いやそれより年代考証を色々調べながら書いてはいるのですが、もう無双だしIFの世界だし作者は考えるのをやめました笑笑
そこに縛られるより、面白い話しを書いていきたいです。
今日から一人、新しい同居人が張家に増えた。
立場は所謂、食客で張飛様の副将。
その食客の名は呂玲綺。
鬼神と呼ばれた呂布の娘で僕の友人だ。
まぁ友人と言っても付き合いは浅い……と言うか会った回数が二回だけしかない。
一回目は星彩様と食材を調達している時、二回目は色々あって剣を交えた。
何故、剣を交えたか。
それは玲綺殿はつい、昨日まで自分の父であった呂布を死に追いやった曹操や劉備様への復讐する「呂布の亡霊」として兵士たちを夜な夜な暗殺していたのだが、そこで僕と遭遇した訳だ。
剣を交えてみて、玲綺殿は文句なしに強かった……。
やはり呂布の血が流れているのだろう。
結果だけ言えば、僕は玲綺殿に勝った。
だが玲綺殿は右腕に怪我を負っていたにも関わらず、高難易度の武器である方天画戟、そして下手な者が使えば自分が怪我しそうな十字戟を巧みに操り、飛天御剣流を持ってしても実力としては拮抗していたので、玲綺殿がもし万全の状態で戦っていたら、結果は変わっていたかもしれない。
そんな玲綺殿だが、武器を置けばクールだけど天然が入ったお姉さんに変わる。
「温かい……皆で食べる食事は何故こうも美味なのだろう」
と、言いながら玲綺殿は涙を流しながら並んだ朝食を口にかき込んでいる……。
玲綺殿は意外と大食いのようだ……。
「いいのですよ 遠慮せずに沢山食べてください」
夏侯姫様は食事を頬張る玲綺殿を嬉しそうに温かい眼差しでニッコリと見つめているが、僕は逆にそれを冷めた目で見てしまっていた。
何故ならただでさえ、張家は大食いが揃っているから。
そこにまた大食いする人が増えたら、薪拾いに食材調達が更に大変になってくるのを想像したら萎えてきた。
「それで玲綺殿、寝る場所なんですが剣義と同じ小屋でも大丈夫でしょうか?」
「ブハッ!?」
嘘だろぉ!?……。
夏侯姫様のとんでもない案に飲んでいる途中だった水を吐き出しまった。
「か、夏侯姫様!?」
いやいやさすがにねぇ。
男女二人であんな狭い場所で一緒に寝るとなるとね……。
まぁ心の声だから言うけど、玲綺殿普通に可愛いんだよなぁ……。
何か間違いを起こす可能性……いやいやイカン。
僕は星彩様一途。
け、けしからんこと考えたらダメだ。
「それはダメ!……」
「そ、そうですよ!」
な、何だ?……。
今度は星彩様と張敬様が立ち上がって、玲綺殿が小屋で寝る事に対して必死に反対している。
「じゃあ俺が行こうか? 寝る所に拘りないし」
だる……。
控えめに言うけど、張苞様はマジで来ないでくれ……。
張飛様よりマシってだけで、イビキが煩い。
「苞、うるさいです」
「兄上、少し黙って……」
星彩様と張敬様もそんな言い方ないだろうに……。
張苞様、めちゃくちゃシュンとしてるじゃん……。
「母上、客人をあのような場所で寝かせてはなりません 私が小屋で寝ます!」
張敬様……僕も客人なのですが、扱い違いすぎませんかね……。
「姉上があんな所で寝たら体調が悪くなってしまう……ここは私が物置小屋で寝るわ」
「な、何を言うのですか星彩!? 小屋で寝るくらいで体調が変化することなどありません!」
「二人共、私は居候させてもらってる身だ 最近はずっと野宿みたいなものだったし、気を遣わなくとも寝るだけなら別に小屋で構わないぞ?」
「いえ、玲綺殿……正直、副将を小屋で寝かせるなど失礼にあたります」
