SDガンダムフルカラー幻想郷劇場(SDガンダムフルカラー劇場×東方Project)   作:たくらまかん

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ガンダム
「みんなー元気ー?」

シャア(ザクII)
「もうガシャポンは回してくれたか?」

ガンダム
「記念すべき第一段のラインナップはーー、えぇ!?」

シャア
「どうした?」

ガンダム
「とっくの昔にSDガンダムフルカラーの企画終わってるんだって」

シャア
「な、何ぃ!?」

???
「大丈夫、諦めないで」

ガンダム
「き、キミは!? しかも真○みき風!」

シャア
「ふっる!?」


「お初にお目にかかります。私は八雲紫という妖怪ですわ」

シャア
「よ、妖怪だと!?」

ガンダム
「ヘイ、何かYOUKAIってギャー!?」スキマオクリ

シャア
「何だアレは!」


「なんかスゴイ、イラっとしたわ」ガンダムヲスキマカラモドシ

ガンダム
「何かすっごいキモかった。目がいっぱいーーおえぇぇ!」オモイダシテゲロゲロ

シャア
「うわ汚ねえ!」エンガチョ


紅魔郷with一年戦争編
え、ボンボン終わったの!? フルカラーも!?


☆忘れさられても……★

 

 いつものオープニングトークに突如として現れた可愛らしい金髪の少女からガンダムとシャアはある提案を持ち込まれた。

 

「幻想郷に移り住む……か」

 

 幻想郷とは、世間から忘れさられてしまった自然が行き着く場所らしく、八雲紫と言った少女の管理する世界だという。そこには妖怪や幽霊などファンタジーに溢れたものがありふれているらしい。普通なら信じがたいハナシだが、先ほどのキモイ空間を思い出す限りは彼女が妖怪なのは確かなのだろう。

 紫曰く、フルカラー劇場の住人達は幻想郷にうってつけだとのことである。

 

「オレは別に良いかな」

 

 ガンダムの言葉にシャアは思案することもなく合意する。まさか、気づかないうちにSDガンダムフルカラーが終了してたとは思わなかった。しかし幻想郷にはあのガシャポンがあるという。ならばこのフルカラー劇場をいろんな読者に見ていただけるなら幸いなことはない。つまり商品自体なけりゃ、

 

「「タイアップマンガやってても意味ねー!」」である。

 

「!? ど、どうしたの急に?」

 

 思いの丈をユニゾンして叫んだ瞬間、目の前にいた紫が身体を強張らせて様子を伺った。

 

「あ、スマンスマン。とりあえず叫んでおきたかったのだ。まあ移住の件は問題ないな」

 

「あ、シャアもそう思う?」

 

「当たり前田のクラッカーだ」

 

「古っ!?」

 

 何処へ行こうとフルカラー劇場の住人なら、ただあるがままでいれば良い。目の前で漫才を繰り出す彼らの姿に頼もしさを感じ、紫は提案者として胸を撫で下ろした。思えば彼らを知ったのは、ふとした暇つぶしにスキマを開けた時である。彼らの世界の宇宙にはコロニーや小惑星を改造した住居があり、地上と地下、果てには水底にも要塞が散らばっていたりと、幻想郷よりははるかに進んだ文明を築いている。

 しかしながら、どういうわけかそこに住まう住人たちは敵も味方もなく穏やかで自然を愛し、軍事兵器もただの喧嘩道具ーー幻想郷に置き換えれば弾幕ごっこのスペルカードに等しい。そしてそこに行き着く者を分け隔てなく受け入れている。その在り方はまさしく幻想郷と同じである。瞬く間に紫の心は惹かれた。

 彼らのような者がいる世界と自分達の幻想郷が融合したら、どの様な化学反応が起きるのだろうか。とそんな考えが頭をよぎった。忘れさられてた存在というのなら、是非とも招待したい。幻想郷の宇宙(そら)にコロニーがあったらそれはそれで面白いだろう。 まだれんぽーとじおんしか居ないがこの先、面白い新参者が現れてくれることを願うばかりだ。

 

「紫、これからよろしくね!」

 

「ええ。少佐も、よろしくお願いしますわ」

 

「ま、新しい舞台に期待しよう」

 

「退屈はさせないわ。フルカラー劇場(あなたたち)と幻想郷(わたしたち)の世界なのだから」

 

「へー……。でもさ」

 

 紫の能力によって、瞬く間に目の前に幻想郷の風景が広がる。そこは博麗の社にホワイトベース、紅き洋館にムサイとそれぞれお隣さん状態であり、紫の思惑を受け取った様相をそのままに呈していた。

 

「すっごいシュールなんだけど。あそこのヒト達に怒られない?」

 

