GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

13 / 89
12:レレイ・ラ・レレーナ

コダ村に齎された炎龍出現。

 

本来は50年先までは冬眠から目覚める筈がないのに、古代龍である伝説の存在である炎龍。

言い伝えによれば炎龍は並ぶ存在である水龍と並び、大小様々な集落や街が滅ぼされ、絶滅の道を辿った種族もかなり多いらしい。だがなぜ炎龍が復活したのかが分からない。

 

冬眠途中で起こされた龍というのは非常に凶暴で、それ故にコダ村を放棄することになった。

 

だから私達も住んでいたお師匠の家を放棄し、馬車の荷台に荷物を纏めていた。

 

 

「おーもーいー‼︎だぁああ‼︎なんのこーれーしーきー……だあぁああ⁉︎」

 

 

大量の本を抱えて、階段を降りた直後に躓いて本をばら撒いたお師匠。

 

 

「痛ーい‼︎痛いのー‼︎」

 

「お師匠、これ以上つみこむのは無理」

 

「嫌じゃ‼︎本は必要なんじゃ‼︎」

 

 

子供のように駄々を捏ねるお師匠。

 

お師匠が運んでいたのは貴重な魔道書や歴史書などでしかもお師匠は著名な哲学者でもあるから原稿本といった損失すれば2度と手に入らない貴重な書物となる。

 

 

「レレイ……どうにもならんか?」

 

「確かに……ここは貴重な書物を優先させるべき。コアムの実とロクデ梨の種は置いていくのが合理的」

 

「そうじゃ。頭がよいなレレイは……しかし炎龍め……50年も早く目覚めおって全く迷惑じゃ……」

 

「お師匠も早く乗って欲しい」

 

「ん?なにを言っておる。儂はお前に乗っかるような少女趣味は無いわい‼︎にへへ〜……どうせ乗るならおまえの姉のようなボン、キュ、ボンに……」

 

 

‘‘カチン’’

 

 

お師匠の言葉に何だかカチンと来た。私は無詠唱で光魔法を発動させ、光の弾をお師匠にぶつける。

 

 

「ぎゃっ⁉︎や…やめんか⁉︎魔法とは神聖なものじゃ‼︎乱用するものではないのじゃぞ……あぎゃっ⁉︎」

 

 

暫くお仕置きとしてお師匠に魔法をぶつける。私も暫くしてから避難しなければならないので魔法を停止させ、馬車の手綱を握るとお師匠が隣に乗ってきた。

 

 

「全く……冗談の通じぬ娘じゃな」

 

「これは幼少期から受けたお師匠の教育の成果。だから原因はお師匠」

 

 

私はお師匠に今の状態の原因がお師匠にあると伝えて驢馬に鞭を一当てした。

驢馬はそれに従って前に進もうとするけど、荷台のあまりの重さから馬車は動かなかった。

 

 

「………………」

 

「………………」

 

「動かんね……荷物が多すぎたようじゃ」

 

「積めといったのはお師匠。こうなる事態は予測できた」

 

「心配するではない‼︎儂らは魔導師‼︎」

 

「魔法とは神聖なものじゃ、乱用するものではないのじゃぞ。お師匠が言った言葉」

 

「ぐっ……じゃが……」

 

「けどこの際仕方がない」

 

 

状況が状況なので私は簡単な浮遊魔法を馬車に無詠唱でかけ、馬車の重量を軽くする。魔法を使うことで重量が軽くなれば、荷台山盛りであっても驢馬の力で容易に引くことが出来る。

 

 

「……すまんかったのぉ……」

 

「いい、お師匠はそういう人だと知っているから」

 

 

住み慣れた家を後にしてコダ村の中心部に向かう中、あちらこちらで馬車に荷物を積み込む者の姿が見られた。すると馬車の車列は集落の入り口に向かって長い行列を作ったまま停止していた。

。すると馬車の車列は集落の入り口に向かって長い行列を作ったまま停止していた。

 

