魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~   作:行雲流水

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0395:帰国の報告。

 アルバトロスに戻った。お土産と買い付けた品を引き下げて。南の島で手に入れたマンゴーさんとかも子爵領に植えてみようと考えている。育て方はさっぱりだけれど、栄養と水と気候が合えばきっと育ってくれるはず。真っ先に試すべきはフソウで見つけたさつま芋さんの味見である。お留守番していたクレイグとサフィールが喜んでくれると良いのだが、男の子はフソウ刀の方に浪漫を抱くだろうか。

 

 とにもかくにも九条さまたちと一緒に登城して、陛下との謁見である。休暇とお仕事を兼ねていた旅行だったので、最初から織り込み済みだ。想定外は九条さまがアルバトロスにまた来国したことだろう。私より九条さま本人が驚いているかもしれない。

 

 「アルバトロス王よ。斯様に早くお目通り頂けるとは感謝の極み」

 

 九条さまが謁見場の玉座に座す陛下に頭を下げた。謁見場には公爵さまと辺境伯さまやラウ男爵さまの息子さん――要するに伯爵さま――の姿がある。

 長期休暇中なので皆さまは避暑地か別荘地か領地に戻っているはずなのに。何故と首を傾げるのだが、もしかして私が国外に出るとなにか事件か問題を起こして、アルバトロス上層部に擦り付けると思われているのかもしれない。事実だから否定できないけれど、ここまでアルバトロスの実力者を集めなくても……。

 

 「いや、気にするな。其方はフソウの者から信頼を得ているのだろう。優先すべき事項もある故な」

 

 陛下が九条さまを見て仰り、ちらりと私の方を見たような。後ろにはヴァナルと雪さんと夜さんと華さんがお座りして尻尾を振っているから、そっちが気になったのだろうか。長旅は母体に負担が掛かるし、心配になっても仕方ない。言いたくはないが流れる、なんてことがあればアルバトロスとフソウの国交は断たれてしまう。

 

 そうなると困るし、新たに産まれくる命が産声も上げぬまま世界を去ってしまうことは避けなければならないと、雪さんと夜さんと華さんたちには逐一体調を聞いている。ヴァナルが『過保護?』と首を傾げ、雪さんたちも『睡眠と食事はきちんと取っております』『適度な運動もしていますよ』『心配し過ぎでは……』と呆れていたけれど。

 

 でも雪さんたちは初めての出産で、フソウでは神獣と呼ばれ崇められているのだ。やはり気は抜けないし、どんな生き物でも産まれたばかりの命は尊い。

 わんこに近しいから、産箱とか用意した方が良いのだろうか。うーんと頭の中で考えていると、雪さんたちが私の横に並びちょこんと座り、ヴァナルも続いて座る。彼らがてしてしと振っている尻尾からそよ風が起き私の髪を撫でた。

 

 「報告したいことがあると聞いた。その内容とは?」

 

 「は! フソウにて封じていた呪いが破れ、帝と巫女たちが命の危険に晒されました。丁度居合わせたみなーばぁ子爵により、無事に呪いを払うことに成功したのです。――」

 

 ――本来であれば、アルバトロス王国に打診して協力を仰ぐ所を、帝さまと巫女さまたちの命が掛かっていると私が協力を申し出、帝さまと大樹公であるナガノブさまも了承したこと。事後報告になってしまうので、使者を立て勝手に他国の聖女に頼った謝罪にきたと九条さまが言葉を紡いだ。

 

 「ふむ。その件については事前に聞き及んでいたからな。アルバトロスにとって特段の問題はない」

 

 陛下が九条さまの言葉に答えた。九条さまはアルバトロス上層部に『呪いの浄化をお願いするかもしれない』と以前に使者として訪問した際に伝えていた。

 事後報告にはなったけれど、お伺いは立てていたので大きく問題にはしないようだ。有難いと小さく息を吐くと雪さんと夜さんと華さんが、私が怒られなくて良かったと安堵している。心配してくれてありがとうと手を伸ばしたくなる気持ちを抑え、陛下を見た。難しそうな顔をしている気もするし、いつも通りの顔のような気もする。

