柄。母親と娘にも見えるし、年の離れた姉妹にも見える。

 

 「うっ……」

 

 大巫女さまは帝さまの言葉に反論できず、小さくなっていた。幼い容姿だが、実年齢はどれほどのものだろうか。

 ゲームのフソウは日本を模していると聞いたから、諸国の方々よりも若く見える特徴があるかもしれないといろいろと考えてしまうが、流石に直接聞くと失礼になってしまう。帝さまと大巫女さまのやり取りを見かねた雪さんたちが止め話の軌道が戻されると、ナガノブさまが一つ咳払いをした。

 

 「大巫女よ、体調はどうなのだ?」

 

 「ナガノブさま。本調子ではありませんが、動くことはできます。それに呪いの多くは大君が受けてくださいました」

 

 なるほど。大巫女さまが目覚めた理由は、呪いの影響が小さかったからか……。

 

 「呪いの刀は、最初に呪っていたものだけでは満足できず、なににでも反応してしまうモノに成り下がりました。放っておけば多くの民草が犠牲となりましょう。我々巫女は命を賭して止める覚悟。お下知を下されば全力を持って対処いたします」

 

 大巫女さまが真剣に問うたナガノブさまへ言葉を返す。巫女の方々は全滅覚悟で呪いの刀に挑むようだ。帝さまがナガノブさまと大巫女さまに視線を向け右手を伸ばすと、テレビや漫画でよく見る星形の術式陣が浮かんで光る。

 

 「大巫女よ。アルバトロス王国の聖女、ナイと共にフソウの巫女たちで呪いの刀を祓いなさい」

 

 「御意!」

 

 大巫女さまの勢いの良い返事が部屋に響く。どうやら彼女はフソウに忠実な方のようだ。大巫女さまのような方であれば、喧嘩もなく浄化儀式を執り行えるだろうと彼女を見る。視線を向けていることが分かったのか、大巫女さまが私に振り向き小さく頭を下げた。嫌な感じはしないし、妙な展開にはならないはず。

 フソウの面々が大巫女さまにこれまでの経緯を話せば、大体の事情は知っていたようでとんとん拍子で話が進んでいく。問題点は絶賛瘴気を放っている刀の呪いが払えるか、が問題のようだ。フソウのお祓いとアルバトロスの浄化では全く方法が違い、一緒に執り行うとしても問題が生じてしまう。

 

 「全力を持って対処すると申しましたが、私たち巫女の神力だけでは足りぬのです……しかし放っておけば更に状況は酷くなり、大君の体調も懸案事項でしょう」

 

 帝さまの黒い痣は消えていない。帝さまの目が覚め、普通に振舞っているけれど辛くないはずがないのだ。ずっと黒い痣に蝕まれているのだから。帝さまは『私のことは気にしなくて良い』と言うが、彼女が隠れるとフソウはダメージを受けることになる。経済しかり、気持ちもしかり。それだけは避けなければならないと、フソウの皆さまは必死である。

 

 「大巫女さま。神力は魔力と同じと理解してよろしいでしょうか?」

 

 私は大巫女さまに視線を向け確認を取る。言質さえ頂ければ、私は後ろで巫女さまたちに魔力を注ぎ続ける作業で済ませる腹積もりだ。

 

 「話を聞くに、大君が目覚めたのは貴女さまの神力が特出していることが功を奏したのでしょう。神力を誰かに受け渡すなど前代未聞ですが、多くの者が確認しております。貴女さまが仰るマリョクは神力と同じものかと」

 

 大巫女さまから確信を頂けた。ならば、アルバトロス城の障壁を張る魔術陣の術式を転化すれば良いだけ。七年近くお城の魔術陣と付き合いがあるので、術式は覚えている。

 国の端々の土地へ魔力を注ぐものから、目の前にいる巫女さまたちへ魔力が渡るように変える。試したことはないけれど、最悪、アリアさまに魔力を譲渡した時と同じ手法を取れば限界まで注ぎ込めるはず。

 フソウとアルバトロスの面々で話し合うこと暫く。うだうだと部屋で雁首並べて協議しても仕方ないと大巫女さまが仰り、現場に行ってみようと促された。帝さまは体調面に不安があるので残り、ナガノブさまは未届け人として付いてくるとのこと。私は呪いの刀がどんな状況か気になるし、否やはないと立ち上がりフソウの面々のあとを付いていく。

 

 黒い鳥居の前に辿り着く。前に見た時より、黒色が更に濃くなっている気がするし……なにより。

 

 「黒い靄が満ちてる……凄い」

 

 ぽつりと私の口から言葉が漏れた。目の前は黒い靄が満ち、数メートル先までしか見えない。凄く濃い瘴気に充てられ、耐性のない人はぶっ倒れていた。大巫女さまが直ぐに下がるようにと命じて、倒れた方は難を逃れたけれど、場に残っていれば命を吸い取られていたかもしれない。それほどに濃い瘴気だった。

 

 「流石にここまでになると、俺でも分かるな。息が苦しい上に足が重い」

 

 「うん。近づきたくない雰囲気」

 

 私の後ろで控えているジークとリンも分かるようで、周りを見渡しながら声を上げた。彼らが佩くレダとカストルは無言のままだが、二振りの魔力が微妙に揺れている。

 共鳴でもしているのかと長剣を見るがいつもと変わらない。幼竜さんはジークの肩の上で、忙しなく脚を動かして落ち着かない様子だ。雪さんと夜さんと華さんとヴァナルは帝さまの側に付いて貰っている。なにかあれば直ぐに私たちに分かるように、走ってくる手筈になっていた。

 

 『凄いね……あの時もこんな感じだったの?』

 

 「ちょっと質が違うかなあ。今の方が凄く殺気が篭ってて、首元にナイフを当てられているみたい……」

 

 クロの疑問は二年前の大規模討伐遠征のことだろう。表現するのは難しいが、前は滑っとした瘴気だったが、今回は口にした通り殺気の籠り方が半端ない。気を抜けば首と胴体がお別れしそうだ。

 

 「儀式を執り行った時より、更に酷くなっていますね……一体、何故……」

 

 大巫女さまが首を傾げれば鳥居の奥から、ぬらりと光るなにかがこちらに近づいてくるのだった。

 




少しの間、投稿をお休みさせて頂きます! 再開は9/26を予定しております。二巻、早くお届けできるように頑張って参ります!┏○))ペコ
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