魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです~王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか?~ 作:行雲流水
――あと一ケ月で三学期が終わる頃。
毛玉ちゃんたちの名前候補を帝さまとナガノブさまが必死こいて考えているようで、もう少し待って欲しいと手紙が届いている。
今は、学院のサロンでフィーネさまとメンガーさまと今後について語り合っているのだが、空気が微妙におかしい。護衛と見守り役として控えている方々も微妙な空気を悟っているようだ。
いつもであればフィーネさまが音頭を取って率先して話を振ってくれるのに、メンガーさまの顔を見て少し顔を赤らめ視線を逸らす。メンガーさまもメンガーさまで困ったような顔をしつつも、悪い気はしていない様子だ。お腹でも壊しているのかなと首を傾げつつ、淹れて頂いた紅茶を一口嚥下する。相変わらず紅茶の味が良く分からないと首を捻り、お二人の様子も良く分からないと頭の中で疑問符を浮かべた。
「きょ、今日は良いお天気ですね!」
フィーネさまが空気に耐えかねて話題を振ったのは良いものの、今日は曇天である。もう少し冷え込めば雪が降りそうであるが、アルバトロス王国は暖かい気候だから無理だろうなあとサロンの窓を見る。確認のために空を見上げても、どこまでも曇り空であった。
「そうですね。フィーネさまは学院を卒業されれば聖王国へお戻りになるのですよね?」
メンガーさまが彼女の間違った天気に突っ込みを入れないまま別の話にすり替える。前にも三人で話した内容だが、フィーネさまは気付くことなく口を開いた。
「は、はは、はい! 聖王国に戻って大聖女として務めて参ります。長き時間、留守にしておりましたし今後も頑張らないと」
少しずつ落ち着きを取り戻しながら、彼女は今後について語る。聖王国で大聖女として確りと務めを全うするようだ。
「お見合い話もありますが、す、好きな方とできれば添い遂げたいと伝えていますので……貴族令嬢としての婚姻は当分先になりそうです。ナイさまとメンガーさまは?」
フィーネさまの婚期は遅くなるのだろうか。聖王国に住まう女性の婚姻適齢期を知らないが、あまり遅くなると行き遅れと揶揄されてしまうのではと心配になってくる。
私自身にも刺さる言葉だけれど、アルバトロス上層部が良きお相手を見つけてくれるので候補の中から気の合う方と添い遂げれば良いだけ。順風な婚姻生活とはいかないかもしれないし、子供じみた女は抱けないと仮面夫婦になる可能性もあるので微妙である。
私の肩の上に乗っているクロが何故か尻尾でべしんべしんとなにかを訴えるけれど、私たちの会話を邪魔する気はないようなのでスルーを決めておいた。
「学院を卒業すれば、子爵家当主として領地運営を本格的に執り行おうと考えています。婚姻は……国の判断次第でしょうね」
結婚なんてまだ先の話だしーと余裕をかましていた頃が恨めしい。私もフィーネさまと同様にお見合いの釣書を沢山見せられそうである。
誰か良い男はいないのかと、以前に陛下から問われたけれど……幼馴染組であるジークとクレイグとサフィールたちがいるものの、恋愛感情を抱けるのかは微妙だし。この三人の誰かから仮に『婚姻するか?』と問われれば『偽装婚で良いなら』と私は返すだろう。
「俺は、公爵閣下から仕事先を紹介して頂く予定になっております。伯爵家の三男なので一生独身でも問題ないので、老後に向けてお金を貯めます」
メンガーさまは堅実だった。まだ十七歳というのに老後のことを考えて、貯蓄に走るご様子。メンガー伯爵家を継ぐ可能性は低そうだな、とフィーネさまの顔を見ると安堵の表情を見せていた。