 

 謁見は事前に打ち合わせていたこともあり、順調に終えることになった。

 

 九条さんたちは今回はアルバトロスには一泊してフソウに戻るとのこと。フソウに向かう予定の竜さんと顔合わせをして、そのまま乗せて行って貰うのだとか。中型の竜さんと小型の竜さん数匹がフソウで過ごすと聞いている。あちらの環境に早く慣れて、フソウの方々に親しまれる竜さんたちになって欲しい。

 

 上手くいくと良いなあと願いながら、お城を後にして王都の子爵邸へと戻った。王都から子爵邸を繋ぐ転移陣を使用すれば直ぐに辿り着く。地下から一階に上がり出迎えの侍女さんたちに『ただいま戻りました』と告げると、ソフィーアさまとセレスティアさまは予定を少し早めて、明後日には王都に戻ってくると教えてくれた。

 

 私が国外に赴くと伝えておいたから、事務処理があるから仕事をしようと予定を早く切り上げたのだろうか。そうであれば申し訳ない。一応、フソウで貴族のご令嬢が喜びそうな着物用の反物とか買ってみたけれど、喜んでくれるのか謎だ。私は反物より食べ物の方が良いので、イマイチお土産のチョイスに自信がなかった。

 

 自室で着替えているとジルヴァラさんとお猫さまが顔を出してくれた。お猫さまには煮干しを、ジルヴァラさんにはフソウで作られている箒を買ってきている。

 お土産だと渡すとお猫さまとジルヴァラさんは凄く喜んでくれ、大事そうに抱えるジルヴァラさんの姿とさっそく開けて食べたいとせがむお猫さまの行動がちょっと可愛かった。

 着替えを終え部屋を出る。ヴァナルと雪さんたちは部屋でゆっくりすると言って、仲良く絨毯の上に寝転がっていた。移動の途中にジークとリンと合流して一緒に食堂に赴けば、良く見知った顔が二つ並んでいた。

 

 「クレイグ、サフィール、ただいま!」

 

 馴染みの顔に言葉を投げれば、クレイグはにやりと笑い、サフィールは小さく手を上げる。

 

 「おう。まーたナイはやらかしてねえだろうな?」

 

 「おかえり、ナイ。ジークとリンもおかえりなさい」

 

 少しの間、顔を合せなかっただけなのに、凄く久しぶりに会ったみたいだった。ジークとリンとも挨拶を交わすと、クレイグが疑いの目を持って私を見ている。

 

 「やらかしていないよ! ただフソウに赴いた時にちょっとあったけれど……」

 

 内容を伝えて良いか許可をまだ頂けていないので、少し暈した言い方になる。クレイグもサフィールも分かっているから、なにがあったと問うことはしない。ジークとリンは黙って私たちのやり取りを見ているだけで、助けてくれない。いつも通りだけれど、見ていたのだから一言二言言葉があっても良いのではないだろうか。

 

 「ほらみろ、なにかあったんじゃねえか。ったく。ナイは本当に行くところ行くところでやらかしてるなあ」

 

 くく、と面白そうに笑うクレイグにサフィールが顔を向けた。

 

 「まあまあ。悪いことじゃないなら良いんじゃない? ちゃんと問題は解決したんでしょ?」

 

 サフィールがクレイグの揶揄いを止めるように、私へと視線を移す。問題は解決したけれど、なにかいろいろとアルバトロスに丸投げした気もする。

 

 「うん。大丈夫だよ」

 

 私は聖女だからこれ以上爵位が上がることは滅多にないだろうし、アルバトロスからなにか頂くならお金が一番現実的だ。そうなったら領地開発費に充てるだけで、前のように貯め込むことはない。経済を回さねばと考えつつ、買い付けた品の一部をロゼさんに出して貰った。食べ物が多いけれど、アルバトロスの気候は温暖だから団扇も買っている。

