GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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54:ゴースト

セーフハウスがベッサーラとかいうマフィアに襲撃されたって通信を聞いて敵が哀れに思っちまった。

 

各国の特殊部隊が集結した軍隊版レインボーシックスのようなタスクフォース サーヴァントに中世レベルの技術と戦い方しか知らない奴らが勝てるはずもない。

 

しかも通信じゃあ、敵は完全に壊滅したって話だし、残党にも討伐が開始されたみたいだ。

 

けど喧嘩を吹っかけて来たんだから容赦はしない。

 

日本の特殊部隊が屋敷を爆破したのを確認し、俺はドローンから撮影された画像を見て間一髪で逃走を図ったベッサーラを待ち伏せすべく待ち伏せ場所で身を潜めていた。

 

 

「随分と派手にやったみたいだな」

 

「あぁ。ここからでも十分に分かるくらいの爆発だ。周りの住民からしたら迷惑この上ないだろうがな」

 

「いえてる」

 

 

<グリフィンからプレデター>

 

「こちらプレデター、ターゲットの逃走予測進路上にて待機中」

 

<了解した。こちらでもベッサーラらしき人物を確認した。同行者は人の女性と子供が1人ずつ。配偶者と子供だろうが、もう一人はどうやらヴォーリアバニーのようだ>

 

「確保するとしてベッサーラはどうしますか?」

 

<そのエリアはベッサーラを恨んでいる連中の巣窟らしい。肩書を失ったやつの末路は決まっているようなものだが対処はそちらに一任する。異世界での初任務にしてはインパクトに欠けるがしっかりこなしてくれ>

 

「了解ですグリフィン」

 

 

指揮所からの指示を受けて俺は物陰に隠れながらブリュッガー&トーメ社のACP556に初弾を装填する。

 

ODカラーのコンバットユニフォームにMSVを装着した俺たちは一応はタスクフォース サーヴァントの指揮下に入ってはいるがただの特殊部隊じゃない。

 

特殊部隊“ゴースト”

 

死者の再来である俺たちは生者に復讐し、時には助け、時には罰を与えるためにこの世に留まる存在だ。

 

このジョー・ラミレスが隊長を務めるプレデターもゴーストの1チームで、極秘裏とはなるが派遣されたって訳だ。

 

チームメンバーであるアレン、ヘインズ、マッギャンも同じくACP556やSR-25Mを構えて目標が姿を現すのを待っていた。

 

 

「グリフィンのいう通りだぜ。せっかく異世界に来たってのに初任務がチンピラをとっ捕まえるだなんてな」

 

「どんなの想像してたんだ?」

 

「そりゃあ、ドラゴンとか巨人とか、あとは悪の大魔王を討伐して世界を救うとか勇者みたいな感じだよ」

 

「だったら俺が勇者だな。ラミレスは賢者でヘインズが戦士でお前は遊び人か?」

 

「ひっでぇ」

 

「楽しいファンタジーゲーム設定は終わりだ。そろそろ来るぞ」

 

 

ゲームのありきたりなことを考えていると階段を上ってきた4人の姿が確認できた。いかにもごろつきっていう人相の悪い男に性根が腐っているような女、ベッサーラとその妻だろう。

その子供であろう女の子と片耳が切れている妾のヴォーリアバニーがいて、必要最小限の荷物を持って慌てて逃げてきたようだ。

 

追撃を振り切るには非常に難しい一本道に奴らが入り込むと一気に飛び出して奴らを制止した。

 

 

「止まれ‼そこを動くな‼」

 

「なっ‼なんだてめえら⁉俺がベッサーラ様だって知っての所業か⁉」

 

「武器を捨てろ‼捨てるんだクソ野郎‼」

 

「くっそっ⁉くたば…がっ⁉」

 

「あんた⁉」

 

「さっさと伏せろ‼」

 

 

警告に従わず帯剣してた剣を抜いて斬り掛かろうとしてきたので奴の腕と足に1発ずつ発砲し、素早く近付いて剣を遠くに蹴飛ばし、頭を踏みつけながら手足を縛って拘束。女の方も同じように拘束して壁際で手を取りながら震えている妾のヴォーリアバニーと子供に銃を向けながら警戒している。

 

 

「ケンカを売る相手を間違えたなベッチャーナ」

 

「くそっ⁉ベッサーラだ‼俺様にこんなことをしてどうなるか分かってるんだろうな⁉」

 