「星彩の言う通りです! 野宿をしていたのなら尚更ですよ 久しぶりにちゃんとしたところで休んだ方が良いに決まってます」
星彩様も張敬様もどう言う風の吹き回しだろうか……。
二人共、あの小屋は人が寝る場所じゃないだの煽ってくるくせにやけに必死じゃないか。
まぁ僕にとっては誰が……あぁ、張苞様以外であればご褒美でしかないけどね。
「う〜ん……そうですねぇ……では剣義に決めてもらうのはどうでしょう?」
うわぁ……。
夏侯姫様、勘弁してくれ……。
無茶ブリがすぎる……。
「剣義、勿論私ですよね!?」
「剣義、私を選ぶのが無難……」
「剣義、二人に気を遣う必要はないぞ?」
な、何だ!?……この三者三様の圧倒的な威圧感は……。
てか小屋で誰か寝るのは確定なのかよ。
そもそもの疑問点として、玲綺殿が張飛様の屋敷に厄介になると言うのは如何なものか……。
まず張飛様の許可取ってないし……。
まぁ劉備様が言い出したことだから張飛様は断らないだろうけどさ……。
「いや……その……」
これ何て答えたら正解なんだよ……。
誰選んでも天国行きなのは間違いないんだけど、地獄へも行くのも確定じゃん……。
天国と地獄は表裏一体、この場を何とか無傷で切り抜けたいがどうしたものか。
「ほら星彩、剣義が困っています 貴女もいい歳頃の女性なのですからそんな圧をかけるのはおやめなさい?」
「私は圧などかけていない……姉上こそ阿斗様に嫁ぐ身 自分の立場が分かっていないようね……」
怖っ……。
バチバチじゃん……。
何を目的とした何の為の喧嘩なんだよ……。
まぁ星彩様と張敬様は睨み合って、それを玲綺殿と夏侯姫様が必死に宥めている状況なので今、皆は僕への意識は薄くなっているから逃げるなら今か。
僕は足音を立てず、忍足で屋敷を出ると猛ダッシュでその場を離れる。
「ここまで来れば大丈夫だろ……」
結構離れたし一時的にではあるけど、あの修羅場から脱出できて良かった。
暫く屋敷には戻れないだろうから、何か時間を潰さないと……。
しかし時間を潰すって言っても、三国時代だから現代のようにはいかないのが痛い。
現代ならネカフェやカラオケ、ファーストフード店などいくらでもあるのに……。
とりあえず、街をぶらつくしかないか……と思っていると、背後から僕を呼ぶ声が聞こえる。
「お〜い 剣義!」
声の主は張苞様。
何か慌ててるみたいだけど、何か用だろうか。
「おい、何処行くんだよ? 今日は俺に一日付き合うって約束だろ?」
「約束?……」
そんか約束してたっけ?と思い返してみると、一つ心当たりがあった。
「え……まさか、あれ本当にやるんですか?」
張苞様は関索様にギャフンと言わせたいらしいのだ。
理由は張苞様と関索様が街を歩いていると、関索様ばかり黄色い声援が飛ぶのが納得いかないらしい。
そこで今日、僕と張苞様二人で組み、関索様に戦いを挑もうと言う訳だ。
戦いと言ってもそんな大した戦いではなく、武術の手合わせ、囲碁、酒呑みの三番勝負。
手合わせはともかく他のはもうただの遊び……。
めんどくさいから断っていたのだが、あまりに張苞様が誘ってくるので確かに付き合いますとは言った気がする……。
「当たり前だろ? 今日こそ打倒関索だ!」
気合いも十分、張り切る張苞様だが、この戦いは無謀という他ない。
完敗してプライドを砕かれ、項垂れる張苞様が目に浮かぶ……。
「いや、今なら間に合います……やめときましょう 絶対勝てませんって」
はっきり言って、関索様は凄くモテる。
モテて、モテて、モテまくっている。
もう、嫉妬する気も起こらないくらいに女性に大人気。
