真・三國無双〜星彩の守り人〜   作:意思を継ぐ者

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皆様お久しぶりです。
三國無双8エンパイアーズをやってモチベ高めておりました作者です。
ネット見ると賛否あるみたいですね。
僕は普通におもろいと思うので未だにやっています笑笑。


第八話 張飛様ご帰還したと思ったら急に僕が劉備様の護衛に任命された話し

本日、張飛様含む劉備軍の将たちが任務期間を終えて無事に帰還し、少し前まで、巷を騒がせていた呂布の亡霊の噂が既に風化されつつあった。

それにしても、呂布の亡霊の正体だった人間が横に立っているのだから人生何があるのか分からない。

 

「どうした? 私の顔に何か付いているか?」

 

「いや、玲綺殿と戦った時のことを思い出してました」

 

こんな細い腕で玲綺殿は方天画戟を巧みに操り、呂布の亡霊として復讐の悪鬼と化していた。

張飛様を抜けば、今まで戦った中では初めて命が危ういと思った玲綺殿が今や、張飛軍の副将である。

そう考えるとメチャクチャ心強い。

 

「ホントに玲綺殿が噂の亡霊だったのは驚きましたよ……先日、会話した人がって」

 

「それを言うなら私の方が驚いたぞ? 小柄で、身体も細い子どもが見たこともないような神速の剣技を繰り出して来たのだからな」

 

「いやいや、玲綺殿が万全な状態で僕を本気で殺しに来ていたら勝てたかどうか……」

 

玲綺殿は僕と戦った時には怪我をしていたのと、僕を殺すのに迷いがあったようで本来の持てる力全てをぶつけてきたとは言い難い。

 

「謙遜などしなくて良い 戦とは強い者が勝つのではなく、勝った者が強いのだとよく張遼も言っていた……して、ずっと気になっていたのだが剣義の技は我流か?」  

 

僕は一瞬、その問いに言葉が詰まる。

これは素直に答えていいのだろうか……。

でもまぁ本当の事を言っても特段、問題は思いつかないしいっか……。

あ、でも辻褄は一応合わせてはおこう……。

 

「いえ、飛天御剣流と言って倭国に伝わる剣術です」

 

「倭国だと!? 剣義は倭国にいたことがあるのか!?」

 

「いや師匠が色々と流浪の旅をしている倭国の人でだっただけですよ」

 

どうでしょうか?。

我ながら思いましたが冷静かつ、無難な解答でしょ?。

まぁ内心は詰められてボロが出ないかヒヤヒヤしてますが何か?。

 

「そうだったのか その師とやらに私も会ってみたいものだ」

 

「それが常に世界中旅をしている人なんで今は生きているのか死んでいるのかも分からないんですよ」

 

「そうなのか……それは残念だ」

 

これ以上深掘りされると冗談抜きで危うい気がする……。

話しを変えなければ……。

何かないか、何か……。

 

「それにしてもいい天気ですね!……」

 

「ん?……いきなりどうした? 確かに良い天気ではあるが」

 

とりあえず何かないか探した結果、空を見上げると気持ち良いくらいに晴れていたので応急処置として言ってみたが玲綺殿が首を傾げている。

これはさすがに脈略がなさすぎたか……。

僕にもう少し、コミュ力と語彙力があれば!……。

何せ無駄に人生経験は重ねてるのに女性経験が皆無だから何を喋っていいのか分からない。

 

「い、いや!……た、鍛錬日和だなと!……」

 

「そうだな……こんな日は己と向き合いながら、鍛錬するには持ってこいの天気だ」

 

何とか話しを逸らせたか……。

それにしても張飛様は何をしてるんだろう……。

かれこれ一時間近くは劉備様の居城の入口で張飛様を待っているが、中々出てこない……。

 

「それはそうと張飛殿とはどう言った人物なのだ? 父上とも何度かやりあった剛の者らしいとは知っているが」

 

そうか……張飛様は実際に呂布と戦った事があるんだ。

反董卓連合軍が集結した虎牢関の戦いの時の事かな?。

噂によると劉備様、張飛様、関羽様の三人と呂布が戦い、勝負が着かなかったらしい。

しかし劉備様、張飛様、関羽様と同時にやり合って互角以上に戦うなんて化け物がすぎる。

飛天御剣流を使える僕でも同じ状況を想像したらさすがに負ける気しかしない。

 

「張飛様は……あ、いや……やっぱりそれは玲綺殿が自分で確かめてください 百聞は一見にしきませんからね 玲綺殿の父上は獣だのなんだの言われてますけど、玲綺殿から見たらまた違うのでしょう?」

 

「そうだな……確かにお前の言う通りだ 会って話してもないうちから余計な先入観は不必要か」

 

