GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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47:ウクライナのカラス

伊丹達が劉 王玲台湾軍大尉率いる黒衣隊に回収された丁度その頃、永田町にある立憲民主党本部では話し声が聞こえていた。

 

昨日の参考人招致にて幸原の発言が問題となって権力が瞬く間に低下し、更には元から意欲が低かった若手議員による脱退や不祥事発覚による逮捕が僅か数時間で多発していた。

 

その事に加えて議会では立憲民主党解体が囁かれており、幸原を含めた政界の寄生虫は現状打破に政府転覆、日米安保粉砕をどうするか考えていたが、全員が部屋の外や窓にある気配を全く気がついていなかった。

 

 

 

「ヴァローナ1からヴァローナ隊各員、報告」

 

「ヴァローナ2準備よし」

 

<ヴァローナ3よし>

 

<ヴァローナ4いつでもどうぞ>

 

<ヴァローナ5からヴァローナ指揮官。目標のネズミは依然として室内にあり。武装は見受けられず………いや撤回する。1人だけカラシニコフを装備したネズミがいる>

 

「了解だヴァローナ5。突入の際に閃光弾を使う。同時に狙撃せよ」

 

 

 

扉の左右に張り付いている2名にラペリングロープにて構える2名、少し離れたビルの屋上にて待機している1名。

その手にはサプレッサーやフォアグリップ、エイムポイントT-1ダットサイトを取り付けたMalyukに同じくサプレッサーを装着したZbroyar Z-008 GEN IIIがあった。

 

日本製やアメリカ製ではなくウクライナ製を使う彼等もまた、日本人やアメリカ人ではなかった。

"Іду на ви!(私はあなたのために行きます!)をモットーとするウクライナ特殊作戦軍から派遣されたアーロン・リトヴィノフ中尉率いる"ヴァローナ"だ。

 

本来なら彼等は日本にはいなかったがウクライナ政府は特地の資源調査と流出監視、日本との関係強化という名目で連合特地派遣団への特殊作戦軍の参加を表明し、出動態勢が整っていたヴァローナ隊にタスクフォース サーヴァントへの合流とロシアなどに情報を流していた立憲民主党員拘束の協力が命じられた。

 

日本そのものに対してそれほど愛着はないが異世界である特地に行けるアーロンは少し前に起こした上官とのトラブルに感謝し、それに彼の生まれ故郷でもあるがウクライナに非道な侵略を仕掛けたロシアに対する牽制という意味もあった。

 

自身もかつてはスペツナズにいたが政治将校からの子供に対する殺害命令を拒否し、政治将校を射殺してから子供達と共にウクライナへ亡命して、今はウクライナ軍として活動している。

 

タイミングを見計らい、扉を少し開けるとスタングレネードを投げ込み扉を閉める。そして少ししてからバンという音がして一気に突入。

 

 

「動くな‼︎両手を頭の上にして膝をつけ‼︎」

 

 

床にはAK47を手にした首から上がない背広姿の死体、室内には幸原の他に秘書官、更には非常に変な服装をした中肉中背で目つきが悪い男がいた。

 

 

「ヴァローナ指揮官からカルデア‼︎目標を確保‼︎目標を確保した‼︎敵1人を排除‼︎」

 

<こちらカルデア。了解だヴァローナ。回収部隊は既に外に待機している。目標のネズミを速やかにゲージに格納せよ>

 

「了解だカルデア‼︎速やかに撤収する‼︎ヴァローナ指揮官 out‼︎」

 

「ちょっと⁉︎私は国の代表なのよ⁉︎こんな扱いが許される筈がないわ‼︎」

 

「離せやコラァ‼︎殺すぞ⁉︎」

 

「うるさい‼︎口を閉じてろ‼︎」

 

 

 

アーロンは男の顎をストックで殴りつけて黙らせ、部下が猿轡と目隠しを2人にしてその場に立たせた。

そして入り口のすぐそばに停車されている車のトランクに2名を無理やり押し込んだらヴァローナ5と合流。そのまま目立たないように車を走らせた。

 

 

 

 

次の日の朝には幸原議員の逮捕というニュースで日本中が大騒ぎとなり、その後の裁判で幸原議員と立憲民主党首の2名がテロリストを国内に手引きしたことで外患罪により死刑が確定。

他の監部クラスの人間も外患罪までは行かなかったが詐欺や恐喝、賄賂や汚職などの余罪で軒並み逮捕され、その余波で共産党や革マル派、更には反日反米を掲げていた偽平和団体等にも捜査の手が全国規模で入ることになる。

 

最終的には立憲民主党の永久解体と間接的に関与した共産党の大幅縮小、過激派の一斉摘発により逮捕者は7,000人にも及んだ。

 

日本国内の害虫が1つ無くなったことによりヴァローナ隊を始めとした連合特地派遣団は本来の動きをしていく……………。

 




襲撃から一夜明けて銀座に到着したエース達だが、梨紗が集めたギャラリー達の予想を遥かに上回る数に困惑する。
止む無く徒歩で銀座駐屯地にあるゲートに向かうが、そこで1人の少年と出会う。


次回[未来の英雄]
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