一体、彼にどんな感情を向けているのだろうか。ソフィーアさまとセレスティアさまが小さく息を吐いており、なにやら口を挟みたそうな感じをひしひしと受け取るが彼女たちは黙ったままだ。フィーネさまはメンガーさまのことが好きなのだろうか。そう考えると、最近落ち着きのない様子に合点がいくけれど。
――コンコンコン。
突然、扉をノックする音がサロンに響く。ノックが三回続くのは、サロンの中にいる誰かに用がある時だ。ジークが代表して取次ぎをしたのち、ソフィーアさまが呼ばれ来訪者が彼女に耳打ちをする。一体何事だろうと今まで流れていた緩い空気が変わってみんなに緊張が走る。
「ナイ」
ソフィーアさまが私の名を呼び、彼女が足早に私の隣に立って背を屈める。
「南大陸のとある国がナイと接触を求めている。回答は急がないと先方は言っているようだが……どうする?」
耳打ちされた彼女の言葉を聞いて、私は椅子から勢いよく立ち上がった。
『吃驚した。急に立たないでよ、ナイ』
勢いが良すぎて私の肩から落ちかけたクロは、床に落ちてはたまらないと翼を広げリンの方へ驚いたと言いながら飛んで行く。
「ナ、ナイさま?」
「ミナーヴァ子爵?」
フィーネさまとメンガーさまはなにが起こったのか分からないようで、立ち上がった私に声を掛けた。
「南大陸の国と接触できそうです。その国で黒い竜が見つかる可能性があります。見つからなければ、声を掛けてきた国に脅……交渉を行い、南大陸横断の橋頭保にしようかと」
「きょうとうほ?」
フィーネさまは言葉の意味が分からず、鸚鵡返しをしている。分かり辛かったかと反省しつつ、彼女に答えるべく口を開いた。
「今の場合は『拠点』と置き換えれば分かり易いかと。前進するための前拠点、とでも言いましょうか」
「無茶は駄目ですよ、ミナーヴァ子爵。南大陸の各国の情勢はまだ分かりませんし、ミナーヴァ子爵が原因で情勢が荒れたとなれば国際問題となってしまいます」
私の言葉に続いて、メンガーさまが釘を刺した。彼のことだから純粋な心配からであろう。私のことを正しく理解しているならば、大陸をも落とせると知っている。南大陸のお偉方が黒い竜を庇うようなことがあるなら、お話し合いでケリを付ける予定である。結論が出ないのであれば、アルバトロス王国を離脱して単騎で乗り込もう。
「確かに南大陸の情勢に我々は詳しくありませんが、彼らも頭が付いているのです。話し合えばきっと理解してくださいます」
分かり合えないならば、お酒を酌み交わしながら言葉を尽くせばきっと理解できるはず。だって人間なんだもの。ふふふ、と笑ってみせれば、ジークとリン以外の人たちがドン引きしている。何故、と首を傾げるとソフィーアさまがたまらず突っ込みを入れてくれる。
「ナイ。ナイの場合、話し合いで解決しないなら武力を行使するだろう?」
「もちろんです。国と国、もしくは国と私の話し合いの場で決着が付かないのであれば、武力をチラつかせるのは
へへっと笑えば、私の身体から魔力が漏れるのが分かってしまった。冷静でいるつもりだけれど、熱くなっているのだろうか。
「民を不幸に陥れるどうしようもない国であれば、やってしまえと言いたくなるが、まだ状況が分からん。まずは落ち着け。ルカのことで怒っているのは理解している。だがルカのことだけを気にかけて、他が見えなくなれば元も子もない」
私が気に掛けるべきことはルカももちろんだが、他にも目を向けなければならないものがあるだろうとソフィーアさまが仰った。落ち着けと言いたいのか、肩に彼女の手が置かれ私を椅子に座らせた。
「……」
むーっと口をへの字にすると、はぁとサロンにいる皆さまが息を吐く。ジークとリンとセレスティアさまだけは、状況をじっと見ているが。
「メンガー、ミューラー嬢、ナイが以前住んでいた国は平和だったと聞いているが……どうしてこんな物騒な思考になるんだ?」
