悪役のコスプレしてたらいつの間にかマジで敵《ヴィラン》になっていたんだが!?   作:ulo-uno

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いやぁ……投稿が遅くなったなと。

大変申し訳ない。 (-_-)

(╹ω╹+)ヨシッ!!

前書きはこのくらいで!!

それでは、「悪役のコスプレしてたらいつの間にかマジで敵《ヴィラン》になっていたんだが!?」

第四話どうぞ!!




第4話

<side 八木 俊典(オールマイト)>

 

 

 

夜の街を彩るビル街を避け少し狭い裏路地に足を進める。

 

そこから見える空はまるで子供が墨を塗りたくったようにさえ見える。

 

暫くその道を進むとその道の突き当りに明かりのついたバーが見える。

 

「よう!!久しいな、俊典!」

 

店の中に入るとその店の店主(マスター)と黒髪の女性……彼の師匠がそこに居た。

 

「お師匠……私の我儘でわざわざ遠路はるばるまで来ていただきありがとうございます」

 

「う~ん、堅い!!……それにこのくらい別に有難がられることじゃないさ。むしろお前が師である私を頼ってくれたことに嬉しさすら感じるよ」

 

昔からお前は何でも一人でやろうとするからな。

 

そう言う彼女の表情はただひたすらに明るく彼女の周りだけはこの形容しがたい感情も浸食できないと思えるほどだ。

 

…………今の私とは正反対だな……。

 

「で、俊典……お前が私を呼んだのは“例の事件”が関係するんだろ?」

 

「はい……。申し訳ながら…………」

 

“例の事件”……つい先日起きた“銀行強盗”…………あの時初めて“格上”と言うものと戦った。

 

今になって思い返せば私自身に傲慢と言うものが浮かんでしまっていたのかもしれない。

 

……いや、傲慢だったのは確かだ。

 

連戦連勝、いずれも余裕…………戦いの中で私は格上との戦闘などしたことが無かった。

 

「師匠……私は、“弱いです”」

 

「そっか……」

 

「師匠から託されたものも、その前の者たちが託していったものも私は自分自身の力と思ってしまった。私は貴女や彼等が築き上げた塔に、私もそこに立っていると勘違いしてしまった。私が築き上げたのは塔ではなく川岸にある積み石……例えどれだけ積もうと塔には成れなかった」

 

「……」

 

「師匠……どうすれば“強く”なれますか?」

 

直ぐに帰ってくる答えはない。

 

彼女は店の天井を見上げながら彼が放った質問に対してなんと返すか悩んでいるように見えた。

 

やがて彼女は自身の目の前にあるグラスに目をやる。

 

「……俊典、……今から言うのは私なりの強さの解釈だ。……お前がそれに影響される必要はない、と言う事だけ頭に入れておいてほしい。…………私の考える“強さ”って言うのは何も勝てる勝てないの話じゃない。人の強さっていうものはそんなものじゃ図ることなんてできない。……それは結果だからね。そうだろう?」

 

「……それは、……確かに、そう、なのかもかもしれません」

 

そうだろ?

 

そう言う彼女は彼女自身納得するかのように相槌をしてからグラスに入っていた酒を一口煽った。

 

「なら、人の強さとは何か?……それはその人個人の前に進もうとする意思だ。茨の道?茨だろうが道は道だ……そう言って前に進もうとするやつが強くなるんだ。……なんでだと思う?」

 

「……茨を進むだけの覚悟があるからでしょうか?」

 

「ん~、……残念!!」

 

「…………では、なぜ?」

 

「まあ、正解を言うと茨の道を進む奴は皆“笑う”のさ。……これでもかー!!ってぐらい歯を食いしばりながら前を見据えてね」

 

「歯を……食いしばって?」

 

「そう、歯を食いしばって。……そうやって笑うやつは皆“茨の道”を進むのさ。例え、どれだけ絶望に飲み込まれようが、どれだけ苦しかろうが、そうやって笑うやつだけは前に進むのさ。……例え希望なんてものが見えなくともね」

 

「それは、……」

 

「分かる~!!狂人(狂ってる)って言いたいんだろ?……まあ、否定はしないさ。でもヒーローなんてそう言うのも事実ではある……だって、ヒーローは“命を懸けて他人を救う”ことが仕事だからね」

 

「確かに、……ヒーローは命を懸けて誰かを助ける事g――――――――――――」

 

「違う違う……“助ける”じゃない……“救う”だ。……ヒーローはただ助けるだけでは駄目なんだ……ヒーローに助けられたその人がもう安心だと思えるようになって初めて人を救うことができるのさ。……俊典、ヒーローってのも中々大変な仕事だろ?」