 男性が扇子を持つ文化はアルバトロスに根付いていないけれど、フソウは腰に差している方もいるし、暑くない気候なのに越後屋さんが取り扱っていた。アルバトロスなら暑さ対策に丁度良いし、値段も張らず、和柄は珍しいので丁度良かった。

 

 「お、この絵良いな。なんだか強そうだ」

 

 「面白い絵柄もあるんだね」

 

 クレイグが手に取ったのは『虎』が描かれ、サフィールが面白いと言ったのは『おかめ』と『ひょっとこ』が描かれている扇子だ。無難なものは朝顔とか花火の絵柄だ。余ったら、子爵家で働く方々におすそ分けする。仰いで具合を確認するクレイグとサフィールは団扇を持ったまま、テーブルの上に並べられたフソウ野菜に視線を移した。

 

 「お前なあ……珍しい食い物を買うのは良いが、料理長のことを考えているのか?」

 

 はあと盛大な溜息を吐いたクレイグは団扇で顔を隠す。

 

 「…………それは」

 

 ちょっと思い当たる節があり、次の言葉を紡げない私。

 

 「あの人、偶に頭を抱えているから、無茶ぶりはほどほどにしておけよ。いや、待て。食い物よりこっちかも知れねえ……亜人連合国の調理道具をやたらと買って調理場に置くんじゃねえぞ」

 

 クレイグは扇を動かすと割と真剣な表情になっているし、サフィールはなにも言わないけれど彼に同意しているようだ。ドワーフさんが作った調理道具は一級品である。料理長さんの腕前も一級品だから、道具は質が良い方が良いと考えていたけれど迷惑だったみたい。

 

 「せめて頻度を落とせ。ナイはちょいとばかし買い過ぎだ」

 

 「分かった。またやらかしそうなら教えて」

 

 どうやら良かれと考えていたことが裏目に出ていたようだ。料理長さんたちに嫌われたくないので、クレイグの助言を素直に受け取る。

 

 「ん。ま、良いことなんだがな……ほどほどにしとかなきゃ、料理長の腹が痛くなる一方だ」

 

 うんうんと頷くクレイグとサフィール。おそらく料理長さんたちと世間話でもしているのだろう。有難い情報だから素直に受け取ると、新しい料理を開発することは楽しいそうな。魔術師も料理人さんもドワーフの職人さんたちも、探究者だよねえと笑うのだった。

 

 ◇

 

 フソウから戻ってきた次の日。ソフィーアさまとセレスティアさまが領地から戻ってきた。私が国外に赴き、帰国してきたことを知って予定を早めたようなので申し訳ない限りである。子爵邸に顔を出すやいなや、渡したいものがあると告げられたので来賓室を利用して顔を突き合わせている所だ。

 

 「去年と代り映えしないが土産だ。受け取ってくれ、ナイ」

 

 「わたくしも用意致しましたわ、ナイ。受け取ってくださると嬉しいですわ」

 

 ソフィーアさまとセレスティアさまが領から持ち帰ったものは、食べ物がほとんど占めている。アルバトロスのお土産事情はガラス細工のコップやお皿など、残る品を贈られることが多い。

 食べ物のお土産は馴染みないはずなのに、お二人は私が高級な品物に興味を示さないと理解して、領地の特産物を贈ってくださる。有難い気遣いだと感謝しながら目の前に並んだ品々に目を通す。頂いた物はその場で開封する文化なので、一番大きなサイズの箱の包装紙を破って中身を見た。

 

 「……服?」

 

 なんの食べ物だろうと期待して箱を開くと、鎮座していたのはワンピースだった。どうして服なんて贈られているのと疑問に感じ、贈り主であるソフィーアさまの顔を見る。

 

 「ナイ。贅沢をしない性質だと分かっているが、衣裳部屋の私服が少なすぎだ。領地で店を構える職人に作らせたから、ナイが着ても問題あるまい」

 