「住んでいる国は平和でしたが、他の国の紛争や小競り合いは耳に入れることができます。あとは、どうでしょうか、ご本人の考え方や気質なのでは……?」
ソフィーアさまの言葉にメンガーさまが答えた。日本は平和だけれど、ドンパチやっている国はどこにでもあるし、大陸国家で起こったならば周辺諸国が影響を受けて大変なことになるのも知っている。日本だって影響を受けているし、戦争を始めれば引き際を見つけにくいというジレンマもあった。
「私はその手の話題は苦手でしたから……見ない、という選択を取りました。今思えば、きちんと目を向けるべきことだったのかもしれません」
フィーネさまはメディアが紛争地に赴いて、実況中継や報道内容が暗鬱であるためテレビから情報が流れ始めるとチャンネルを変えていたようだ。そういう方がいらっしゃるのも知っているし、落ち込んで日常生活がままならないとなってしまうなら賢い選択だろう。目を背けるなんて冒涜だ、なんて言うつもりはない。
「平和な国だからこそ、か。だが、今、こうして考え直すことができているのなら、気落ちする必要はないさ」
ソフィーアさまは王子妃教育を受けているので、政治面の考え方は随分とドライだ。今は私的な場だからフィーネさまにフォローを入れている。
「ありがとうございます。ナイさま、南大陸で戦うのですか?」
フィーネさまが少し顔を歪めて私に問うた。おそらく単純な心配なのだろう。
「必要に迫られたなら。もちろん、狙いは黒い竜と怪しい魔術師のみです。ただ状況により、腹を決めなければならない可能性はあります」
あくまで目的は、ルカを傷付けた黒い竜である。そして竜を従えている怪しい魔術師も……どうなるか分からないけれど、先ずは接触を打診してきた南大陸の国との話し合いであろう。
南大陸では黒髪黒目の小柄な女性は恐れられているようなので都合が良いのだし。後世、南大陸に悪魔が降臨したと残されても、後悔はしないとみんなの顔を確りと見るのだった。
◇
――本当に恐れられている。
目の前で膝を付き平伏している方たちの姿を見下ろす。誰かを見下ろす機会は少ないけど悦に浸ることはない。彼らは南大陸最北端に位置する国のお偉いさん方であり、先頭に立つ方は国王陛下なのである。だというのに床に視線を落として私を見ようとしないから、初めに発する言葉は決まっていた。
「皆さま、顔をお上げください。南大陸では黒髪黒目は畏怖されていると理解しておりますが、わたくしは西大陸出身者――」
この場にいる方々の気持ちは重々理解しておりますが、過度に畏まられては違和感があります。陛下、並びに皆さまには対等な立場でありたいと願っているのですから――と、あることないこと告げておく。
私の言葉にふう、と安堵の息を吐く南の方々と、私が無茶を言わなかったことに対してほっとした様子のアルバトロス王国メンバー。
ジークは相手方が妙な行動を取らないか気を張り、リンも彼と同様に周囲に気を張っているけれど『ナイを讃えて』という雰囲気だ。ソフィーアさまは『無茶をするなよ』という心配の視線を私に向けているし、セレスティアさまは『無礼な態度を取れば斬れば良いのです』という姿勢のようだ。クロは私の肩の上で南大陸の方々や建屋の中を堪能している。西大陸と趣が違うため、興味を引くみたい。影の中にはロゼさんがいて、他のメンバーは王都の子爵邸でお留守番だ。
「ご配慮、感謝致します……。貴殿にお会いしたいと願ったのは、過去、我が国が起こした黒髪黒目のお方に対する不敬を許して頂けるか聞きたかったのです」
南大陸でヒエラルキーが真ん中の位置になる国の王さまが、顔だけを上げて私に視線を合わせた。私も彼の眼を確り見れば、瞳の奥には『怯え』がある。恐怖を与えたい訳ではなく、今回はお話合いをしたいだけだ。
