しのぶさんにそう言われて俺は戸惑っていた。
「姉さんが変わったのは全てあなたのせいなんです。姉さんは最終選抜が終わったあと、いつも以上に笑うようになりました。しかし、ある日を境に姉さんは外ではあまり笑わなくなりました。理由はわかりませんがその原因はあなたのようですね」
「ちょっと待って!話が見えない。確かにカナエさんからの文通の誘いを断ったけど、それだけだよ。特に何もしてないし」
「姉さんを気安く名前で呼ばないでください!!一つ聞きますがなんで姉さんはいつも同じ手紙を見ながら悲しそうにため息をついているんですか?あなたが変な手紙を送ったせいですよね?そうに決まってます!」
「いやそれは……少しきつい書き方だったけど、別に」
「心当たりがあるんじゃないですか!!やっぱりあなたのせいだったんですね!!」
俺はただ断っただけだ。
特に気になるような内容は送ってないはずだ。
しかし、そんなことになっていたなんて思わなかった。
本当にどうしよう?
「何黙ってるんですか?何か言ったらどうですか?」
「いや……あの「何をもめているんですか?ここは病室、静かにしてはどうですか?」」
俺としのぶさんが話していると、優しく包まれるような聞き心地の良い声がする。
そこには約一年半ぶりのカナエさんがいた。
なんか目のハイライト消えてるような?
気のせいかな?
なんかしのぶさんが怯えているのは気のせいだろうか?
「姉さん……ごめんなさい」
「いえ、いいのよしのぶ。今後は気をつけてね。そういえば薬の調合終わってないんじゃない?」
「あ!そうだった。すぐ行くわね」
「ちょっと待っt「あらあら、慌てなくていいのに」」
胡蝶姉妹が会話をし、しのぶさんがカナエさんに促され逃げるように仕事に戻ろうとする。
ここで二人きりになっては何か怖い気がしたため、声をかけるもカナエさんに遮られた。
しのぶさんが退室したあと、二人きりになってしまった。
ふと俺はカナエさんと目が合い、恐怖心が増す。
カナエさんの顔の表情は目のハイライトは消えていて、少し半目にそして口角を上げて笑っていた。
やべー。笑顔のはずなのに怖い。
「お久しぶりですね。獪岳さん」
「あ、あのカナ「お久しぶりですね」…」
「カナエさn「お久しぶりですね」…」
話ができない。
てか怖い。
俺がカナエさんに話かけようとすると遮られる。
とりあえず挨拶しよう。
「ひ…久しぶりだねカナエさん」
「はい!551日ぶりですね」
「………う、うん?」
なんで日数わかるの?てか病んでる?そんなはずは……
「しのぶと随分仲が良いんですね?」
「いや、そんなこt「私とは文通すらしてくださらないのに、話しすらしてないですのに、しのぶとはあんなにも仲良く。しかもあんなに親しそうに。この手紙が送られてきてから何か理由があるんじゃないかって、そう思い我慢していましたのに。その後は音信不通、何も連絡もなく。どれだけショックを受けたと思ってるんですか?柱になってからあなたのことを探し続けてやっと見つけたら私との関係はなかったかのように生活をしていて、修行が忙しいと書かれていたからどれだけきつい修行をしているのかと思ったら1日寝ていただけ、嘘を書いたのですか?私のこと嫌いなのですか?なら正直に言ってください。どうなんですか?答えてください獪岳さん?」………」
完全に病んでる!なんかすごい最後名前呼ばれたときすごいドス黒い声で言われた。
てか何?身辺調査されてたの?一日中休んでるってそんな日あるわけ……あ!!
「それは戦闘で少し怪我をしてしま「存じています」……え?」
「戦闘で怪我をして十日ほど休んでいたことは調べてあります。ならなんで私のところへ来なかったのですか?」
「いや、行ける距離じゃ「蝶屋敷までの距離は一時間程です。たしかカラスから行くように指示があったはずですよね?なんで来なかったんですか?来れなくてもカラスで手紙を出せば来れたはずでは?そんなに私に会いたくないのですか?何か特別な理由があったんですよね?」………」
どうしよう?
なんでここまで悪化してるんだろう?
もしかして俺のこと初恋だったのかな?
でもどうしたら初恋をここまで拗らせられるんだろう?
てか俺が送った手紙まだ持ってたのかよ。よく見るとその手紙は折り目がほとんどなく、綺麗になっている。
それを見るとさらに恐怖が増す。
てか、十日も休んでいたのって少し長い休みが欲しかったわけでそんなに深い理由はない。
どうしようなんて言えばいいんだろう?
こんなことを考えてるとカナエさんから名前を呼ばれる。
「獪岳さん?」
「はい!」
正直記憶になかった。
でも、これを正直に言っても良いのだろうか?
「何悩んでるんですか?正直に言ってくださればいいんですよ?」
「わかりました」
もう今更だ。特に理由はない。
俺はカナエさんに正直に理由を話そうとする。
「き「忘れていたなんてことはないですよね?」……」
「き……なんですか?」
どうしよう?正直に答えることすらできない。
もう全てを正直に話そう!ここで引いたらダメだ。
俺は上弦の参 猗窩座を退けたんだ。
こんなピンチへでもない。
もうどう思われようと気にしない。
クズに思われようが構わない。
俺はそう思い、カナエさんに話し始める。
「獪岳さん?」
「き………君にふさわしい人になるためだ」
「……え?」
ダメだった。
カナエさん猗窩座より怖い。
正直に言ったら殺される。
てかなんだよ君にふさわしい人になるためだよ。
気持ち悪いわ!
この後どうしよう?なんて言おう。
「どういうことですか?その……ふさわしいとは?」
俺の言葉に目にハイライトが戻り顔を赤くしているカナエさんが聞いてくる。
今更ながら俺は何を言っているんだろう?
でも、ここで引いたら後が怖い。
だから俺は言葉を続ける。
「君は今となっては柱だ。そんな君に今の俺はふさわしくなかった。君の隣に立つのに全然足りなかった。しかし、今回の一件で俺はある快挙を成し遂げた。これで君の隣にいるのにふさわしいって心から自慢できる」
「獪岳さん……」
俺の言葉にカナエさんは顔を耳まで真っ赤にする。
言ってて気持ち悪く思う。
本当に何を言っているんだろう?
俺はここまで自己保身が強すぎるのか?
俺は獪岳以上にクズい。
でも、言ってしまってから後悔した。
これからどうすればいいんだろう?
もう後に引けなくなってしまった。
どうしようまじで……
主人公の行動、初恋設定をするとカナエちょっと病んでいるヒロインになっちゃうんですよね。
作者の独自解釈です。