 服のサイズは何度か採寸されているから、それを使って作って頂いたのか。侍女さん曰く、私の衣裳部屋の服の数はかなり少ないと苦言を洩らされていた。勿体ない精神の塊なのか、単純に貧乏性なのか、他のお貴族さまより着まわす回数が多い。

 流石によれよれになったり、侍女さんたちから『そろそろ……』とやんわり告げられれば孤児院へ寄付しているのだが、まだまだ私が着ても問題ないのにと思わざるを得ない程に服として綺麗なのだけれど。もしかして侍女さんたちからソフィーアさまとセレスティアさまに話が伝わったのだろうか……。最も納得できる理由だと頭の中で考えながら、セレスティアさまを見た。

 

 「わたくしからはこちらを」

 

 セレスティアさまからも同様に大きな箱を手渡される。細々としたものもあるのだが、真っ先に見て欲しいものが今差し出された物のようだ。ぺりぺりと包装紙を剥がして蓋を開ける。

 

 「乗馬服、ですか?」

 

 お貴族さま用の乗馬服が箱にあった。白のシャツに黒いジャケットと細身のズボンである。乗馬の競技大会で騎手の方が着用しているものと同じだが、袖や襟元の刺繍が嫌味にならない程度に施されていた。

 

 「ええ。ジョセとエル、ルカとジアの背に乗ると約束していたでしょう? ナイは一向に乗馬服を用意する気配がありませんし、こちらでご用意させて頂きました」

 

 セレスティアさまがドヤ顔になる。エルたちの背に乗ってどこか遠出するのも良いよね、とか、障害物をカッコ良く飛び越えてみたいと話していた。セレスティアさまがどこから話を聞きつけたのか分からないが、彼女であれば一緒に乗馬服を着て凄く幸せそうな顔になりながらエルたちの背に乗っていそうである。

 

 お土産はお二人からだけでなく、私からもある。南の島は果物系だし、以前持ち帰っているので今回はナシだけれど、越後屋さんが私がくるのを見越して特産品を用意してくれていた。

 お貴族さまに喜ばれそうなものから、日用品まで様々揃えてあって見るだけでも楽しかった。ロゼさんにお願いしてお土産を出して貰うと、ソフィーアさまとセレスティアさまは珍しいものを見たという雰囲気になった。

 

 「凄いな。全て刺繍か?」

 

 「そのようですわね。丁寧で繊細な仕事ですわね」

 

 お二人に渡したものは反物である。ソフィーアさまとセレスティアさまが普通の反物で驚くはずはないのに、割と珍しい反応だ。まあ、それは致し方ないのかもしれないが。

 

 「着物の反物です。ドレスに仕立てるのは難しいかもしれませんが、小物やテーブルの敷物にできるかと」

 

 フソウに赴いているので初見と言うわけではないが、武家の娘さん用なのでかなり高級品のはず。適正価格が分からないので、越後屋さんの言われるままの値段で頷いたから。生地の質が違うのでアルバトロスで流行っているドレスは仕立てられないけれど、無理矢理に作ることもできれば、小物を作ることもできるはず。

 お二人の好みが分からないので、着物やがま口財布を選ばずに反物にしておいた。あとは宝石入れにと漆喰の絵付けが施されてた箱を選んでいる。無難極まりないチョイスで面白味はないのだが、フソウの絵付けや刺繍は独特なので珍しい部類に入るので、お茶会や夜会で自慢できると良いけれど。

 

 「気を使わせてしまったな。ありがとう、ナイ」

 

 「ナイ、ありがとうございます。早速家で使わせて頂きますわ」

 

 受け取って貰えて良かったと安堵していると、ソフィーアさまと何故か視線が合った。どうしたのかと首を傾げれば、彼女が柔らかい顔になって口を開く。

 

 「ああ、そうだ。ナイ、ギド殿下がリームに戻っていてな。アルバトロスに戻れば渡したいものがあると仰っていたから受け取って欲しい」

 