小さい子どもから若い女性、マダムや御年配のお方まで年齢問わず、関索様の周りには常に女性が取り囲んでいて、完全なる劉備軍のアイドル武将状態だ。
そんな相手に張苞様が勝てるはずがない。
「そんなことはねぇよ 剣義、お前は悔しくないのか? いつも関索ばかりチヤホヤされて」
「いや僕は別に……」
「そんな弱気だからいい歳して、女の一人もできねぇんだぞ?」
「そ、そうですね……」
やかましいわ。
張苞様だって彼女できたこないやろがい!。
まぁ僕は確かに五回、転生して一度もできたことないけど……。
愛想笑いで済ませたが、ハリセンでシバキたい……。
「でも、俺と関索の何が違うんだろうなぁ?」
確かに関索様のモテる秘訣ってなんだろうか?……。
強さ?、顔?、頭の良さ?、優しさ?……。
でも無双の世界では関索様より強い人はいるし、顔だってイケメン揃い。
関索様が特別に頭が良いとは聞いたことないし、優しいのは間違いないけど優しいだけなら他にも大勢いる。
他には何があるだろうか。
金や家柄かとかが思いつくけど、張苞様と比較してもそんなに差があるようには思えないけど……。
「う〜ん……僕が女の子だったら分かるんでしょうけど、関索様がズバ抜けてモテる理由は確かに謎ですよね」
確かに関索様のスペックは高レベルでバランスは良いが、それだけだと理由としては弱い気がする……。
「だろ? やっぱこう言うのは戦って学ぶのが一番手っ取り早ぇからな お前だってモテる秘訣知りたいだろ?」
まぁモテる秘訣は知りたい。
僕の星彩様を想う気持ちに嘘はないが、またそれは別の話しだ。
そりゃ男として産まれたからには女性からモテたい気持ちは常にある。
しょうもない戦いではあるが、少しは暇潰しにはなるだろうし関索様のモテる為の技術を学べるのなら、付き合う価値はあるか……。
「分かりましたよ……やってみますか」
そう言って連れて来られた場所は開けた訓練場。
関索様の周りにはまた女性が取り囲んでいる……。
「おい関索、勝負の時間だ!」
関索様は僕と張苞様の姿に気がつくと手を振りながら、こちらへと歩いてくる。
「やぁ張苞、剣義 今日は何をするんだい?」
「まずはいつもみたいに手合わせしようぜ?」
「あぁいいよ」
ここで張苞様は関索様に聞こえないような声で僕に耳打ちする。
「剣義、頼んだぜ?」
「えっ? 僕が戦うんですか? まぁ別にいいですけど……」
「でだな、剣義 今回の手合わせは負けろ」
また何を言い出すんだ張苞様は……。
「はい?……わざと負けろと?」
「この前、手合わせして俺が勝っちまったんだけどよ、周りの女たちは関索様、大丈夫でごさいますか!?ってこっちが悪者みたいな目で見られたからな 負けるが吉……いや、負けるが勝ちってな」
なるほど……。
逆にこちらが負けて周りの女性たちに心配してもらおうってことなんだな。
僕はここでようやくこの勝負の趣旨を理解した。
おそらく張苞様と関索様で勝負の目的が違う。
純粋にこの対決を勝ちにくる関索様に対して、張苞様は対決に負けても女性にチヤホヤされれば勝ちなのだろう。
「あれ? 張苞じゃなくて剣義が相手なのかい?」
「えぇ まぁ……お手柔らかにお願いします」
「うん よろしく でもお手柔らかにはできないかな……君は凄く強いからね」
いや、お願いだから本気で来るな……。
こっちも手加減するんだから……。
➖関索様、頑張って!!➖
➖かんさくさま! がんばってぇ!!➖
➖関索様、気をつけて!!➖
➖関索様なら絶対勝てます!!➖
