GATE 連合特地派遣団 彼の地にて斯く戦えり リマスター版   作:ウルヴァリン

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80:猊下との戦い

「ウォオオオオオオオオオオ‼︎‼︎」

 

 

炎龍を倒した直後に判明した事実。

 

炎龍という厄災は目の前にいるジゼルという冥界の神ハーディの使徒の指示を受けて行なわれた虐殺だった。

 

何のために炎龍を叩き起こしたのかは分からないがどうだっていい。

分かっているのは目の前にいるテロリストが虐殺を行なったということで、こいつを許すことは出来ないということだ。

 

俺はジゼルの大鎌による薙ぎ払いを屈んで回避するとシュベーアで斬りかかる。だがジゼルは余裕の表情を崩さないで柄で受け止め、そのまま押し返して俺を吹き飛ばす。

受け身をしながらなんとか着地し、またすぐに斬りかかり、身体を軸にしながら素早く連続で斬る、ジゼルの反撃を受け止めると左回し蹴りを見舞うが、今度は左足を摑まれて投げ飛ばされる。

 

 

 

「ははははっ‼︎どうしたその程度か⁉︎」

 

「ほざけ‼︎」

 

「動きが遅いんだよ‼︎テメェの命を代金にしてオレ様が戦いってのを教えてやるよ‼︎」

 

 

 

ジゼルは翼を羽ばたかせ、一気に距離を詰めて大鎌で俺の首を刎ね飛ばそうとする。後方に飛んで回避するがジゼルは尻尾を俺の腹に叩きつけ、怯んだ隙に今度は前蹴りで俺を蹴り飛ばした。

 

 

 

「がはっ⁉︎」

 

「もう諦めな。今なら苦しまずに殺してやってもいいんだぜ」

 

「……誰が降伏するか……テロリスト風情が‼︎」

 

 

 

痛む腹に耐えながら俺は腰に取り付けてあったコンバットナイフを取り出して左手で逆手持ちで構えて一気に駆け出す。

 

ジゼルは縦で一刀両断にしようとしたが振り下ろしを横に飛んで回避し、一気に懐に飛び込んでからシュベーアナイフを振り下ろす。

 

回避されてしまうがすかさずコンバットナイフで薙ぎ払い、勢いを保ちながら回転して再びシュベーアナイフで斬りかかる。

だがジゼルは尻尾でシュベーアナイフを受け止め、弾き返すと大鎌を再び振り下ろす。

 

素早くシュペーアナイフとコンバットナイフを重ねて受け止め、力比べに発展するが俺は前蹴りを放ってジゼルを蹴り飛ばす。

流石にジゼルも予想外だったようで蹴り飛ばされたジゼルは後ろに飛んで距離を稼ぎ、そのままにらみ合いとなる。

 

 

 

「へぇ………ひ弱なヒト種にしちゃあ中々やるじゃねぇか」

 

「はぁ……はぁ……人間を……舐めるな」

 

「だがどう足掻いたってヒトがオレに勝つなんて出来ねぇんだ。オレとしちゃあこのままハーディの下に送るってのも有りなんだが、テメェは気に入ったぜ」

 

「何を言っている?」

 

「おい…エースとか言ったな?………オレの眷属にならねぇか?」

 

「……なにをふざけたことを?」

 

「別にふざけちゃいねぇよ。オレの眷属になってお姉様をハーディに連れてくるっつうんだったら命は助けてやんぞ?」

 

「……誰がテロリストの手下になるものか」

 

「へぇそうかい………だったら苦しみながら眷属にならなかったことを後悔して死にな‼︎」

 

 

 

交渉は決裂し、ジゼルは再び翼を羽ばたかせてから一気に距離を詰めて来た。大鎌を力強く振り回し、俺に反撃する暇すら与えない素早い攻撃だ。

はっきり言えば最初から亜神との戦いは俺の方が圧倒的に不利な状態だ。

亜神としての力もそうだが龍人族というのは遥か昔から龍を先祖にする戦闘種で、龍としての能力と人としての思考、更には平均寿命1,200歳という長寿が成す圧倒的実戦経験。

 

俺も実戦経験には自信があったが亜神に比べたら子供のお遊びのような僅かな経験でしかない上に、ジゼルの戦い方はまるで赤子の手をひねるがの如く、俺を軽く凌駕するものだ。