 「はい」

 

 了承の言葉を紡げば、ソフィーアさまがほっとした顔になる。いや、流石に王族の方から贈られたものを断る勇気は持ち合わせていないし、ギド殿下なら無茶な物は贈らないとなんとなく分かる。どんなものか気になるけれど、当日のお楽しみだろう。ソフィーアさまとギド殿下の仲は順調なようだし、心配はなさそうだ。

 

 セレスティアさまとマルクスさまも相変わらず学院で夫婦漫才を繰り広げているが、一年生の頃よりやり取りがマシになっている。

 みんなお貴族さまなので、卒業と同時に婚姻すると聞いていた。順調に夫婦生活を築き上げて欲しいと願うのだが、私はどうなってしまうのか。考えても仕方ないし、嫌な相手を国から宛がわれたらどうにか立ち回ろうと小さく首を振る。そして、お二人に今日一番聞きたかったことを聞こうと、視線を合わせた。

 

 「ソフィーアさまとセレスティアさまは鸚鵡を飼っている貴族家や豪商を知りませんか?」

 

 南の島で出会った鸚鵡さんのことを聞いてみる。察しの良いお二人ならなにかあったと気付くし、不味い問題だと判断されれば私から詳しい話を聞き、国と各家に報告してくれる。もちろん私からも報告書を上げるし、昨日の内に大まかな報告書は既に国へ提出していた。

 

 「アルバトロス内であれば聞いたことはないな」

 

 「ええ。鸚鵡の存在は図鑑を見て知っておりますが、鸚鵡を飼っていると吹聴している者は聞き及びません。貴族は珍しい品や生き物を好みますので、手に入れれば必ず噂が流れましょう」

 

 お二人の答えを聞き『ですよねえ……』と目を細める。

 

 「なにかあったのか?」

 

 「ええ。無意味な問を投げるナイではないですもの」

 

 ソフィーアさまとセレスティアさまの雰囲気がガラッと変わる。あ、仕事モードに入ったと理解して、私も椅子に座している背を伸ばして口を開いた。南の島で鸚鵡さんが嘆いていたことを伝えると、難しい顔になるお二人。私は鸚鵡さんのことを話し終えているので、彼女たちの言葉を待つだけだ。

 

 「それなら私たちより、祖父やヴァイセンベルク辺境伯閣下に聞いた方が良さそうだな。ああ、祖母と辺境伯夫人にも聞いた方が確実か」

 

 「ですわね。わたくしたちが産まれていない頃のようですし、父や祖父母に聞いた方が良いでしょう」

 

 確かに当時を詳しい方に聞いた方が適切か。鸚鵡さんを飼っていた方がいたとして、当事者の鸚鵡さんが生きているのかは分からないけれど。南の島に戻ることは叶わないかもしれないが、せめて再会して欲しいものである。鸚鵡さんは番が忘れられず、新な番を得ることなくこの五十年過ごしたようだから。

 

 「お手数を掛けて申し訳ないのですが、よろしくお願い致します」

 

 南の島に赴かなければ発生しなかった仕事である。ソフィーアさまとセレスティアさまは有能だから、これくらいなんとも思っていない可能性もある。それでも仕事を増やしてしまった後ろめたさがあるので目礼しておいた。

 

 「ああ、分かった」

 

 「ええ。アルバトロスが滅びる事態は避けねばなりませんわ」

 

 そんなまさか、と言いたくなるが、もし最悪の事態に陥った場合、南の島に住む皆さまが激おこになるのは確定だ。

 鸚鵡さんを締めて食べていたなら、何故観賞用に持ち帰ったということになるし、観賞用に持ち帰ったのに虐待を受けていたとなっても当事者は滅茶苦茶怒っても仕方ない。どうにか穏便に話が済みますようにと願いながら、お二人からの報告や国への報告に、各国への問い合わせを始めるのだった。

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