魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~ 作:行雲流水
黒い鳥居を抜けて暫く歩いていると、ぬらりと光る黒い影が見えた。影なのになんで光るのかと突っ込みを入れたくなるが、刀が微かな星明りに反射しているようだ。黒い影に包まれた中にぼんやりと人影が見えた。
「うっ……」
幽霊であったなら、浄化魔術の詠唱を高速で唱えれば成仏してくれるだろうか。なにせ、この嫌な雰囲気と目の前の幽霊っぽいものから早く解放されたい……のだけれど、帝さまに浄化儀式を請け負うと返事をしたので逃げ出すわけにはいかなかった。大丈夫と心を落ち着かせて息を吐く。念のために大巫女さまに呪いの正体を聞いてみたが、幽霊だと最後の最後まで言われることはなかった。
『大丈夫、ナイ? あまり魔力を放出すると、呪いの方に吸い込まれちゃうよ』
クロが私の肩の上で、こてんと首を傾げる。クロは目の前の呪いが怖くないようで、いつも通りの雰囲気だ。私の魔力の親和性が高いと言われているので、確かに目の前の呪いに吸い込まれることもあるのだろう。
あれ、まさか……私がフソウに赴いたことによって、鳥居の中の呪いが強くなった可能性もあるのか。原因究明調査されるだろうし、その可能性に行きつく前にフソウの皆さまに説明しておいた方が賢明だろう。もしかしたら、私がフソウに迷惑を掛けたからと浄化依頼の寄付代が安くなるかもしれいないし……。
「それは……凄く困る」
呪いが更に強化されては困ると、お尻の穴をきゅっと引き締め、お腹の真ん中と心臓の辺りを意識する。その位置には魔力を生成する器官があると噂されており、常日頃から意識していれば魔力操作が上手くなるとか、ならないとか。
『ナイの場合、魔力で力押しもできるけれど、ちゃんと術を使って浄化した方がこの辺りの動植物に影響を与えないからねえ』
え、クロさん。浄化儀式は魔力ごり押しでもできてしまうとは初耳だけれども。単純な魔力の放出は、本当に力技だから周囲の環境に影響が多大なようなので、きちんと儀式を執り行わないと。私は大巫女さまの補佐なので、出番はほとんどないので無用な心配ではあるが。……しかし、まあ。
「私の魔力って、そこまで影響あるのかな?」
『ナイ。今までのことを考えてみて?』
くるんと巻いていたクロの尻尾が、だらんと脱力して私の背中を叩く。えっと、魔術を使ったものはノーカウントとして……子爵邸の家庭菜園、エルとジョセが魔素が高いからって子爵邸に居ついたこと、お猫さまも魔素のお陰で猫又になったし……アガレスのヴァエールさんも幽霊から精霊化しているなあ……。彼のことは不本意だけれど。他にも子爵領に植えたオレンジさんの成長がやたらと早かった。最近、魔力制御がマシになっているので、影響は少なくなっているようだけれど。
「事態が好転しているなら……問題ない、はず」
『ボクたちは良いけれどねえ。アルバトロスの王さまは頭を抱えているんじゃないかな?」
クロが翼を広げながら言った。陛下は確りとした方だし、威厳のあるお方である。国のためなら私を使い潰すことができるだろう。元第二王子殿下や伯爵さまに厳しい処分を下したのだ。
頭を抱えるなんてことはないはず……もしかして私と同様に頭を抱えていたりするのだろうか。問題が起こる度にアルバトロスにお伺いを立てているし、国同士になるとどうしても私個人で判断できない。あ、あれ。陛下、ごめんなさいと言いたいけれど、謁見場で土下座をかましても意味不明の行動だ。陛下に頭を下げる日が、いつか訪れると良いのだが。
「あ、あの……何故、そのように落ち着いていられるのです……?」
「落ち着いてはいません。目の前の呪いが幽霊の可能性もありますから」
大巫女さまが困ったような顔で問いかけた。呪いは黒い靄の中で動かず、こちらを観察しているように見える。相変わらず、ナイフを喉元に突き付けられたような殺気だけれど、本当に斬られるならジークとリンが反応してくれる。レダとカストルもその手のものにはかなり敏感だから、反応がないイコール、まだ安全だ。
どうにか堪えているのは、ジークとリンとクロとロゼさんがいるからだ。
「神獣さまと竜を沢山引き連れて、幽霊が怖いというのは説得力がありません……――」
「――そろそろ始めましょう。ずっと殺気に充てられていると感覚が鈍りそうです」
大巫女さまの言葉を遮った。幽霊の話題を続けられると怖くなる可能性もあるし、日本、もといフソウの方々は心霊現象好きな可能性も高い。江戸時代ならぬドエ時代だし、幽霊を取り扱っている浮世絵師がいそうだ。