➖関索様、あんなダサい貧弱チビに負けないで!!➖
さすがに関索様への黄色い声援が多すぎてイライラしてくるな。
てか誰だよ。
一番最後に言葉発した奴は……。
ただのヤジじゃないか。
このコンプライアンスに厳しい現代社会に人の容姿を貶す時代遅れの寄生虫共めが……。
あ、でも一応、今は三國時代にいるんだった……。
まぁとにかくこんな感じなのでやはり勝って黄色い声援飛ばしてる奴らにギャフンと言わせたい気持ちも高まって来るわけですな。
そこは何とか抑えましたが……。
そして分かっていたことですが、手合わせが始まるとやはり「ワー」「キャー」とまぁ周囲が喧しいこと。
アカン……もう全員、龍鳴閃で黙らせて逆刃刀でシバきたい……
でも僕は心が広くて優しいのでそんなことはしませんが……。
「さすが剣義は強い……張苞だったらとっくに勝ってるはずなんだけど……」
それはこちらのセリフだ……。
関索様は両節棍、分かりやすいく言うとヌンチャクの遣い手だ。
攻撃する速度だけに関して言えば、飛天御剣流を扱う僕とそう大差がない程に速い。
そして飛天御剣流の相性が関索様相手だと最悪なのだ。
敵の表情や心情、思考などを瞬時に読み取りから先読みに繋げられるのが飛天御剣流の最大の強み。
なので鍛錬などで立ち合いをする相手で言えば、張苞様や関興様などは先読みがしやすく相性がいい。
星彩様も感情を抑えている分、上の二人よりは苦手なのだが、よ〜く観察すれば先読みできないことはないので何とかはなる。
しかし関索様に関してはかなりの天然で何を考えているのか全く読めず、攻撃も不規則な上に速度も速いのでかなり厄介だ。
張苞様はわざと負けろと簡単に言うが、実力差があまりない相手にわざと負けるのは案外と難しいもの。
一番、ダメージがない攻撃を見極めつつ、少しオーバーにそれを受けなければならない。
だがそれを相手な悟られてはならないので、さらにハードルは上がる。
でもやるしかない……。
わざと隙を作るか……。
「そこだ!!」
僕は攻撃をかわし、足を滑らせた演技をして体勢をわざと崩すと思っていた通りに関索様はこのチャンスを逃すまいとヌンチャクを振るう。
そして見事に直撃し、僕はその場に倒れこんだ。
「参りました……」
これでいいのかな?……。
僕が張苞様の顔をふと見ると、満足そうに頷いている……。
➖さすが関索様!!➖
➖すごーい!! かんさくさまつおーい!!➖
➖怪我が無くて何よりです!!➖
➖強くて優しくてカッコいい!!➖
➖私の関索があんなダサ男に負ける訳ないもんね!!➖
???????……。
あ?……は?……え?……。
いや話しが違うんだが。
てか誰なんだよ。
あの最後にメチャクチャ煽ってくるこの時代に全く似合わないギャルっぽい奴は……。
てかこれ、やられ損じゃん……。
ヌンチャク、クソ痛いんだが……。
僕がもう一度、張苞様の顔を見ると口笛を吹いて、こちらに目を合わせようとすらしない。
チクショーめが!。
「さて次は何をして遊ぼうか?」
クゥゥゥゥゥゥッ!……メチャクチャ余裕やんけ。
ま、まぁ……そんな簡単に上手くいくとは思ってない。
要は三番勝負なのだから、他な戦いで勝てばいいだけの話しなのだ。
落ち着け僕……まだ焦る段階ではない。
そして次の戦いは囲碁だが……。
「またですか!?」
この勝負の主催者と言っても過言ではない張苞様は未だ静観の構え。
てかギャフンと言わせたいなら自分がやれよな……。
「頼んだ剣義 俺はこういう頭使う戦いは苦手だからな 今回は勝っていいぞ」
今回は勝っていいって……手合わせと囲碁逆にしろ。