 

「…………ええ、大変……です。今までそこにあると思っていたものさえ夢から覚めたように消えてしまう事もある。……とても大変な仕事です。……ですが、それでもっ私の意思はやはり変えられない。……“平和の象徴”……人々が安心することができる決してかけることのない柱。……やはりそれだけはどうしても忘れることができない」

 

「……なら、大丈夫だな!!“それ”があるなら()()()()()!!それは私が保証してやる!」

 

そう言う彼女は何処か誇らしげに胸を張っていた。

 

「……hahaha、……ですが今の私ではやはりあの《ベイン》には勝つことができません。あの時戦って既に()()しました」

 

「HAHAHA!!だろうな!……正直、私はテレビで見ただけだからそこまで実感は持てないけど俊典が負けるなんて相当手強い相手だろうなとは思ったよ。……なんせ俊典のSMASHを顔面に受けても平然としてたもんね、彼。あれは相当な強敵だね」

 

「ええ、……私があれほどまでに手強いと感じたヴィランは《フィクサー》……《キング・ピン》以来です。……いえ、《フィクサー》は捕まえることができただけそれ以上とも見方によっては捉えられます」

 

「《フィクサー(キング・ピン)》……俊典はあれが切っ掛けでインターン生なのにアメリカ(ここ)でもNo.1になったんだっけ?……よく分からないけどあれって事故なの?」

 

「いえ、アメリカ(ここ)ではインターン生もビルボードチャートに選ばれるという制度がありますよ。……まあ、ほとんどの場合はその制度が適応されることなんてないですけど」

 

「そのほとんどの場合に入らずに適応された人物が何を言っているんだか……」

 

「HAHAHA!!それもそうですね!」

 

「自慢かいッ!!」

 

HAHAHAHA!!

 

そう笑う彼は気付けば最初のような暗い雰囲気はなくいつもの只々明るい《オールマイト》としての輝きを取り戻したかのようであった。

 

「そうさ……俊典。お前は今みたいによく笑うのがお前らしいよ。だから“笑え”……俊典、この世界笑ってる奴が一番強い!!」

 

「……確かそれ昔も同じことを言ってましたよね、師匠」

 

「ああ、言ったな!大事なことだから何度でも言うぞ!!」

 

「ええ、……確かに大事なことだ。……大事なことなのに当たり前すぎて忘れかけていましたよ……笑ってない私など()()()()()()

 

「そうさ、俊典!!それでこそ俊典(お前)……いや、《平和の象徴(オールマイト)》だ!!」

 

弟子の悩みを取り除き、助言し、道を見守ろうとする。

 

そんな彼女の姿は師としての姿としてこれ以上にないモノだった。

 

……ああ、……やはり師匠は凄い人だ。

 

私の悩みなど直ぐに解決してしまう。

 

…………いつか私もあ(彼女)のようになれるのだろうか?

 

……いや、なって見せるさ……師のような……師をも超えれるような……ヒーローに。

 

「あ、そう言えば言い忘れてたんだけど俊典」

 

「何ですか?」

 

「私も暫くこっちで活動することになってるから!!ヨロシク~♪」

 

What(何ですって)!?

 

「あ、それにグラントリノもこっちに来るから!……まあ、ガンバレ!!」

 

Really(マジで)!?!?

 

やはり、師は()()()()()()()凄い人だ……。

 

あれ?可笑しいな……脚が…………。

 

 

 

 

 

 

<side out>

 

 

<side ???>

 

 

誰かが人の暗い部分だけをまき散らした様な空の下。

 

私は大事な()()の家族を抱きかかえながら裏路地の壁に背中を預けていた。

 

誰も声を掛ける事はしない……それはここでの常識だ。

 

皆が皆今日を生きることで精いっぱいなのだから。

 

でもたまにおかしな奴もいる。

 

「おい、ガキ……」

 

「何よ……」

 

「こんなとこに居たら風邪ひいちまうぞ。…………親は居ねぇのか?」

 

「だったら何よ?……アンタが代わりにあたしたちを育てようって訳?……ふっざけんなヴィランが」

 

「あ?……なんで俺がヴィランになる?」

 

「知ってるわよ?……アンタ()()()って言うんでしょ?テレビで見たもの」

 

「おーおー、なんだ知ってたのか」

 

「だからお断り……。アンタみたいなヴィランなんかと話し合いたくもない」

 

「…………ヴィランに親でも殺されたか?」

 

「ッ!!」

 

コイツ……!!