 

「ん?……この先はどうなっておるのだ?」

 

「カトー先生‼︎レレイ‼︎実は荷物の積み過ぎで馬車が道を塞いでおるのです」

 

 

村人からの話を聞いていたら、何かすぐ前の方から誰かの指示が聞こえてきた。

 

 

「避難の支援も仕事の内だ‼︎事故した馬車を急いで撤去しろ‼︎」

 

「俺達が行きます曹長‼︎」

 

「頼んだぞ倉田‼︎伊丹隊長は村長から出動の要請を引き出して下さい‼︎」

 

「分かった‼︎」

 

「勝本は後続に渋滞を知らせて迂回するように説明しろ‼︎」

 

「言葉が通じませんよ‼︎どうしますか⁉︎」

 

「ジェスチャーでも地面に絵を描いて説明してなんとかしろ‼︎黒川も倉田達と一緒に現場に行ってけが人がいないかどうか確認してくれ‼︎」

 

「了解‼︎」

 

 

指示がしてきた方角を見ると緑色………緑や茶色、黒色の混ざった斑模様の服装をした人達がいた。

どこかの兵士かと思ったけど鎧を纏っていないし、知識にない集団のように見えた。

 

 

「兵士?……聞いたこともない言葉じゃな」

 

「見たこともない服装」

 

「女兵士もおるようじゃな」

 

「お師匠、様子を見てくる」

 

「ちょっ……レレイ⁉︎」

 

 

お師匠の制止を聞かずに馬車15台先に事故を起こした馬車があった。どうやら車軸が折れて馬車が転倒し、驚いた馬が走り回って暴れたみたいだ。

辺りには撒き散らかった荷物に怪我をした女の子が倒れていた。私は女の子に歩み寄るとしゃがんで状態を確認する。

 

 

「危険な状態……」

 

「この子は脳震盪を起こしています‼︎肋骨にヒビが入ってる可能性も‼︎」

 

「……医術者……」

 

「君、危ないから下がって」

 

 

緑の服の人が私に話しかけてきた。

 

なにを言ってるか分からないけど私を心配し、避難するように促していることが伝わって来た。

それに従って立ち上がろうとした瞬間、錯乱状態に陥っている馬が前足を挙げて私を踏み潰そうとしていた。馬にそんなつもりはないだろうけど、私を押しつぶす危険が迫っているということには変わらない。

 

黒髪の緑の服を来た人が私を庇うように身を呈するけど、いきなり‘‘パンパンパン’’という轟音が聞こえた。

その瞬間に暴れていた馬から血飛沫を出しながら地面に倒れてピクリとも動かなかった。

 

音がした方向を見ると先程の初老の男性が黒い筒のようなものを構え、先端からは小さく煙が出ていた。

 

 

「あなた‼︎大丈夫⁉︎」

 

 

女性が私に話し掛けて来たけど私は先程の初老の男性を見ていた。すると今度は若い男女が駆け寄ってきて先程の男性に何かを話していた。

 

間違いなく馬に何かをしたのは間違いなく、これだけははっきりとしていた。

 

 

「この人達……私を助けた……」

 

 

軍隊というのは民を守る存在。

 

だけど帝国の騎士や貴族は私達民から税金と称して搾取するし、自分たちが危険に晒されると我先に逃げ出す存在であると私は認識している。

 

だけど目の前にいる人達は私を助けてくれた。

 

これが私………レレイ・ラ・レレーナとジエイタイ、アメリカグン、タイワングンの最初の出会いだった……………。

 

 

 




伊丹達の合流要請を受けて偵察を中断したリーパー隊。全力でコダ村へと向かう途中、盗賊に襲われている馬車を見つける。方角からコダ村から逃げて来た馬車だと判断し、盗賊撃滅を決めたエース。
復讐の鬼が敵を地獄に叩き落とす為に武器を手にする。


次回[鬼神]
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。