そもそもこの三番勝負の種目は張苞様が考えたんじゃないのかよ。
何でよりによって苦手な囲碁をチョイスした……。
「そうなんですか……まぁ頑張ってみますけど、僕も弱いので期待しないでください」
囲碁なんてルールもあやふやだし、最初の人生で小さい頃に親と少しやった程度なので勝てる訳がない。
実際、秒殺されてこの勝負はあっさりと負けた……、
そして乱れ飛ぶ黄色い声援……。
「あれ?……剣義、負けたのか しっかりしてくれよ」
「す、すいません……」
控えめに言って黙れ。
誰がどう見ても明らかな戦略ミスだろうよ。
何で僕のせいされてるんだ……。
確かに負けたのは事実だから何も言えないが……。
「まぁいい これで最後の勝負はもらったも同然だからな」
「張苞様、ちなみにその根拠は?」
「身体を動かして、頭も使った関索は疲れが溜まるはずだろ? つまり疲れていると酔いが早く回るから俺が有利になるってことだ」
根拠の薄さよ……。
こんだけ惨敗しているのに、その自信はどこから来るのか。
やはり関索様に女性人気で勝とうなど無謀だったのだ。
もう何をしたって勝てる気が全くしない……。
えっと……最後の勝負は何だっけ?。
あぁ酒呑み対決か……
てかクソくだらんな……。
ぶっちゃけもう帰って横になりたい。
さすがにそろそろ姉妹喧嘩も終わってるだろうし。
「剣義ではないか こんなところで何をしておるのだ?」
どこからともなく現れた玲綺殿が僕に声をかけてきた。
てか玲綺殿平服普通にかわいいな。
頭に花もつけてるし、イメージ変わる。
「あ 玲綺殿 今、張苞様と関索様が勝負してるのですよ」
「ほう……」
「そう言えば、星彩様と張敬様の喧嘩終わりました?」
「あぁ 結局、間を取って私が小屋で寝る事になったぞ」
そうか玲綺殿か……。
嫌ではないけど、やっぱり欲を言えば星彩様が良かったかな……。
「そ、そうですか……そう言えば、玲綺殿は何してるんです?」
「劉備軍に属する将たちに挨拶周りをしてきてな 後は関索殿だけなのだが忙しそうだな……」
「そうなんですね でも大丈夫ですよ 大した勝負じゃないので」
暇潰しになると思って参加したけど何なんだろうか……。
凄く時間を無駄にしたような気がする……。
「ん?……何の為にあの二人は勝負をしているのだ?」
「まぁ簡潔に言えば、モテたい人がモテる為にモテてる人と戦ってるんですよ 玲綺殿だって一度くらい異性に好かれたい!って思ったことありません?」
「な、何を言う!? 私は鬼神の娘! そんな女々しいこと思ったこと生まれてから一度もない!」
さすがは呂布の娘……。
カッコいい……。
武に生き、武を愛す女性とは何故こうも魅力的なのだろうか。
「関索殿、少しよろしいかな?」
「あれ? 貴女は?」
「お初にお目にかかる呂玲騎と申します……この度は劉備様の兵に加わる事になりましたので以後お見知り置きを……」
「あぁ! そうでしたか! 貴女のような美しい方と仲間になれてとても嬉しいです」
「う、美しい!?……ご、ご冗談はおやめください……」
はぁ?……。
何故か分からないが妙に腹立つな……。
先日、僕がかわいいと玲綺殿に言った時にも思ったことだが、男への耐性なさすぎないだろうか……。
「美しい方はやはり謙遜されるのですね……今度、ゆっくりとお話ししましょう」
「わ、私と!?……ですか!?」
???……。
なんか様子がおかしいな。
玲綺殿、なんだかソワソワしているように見える。
「はい! 色々と貴女について知りたいですし」
