GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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25:鋼鉄の獅子と死の案内人

「撃て‼︎」

 

 

俺の合図で林が発射スイッチを押して砲撃を行なう。イタリカで発生した市民軍と盗賊団の戦いは夜襲を仕掛けたようで最初こそは盗賊達の優勢で東門が陥落して防塁も陥落する一歩手前だったらしい。

 

だが伊丹2尉とエース中尉達の参戦、更には空中強襲戦闘団の支援により30分も経たない内に形勢が大逆転。

盗賊達は見たこともないヘリからの攻撃でパニックに陥ったようで、退路を遮断した俺たちに向かって逃げ出して来た。アメリカ軍の陸軍兵士達もUH-60Mから降りて素早く展開し、敵部隊に銃撃を開始している。

 

俺たち高雄隊も横一列になって混乱状態の盗賊にアウトレンジで砲撃を続けていた。

 

 

 

「11時方向にまだいるぞ‼︎一気に片付けてやれ‼︎」

 

「テロリスト共に情けをかける必要はねぇぞ林‼︎」

 

「分かってる‼︎クソテロリスト共なんざ1匹残らず駆除してやる‼︎」

 

「中尉‼︎味方部隊が前進を開始‼︎俺たちも向かいますか⁉︎」

 

「当たり前だ‼︎まだまだ暴れ足りん‼︎高雄01から全車‼︎ラインフォーメーション‼︎敵の中央に突撃して奴等を遮断しろ‼︎」

 

<高雄02了解‼︎>

 

<高雄03了解‼︎>

 

<こちら高雄04了解です‼︎>

 

<高雄05了解‼︎敵のケツを蹴り飛ばしてやります‼︎>

 

「よし‼︎高雄隊前進‼︎前へ‼︎」

 

 

 

無線で全ての僚車に前進を指示すると伝えられていた作戦通り敵の中衛に戦車での突撃を開始し、いつもどおり砲撃の判断を林に委託し、俺はハッチを開けてM2で敵に銃撃を加える。

 

窪みに足を負傷して動けなくなった敵兵を確認したが、呉は一切躊躇することなく踏み潰した。

普通なら抵抗があるが敵はイタリカにて一般人を無差別に殺害した犯罪者だ。そんなクソ野郎なんかに情けをかける必要は全くない。

 

 

<こちらゴールキーパー01‼︎高雄01‼︎聞こえるか⁉︎>

 

「こちら高雄01‼︎どうした⁉︎」

 

<こちらは航空支援を継続中だが別区画にて戦闘が始まってる‼︎そっちに部隊を配備しているのか⁉︎>

 

「誰も展開していない⁉︎どうかしたのか⁉︎」

 

<三つ編み銀髪で死神鎌を持った女が交戦中‼︎こっちに敵意はないようだ‼︎奴は敵を攻撃しながらそっちに向かってる‼︎>

 

「中尉‼︎もしかして……」

 

「……ルフスだな………ゴールキーパー01‼︎その女性には攻撃するな‼︎それは味方だ‼︎」

 

<ゴールキーパー01了解だ‼︎>

 

「高雄01から通知‼︎接近中の女性は味方だ‼︎繰り返す‼︎接近中の銀髪をした女性は味方だ‼︎」

 

 

オープンチャンネルで全ての友軍に連絡し、ルフスらしき女性が味方であると伝える。

すると連絡し終わって暫くしてからスティングレイⅡの前に先ほど連絡があった女性が立ち止まった。首にチョーカーを巻いていることを除けば前に出会った服装と同じ格好をした女性……ルフスだ。

 

俺はすぐにハッチから顔だけ出して存在を伝える。

 

 

 

「ルフス‼︎」

 

「な……谷殿か?」

 

「前と同じく突然の鉢合わせになっちまったな‼︎」

 

「その鉄の獅子は……貴公が操っているのか?」

 

「こいつは戦車っていう兵器だ‼︎詳しいことは言えないがな‼︎」

 

「これが兵器………なんと面妖な……」

 

「それより君はなぜイタリカに⁉︎」

 

「あぁ。イタリカに盗賊が現れたと聞きつけてな。賊の魂を冥界に誘い、冥府にて裁きを受けさせるのが我等デュラハンの務め」

 

「務めって……まぁいい‼︎お前も乗れ‼︎」

 

「いいのか?」

 

「構わん‼︎」

 

 

ルフスに促し、彼女は鎌を担ぐとスティングレイⅡの車体に飛び乗った。

 

 

「高雄01からアイアンリーダー‼︎敵の退路を遮断‼︎奴等を囲い込んだ‼︎」

 

<了解だ‼︎狩りの時間だラッカサンズ‼︎>

 

 

 

敵の退路を遮断したら海兵隊が前進を開始し、そこから逃げ惑う盗賊達に銃撃を加える。足を負傷して動けなくなった敵にはストックで顔を殴り、可能だったら踏み付けながら抑えつけて拘束していく。

 

もはや俺達の独壇場だ。

 

そんな光景をルフスと共に眺めながらそう感じていた。

 

 

 

「谷殿」

 

「なんだ?」

 

「そなた達は何処の軍隊なのだ?」

 

「俺達か?」

 

「あぁ」

 

「…………連合特地派遣団だ」

 

 

 

ルフスからの問いに答える。この後に自衛隊の健軍1佐から全ての部隊に通信が入り、イタリカに展開していた盗賊は壊滅。次々と降伏するものが相次いでいるらしい。

 

それから周辺を制圧したラッカサンズはすぐに残党の向かった先にあった隠れ家を強襲し、全員を容赦なく殲滅したと聞いた。

俺達封鎖部隊も戦闘を中止して武器を捨て降伏してきた敵を拘束する為に降車した……………。




イタリカでの戦いは連合の参戦で盗賊壊滅で終わった。そこで何も出来なかったピニャは現れた軍団に恐怖を感じていた。
そこで彼等が彼女たちの敵であるということを察した。


次回[畏怖と恐怖]
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