僕は張飛様の人間性について、暫く考え込んだ。

短気、酒癖が悪い、声がでかい、イビキもうるさい、機嫌が悪いと理不尽な命令を連発する超絶気分屋……。

これだけ聞けば、一番嫌われるタイプの典型的なダメ上司だと思う。

僕だって最初はいつか必ず親の仇であり、暴虐な振る舞いをする張飛様を嫌い、命を奪う事を目標にしていた。

でも涙脆さも見せたり、家族や友人を大切にするし義に厚い漢である一面を僕は接するうちに知ることになる。

今ではそんな人間臭さが垣間見える張飛様と接する中で憎しみの心は次第に薄れていった。

きっと玲綺殿も今はまだ父である呂布を奪われた悲しみや復讐心を完全には捨て去る事はできていないと思う。

僕だって同じような状況だったから気持ちが痛い程分かる……。

でも僕がそうだったように玲綺殿も張飛様の家族に触れて、孤独から解放されると良いんだけどなぁ……。

 

「それにしても随分と長引いているようだな……」

 

「そうですねぇ……まぁ色々と報連相があるんじゃないですか?」

 

とは言ってはみたものの、張飛様たちが居城に入ってから、もう一時間は過ぎている。

玲綺殿の登用の事や呂布の亡霊事件の報告などがあるにしてもさすがに長くはないだろうか。

 

「ほうれんそう?……何だそれは?」

 

「報連相もしらないんですか?……あ……」

 

これ現代のビジネス用語だった……。

無駄に記憶が残ってるのも考えものだな……。

気をつけてはいるが、こうやって現代で使っていた言葉を無意識に言ってしまう時がある……。

 

「報連相ってのはですね……えっと……まぁ忘れてください」

 

説明がクソだるい。

この時代の人に真面目に説明したところで時間の無駄。

 

「さっき言ったばかりのことを忘れられるわけがないだろう 教えてくてくれ剣義 ほうれんそうとはいったいなんなのだ?」

 

えぇい! 張飛様はまだなのか!?。

こんな面倒臭いことになったのも張飛様が城に入ったっきり全然出てこないからだ。

とか思っていると城門がゆっくりと開く。

 

「張飛様、御勤め御苦労様でございました」

 

まず初めに出て来たのは張飛様だったので僕は一礼する。

 

「おう! 剣義、龐統から聞いたぜ? 俺の嫁が世話になったな」

 

「いえ、僕の御役目は張飛様の御家族をお守りすること……与えられた御役目を全うしたまででございます」  

 

と、冷静に答えたが夏侯姫様がお忍びで市街地に買い物に出かけ、龐攻隊と民とのイザコザ巻き込まれていたのには正直なところ結構焦った。

 

「で、そこの銀髪のが噂の娘か?」

 

「はい、呂玲騎と申します まだ寝泊まりできる屋敷がないので、劉備殿の計らいで張飛殿の屋敷に居候させてもらっております」

 

張飛様はまず玲綺殿の顔をまじまじと見ると、首を傾げる。

 

「しっかし似てねぇな……本当にオメェ、あの呂布の娘か?」

 

いや、どの口が言うのかと……。

それを言うなら張苞様はともかく星彩様や張敬様は張飛様には似ても似つかんだろう……。 

 

「はい……以前の私ならそう言われると腹が立ちましたが、先日、剣義に教えられました 私は私、父上は父上だと……」  

 

「そうか……まっ、これからよろしく頼むわ」

 

劉備様はどこまで張飛様に玲綺殿の事を伝えたのだろうか……。

任せてくれとは言っていたが、どんな風に呂布の亡霊の件を説明し、玲綺殿が正体であったことを誤魔化すのか聞いておけば良かった。

この張飛様の反応だけ見ても、何とも言えない……。

 

「ところでよ、剣義 お前に指令だ」  

 

「任務でございますか? 何なりと……」

 

珍しいな……。

言ってしまえば張飛軍の兵卒というのは謂わばお飾り。

僕は張飛様の配下として戦に出たこともなければ、特別な裏工作などをするわけでもない張飛家の奉公人のようなもの。

そんな僕に指令など今まであるはずもないので、今回は張飛軍の兵士として初の任務となる。

勿論、お遊びではないことは百も承知。

しかし僕の心の中はお祭りに行く時にも感じるようなワクワク感でいっぱいだ。

 

「劉備の兄者がこの度、結婚することになってな……」 

 

ほう……。

劉備様が結婚か。

あぁ、そう言えばなんか小さい頃に三國志の漫画を読んでたらそんな場面もあったような……。

相手は呉の人だったから孫尚香か大喬か小喬の誰かか。

でも大喬も小喬も孫策と周瑜の妻だから消去法でいくとなると、孫尚香しかいない。

僕の中での三國無双の孫尚香はポジティブ思考なショートヘアの女性武将ってイメージだ。

まぁ劉備様との相性は悪くないんじゃなかろうかと思う。

根拠のない僕の勝手な想像だけど。

 

「それはおめでたいですけど、その指令とやらは何でしょうか?」

 

「オメェらには張飛軍として兄者の護衛を任せる 詳しいことは趙雲に聞きな もうすぐ出て来るからよ」

 

「ん?……オメェらってことは玲綺殿も同行ってことですか?」

 

「ったりめーだ オメェは立場的に言えば、俺様の一兵卒にすぎねぇ 軍にも色々と取り決めがあって将でもないオメェを一人で行かせる訳にはいかねぇってことだ」

 