「は、はい……わ、私で良ければ喜んで……で、では今日はこれにて失礼!」
おいおいおいおいおい……。
顔赤てめちゃくちゃ乙女の顔になってるじゃないか。
「鬼神の娘が聞いて呆れますよ……チョロいなぁ」
「な、何がだ?」
「関索様の色気にイチコロじゃないですか……もう少し、粘ってくださいよ 顔真っ赤でメロメロって……」
ん?……色気?……。
僕はハッとした。
関索様がモテる理由、それは色気ではないだろうか。
そしてそれでいて嫌味もない。
あの優しい口調でセクシーな色気を撒き散らかしたら、そりゃ女性たちはコロってなるのも分かる。
「なっ!? 失敬なっ!! 私はメロメロなどになってなどおらんぞ!」
「へいへい……」
情け無い……。
さっきまで玲綺殿のことを少しでもカッコいいと思ってしまった自分を恥じるばかりだ。
結局はただのツンデレなだけかい。
そしてもっと情け無いお方が一人……。
「もう飲めひゃい……ヒック!……まちゃまきぇた……ヒック!」
はい、ボロ負け。
ダメだこりゃ……。
何のサプライズもない。
僕と張苞様じゃ関索様女性人気に対抗するのは百年早かったな……。
まぁやる前から予想はできたけどね……。
仕方ないのでベロベロに酔っ払い自力では歩けない張苞様を僕と玲綺殿で介抱し、屋敷までたどり着いた頃には日が暮れていた。
色んな意味で疲れた僕は晩飯を済ませると直ぐに小屋で横になる。
今日はすぐに寝れそうだ……と思ったが、いつもと勝手が違うことが一つ……。
玲綺殿が隣で横になっている……。
「ち、近いですね……」
「あぁ そうだな」
本来は物置き小屋であって色んな道具があるので人が二人寝るのはかなり窮屈に感じる。
「あ、あの玲綺殿……すいません、こんな場所で寝泊まりさせてしまって……え……」
玲綺殿からスースーと寝息が聞こえてくる。
寝るの早っ!?。
しかも目は開いてるのが不気味すぎる。
「ムニャムニャ……貴様など私が叩き潰してくれる!……ムニャムニャ」
イビキはないけど、寝言がうるさいパターンか……。
明日も早いのに勘弁してくれよ……。
とか思っていると、玲綺殿の拳が僕のみぞおちを直撃し僕は悶絶した。
「グホッ!?……」
寝言がうるさいだけではなく、寝相も悪いのか……。
こりゃ今夜は寝れないの覚悟しないとな……。
僕は顔にムニムニとした柔らかい何かが当たる不思議な感触で目を覚ました。
なんだかんだで多少は寝れたようだが、全然疲れが取れない……。
しかし起床の時間はやってくる。
まだ眠いが、そろそろ起きないと薪拾いが、夏侯姫様が朝食を準備するまでに間に合わない……。
「眠いなぁ……ん?……うはっ!?」
え、え、え、え、え……えぇぇぇぇぇぇ!?。
何と僕の顔に玲綺殿の胸が密着しているではないか!。
「ムニャムニャ……私を一人にしないでくれ……ムニャムニャ」
しかも玲綺殿から抱きついてきたぞ!?。
ラッ、ラッキー!!……じゃなくて、さすがにマズイと思い、寝返りを打つと小屋の入口が開いた。
「星彩様に張剣様!?……こ、こんな朝早く、どうされたのですか!?」
二人の形相に鬼が宿っている。
僕は察した……、
あっオワタと……。
「やはりこう言うことだったのですね!?……不潔な! もう剣義など知りません!!」
「貴方は私たちの想いを踏み躙るのね? 幻滅した……」
「お二人とも、ちょっとお待ちください! 誤解なんです! これには深い訳が!」
そして僕は張飛様が帰ってくる間、星彩様と張敬様には口も聞いてもらえませんでしたとさ。
はい、ちゃん、ちゃん。
じゃなくて、どーしてこうなるの!?……。