GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版 作:ウルヴァリン
アルヌス基地は慌ただしくなっていた。イタリカに赴いている第3偵察隊の伊丹から支援要請を受けたからだ。
臨時格納庫前では十数機のヘリが出撃準備を整えており、暖機運転の状態で待機していた。
狭間陸将を長として自衛隊、アメリカ軍、台湾軍の各司令官が統率し、基本的には打ち合わせの内容に沿ったものなら独自に行動することが出来るようにされている。
「作戦としては簡単だ。攻撃中の敵部隊に対して我々が空から奇襲を仕掛け、立て篭もる敵と逃げ出す敵に分断させてから各個撃破だ」
「敵の兵力はどうなっていますか?」
「伊丹2尉からの報告によれば3,000から5,000といった処だ」
暖機運転状態のヘリ部隊の中に第4空中戦闘団の第1空挺団第1大隊長の健軍 俊也1佐とアメリカ陸軍第101空中強襲師団第3旅団戦闘団第187歩兵連隊第3大隊"アイアン ラッカサンズ"大隊長レグナード・J・キーア中佐が今回の作戦で最後の詰め込みをしている。
伊丹達がいるイタリカに他の戦闘団も意気込みを示していたが今回の作戦では速度がかなり重要視されている。
陸上自衛隊では編成がまだ完結しておらず、ヘリ部隊を有する第4戦闘団と偵察や調査、防衛を主体とする第5戦闘団と機甲戦力を有する第1戦闘団の3つしかない。
アメリカ軍も装備や兵員は歴戦揃いを集めたので充実しているが、まだ派遣数が5,000名と少ない。
本来なら地上部隊を送り込みたいがそれだと到着に時間が掛かる。
だからヘリ部隊として行動している第4戦闘団と第101空中強襲師団に白羽の矢がたった。
「最初の攻防戦から久しい実戦です。腕がなりますよ」
「まぁな。それより中佐、例のものは積み込んでるか?」
「問題なしです。この為に最新の大音量スピーカーを機体に詰め込みましたから敵を震え上がらせてやれます」
「パーフェクトだ、キーア中佐」
「光栄の極みです」
望み通りのものを載せることに喜ぶ建軍。具体的な作戦としてはイタリカへの直接的な救援と援護は自衛隊が対応し、アメリカ軍は逃走する敵の制圧と敵の逃走先にある筈の本陣の制圧。
イタリカを防衛しているのが帝国の姫様だということも伊丹からの報告に上がっており、派遣団の力を見せつけて講和への足掛かりを得るというのも作戦の副時目的とある。
「しかしそちらの伊丹という男、銀座でもそうでしたが騒ぎの中央にいるのが好きなようですね?」
「全くだ。あいつは教育課程で生徒だったんだが全く変わってないようで安心した。良くも悪くも話題に尽きなくて退屈しない」
「そいつはいい‼︎うちに欲しいですな‼︎」
「欲しけりゃやるぞ‼︎あいつが面倒臭らなかっただがな‼︎」
「ははははっ‼︎しかも龍に遭遇するわ、可愛らしい女の子達を見つけて行動してるわで独身の奴等からは悔しがられそうです‼︎」
「こっちの連中も歯軋りしそうだ‼︎」
「っと⁉︎そろそろ時間です‼︎」
キーアが時間を確認し、建軍も88式鉄帽改。キーアはマルチカム迷彩のカバーがつけられたIHPSヘルメットを被り、愛用のスミス&ウェッソンのサングラスを着けた。
「中佐‼︎悪さをしてる奴等にお仕置きをしに行くぞ‼︎」
「はい‼︎ベトナムのように奴等を蹴り上げてやりましょう‼︎」
互いに敬礼をすると建軍達はそれぞれの機体に乗り込み、暫くするとそして狭間陸将達が見送る中、第4空中強襲戦闘団にて使用されている自衛隊機のAH-1SにUH-1J、OH-1Bが離陸。
続けてラッカサンズのAH-64DとUH-60Mが次々と離陸していき、アルヌスから北西に機首を向けてイタリカへと急行した。
その姿はまるで戦乙女………ワルキューレのようだったらしい……………。
イタリカ攻防戦は判断を誤ったピニャ達が劣勢だった。それで発生する死者の魂により暴走するロゥリィの後を追う伊丹とエース。その先に広がったのは無意味に一般市民を虐殺する盗賊達。
そんな状態にイタリカに空からワルキューレの一撃が放たれる。
次回[ヴァルキリー達の戦歌]