 

既に立つ力もない。

 

だから精一杯手に持っているナイフを握りしめ相手を睨む。

 

「どうした?……そのナイフで俺を刺すか?それでお前の気が収まるのならそれも手だろうな。……だが、お前のその抱えている奴は大丈夫なのか?」

 

「⁉ …………」

 

……確かにここでコイツに殺されればこの子はもう助からない。

 

私が、何とかしなくちゃいけないのに……。

 

「はぁ……。仕方ねぇな……」

 

私が必死に思考を巡らせている間にベインは私の首元をつかんで顔を寄せてきた。

 

「ほら、……これでお前は俺に捕まった捕虜だ。大人しく言う事聞きやがれ」

 

「……分かったわ。……でもこの子だけは助けて……いえ、見捨てないで頂戴……お願いだから……」

 

この子が……私の唯一の家族……妹が居なくなれば私は……。

 

「何を馬鹿なことを言っている?」

 

ああ、……やっぱり……。

 

「ハハ……。もう……いいわ、忘れて……。せめて最後はこのk――――――――――――「俺は、()()()見捨てるつもりはないぞ?」――――――――――――え?」

 

私も……見捨てない?

 

私も?

 

「ほら、こっちにこい……帰るぞ」

 

「え?ちょ、ちょっとまttッ!?」

 

追いすがろうとするが足が動かない。

 

気持ちだけが先行して転びそうになる。

 

「っとと……あぶねぇな……。なんだ、動けないなら先に言え。……ほら、背負って……ってそれも無理か。お前ら二人いるもんな。……仕方ねぇ……お姫様抱っこになるが許してくれよ?」

 

そう言って私達を持ち上げる。

 

まだ、小さな妹は私の腕の中に、そして私はベインの腕の中に。

 

「ねぇ……この状態じゃ私、貴方にナイフを突き立てられるけど?」

 

「やれるもんならやってみな……どうせ死なねぇからよ。……いや、そもそも刺さらんかもな?」

 

この……言ってくれる……。

 

いや、でもあのオールマイトの攻撃さえ通用しないコイツにはそうなのかもしれない。

 

「でも何で私たちを助けるような真似をしたの?……今現在助けてくれてるとこ悪いけど私、将来はヒーローになるよ?」

 

「そうか……いい夢じゃねぇか。……それで、俺がそんなお前らを助ける理由か?」

 

「うん」

 

「まあ、簡単に言えば……“嫌い”だからかな?」

 

「え?」

 

「ああ、別にお前らの事じゃねぇよ。俺はな、()()()()()()()()()()()()()()()()()なだけだ」

 

「うん……うん?」

 

「俺だって人なんでな……人を見捨てるのは忍びないし、消えていくのを見たくない。……それに俺だってこの街が嫌いなわけじゃない……俺にはこの生き方しかなかったって訳さ」

 

「この街が嫌いなんじゃないの?」

 

「いいや、俺はこの街が好きだ。人が生き、人を助け、人を育む、……そんなこの街が好きだ」

 

「なら何でヴィランなんかに?」

 

「さっきも言ったろ?……俺にはこの生き方しかなかったのさ。…………だからと言っちゃなんだがお前の生き方に俺からはケチを付けねぇ。……好きなように生きろ。手伝いくらいなら影からしてやるよ」

 

「それがヒーローでも?」

 

「ヒーローでも、だ。…………まあ?ヒーローになるんだったら?俺ぐらい捕まえるようになりな。……まあ、無理だろうけどな!!HAHAHAHA!!!」

 

「ハァア!?捕まえるしぃい!?お前ぐらい私がヒーローになったらすぐ捕まえるし!?何だったらインターンで捕まえてやるよ!?」

 

「おーおー、元気になってきたなぁ?……まあ、期待せずに待っておくさ」

 

「あー!!信じてないだろ、オマエェェエエ!?!?嘘なんかじゃないぞ!?ほんとに捕まえてやるからな!?」

 

「HAHAHAHAHA!!!!!」

 

コイツやっぱり嫌いだ!!

 

絶対捕まえてやる!!

 

 

そう固く誓いながらもなぜかこの人の暗い部分だけをまき散らした様な空の下で唯一の、僅かな“光”に出会ったような気がした。

 

<side out>

 

 




この度は、この様な小説を読んで下さり誠にありがとうございます。

いや~前書きでもあった通り本っっっ当に申し訳ありません。

投稿ペースめっちゃ遅かったです。

……あ、最後に出てきたキャラは原作キャラだゾ!!

まあ、妹はいなかったけどね!
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