GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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03:二重橋の英雄

本当に面倒臭いことになったよ……。

 

銀座での事件が落ち着きを取り戻して1ヶ月、大宮の第32普通科連隊第4中隊に所属している俺は火器陸曹と備品陸曹に呼ばれ、部下である栗林と富田の2名を引き連れて武器科保管倉庫にいた。

 

 

「へぇ……これが戦闘服5型か……」

 

「陸自で初となるピクセルドットパターンにコンバットユニフォームスタイルのデザイン。動き易さと通気性に概念を置かれているようです」

 

「私は4型より5型の方が動き易いと思いますよ」

 

 

俺は需品科長から手渡された最新型の迷彩服である戦闘服5型を試着していた。

海自や空自では既に独特のピクセルドット迷彩を採用されているが、今まで陸自は予算の都合上からピクセルドット迷彩服は採用されてなかった。

 

けど開発自体は進められてたみたいだし、富田は同時期に完成した戦闘服4型を試着している。

 

4型と5型の違いは4型は迷彩パターンは従来通りでボタンからファスナー方式に変更して、アメリカ軍の迷彩服のように今までは縫い付ける必要があった名札、階級章、国旗パッチ、部隊章、敵味方識別用赤外線タグといったアイテムは全て面ファスナーで容易に着脱可能になっている。

 

5型は4型を更にベースにして胴体部分が素材変更である程度の伸縮性を持たせ、通気性を向上させてチョッキを装備する時の蒸し暑さを解消しているコンバットユニフォームスタイル。

 

それがウチに送られたみたいで、手にある書類では既に生産ラインに乗っかっちゃったみたいだ。

 

俺達の目の前には18式防弾チョッキや水陸機動団用チェストリグ。

 

旧式の64式小銃にレールシステムを採用した上下部被筒、キャリングハンドルのようなレールマウント、銃底を6段階までに調整可能な伸縮銃底に変えて、木製の握把を強化プラスチックに変えた握把に変えている。

 

細かいところとしたら弾倉の挿入方法が引っかけから普通に挿入できるようにされて入れ易い。

 

その隣には20式小銃用だった40mm擲弾発射筒もあって名前が64式小銃から64式小銃改2型にされている。

 

そういえば前に自衛隊の"無い方がマシンガン"や"言うこと機関銃"とか言う不名誉な呼ばれ方をされてた62式機関銃を改修する噂があったけど、現場が全力で止めたって噂がある。

 

 

「だけど面倒なことになったよな………俺たちまで特地に派遣されるから支給して欲しい装備を決めにいけって……」

 

「まぁそう言わず………それ程まで隊長に期待が寄せられているということになります」

 

「あの"二重橋の英雄"っていう異名か?………あの時ゆりかもめに乗り遅れたばっかりに気が付けば2尉に昇進して隊長だなんてな……出来るなら代わって欲しいよ」

 

「ま〜だそんなこと言ってるんですか?」

 

「だって銀座の時には即売会が中止になっちゃうし、マスコミからも取材要請が来るし、敵と戦った体験談を聞かせてくれっていう人達に囲まれそうになるし、おかげでアキバに同人誌買いに行けないんだよ」

 

「うわっ……キモっ」

 

「まぁまぁ………貯金が出来るからいいじゃないですか」

 

「うるせぇ」

 

 

そんな話をしながら作業服3型に着替え直し、64式小銃改2型を手に取る。

銀座事件で敵に対して89式や20式で応戦したら5.56mmは貫通力が高すぎて致命傷にならなくて、銃剣を突き刺したら鎖帷子に引っ掛かって抜けなくなるっていう問題が露呈した。

 

だから特地に派遣される部隊には倉庫から引っ張り出して来た改修前の64式小銃と改修キットを盛り込んだ64式小銃改2型が一部の部隊を除いて使われるみたいだ。

 

まぁ、もし撤退になって装備を放棄したとしても改2型はともかく通常型に関しては痛くも痒くも無いからということもあるんだろうけど……。

 

 

「しかし隊長。どれを申請しますか?」

 

「取り敢えず戦闘服5型は決まりだな。それと武器は改2型を俺とおやっさんの分を含めて10丁、MINIMIを2丁と40mm擲弾発射筒を2つってとこでいいかな?」

 

「それがいいですね。全体的にバランスが取れていると思います」

 

「じゃあ近いうちに訓練期間を設けて小銃の分解結合、5型が届いたら今もってる作業服はすぐ返納出来るならそれように階級章と名札は早い内に外しておくように」

 

「「了解」」

 

 

それだけ指示すると書類に申請する項目を記入し、提出すると俺たちは保管倉庫を後にした。

 

それから2週間後に申請された内容のものが届き、特地派遣に備えて準備を進めていった……………。

 

 

 

 

 

 

……………面倒なことにならなきゃいいがな……………。

 

 

 

 




エミリアを失ったエース。やり場のない怒りをひたすら抑えながら毎日を過ごしていたある日、アメリカ政府の第31海兵遠征隊の特地派遣が公表される。
仇討ちが出来る機会を逃さない為にエースはすぐさま転属願いを提出して横須賀へと向かう。


次回[復讐の鬼]
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