武将になれば好き放題できるかと思ってたが、面倒臭いんだなぁ……。

でも確かに僕が一人で行くとなると、軍や武将の意味もなくなるか。 

あくまで張飛軍の副将である玲綺殿に同行するって形なんだろう。

 

「玲綺、俺様の軍に入ったばっかで悪ぃけどやってくれるか?」

 

「ご命令とあれば……それが副将の務めです」

 

結局、僕はまだ子供扱いなんだな……。

まぁ実際、年齢的には子供なんだけどさ……。 

そもそも何故、僕が劉備様の護衛に同行するなんて話しに……。

大体、こういう役目は張飛様や関羽様の役目じゃないのか?。

劉備様の婚儀なのに義兄弟の張飛様や関羽様が同行しないのが引っかかる。

 

「張飛様、一つお聞きしたいのですが、張飛様や関羽様は劉備様の婚礼の儀には参加されないのですか?」

 

「行きたいのはやまやまだが、呉の連中が俺たちには来てほしくないんだとよ」

 

は?……。

来てほしくない?。

普通、義兄弟は参加するものだと思う。

そして張飛様と関羽様は劉備様の謂わば翼のようなもの。

それを拒むとなると呉は何か企んでいる可能性が高い。  

それにしても僕ですら怪しいと思うような話しなのに諸葛亮様や龐統様が何も考えていないとは到底思えないが……。

 

「張飛殿、その婚儀の話、私には罠だとしか思えませんが?」

 

「僕も玲綺殿と同じ意見です 張飛様や関羽様を省くなんてどう考えても怪しすぎます」

 

「んな事は百も承知だ 俺様もそう思って反対したんだが押し切られちまった……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数十分程前、軍議にて……。

 

➖ほう、兄者が結婚か……

 

➖はい……先日、呉の魯粛殿からの書状が届いたのです 孫権とその妹の尚香殿が劉備殿との縁談を望んでいるとのこと そして劉備殿もこれをお受けになると言うことで話しは纏まりました➖

 

➖ソイツはめでたいな! で、婚礼の義はいつだ? 向こうがこっちに来るんだろ?➖

 

➖それが婚礼の義を呉で行うから劉備殿が来なければ、縁談の話しになかったことにすると……➖

 

➖何だそりゃ!?➖

 

➖しかも張飛殿と関羽殿は連れてくるなってさぁ なぁんか、きな臭いねぇ 罠の可能性が高そうだ➖

 

➖龐統が言うようにこれは恐らく、呉の策略でしょう…… そこで帰還したばかりで申し訳ないのですが趙雲殿に五百の兵とともに劉備殿の護衛をお願いしたい そして剣義も一緒に連れて行ってください➖

 

➖それは構いませんが、何故剣義を?➖

 

➖そ、そうだぜ!? 剣義は俺の配下の兵だ それに剣の腕は立つかもしれねぇが奴はまだ子どもだぞ!? 大体、そんな政略結婚断っちまえばいいじゃねぇか!➖

 

➖張飛殿、お気持ちは分かります しかしこの縁談は後に我らが飛躍する為にも必要なもの そして何より劉備殿が尚香殿と一緒になることを強く望んでおられるのです➖

 

➖ダメだ、ダメだ! 百歩譲って婚儀はいいが、そんな危険な場所に剣義を連れて行く必要がどこにあるってんだ!?➖

 

➖剣義はこれから我等の主力として働いてもらわなければならない武の逸材 大事に思うのも分かりますが、色々と経験を積ませるべきです それに劉備殿の許可も得ております➖

 

➖張飛殿、剣義は今の実力でも十分に戦える 後はちょいと経験を積ませていくだけだよ➖

 

➖いやぁ……でもよぉ……➖

 

➖翼徳、剣義の武がどこまで通用するのか知りたいのは拙者だけではないはず ここは彼奴の成長の為に同行させても良いのではないか?➖

 

➖張飛殿、ご安心くだされ 剣義はこの趙子龍が責任を持ってお預かり致す➖

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「まぁ決まったもんは仕方ねぇ 剣義、玲綺、オメェの力を呉の奴らに見せつけてやれ 兄者を頼んだぜ?」

 

「「はっ!!」」

 

出発は三日後……。

それまでに荷造りするようにとのこと。

ようやく劉備様の仁の世実現の為に飛天御剣流の力を振るうことができる。

そう思うと自然と気持ちが高鳴った。

でも不安要素が一つ……。

先日、玲綺殿の寝相が悪いせいで抱きつかれるという非常にラッキー……いや、不運な出来事があり星彩様と張敬様に僕がふしだらな男だと軽蔑されていて口は聞いてくれず、目も合わせてくれない……。

何とか出発までには誤解を解いて、仲直りできないものか。

この乱世、僕だっていつどこで死んでもおかしくはないのにこのまま軽蔑されたままでは後味が悪い。

とにかく趙雲様から今回の護衛について詳しく説明してもらい、帰ったら星彩様と張敬様に土下座でもしてみるかな……。

 

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