 

攻撃を受け止め、回避していくが迂闊にも俺は足を取られてしまい、バランスを崩してしまった。

そこにジゼルの大鎌が俺の左腕を擦り、その痛みに耐えながらシュベーアナイフを振るうが、大鎌が振り上げられた瞬間に宙を舞うシュペーアナイフの破片。

 

武器を破壊されて唖然となってしまうが今度は腿を切られ、俺は地面に倒れてしまった。

 

 

 

「がはっ⁉︎」

 

「はははっ‼︎いい眺めだな‼︎」

 

「ぐあぁあああっ⁉︎」

 

 

 

ジゼルは俺の負傷した左腕を踏みつけ、尻尾を俺の腹に何度も叩きつけてくる。

 

 

 

「さてっと……こいつが最後の警告って奴だ。オレの眷属になりな。そうすりゃ……」

 

「黙れ………」

 

「あぁん?」

 

「黙れっつってんだトカゲ野郎‼︎誰がテメェみたいなクソの手下になるか⁉︎テメェこそ俺が怖いからさっきから馬鹿みてぇなこと言ってんだろうが‼︎」

 

「まだ立場ってのを分かっちゃいねぇみてぇだな?」

 

「ぐぅうううっ⁉︎……殺るならさっさと殺れ‼︎海兵隊の死に様って奴を見せつけつやるぞ‼︎クソッタレ以下のクソ神の犬が‼︎」

 

「…………やっぱテメェを眷属にするっつうのはやめだ。原型がのこらねぇ位までにバラバラにしてエサにしてやるぜ‼︎」

 

 

 

どうやらここまで見たいだ。降り下ろされようとするジゼルのデスサイズに俺は死を覚悟した。

 

すまねぇな伊丹、谷、みんな………ミオ………。

 

奴の大鎌が俺の喉を捉えようとした瞬間、いきなり声が聞こえてきた。

 

 

 

"その純粋なまでの復讐心………あなたにしましょう"

 

 

 

その声がした瞬間、俺は気が付いたら迫り来るジゼルの大鎌を片手で受け止めていた。

 

 

 

「なっ⁉︎………なんだと⁉︎」

 

 

 

ジゼルが驚きを見せるが、俺は大鎌を両手で掴むと一気に力を込めて大鎌を叩き折り、そのままジゼルを蹴り飛ばした。

先ほどまでの蹴りとは違い、ジゼルは地面を転がって岩に叩きつけられるように止まった。

そして一瞬だが息が出来ないで咳き込むと柄だけとなった大鎌をみると俺は構えた

 

 

 

「…………テメェ……まさか……」

 

「………なにがどうなってるんだ?」

 

 

 

俺自身も今の状態を理解できない。だが力が溢れるように湧いてくるのを感じながら俺はコンバットナイフを拾い上げて斬りかかろうとするが、今度は別の音が聞こえてきた。

 

その聞き慣れた音に、このままでは巻き込まれると直感が働き、すぐさま俺は唖然となっているジゼルを無視して伊丹達が走って行った道を急いで駆け出した。

 

あまりにも予想外な行動にジゼルは2匹の新生龍に追撃を命じ、瞬く間に追い付かれそうになるが、いきなり走っている方角から発砲音が聞こえてきた。

 

 

 

「エース‼︎こっちだ‼︎」

 

 

 

そこにいたのは岩かげに隠れながら援護射撃をしてくれている伊丹と谷。そしてテュカ達だ。

俺は振り向きざまに新生龍目掛けてコンバットナイフを投げて岩かげに飛び込んだ。その瞬間に2匹の新生龍に何かが命中した。

 

 

 

「な……なんだ⁉︎」

 

「騎兵隊の到着だ‼︎」

 

 

 

いきなりの爆発に俺が空を見上げると、そこには飛翔体………AAM-3を発射したホークウィンドー隊のF-4EJ改に続くように関羽隊のF-5Eとルーデル隊のA-10A、ガーディアン隊のF-4Eが姿を見せていた……………。

 




救出部隊が間に合い、炎龍の子供に次々と攻撃を食らわせる連合。何とか目的を達成させて次々と登場する部隊にロゥリィはエースの身体に変化があったことに気が付き、右腕を調べて事実に辿り着いたら。


次回[旅の終わり]
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