だんだん怖くなってきたし、浄化して呪いの刀の無念を晴らしたい。大巫女さまから聞いたフソウの儀式は『舞』である。体の魔力を練りながら、足元で魔力陣を描き術の効果を齎すそうだ。
踊りは踊れないので、私は後ろで大巫女さまに魔力を注ぎ続ける。妙な事態に陥れば、物理で刀を折っても構わないと許可は頂いた。そうなる前に対処したいものだけれど、さて、どうなるのか。大巫女さまの実力を見せて頂きましょうと、彼女と視線を合わせて確りと頷いた。一呼吸後、大巫女さまが一歩前に出る。
――鈴の音が鳴る。
錫杖に付いている鈴が揺れ、澄んだ音が鳴った。一度、二度、三度と鳴り、大巫女さまがすり足で地面を移動する。彼女が歩いた跡には、魔力の痕跡が残り淡く光っていた。綺麗だなとありきたりな感動を覚え、大巫女さまの舞を見る。日本舞踊を取り入れているのだろうか。緩慢な動作に見えて、筋肉が必要となる動きだ。
私の後ろに控えているジークとリンは、黒い靄の中の呪いから視線を外さず気を張っている。なにか危険が迫れば、真っ先に飛び出して行くつもりだろう。二人に危ない目にあって欲しくないから、私も大巫女さまを視界に捉えながら、呪いの動きも見逃さないようにと意識を強く保つ。
また、鈴の音が鳴る。
黒い靄が小さくなっているような気がする。一度、帝さまたちが浄化を試みたようだから、呪いの力が弱まったのだろうか。大巫女さまは好機と考えたのか、舞が激しくなっていた。
『キラセロ……!』
小さくなっていた靄が不思議な声と共に、ぶわりと大きく拡張した。その行く先には大巫女さまの姿。私は息を呑んで、とっさに右腕を前に出す。
「――
障壁を展開した。物理攻撃を凌ぐものではなく、魔力を防ぐ代物である。一か八かの賭けだったけれど、大巫女さまに呪いの靄は届かず防ぐことができ、彼女は舞を続けている。舞を止めれば、振出しに戻り最初からまた踊らないといけない。なので事前に大巫女さまと相談しておいたのだ。必ず守るから、浄化儀式を成功させて欲しいと。
刀の呪いが幽霊だと不味いので、早く消えて欲しいという個人的な気持ちからではない。
帝さまがいない儀式の成功確率は低いと仰っていたが、己の命を犠牲にしてでも呪いを封じねば民に被害が及ぶと懸念していた。
大巫女さまの志は立派なものだろう。でも犠牲の上で成り立つ平和に価値はあるのだろうか。多くの人が喜んだとしても、大巫女さまのご家族や友人は悲しむ。私は仲間を失う悲しみを知っている。だから、大巫女さまが自身の命をBETして得たものに価値はあるのかと問われれば否と答える。
鈴の音が鳴ると、聖女の衣装に忍び込ませたあるものが熱くなっていた。
大巫女さまの舞は緩やかなものから激しいものに変わり、儀式終盤に差し掛かっていた。大巫女さまは大粒の汗を額から垂らし、口で息をしている。魔力を消費して体力も使い果たしているのだろう。ただ彼女の強い意志で今でも舞を続けているのだ。
熱くなっているヒトガタをしまい込んだ部分に右手を当てた。
ヒトガタは魔力の受け渡しを行い易くするためにと、大巫女さまから受け取っていた。ヒトガタには大巫女さまの名前が書かれており、髪の毛が括り付けられている。
魔力の譲渡は難しいと言われているが、方法がないわけじゃない。今回は直接触れて魔力の譲渡ができないので、苦肉の策としてヒトガタが渡されていた。フソウではヒトガタを触媒にして、離れた位置にいる人に神力、ないし魔力を譲渡するのだとか。といってもヒトガタに与えた魔力の半分以下に減って、対象の方へと渡るようだが。
鈴の音が大きく鳴り、私は魔力を練る。
大巫女さまが勢いを取り戻し、確りとした足取りで舞う。良かった、魔力の受け渡しに成功したようだ。半分以下で届くと聞いていたので、少し多めに練って良かったと安堵した。そうして暫くすると黒い靄は消え、嫌な気配が霧散する。踊り終えた大巫女さまを見て、ふうと安堵の息を吐いた。
「お疲れさまでした。大巫女さまの舞は力強く、素敵なものでした」
上手く表現できないが、小柄な女性が舞っているのに姿が大きく見えていた。不思議な感覚だよなあと大巫女さまを見る。
――キラセロ!
彼女の背後に黒い鎧を着た侍が大きな刀を構えて、今にも襲い掛かろうとしていた。
◇
黒い鎧を着た侍が大きな刀を八相の構えで、大巫女さまを背後から斬りかかろうとしている。大巫女さまは儀式の疲れから後ろに気付いておらず、無防備な状態だった。
――不味い!