慮られるのは気が重いと溜息を吐きそうになるのを我慢して、彼の話に耳を傾ける。本当なら西大陸のアルバトロス王国に赴くべきだが、海路を使えば随分と時間が掛かってしまい私を待たせることになる。
西大陸から赴いた商人さん――私の協力者――から聞いた話では、移動手段を持っているので用があるのならば、黒髪黒目は直ぐに駆けつけるとができる、と言っていたとのこと。商人さんの話を聞いて、彼に書状を託して今回の会談の場が設けられた。
「わたくしは、陛下方が黒髪黒目のお方に働いた無礼を知る由はありません。許す、許さないの判断は、ご本人にお願いしたく」
「そんな……二百年前の出来事なのです! 当時生きていた者たちは既に存命しておりません。黒髪黒目のお方もお隠れになっている……我々はどうやって贖罪を行えばよいのですか!」
国の王さまが真剣な表情で私に訴えるけれど、話の本題、というか肝心な所が聞こえてこない。二百年も前に起きたことを、今に生きる方たちが何故後悔しているのだろう。
「罪を償う、とは?」
一応、向こうを立てつつ言葉を選んで、彼らが話し易いようにしておく。そして私が上座に位置しているのは、国同士のやり取りの場では不味いから席に移動して落ち着いて話しましょうと告げる。
どうして黒髪黒目のお方が理知的で優しいのだ、と疑問を抱えている南大陸の方々。いや、理知的でもないし、優しくもないのだが……勘違いしているままの方が話し合いは進みやすいかと聞こえないフリをしておいた。
「二百年前、黒髪黒目のお方が我が国で産まれました……その……容姿を蔑んだ者が王族の中におりまして。彼女は悲しみに暮れ、女神さまに願ったようです……我らに罰が下るように、と」
国王陛下がしゅん、と肩を落とす。二百年前の王族の方がなにを言ったのか気になった。随分と前から黒髪黒目のお方は南大陸で恐れられているのに、どんな場所でもどんな国でも無敵な人が出現するのだと感心する。
「そして今でも女神さまから下った罰が続いているということですね」
「はい……代々の王と次代の王には呪いの痣が現れる、消える気配が全くありません。女神さまと黒髪黒目のお方を崇め、毎朝、毎夜、祭壇に祈りを捧げておりますが、痣は消えないのです!!」
う、っと言葉に詰まって泣きそうになっている成人男性の姿は、どこかで見たことがあると頭の隅から記憶が引っ張り出される。
今の陛下の態度ってクルーガー伯爵の不能問題の態度と凄く似通っていた。一国の王である方が他国の貴族に弱みをみせることはないのだが、事情が事情である。後継者問題は貴族と王族には死活問題だから、必死になるのは仕方ない。でも、この場には相手国の殿下も同席していらっしゃるので、私の盛大な勘違いかもしれない可能性もあるけれど。
「痣、というのは?」
見せて頂くことが可能であれば見せてくださいと願い出る。すると陛下が右腕の袖を上げて、机の前に差し出した。
「随分と痣の色が濃いですね……浄化儀式で消える可能性はありますが…………」
随分と痣の色が濃い。呪いの術は強ければ強いほど、威力や効果が増すと聞いている。フソウの帝さまの痣を見た時も、随分と濃く禍々しいものだった。
陛下の痣は帝さまより禍々しさ、という部分では敵わないが……どす黒い痣の色は恨みが存分に籠っていると判断できる。困っているならば、国を経由して教会に打診をお願いし許可が下れば浄化儀式を執り行えるだろう。私も鬼ではないので、消える可能性があることは伝えておく。
「の、呪いが消えるのですか!?」
私の言葉を聞いた陛下と殿下方の顔がぱあっと明るくなる。この場には王妃殿下と王子妃殿下もいらっしゃるのだが、微妙な顔になっていた。夫婦関係大丈夫かと心配になってくるが、私的なところに公人が口を挟んではいけないと陛下の顔を見た。
