GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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02:台湾

第564装甲旅団‘‘少康部隊’’ 高雄阿蓮駐屯基地

 

 

 

 

ニュースでとんでもない事件を見た。俺の第2の故郷である日本の首都の銀座にて謎の武装勢力が全く正体不明な石造りの門と共に出現し、多数の人達が犠牲になったのだ。

最初は中国のくそったれ共がテロ攻撃を仕掛けたのかと思ったが、TVに映ったゴブリンやオーク、ドラゴンナイトなんかというファンタジック小説に出てくる軍勢だったから俺を含めて第5中隊第33戦車小隊の営舎にいる部下共も唖然にとられていた。

 

それに加えて、次のニュースで現台湾大統領はこの事件に対し、次の声明を公表した。

 

 

‘‘昨日、我々の大恩ある親友である日本の首都にて凄惨な大量虐殺が行われた。いまこそ我々は祖国独立時の日本の義心に報いなければならない。

我が台湾政府は医療、資金、資材の復興支援に全力を注ぎ、大きな傷を負った友を救うことをここに宣言します’’

 

 

大統領の演説で国民がすぐに動き出した。

 

銀行には復興支援募金を行うべく、老若男女問わず駆け込み、台湾企業も日本に自分達が持ち得るものを惜し気もなく支援物資として提供していく。

そんな中で俺、谷 劉郭台湾軍戦車兵中尉は中止になった台米合同演習の後片付けと新車の状態を見るべく格納庫にいた。

 

 

「よし、離すぞ」

 

「大丈夫です。袁、ゆっくり降ろしていけよ」

 

「わかってるさ」

 

「中尉、個人装備はどこに置いときますか?」

 

「車に積み込んでいてくれ。朴は宿舎に先に行って私物なんかを降ろしてこい」

 

「了解です」

 

 

中止になって装備品などの荷物を下ろす荷解きをしながら指示を出す。

 

我が軍では長年にわたってCM11やCM12を使っていたが両者とも違う。

 

こいつはCM21……我が軍が新しく導入したスティングレイⅡ軽戦車だ。

 

4年前に独立した我が国を蹂躙すべく馬鹿の中国軍が一方的に侵略を始めて北部と西部海岸が戦場になった。

15式軽戦車など軽量な兵器で編成された合理的な侵略軍に窮地になったところを日本とアメリカが駆け付けて中国軍を撃退。

自分達が使う兵器の旧式化を目の当たりにし、戦後の軍備再建計画で採用されたのがタイ陸軍から購入。

ライセンス生産されることになったスティングレイⅡことCM21ということだ。

アメリカからはスケールダウンされたM1エイブラムスを勧められたが、あの戦車は重量に難があって、台湾の地形にはミスマッチとなっていた。

 

加えて認めたくは無いが中国の15式軽戦車の実績が評価されて軽戦車の重要性が証明された結果でもある。

 

 

「しかし残念ですね中尉。こいつを暴れさせることが出来なくなっちまうなんて……」

 

「仕方がない。日本が攻撃されてそれどころじゃなくなったんだ。いつまた中国の馬鹿どもがどさくさに攻め込んでくるか分からんのに留守にする訳にはいかん」

 

「けど確か異世界の連中って話ですよね?まだニュースは見てないんですが幾らなんでも突飛押し過ぎて……」

 

「間違いないらしい。事件後に倒した化け物を日本が公開したんだが、ゴブリンやらオークやらと、極め付けはドラゴンだ。正確にはワイバーンらしいんだが物語の化け物がいたんだから信じるしかないさ」

 

「中尉の言う通りだ。しかも兵士の装備も剣や盾、槍に弓、ロリカ・セグメンタタに似た防具が一般兵みたいなのに西洋甲冑を身に付けた指揮官か貴族かもしれない奴等もいたんだ。時代がバラバラであり得ないだろ?」

 

「確かに……」

 

 

 

袁の疑問に朴が答える。まだ俺も映像を見ただけだから詳しくは分からないが、日本政府が公開した情報だけでも異世界から来たという話は信じるしかない位に鮮明だった。

 

雑談を交えながら話していると電話が鳴り、それに出て内容を確認すると掛けてあった上着を着て、野戦帽を被る。

 

 

 

「どうしたんですか?」

 

「本部から連絡だよ。勤務中の士官は直ちに本部の会議室に集合しろだとさ」

 

「何かあったんですかね?」

 

「分からんが行かなきゃならない。すまないが作業をやっておいてくれ」

 

「了解です。袁、さっさと終わらせて走りに行くぞ」

 

「またかよ……今日くらいはのんびりしようぜ?」

 

「いいからやるぞ」

 

 

 

ひとまずは林と袁と朴に作業を任せて俺は本部に向かった。

 

そして演習中止から約2週間後、俺達に指令が下った。

 

その内容は……

 

 

 

 

 

 

 

 

"異世界派遣"

 

 

 

 

 




二重橋で多数の民間人を救った伊丹2尉。特地派遣団に配属が決定したことを聞かされ、彼は渋々ながらも支給された新装備の選別を行っていた。

次回[二重橋の英雄]
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