右腕を上げて魔術を唱えようとするよりも早く、黒鎧の侍の行動の方が早い。私の脳裏には数瞬後に真っ二つに斬られている大巫女さまの姿が浮ぶ。
「ふっ!」
私の後ろから一足飛びに侍へと飛び掛かる人がいた。教会騎士服を着込んだ赤い髪の女性。言わずもがな、リンであった。八相の構えから斬りかかろうとした刀を、リンはカストルを抜いて受け止めた。硬質な金属がぶつかり合う音が響くと、リンも黒鎧の侍もお互いの得物を引かず、力比べの様相となっている。
「……ナイが苦手なものだから、近づけさせない!」
リンが真顔で言い切った。ありがとう、と心の中でお礼を告げる。呪いが私の近くに寄っていれば、問答無用で浄化魔術の詠唱を唱えていたことだろう。
『お嬢ちゃんの魔力のお陰で呪いやらにも対抗できるってもんだ! 実際の肉を斬れねえのは残念だが、悪さをする武器なんて放っておけねえよ、なぁ!!』
カストルが楽しそうに大きな声を上げるのだが、私のお陰なのだろうか……。確かにドワーフさんたちと一緒に鍛えた剣だけれど、質の良い魔石を使っているので微妙な所だ。頭の中に流れていた凄惨な映像が消え、大巫女さまは驚きながら後ろを振り返り黒鎧の侍とリンを見て、ぎょっと目を見開いる。
「なっ! 嘘でしょう、何故呪いの刀が実体化しているのです!? しかも、剣が喋っている!?」
大巫女さまが叫ぶと、幼竜さんを肩に乗せたジークが私の横に立った。彼は、いつでも抜刀できるようにレダの柄に手を添えていた。
『執り行った儀式で魔力を逆に吸い取ったのでは? 私もあの馬鹿剣もマスターの魔力をふんだんに注ぎ込まれていますから。喋るくらい当然です』
どやあ、という擬音が聞こえてきそうなくらいの良い声でレダが喋った。剣が喋るなんて騒ぎになるから黙って貰って欲しかったけれど……大巫女さまの命が助かったから良しとしよう。ナガノブさまが凄く食いつきそうな案件だけれど、ファンタジー世界だからすぐに納得してくれるはず。
「リン! カストル!」
リンより背が小さいのに呪いの侍は負けておらず、まだ刀と剣が交錯して力比べをしているままだ。なにか切っ掛けがあれば均衡が崩れるかもしれないと、リンとカストルの名を呼んだ。
『こんにゃろ! ジークリンデの力より呪いの方が強えぞ! このままじゃあ押し負けちまう! あ、ちょっ! 俺に浸食してくんなっての!!』
カストルが声を上げた。リンの表情をよく見ると、珍しく歯を噛みしめて耐えている。不味いとリンに身体強化の魔術を施し、カストルに魔力を流す。なにか打開策が必要だとジークの顔を見上げた。
「ジーク、リンに加勢できる?」
リンが前に出ているので、攻撃魔術を打ち込むわけにはいかない。そのうえ、帝さまの住む屋敷内なので、被害を及ぼせばその分修繕費がお高くつく。
請求はされないだろうけれど、庭木などを破壊せず解決したい。
「リンの間に割って入るのは簡単だが……斬れるかどうかが問題だな」
微妙な顔のジークの肩から幼竜さんが地面に跳び下りた。べちんと着地したのだけれど大丈夫だろうか。クロが驚いて私の肩から地面に飛び降り、二頭一緒に並んだ。
おそらくジークがリンと一緒に飛び出なかったのは、幼竜さんが彼の肩の上にいたことも理由の一端なのだろう。クロに視線を向けると『この仔のことはボクに任せて』と一つ頷いた。クロが幼竜さんの護り手になってくれるなら、幼竜さんを気にせず呪いの侍に立ち向かうことができる。よし、と息を大きく吸うとレダがジークの腰元で小さく震えた。
『マスターの援護があるならば、斬ってみせましょう。呪いも未練もなにもかも』
自信満々なレダが問題ないと告げた。相反する一人と一振りだけれど、剣の使い手としてレダはジークのことを認めているし、ジークも良く斬れるし、重さや長さも完璧だと教えてくれていた。
レダの柄に掛けていた手をそのままに、ジークが腰を少し下げた。
「とりあえず、試してみるか……シッ!」
大股で走りだしたジークは一瞬にしてリンと呪いの侍との距離を詰め、レダを鞘から引き抜き、横薙ぎで呪いの侍の胴体を斬る。鳩尾の位置から胴体と下半身がお別れになったのだが、黒い靄が湧き出て胴体と下半身をくっつけた。……マジか。
「実体になっているのは刀だけか……?」
「兄さん……そう、みたいだねっ」