「儀式によって呪いが消えるかもしれない、というだけで、完全に呪いが解けると保証することは無理です。それに根本的な理由を知り得ていない状況で儀式を執り行えば、消えない可能性の方が高くなってしまうでしょう」
「ですが……ですが、浄化の儀式とやらを執り行えば消える場合があるというのですよね!? 呪いの効果が低くなる場合もあるのですよねっ!?」
目尻に涙を溜めながら、感動に打ち震えている陛下と王子殿下。凄く感動しているので、失敗したら申し訳が立たないと心の中で冷や汗を掻く。
「おそらくは。確約はできないということをご承知おきください」
こくり、と頷いた陛下に私も一度顔を縦に振る。儀式が失敗して、すわ戦争じゃーと言われても困るが……いや、物理的距離が離れているから無理か。移動手段は海路と陸路しか持ち得ていないし、西大陸沿岸部に辿り着いてもいくつかの国を経由してアルバトロス入りを試みなければいけないし。
「では貴国の話は終わったと解釈させて頂きます」
「はい。少し希望が見えてきた気分です。感謝致します」
落ち着きを取り戻した陛下は陛下然として、椅子に腰を掛けなおした。
「では……――南大陸に逃げたとされる黒い竜と、黒い衣装を纏った魔術師の情報を欲しております。どんな些末なことでも構いません、情報料を払えというのであれば、わたくし個人で払える額ならば払いましょう」
「情報料の必要はないかと。黒い竜を見た、という情報は入っておりませんな。竜がいたとなればすぐさま南大陸中の国々に情報が知れ渡ります」
南大陸での竜の位置付けは、東大陸同様にかなり珍しい部類に入り発見したとなれば大騒ぎになり、大陸中に知らせがはいるようになっているとのこと。私の肩に乗っているクロに驚いたし、肩乗りサイズの竜がいるのも初めてしったとのこと。彼らのイメージは産まれたてでも、かなり大きなサイズを想像していたようだ。
クロが自慢げに胸を張りながら『南大陸にも竜や幻想種、亜人が沢山いると良いけれど』と呟くと、陛下が驚いた様子を見せながら『竜や幻想種は珍しいですが、亜人が住まう国が存在しますよ』と教えてくれた。
住める場所が増えるのは良いことなのでクロと陛下の会話を黙って聞いていれば、目的が達成できたなら亜人の国を紹介してくれること、竜が飛んでも驚かないようにと各国に知らせを入れてくれるようになっている。勝手に話が進んでいるので、亜人連合国のディアンさまもとい代表さまと相談しましょうと、乗り良く進んで行く話に私は待ったを掛けた。
『申し訳ありません』『話の腰を折っちゃった。ごめんねえ』と謝る大人と小さな竜の姿に苦笑していると、陛下がなにかを思い出したようにぽん、と手を軽く叩く。
「一つ、気になることがありましたな。数ヶ月前、西大陸から我が国に渡ってきた者がおりました。――」
黒いフードを被った女性で、西大陸の放浪を終えたので南に渡ってきたらしい。お腹が大きかったので赤子を孕んでいるのは一目瞭然。旅の者にしては違和感があると、陛下の耳に入ったそうだ。他の大陸から渡ってきたこと怪しさ満載の風貌だったから、念のために影を付けて監視を行っていた。
陛下の国では問題を起こさず隣国に渡り追跡を終えたそうだ。陛下は動向を知るために影を外すべきではなかったと悔やんでいるが、今まで見つからなかった情報ににやりと片方の口の端が伸びる。
「陛下、隣国との国交はおありでしょうか?」
「もちろんだ。黒髪黒目のお方が入国を望んでいると知れば、直ぐに許可が下りましょう。問い合わせてみますか?」
お願い致します、と陛下に告げて、黒髪黒目で良かったと今度は逆の口の端が伸びるのだった。
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