「大丈夫よ」

 

「なんというか、カレーライスにナポリタンが乗っかってるみたいな光景だな」

 

「あらぁいっけなーい、てへぺろ♪ ーーってぇ、ふたりとも何バズーカを構えてるのよ!?」

 

「いやなんか」

「イラっとした」

 

 その異様な世界にまだ見ぬ賑やかな暁を望み、引き気味のふたりに対して、管理者は慌てつつ扇で口元を隠し微笑むのだった。

 

ーSDガンダムフルカラー幻想郷劇場、開幕ー

 

☆抑えてよ★

 

 シャアと別れ、一旦ホワイトベースに向かったガンダムはそこから仲間を伴い、お隣へ挨拶に伺うことにした。

 

「紫が言うにはここからが入り口らしいけど……」

 

「なんかぎょうぎわるーい」

 

 ガンタンクの言葉にガンダムは苦笑して頷く。何故なら一行が踏み入れたお隣というのは神社であり、それも鳥居からではなく神社の側面から出てくる形になったからだ。

 

「何か鳥居から向こうはオトナの事情で回れないらしいし。そうなんだよね詳しいヒト!?」

 

「誰に言ってるんだ。とりま賽銭入れるか」

 

 境内の砂利を踏みしめてガンキャノンが拝殿へと足を向け、ガンダム達もそれに続く。博麗神社ーー、それがここの名前だと紫から教えてもらった。来てみると特別大きいということもないがなんとなく威風がある。賽銭箱を前にしたところでガンダム達はガマ口のおサイフを取り出し、それぞれ金子を賽銭箱へと投じた。 蓋の返し部分で跳ね返り箱の底へと落ちる。独特の音が際立って響き、三人は瞑目合掌する。

 

(……なあガンダム)

(どったの)

 

(ガンタンクから禍々しいオーラを感じるんだが)

 

(言ったらぶっ飛ばされそうだからソッとしておこ)

 

(いっぱいぶっとばせるように)

 

(あぁ、うん。そだな)

 

 それぞれ願いを掛けていると、神社の中から足音が慌ただしく立ち、やがてその主がガンダムの前に躍り出た。紅白の変わった服を着た少女を見てガンダム達は察した。

 

「今お賽銭入れてくれたの?」

 

「うん。てーと君がここの巫女さんだよね。オレれんぽーのガンダム」

 

「オレはガンキャノン」

 

「ぼくガンタンクー」

 

「そ。ええ、そうよ。この博麗神社の巫女、博麗霊夢よ」

 

「膨れレモネード?」

 

「違うから」

 

 賽銭箱の蓋を開け、七百円が入れられていることを確認して小銭を拾う。だが、そこで改めて霊夢はガンダム達の異様な身なりに気づく。

 

「というか、あんた達何者よ? 見たところというかまんま妖怪でもなさそうだし……」

 

 固そうな身体の彼らは今まで見たこともない。誰かの傀儡人形であろうか。しかし、傀儡人形にしては表情が明るくよく出来ている。訝しげにガンダム、ガンキャノンの順に注視し、

「じろじろみないの」ガンタンクへと霊夢の視線が移った瞬間、彼にそんな注意をされる。その時、

 

「え」

「「ちょおmーー」」

 

 背後にそびえていた二対の大砲が稼動し、霊夢へ向けられ、ガンダム達の制止の言葉が言い切られることもなく爆ぜた。

 神社上空へと打ち上げられ状況判断もままならない。悲鳴をあげる中、巻き添えを食らったのか隣で吹き飛ばされているふたりの姿が視界に入るものの、霊夢の意識はそこでぷつりと途絶えるのだった。




レミリア
「どうかした?」

シャア
「悲鳴が聞こえた気がしたんだが」

レミリア
「空耳じゃないか? 咲夜は聞こえたか?」

咲夜
「いえ、私も何も」フルフル

シャア
「ま、いいや。さあ紅魔館をシャア専用にさせてもらう件で同意を得たワケだが」

レミリア
「してないから!」ハツミミナンダケド‼︎

シャア
「いやもう待った無しだろ」

レミリア
「もうちょっと、もうちょっと待ちなさいよ!」オネガイ

咲夜
「少佐……いくらなんでもそれは」ジトー

レミリア
「!? そうよ咲夜からも言ってやって!」

咲夜
「お嬢様がチェスで負けているからって! それも十五回も十五敗も! 結果三十戦連敗なんてあんまりです!」

レミリア
「グハァっ!」ヤガグッサリ

シャア
「あ」

咲夜
「お、お嬢様!? あんまりです少佐!」

シャア
「オマエだオマエ」

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