変わり映えがないっていうのかな
無限ループって怖くね?
5歳という小さな身体を取り得として相手の懐に滑り込むように入り
「(左腕で鳩尾を打つ)」
ドサッと音を立てて倒れる男 たった5歳児の小さな子どもの周りには大人4人が気絶し倒れていた
「(これで一応は安心していいかもな・・・)」
敵と認識できる人を全員気絶させれたためさっきまで緊張と恐怖に包まれていた彼の心は安堵と優越感に様変わりする
時間は太陽の位置を見るに昼前といったところ
昨日の夕方から何も食べていない ちらりと村人を見た瞬間彼の左腕がドクンと、まるでもう一つの生物のように反応しだす
「な・・・なんだ?」
無意識、というよりは左腕が勝手に村人に手を向けている
「(なにかあるのか?)」
ゆっくりと腰を上げ村人に近づいてみる
すると左腕は
「なッ!?」
左腕は勝手に指先を村人の喉に突き刺した
グチュリと気味悪い音を立てながら喉の中にグイグイと手を刺し込んでいく
首からはボタボタと血が流れ村人は目を見開き口を開け苦しそうにもがいていたがすぐ息絶えた
ドクンドクンと左腕は血管をなびかせ村人の血を吸っている
「あ・・・!あ・・・!ああああああ!!!うわああああああああああああああ!!!!!!!」
左腕に生温かい血がベタベタに付き 血管がまるで別の生物のように動き血が流れる
大量に流れる血液を見て気持ち悪さと吐き気が起きる
村人はもう瞳孔が開いている 初めて人を殺めたという事と死亡した人の後の状態を目にしてしまったせいで彼の精神は正常ではなくなっていた
「あ・・・ああああ・・・」
膝を付き脱力する
何が何だかどういう事が起きているのかが分からなくなってきていた
少し時間が経つと左腕は血を吸うのを止めダラリと力なく垂れる
「終わった・・・のか?」
両手を握ったり開いたり
自分の感覚が正常な事と左腕がちゃんと自分の思うと通りに動く事を確認する
人の首を突き血を吸うという恐ろしい事をしでかした左腕はさっきとは嘘のように自分の言うとおりに動く
ドクン
「!?」
感覚が何十倍にも研ぎ澄まされた今身体に何の変化が起きたのかすぐ気付いてしまった
「(身長が少し、伸びてる・・・?もしかして身体が成長してるのか!?)」
5歳という身体が7歳、8歳ぐらいまで急成長しているのだ
「な・・・何で急に身体が・・・もしかして、血を吸ったから・・・まさか!そんな事があり得るっていうのかよ!ただ血を吸うだけで急成長なんて!」
意味が分からずただ茫然と立ち尽くすだけ
その時一瞬だけ彼はこんな考えが浮かんだ
「(残り3人の血を吸えば、10代くらいの身体になれる・・・?)」
思わず彼は右腕で自らの頬を殴りつけた
「(馬鹿か!?それは残りの3人を殺すと言っているのと同じ!いくら手錠を付けられ牢屋にぶち込まれたからってそんな私利私欲の為に血を吸うなんて事はできない!)」
ダメだと思う気持ちと今ならこの小さな身体からおさらばできるという血を吸う事を肯定する気持ち
その肯定する気持ちを後押しするように彼の左腕はまた村人に手を向け始める
「ダメだ、また血を吸うなんていうのは・・・」
左腕は村人に向けて手を伸ばす
その左腕を見てこんな事を思う
「(もう一人やってしまっているんだし あと3人やったところなんら変わりは無い・・・俺が成長して強くなるだけ、それだけ)」
彼の周りにいるのは首から血を流した4人の死体だった
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時刻はおそらく午後21時頃
生贄を捧げる日まであと一日だ
村では誰を生贄にするか、などと醜い擦り付け合いが始まっていた
「あーあー賑やかですな」
その騒ぎを遠くから見つめる黒い左腕を持つ男
彼の身体は血を吸う事によって14歳程にまで急成長を施した