呪いを斬れなかったジークがリンの顔を見る。ジークが人体部分を斬ったことによって少し力が弱まったのか、リンがカストルで呪いの刀を振り払った。急いでジークとリンが呪いの侍と距離を取って私を庇うように前に立つと、呪いの侍がぬらりと刀を光らせてこちらを見る。
『ナゼ、ジャマヲスル!』
ぶわりと殺気がこちらへ飛んできた。夢を見た所為だろうか、いつも無条件に沸く幽霊に対する恐怖心は不思議となかった。
「貴方の事情は分かりません。ですが、時を経て尚、誰かに危害を加えることに意味はあるのでしょうか?」
七代先まで祟る、なんて言葉があるけれど……意味があるのかは分からない。大切な人を守れず、悔しい思いをしたことは理解できる。私も仲間を失ったことがあるのだから。だからと言って、仲間を斬ったお貴族さまを恨むことはなかったし、力を手に入れたから今更復讐するのもなにか違う。
『チョウテイモバクフモ、ミセシメニ、ワシのタイセツな者を斬った……! 斬るならば、儂を斬れば良かったのだ……何故、抵抗できぬ者を斬ったのだっ!』
呪いの侍が付けていた面が地面に落ちた。半分腐り落ちた顔の反対側の瞳からは涙が一粒流れている。片言だった言葉が随分と聞き取りやすくなって、不思議な感覚に襲われる。呪いの侍の言いたいことは分かる……分かるけれど、大切な方はもう戻ってこないのだから。同情したい気持ちに駆られるが、乗ってしまえば話がややこしくなってしまう。
「私はその時代に生きてはおらず、当事者でもありません。事実は闇の中にあり、真実を知る者も生きてはいません」
帝のお屋敷で封じられていたのだから、フソウ上層部は呪いの真実を知っているのだろう。最初に聞かされた内容は、人斬りが人を斬りすぎて刀自体が力を持ち、代を経て更に力をつけようとしたところを封じたという話であった。でも真実は違って、朝廷と幕府に復讐を誓った反体制側の人の怨念だったわけだが。
『それがどうした! 大切な者を殺された無念は儂にしかわからぬもの! 女子に説教される覚えはない! 朝廷と幕府の者を儂の前に寄越せ!』
「では、わたくしが関係者となりましょう。わたくしは現帝の血を引いております」
大巫女さまが一歩前に出て頭を下げた。帝さまの直系ではないが、親戚筋と聞いている。
「わたくしの首一つでご納得頂けるのであれば、喜んでこの命、貴方さまに捧げましょう。貴方さまの怒りが収まるのであれば、大巫女の務めを果たしたことになり、なにも問題はありません」
片手で大刀を持ちあげて、大巫女さまへと向けた。
『確かに血の匂いは帝家のソレだ……だが……足りぬ! 足りぬのだ!』
またぶわりと呪いの気配が大きくなって、大巫女さまへ向かおうとする。一度、壊れてしまった心が元に戻るのは難しい。多分、帝さまやナガノブさまを目の前にしても呪いの侍は『足りない』と叫ぶのだろう。浄化の魔術は対象となるものが、空への旅立ちに理解してくれている方が成功率が上がるけれど……。説得は無理そうだと一度目を瞑って、魔力を練る。
「え……そんな! みなーばぁ子爵は先ほどの譲渡でほとんどの魔力を消費したのではないのですか!?」
大巫女さまが驚き、呪いの侍が一歩後ろに下がった。右手を差し出し、一歩前にでる。ふわりと浮く私の黒髪と青白い魔力光が暗闇を照らす。大巫女さまに返事をしたいけれど、その余裕はない。浄化魔術に他所事は厳禁だ。目の前の呪いの侍に意識を全部向ける。
「――〝魂は空に″〝体躯は地に還れ″」
本来は身をきちんと清めてから取り掛かるものだけれど、効果はあるはず。ぶわりと私の身体から魔力が放出され、呪いの侍に向かい包み込む。
『やらせはせん! 儂の無念は貴様ごときに負けはせんのだ!』
ぶわりと嫌な雰囲気が呪いの侍から溢れ出し大刀を大上段に構え、私に振り下ろそうとする。けれど届くことはない。ジークとリンがレダとカストルで受け止めたのだ。目の前の呪いの侍の無念がこの世に残らないようにと、魔力を練る量を上げる。
『くっ! ……ようやく、力を得て……復讐が叶うと……』
大刀を地面に突いて、呪いの侍の膝も地面に突き私を見た。その瞳はどこかもの寂し気でもあり、澄んでいるようでもあり……よく分からなかった。
『無念也……ムネン也……ムネンナリ…………』
綺麗に呪いの侍の姿が消えて、大刀だけが地面に転がっているのだった。