「チンピラの分際で吠えるな。今まで好き勝手やってきたんだろうがこれまでの行いのツケを清算する時だぞ」

 

「隊長、このヴォーリアバニー……知ってるかもしれない」

 

「なに?」

 

 

押さえつけるのをマッギャンと交代し、ヴォーリアバニーの女の子の顔を見る。黒い毛並みをして少し丸顔でヴォーリアバニーが奴隷や妾になった証に片耳を切断することを表すようにしっかり片耳が切られている。

俺は震える彼女になるべく優しく話しかける。

 

 

「ひっ⁉」

 

「怖がらなくてもいい。3つほど聞きたいことがあるんだが、君の名前は?」

 

「……パ…パルナ………」

 

「数年前まで旅をしてなかったか?」

 

「あっ………あぁ…してた………」

 

「その時に同行者がいたと思うんだが、その子の名前は?」

 

「………デリラ…と…グ……グリーレ…………」

 

「間違いない。居酒屋のデリラが話してた子だ」

 

「隊長、どうする?」

 

「……連れていく。何か有力な情報があるかもしれない」

 

「了解」

 

「プレデターからグリフィン」

 

<こちらグリフィン、どうした?>

 

「目標を確保した。身動きできないように奥さん共々手足を縛ってある。それとヴォーリアバニーの妾と娘を保護した」

 

<保護だと?>

 

「何か情報が得られる可能性がある。それにアルヌスの知人から聞かされたヴォーリアバニーと情報が一致している。救い出したほうが得になるだろう」

 

<……了解した。ベッサーラの方は放置しても構わない。どうせ奴はそこで終わりだ。ヴォーリアバニーは回収地点まで連行してくれ>

 

「了解したグリフィン。交信以上」

 

 

グリフィンとの通信を終了させると再びパルナを見た。

 

 

「怖がらなくてもいい。俺たちはデリラの知り合いだ。赤毛が混じった茶髪で細い長身で気っ風のいいデリラの知り合いだ」

 

「デリラ⁉あの子を知ってるの⁉」

 

「今はアルヌスにいる。君を保護する許可も貰ったから一緒に来てくれ。身の安全は保障する」

 

 

それだけ伝えるとパルナはしばらく考え、俺たちの言葉が嘘じゃないと理解してくれたのか警戒しつつも子供と一緒に立ち上がり、ヘインズに誘導されて歩き出す。

 

後の処分は“彼ら”に任せよう。

 

ハンドサインで撤収を指示するとベッサーラは大声でこちらに話しかけてきた。

 

 

 

「おい⁉こいつをほどけ‼解放してくれたら金貨をやる‼それも大量にだ‼」

 

「心配するな。俺たちはあんたに手は出さない」

 

「よ……よかった………だったら早くほどい「“俺たちは”だがな」な…なんだと?」

 

 

それだけ言うと周囲から殺気立った一団がぞろぞろと姿を現す。手にはそれぞれ武器を持っており、その殺気はベッサーラに向けられていた。

 

 

「ま…まて⁉俺様も連れていけ⁉助けてくれるんじゃなかったのかよ⁉」

 

「手は出さないと言ったんだ。助けるなんて一言も言ってない。後は彼らが相手をしてくれるから寂しくないぞ」

 

「おい、そこの二人は好きにしていいぞ」

 

 

そういいながら貌を隠した男にベッサーラから取り上げた金貨を投げ渡し、中身を確認した男は俺たちに道を譲ってくれた。

俺達は命乞いをするベッサーラを無視しながら保護したパルナと女の子を連れて、後ろでベッサーラの断末魔を聞きながら回収地点へと向かった。

 

ベッサーラは翌朝になって両手両足を切断され、全身を切り刻まれた状態で散々凌辱されて事切れた女と共に死体で発見され、のちに聞いた話なんだが残った奴の縄張りは3大マフィアにそれぞれ分けられ、正式に連合とマフィアとの共栄が締結されることになる。

 

俺たちはゴースト、存在を悟られることなく回収機でアルヌスへの帰路についた……………。

 

 




ベッサーラファミリー壊滅から暫くして、悪所での連合特地派遣団は受け入れられつつあった。だがある日の晩に自衛隊の第1セーフハウスに保護を求める娼婦達がやってきて嫌な予感と告げた。


次回[予知]

*共栄の誤字報告に関するお知らせ
こちらは敢えて共栄という言葉にしております。訂正などは致しませんので予めご了承下さい
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