しかもそれだけではないまるで特典のように自らの持つ能力も強化されたのだ
前よりも精密に分かりやすくなったのだ、しかしそのかわりその強化中には痛みなどが数倍に跳ね上がるのだが
左腕はなお力強くなり一本ぐらいの木なら真っ二つにする事ができた
前ちゃんと持てなかった短剣も今じゃ扱えるようになっている
「もうこの村は終わりだ!皆殺されるんだァ!」
ヒステリックを起こしたような男が泣きながら叫ぶ
「そんなに生贄をささげなかったら恐ろしい事が起きるのかね・・・」
おそらく事の発信源はこの村の中心にある御神体、今はあの御神体からは何も力を感じないし生命反応もあるわけじゃない
なのにこれだけ怯えているというのは一体なんなのだろうか
もしもそんなヤツが存在するのならどんななのか
彼は恐怖ではなく興味が湧いてきているのを感じた
「御神体・・・見に行ってみるか」
村の裏側から中心の御神体まで突っ切る
何故こんな御神体が近くにあるのにそのすぐ傍でマイナスイメージの事を叫ぶのだろうか
逆にそちらの方が主様の怒りを買うんじゃないだろうか
そんな事を考えていたらもう御神体の前
御神体の形は・・・天使、であろうか人の姿に羽が生え頭にはわっか
天使が生贄・・・?
「(俺の知る限りじゃ天使ってのは絶対神の使いなワケで・・・天使個人の行動なんてのはないはず・・・
って事は天使を似たような姿をした何か・・・)」
大きさは2m程、そこまで大きいという事はない
おそらく明後日に生贄を捧げなければ村人は虐殺されるという事だろう
「(人を怖がらせる程のヤツがいるとしたら・・・そいつの血を吸ったとしたら・・・俺は尚更強くなる事がきる・・・)」
彼は御神体の前でクククと薄気味悪い笑みを浮かべていた
朝、生贄を捧げる日まであと一日
時刻はおそらく午前10時
あの木の場所で彼は目覚めた
「ん、あぁ・・・そっか 昨日は御神体を拝んだ後こっち戻ってきたんだっけか・・・」
ボケーっとした頭で状況を確認する
「ああ、明日か今日何か血を吸ってパワーアップでもできやしないか」
ザワッっと
森の方からいつもは感じない反応 熱を感じる おそらく生命体
彼は獲物を見つけるとニヤリと笑い
「どんなヤツかね・・・」
自分の高鳴る心臓の音を感じていた
「あああああああ・・・」
男はやがて息絶えた
「あの村から逃げ出したヤツか・・・」
彼は首から血まみれの自分の手を引き抜く
どうやら荷物もちゃんと用意してきたようだ 確実に別の場所へ行こうとしていたみたいである
中には食糧や衣類などが大量に詰め込まれていた
「丁度いい、ありがたく貰っていこうか」
これはラッキーだ、という感じで荷物を奪う まるで追剥、というか追剥だ
「ん~、普通の人間じゃそこまで成長はしなくなったか・・・どうやらこの世界には俺みたいな人外がいる事だしそう言う奴等の血を吸った方がパワーアップできそうだ」
もうこれ以上血を吸う相手がここら辺にはいないという事が分かった
彼は短剣をくるくるとまわしもてあそぶ
「使えるものと言ったら短剣と左腕くらいか」
残念ながら左腕以外は常人の力しかないのでそこまで期待はできない 右腕でどれだけ上手く短剣をさばききる事ができるかというのが問題だろう
「(だけれども俺には感覚、判断力が数十倍になってる それを最大まで活用すればいいだけの話だ
当たらなければどうと言う事はない まさにそう言う事だ)」
時間は流れ当日、時刻19時頃
「・・・確かにこいつはやべぇ」
御神体から何か力があふれ出てくるのを感じる
それも膨大な量の
「御降臨ってか・・・!やってやろうじゃねーか」
彼は右腕に短剣を握りしめ駆け出す
我に敵う者はいないと言わんばかりのプレッシャーを周りに放っている者のいる場所へ
あともう少し続きますコレ