GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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52:ルーラー

帝都南東エリア‘‘悪所’’

 

帝都の中でも一番低い場所にあるこの地区は帝都内において唯一亜人が自由に行動できる場所である。だが同時に貧民街でもあり、種族、民族、獣人の坩堝と化している。

その暴力と犯罪が日常茶飯事である悪所に帝都の一般市民は誰も近づかないようだ。

 

そんな治安状況が最悪な場所を逆手に取って帝都における活動拠点を数カ所確保した俺たちタスクフォース サーヴァントは確保した拠点を中心に調査をしていたが……。

 

 

 

「うっへ〜………本当に治安は最悪なんですね?」

 

「そうらしい。娼婦に奴隷商人、噂じゃあ人肉を売ってる肉屋まであるらしい」

 

「………この街じゃあ肉料理はやめておいた方がいいですね」

 

「死んでも持ち込みの物以外は食うなよアルフレッド」

 

「分かってますよ」

 

 

 

そういいながら俺は合流したレンジャー部隊"ルーラー"の隊長を務めるエドワード・フィン軍曹と共に街を歩く。

タスクフォース サーヴァントは戦力としてバランス良く配備されることになり、悪所には日本の特戦群とウクライナのヴァローナ隊と台湾の黒衣隊が第1から第4に別れて潜伏。

マリーン レイダースはイタリカ、デルタフォースとSEALsはアルヌスに駐留して定期的に交替して休息をしている。

 

 

 

「ここに来てから4日になるが、今の段階で判明したのは治安の悪さだけだなんてな………」

 

「しかも娼婦に声を掛けられるのが数歩歩く度だなんて………亜人に興味はあるけどちゃんとした場面でのみにして貰いたいもんですよ」

 

「全くだ。美人揃いでスタイル抜群なんだがな。しかも薄着で露出度が高くて目のやり場に困る………そういえば自衛隊の隊員が趣味の写真で特集を組んでるらしいな?」

 

「えぇ。亜人を紹介する特集ってなかなか好評らしいって話です。アルヌスでは出版本にして庶民向けに格安で販売してるみたいですね?」

 

「まぁな………分かれ道だがどっちに進む?」

 

「自分は路地を調べます」

 

「分かった。だったら俺はまっすぐ進む。1時間後にセーフハウスで集合だが無駄な交戦は避けろ。だが緊急時の場合のみならば発砲を許可する」

 

「了解です軍曹」

 

 

 

そういうと俺はM4A1を担ぎ直して路地に入る。

 

路地は薄暗い入り組んだ道となっているようであり、建物には生々しい血の跡やなんの骨か分からない骨、殺害されて日が経過していない虫が集った死体などが平然と放置されたままだ。

 

そんな路地裏にも娼婦がいて、俺に客引きしようと甘い声で話し掛けて来た。

 

 

 

「あら?この辺りじゃあ見ない顔だねぇ………どうだい?お姉さんを買って楽しいことしないかい?」

 

「すみません。まだ仕事中なものですから……」

 

「そこのお兄さん、私を買っていかない?いろいろ尽くしてやるよ」

 

「そういうことは彼氏にしてあげなさい」

 

「へへへっ……にいちゃん。死にたくなかったら金目のもん全部……ぎゃっ⁉︎」

 

「黙ってろ三下」

 

 

 

最初は龍人種の女性に声を掛けられ、次にハーピィ。最後にはナイフを持った男が強奪しようとするも、腹に蹴りを入れてやって返り討ちにした。

本当に治安が悪いんだと再認識していると路地を少し進んだ辺りでなにやら揉め事が発生しているようだった。気になってしまったので注意しながら進むと4人の男に腕を掴まれて身動きが取れない女性がいた。

 

見た目は普通の肌色に腰まで伸びた長い青色の髪。そしてアスラ族と呼ばれる4本腕を持った亜人の女性だが格好からして娼婦だろう。

 

 

 

「ちょっと⁉︎なにすんのさ⁉︎」

 

「いやなに……あんたの仕事を手伝ってやろうと思ってな」

 

「そういうことならちゃんと金を払ってからにしな‼︎金がないのにあたいの肌に触れるんじゃないよ‼︎」

 

「うっせぇな………俺たちが仕事が捗るように協力してやろうってんだ‼︎てめぇは黙って相手をすりゃいいんだよ‼︎」

 

 

 

どうやら強姦のようだ。この辺りはそういったことも日常茶飯事で誰も見て見ぬ振りをかますらしい。

 

だがそれはこの街の人間に関しての話であり、俺は違う。

 

