GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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23:戦乙女の歌

アルヌス基地から離陸した健軍 俊也1等陸佐率いる第4空中強襲戦闘団は進路を北に向けて飛行していた。

時刻は朝日が見え出した時間で東から見え出しており、奇襲を仕掛けるには非常に有効な手段だ。下に見える穀倉地帯を飛行しながら健軍の後ろで副官の用賀2佐が無線機を操作していた。

 

 

<401。こちら3Recon>

 

「こちら401指揮官機。コールサインはワルキューレリーダー。送れ」

 

<報告する。敵は東門。既に城門内部で戦闘が発生中。目標は発色信号で知らせる。送れ>

 

「了解。こちらは太陽を背にして突入する。到着まであと5分。交信終わり………1佐、伊丹から報告です。既に東門内部で戦闘が行なわれているようです」

 

「10時の方向‼︎全機攻撃態勢を取れ‼︎」

 

「了解‼︎……ワルキューレリーダーから全機へ‼︎攻撃態勢を取れ‼︎」

 

 

 

用賀の指示で全ての機体が一斉に10時方向に機首を向けて、太陽を背にしながら速度を高めていく。そして全ての機体が太陽を背にしたら健軍が一斉に指示を飛ばした。

 

 

 

<アイアンリーダーからワルキューレリーダー>

 

「ワルキューレリーダーだ‼︎送れ‼︎」

 

<1佐。我々は作戦通り攻撃開始と同時に待ち伏せ地点に回り込みます。なるべく我々の獲物は残しておいて下さいよ>

 

「任せろ中佐‼︎」

 

<アイアンリーダー out>

 

「朝日を背に突入‼︎後は2佐に任せる………音楽を鳴らせ‼︎」

 

 

 

音楽を鳴らせという指示で用賀2佐がコンポの電源を入れ、挿入していたCDを再生し始める。そこから連動して全ての機体に搭載されている大音量スピーカーでも流され、穀倉地帯上空にかつてのベトナム戦争を象徴するかのような曲が響き渡る。

 

 

 

ウィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー作曲ニーベルング指環第2幕‘‘ワルキューレの騎行’’。

 

 

 

かの有名なキルゴア中佐の代名詞としても、ヘリボーンの定番曲、1944年7月20日にクラウス・フォン・シュタウフェンベルク参謀大佐筆頭のヴァルキューレ計画において名前の由来ともなった有名な曲だ。

 

周りのヘリに搭乗している部下達も曲に合わせて64式小銃を軽く叩いたり、防弾チョッキ3型を下に敷いて急所を守る準備をしたり、機体側面に搭載されているM2重機関銃を軽く振ったりと様々な反応を示す。

 

まずイタリカ東門に対して自衛隊が城門周辺の敵に対して空から攻撃して敵の数を可能な限り減らす。それから逃げ出す敵に対してはスクリーミングイーグルズが対応。

予測退路上に部隊を展開させてAH-64Dが攻撃を加えつつ誘導して罠に飛び込ませ、付近に待機している台湾軍の高雄隊が中央に突撃を掛けて徹底的に掻き乱し、攻撃完了後に僅かに生き残った敗残兵を追跡し、辿り着いた敵本陣を殲滅するというのが今回の流れだ。

 

そして戦闘が始まっていて黒煙が立ち上るイタリカに目掛けて突撃していく。

 

 

<こちらハンター1。目標を捕捉>

 

「ハンター1‼︎まずは先制でTOWを叩き込め‼︎」

 

<了解。目標ロック。ミサイル発射>

 

 

 

先導機であるハンター1のAH-1Sに搭載されているBGM-71‘‘TOW’’が城門付近に展開していた敵兵を吹き飛ばす。

 

周囲から聞こえていたワルキューレの騎行で動きを止めていた盗賊達が展開している城門にしっかりと命中し、爆死、圧死する人間を発生させた。

 

 

<各機、こちらオスカー1。城門の中には味方がいる。外のみを掃討せよ>

 

 

TOWの爆発をスタートとして全ての機体が攻撃を開始した。コブラからはM261 2.75in19連装対地ロケットランチャー‘‘ハイドラ70’’と20mmガトリング。

UH-1Jからも74式機関銃や隊員達の64式小銃、すれ違いざまに手榴弾をサービスとして投げ下ろす。

 

対空砲などあるはずが無い盗賊達はなす術なく次々と倒れていき、逃げ出す敵が相次いで発生していた。そんな中で観測機として飛び回っているOH-1からワルキューレ1に通信が入る。

 

 

<ストーカー1からワルキューレリーダー。城壁上に対空兵器。まだ装填前です>

 

「ハンター1‼︎目標を吹き飛ばせ‼︎」

 

<ハンター1了解>

 

 

ストーカー1が発見した城壁上のバリスタにハンター1のAH-1Sが正面にまわる。そこには槍を装填しようとしていた敵2名を確認されたが、ハンター1がハイドラ70を撃ち込んでバリスタ共々吹き飛ばされた。

 

 

 

<脅威排除>

 

「よくやった‼︎戻ったらビールを奢る‼︎」

 

<敵が逃げるぞ‼︎仕留めてやれ‼︎>

 

<こちらエリアス‼︎突入する‼︎>

 

<逃げる奴はみんな盗賊だ‼︎逃げない奴はよく訓練された盗賊だ‼︎>

 

<朝はコーヒーにナパーム弾の香りってな‼︎>

 

<やるじゃねえか‼︎日本野郎‼︎>

 

<こちらガンファイター1-1‼︎大規模な騎馬隊が退却を開始‼︎そちらに誘導中‼︎>

 

<ゴールキーパー1-1からガンファイター。こちらは地上部隊の展開完了。我々も航空支援に加わる>

 

<こちら台湾軍所属戦車隊の高雄。戦闘地域に到着した。これより地上部隊を援護する>

 

<野郎ども‼︎ジャパニーズエアボーンに遅れをとるな‼︎俺らも高波に乗るぞ‼︎>

 

<Hurrah!!>

 

 

 

健軍の無線機から聞こえてくるのは戦局が圧倒的にこちらに傾いていることと士気旺盛な隊員達によるやり取りだ。

 

健軍は双眼鏡で城門付近を確認し、1人の少女を目撃した。

 

 

 

「こちらワルキューレ1‼︎余裕がある奴は城門内部を見てみろ‼︎本物のワルキューレがいるぞ‼︎」

 

<あれは……たしかロゥリィ・マーキュリーとかいう女の子じゃねえか?>

 

<本物のワルキューレがいるぞ‼︎俺らも負けるんじゃねぇ‼︎>

 

 

 

地上にハルバートを振り回しながら敵を次々と吹き飛ばすワルキューレがいることに気が付いた隊員達の士気が更に高まり、残敵を掃討していく。

陸と空に舞うワルキューレ達、既に賊の命運は完全に尽きていた……………。




航空戦力による攻撃が開始されたその頃、暴走するロゥリィを追って東門に到着したエース。その壮絶な光景と賊が虐殺した後の死体を目にして怒りを爆発させる。
混乱の坩堝にある賊に復讐の鬼が無慈悲の死を与える。


次回[無慈悲の鬼神]
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