GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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11:首無し少女

アルヌス基地から緊急連絡が届いた。

 

調査に赴いていた自衛隊が集落を襲う巨大なドラゴンを目撃し、集落が全滅したらしい。

しかもドラゴンは何処かに飛び去っていったようであり、下手をしたら任務中の部隊と鉢合わせする可能性がある。

 

アルヌス基地の指揮所は全部隊に作戦中止を命じ、地形調査と偵察をしていた俺たちもCM21をアルヌス基地に走らせていた。

 

 

 

「しかし中尉、本当にドラゴンがいたんですね?」

 

「まぁワイバーンやゴブリンがいるんだ。ドラゴンがいてもおかしくはないが見たままの凶暴な奴とはな……」

 

「そんな化け物に遭遇したら一瞬で負けちまうな……早く基地に帰還しましょう」

 

「そうだな……いくら105mm砲でも飛び回るドラゴンには直撃以外では全くの無意味になっちまうからな」

 

「本国にフレシェット弾を申請しておいたほうがいいでしょうね。使いどころに困るっていう欠点がありますが……」

 

「備えあれば憂いなしって奴だ。それに対空としては有効だから少数は積んでおいた方がいい「中尉、11時方向に動きあり」なに?」

 

 

 

呉が何か見つけたようであり、俺も身体を車外に出して双眼鏡で確認する。

 

すると映し出されたのは複数の武装したゴロツキが1人の女性と交戦中だった。

 

女性の手には死神の鎌みたいな武器があり、それで次々とゴロツキを排除していってるが数が違うみたいだ。

 

 

 

「林、下車戦闘だ。短機関銃を持って救助に向かうぞ」

 

「了解です中尉」

 

「袁と呉は残ってこいつを守ってくれ。万一はM2を使って援護を頼む」

 

「了解です」

 

「分かりました中尉」

 

 

 

袁と呉に戦車を任せてT77短機関銃と57式手槍を手にして戦車から降りる。そしてそのまま急いで交戦中の場所に向かった。

 

そして丘を下ってT77を構えながら前進するがさっきまでの戦闘が行なわれていなかった。

 

 

 

「中尉‼︎」

 

「くそっ⁉︎間に合わなかったか⁉︎」

 

 

 

賊の足元には先程の女性。だが頭が綺麗に切られていて頭が少し先に落ちていた。間に合わなかったことを悔いたいが今は目の前の敵を全滅させることが優先事項となる。

俺たちの存在に気がついた敵は剣や槍を手に突っ込んで来たがT77を構える。

 

 

 

「攻撃開始‼︎奴らを殲滅しろ‼︎」

 

「了解‼︎」

 

 

 

トリガーを弾いて接近してくる敵を9mmバラベラム弾で仕留めていき、銃撃をかわして斬りかかって来た敵兵は至近距離から45,ACP弾をぶち込んで仕留める。

 

敵の数は10人弱だが次々と銃弾の餌食となり、瞬く間に敵の数は2名のみとなった。T77に新しいマガジンを装填すると俺は銃口を向けて警告を発する。

 

 

 

「動くな‼︎武器を捨てて両手を頭の後ろに回して両膝をつけ‼︎」

 

 

 

言葉は通じていないだろうが敵は完全に怯んで、そのまま後ずさりしながら逃げようとするが、いきなり2名の首が綺麗に飛んだ。

首が無くなった男の亡骸は噴水のように血を噴きださせ、そのまま地面に音を立てながら倒れた。

 

そして賊がいた場所の背後に銃口を向ける。

 

 

 

「な………なんだよ……」

 

「し……死体が動いてる………だって?」

 

 

 

そこに映った光景に俺たちは驚愕した。

 

先程まで賊と戦っていて首が無くなった女性の身体が鎌を手にしながら立っており、よく見たら首から血が一滴も流れていなかった。

 

そして鎌を肩で担ぐと何処からか声が聞こえてきた。

 

 

 

「助力に感謝する。数が多かったから手を煩わされていたところだった」

 

「「‼︎⁉︎⁇」」

 

「おい、身体。そっちじゃない」

 

 

 

首がない身体は自身の首からの指示を受けて掴むが、今度はその首がまるで何でもないかのように喋り出す。

銀髪の三つ編みロングヘアで戦士特有の鋭い目つきをした女性だ。

 

生首でなければ普通に可愛いのだが……。

 

 

 

「どうした?」

 

「いや……く………首が取れる人間なんて初めて見たから……」

 

「やはり驚いているのか?」

 

「あっ……あぁ………ひとまずは…身体に首をつけてくれ………流石にちょっとな……」

 

「むぅ……仕方がないか」

 

 

 

女性はそういうと首を自身の身体に取り付けて、ねじり込むようにしながら一体化を果たす。だが俺たちはいつでも発砲できるように銃を軽く構えたままで警戒している状態だった。

 

 

 

「ふぅ……改めて感謝する。私は旅をしているルフス・エム・ヴォーディッシュ。デュラハンの女だ」

 

「で……デュラハン?」

 

「確か……死ぬ人間の前に現れて魂を頂いていく種族だった…………ような……」

 

「なんだ、知っておるのか?我が一族は代々暗黒神エムロィに仕える死の案内人をしている」

 

「な……なんだか物騒だな」

 

「全くです………って俺たちまだ名乗って無かったですね?」

 

「そうだな……俺は谷 劉郭。こっちは林 苞徳だ」

 

「変わった名前だな………遥か東に似たような名前を持つ国があると聞くが異国の出身者か?」

 

「まぁ……そんなとこだ」

 

 

 

異世界の出身者なんて言えないからな……。

 

 

 

「では谷殿、林殿。私は旅を続ける故にこれで……」

 

「あぁ、機会があったらまた会うとしようか」

 

「そうだな。そなたらとはなんだか気が合いそうだからな」

 

 

 

そういいながらルフスと名乗る女の子は立ち去っていった。それを暫く見送った俺たちはドラゴンと遭遇を避けるために戦車に戻り、アルヌス基地へと向かった。

 

因みに車内で思い出したのだが、この世界の住民と俺たちの間にある言葉の壁だが、本来なら通じない筈なのにルフスとは普通に会話ができていた。

 

こっちは調べておいた方がよさそうだ……………。

 




全滅した集落にてたった1人の生存者を見つけた伊丹達。保護することを決めた伊丹はリーパー隊に合流要請を出してコダ村に戻る。
炎龍が出現したことを聞いて村を捨てる村人達。そして集落外れにある魔導師達の家でも荷物をまとめていた。


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