1人の女性を大の大人が寄ってたかって襲うっていう根性が非常に気に食わないと感じ、俺はホルスターからグロック19Xを抜き取って照準を合わせた。

 

 

 

「動くな‼︎」

 

「あぁあん?………んだてめぇは?」

 

「今すぐに彼女を解放しろ。さもなきゃあの世に送ってやる」

 

「んだとごらぁあ‼︎俺様達をベッサーラ一味だってことを知っていて言ってんだろうな⁉︎」

 

「おい⁉︎こいつって噂の砂色の人じゃねぇか?」

 

「本当かよ⁉︎確か緑の人っつう奴等の偽モンだっつう話だ‼︎」

 

「マジか⁉︎ぎゃははははは‼︎」

 

 

 

だんだん腹が立って来た。するとリーダー格の男がゆっくりと歩み寄り、俺に話し掛けて来た。

 

 

 

「兄ちゃん………俺らはお姉さんの仕事を手伝わなきゃならねぇんだよ。だからおとなしく帰ってくれねぇか?」

 

「もう一度いう。すぐに彼女を解放しろ。さもなければ制圧する」

 

「…………俺らに指図するってのはベッサーラ様に喧嘩売るってことだぞ?お前らなんざあっという間に殺せるんだぜ?いいのかよ?」

 

「最後の警告だ。その場に伏せろ」

 

「………殺れ」

 

 

 

頭がそう指示すると下っ端はナイフを取り出して俺にゆっくり歩み寄ってきた。おそらくは見下して俺を簡単に殺せると思っているんだろうが負けることなんざはなから考えていない。

 

警告に従わなかったので正式な敵性分子と判断した俺は先頭にいた男に照準を合わせてトリガーを弾いた。

先端にサプレッサーを装着しているから発砲音はかなり低くなっており、いきなり仲間の額に風穴が開いて倒れたのを見た下っ端共は唖然とするが、俺は引き続きトリガーを弾いて手下3人を排除した。

 

そして女性を逃さないようにしていた男の後頭部に銃口を押し付けて排除。

 

周辺を制圧した俺はホルスターにグロック19Xを戻し、へたり込んだ女性に手を差し伸べる。

 

 

 

「大丈夫かい?」

 

「あっ……あぁ」

 

「怪我はないか?どこか痛いところは?」

 

「あ……あたいは何ともないよ……」

 

「よかったよ。大事になる前に対処できて……俺はスティーブ・アルフレッド。君は?」

 

「あたしはミーア。それよりあんた、早く悪所から逃げた方がいいよ」

 

「なんで?」

 

「何故って………あんたが始末したゴロツキは顔役の1人のベッサーラの手下だよ?もしあんたが手を出したってことがバレたら奴等あんたの仲間を皆殺しにしちまうかもしれねぇ。

助けて貰ったのは感謝するし、出来るなら礼をしてやりてぇけど悪いことはいわねぇ。すぐに街から逃げな」

 

 

 

彼女の言葉からCIAの情報を思い出す。

 

ベッサーラはたしか悪所を取り仕切る4大マフィアの1人で顔役の中では評判が最悪らしく、かなり悪どいことをしているらしい。

だがそんな奴に負けるなど俺には考えられず、軽く微笑みながら返答する。

 

 

 

「だったらなおさら出て行く訳にはいかないな。すまないがベッサーラファミリーの事を俺の拠点で詳しく教えてくれないか?」

 

「な……なぁ⁉︎あんた聞いてなかったのか⁉︎危ないから「心配はいらないよ。危険には慣れてる」………分かったよ。だけど1つだけいいかい?」

「いいけどどうかした?」

 

「あんた……なんであたしを助けたんだ?」

 

「困っている誰かを助けるに理由なんていらない。俺は女の子の君を助けたかったから助けたんだ」

 

「そ……それだけ?」

 

「あぁ。それに君みたいな可愛い女の子に何かあったら大変だからね」

 

「か……可愛い⁉︎」

 

 

 

本心を告げると彼女は顔を真っ赤にしながら俯いてしまった。それから俺はミーアを連れてセーフハウスに到達して成り行きを報告した。

 

その後、マフィアに精通しているアーロン中尉の助言を受けて対マフィア戦の準備を始め、その日の晩にネズミが網に掛かった……………。

 

 




悪所での活動は順調だったが問題がない訳では無かった。マフィアであるベッサーラファミリーがタスクフォース サーヴァントに攻撃を仕掛け、戦闘が開始される。
そのマフィアを撃退すべく、黒衣隊も戦う。

次回[黒衣隊]
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