極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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心が痛い……

 

 

 俺が柱打診の手紙をもらってから次の日、今隠の人たちに担架で運ばれている。

 残念ながら柱の誘い、俺は断るつもりでいる。 

 主な理由は三つ。

 原作改変、死にたくないから、他の隊士に示しが付かないと言う理由だ。

 鬼の首を斬れない柱はしのぶさんがいたがそれとは質が違いすぎる。

 しのぶさんは鬼を殺す毒を開発し、カナエさんの復讐のために執念で柱へとなった。

 でも俺は逃げる、鬼を飛ばす以外できない。

 これではただ恥を晒すだけ。

 そのため断る。

 何より条件を満たしていない。

 討伐数ですら11体、階級「辛」のままだ。

 俺はそんなことを考えながら、お館様と柱達が待つ屋敷へ運ばれて行った。

 

 

 

 

 

 

 俺が屋敷に着くとすでに柱たちが集まっていた。

 

「獪岳さん!お待ちしていました。体の具合はどうですか?」

「お前が!」

「こいつが情報屋か!」

 

 カナエさんが俺の到着を認識すると声をかけてきた。

 あと、なんかカナエさんの後に話した人誰?なんで俺に敵意を向けてきた。

 俺って嫌われてるのかな?

 あと情報屋って何?

 

「待たせてごめん。あと、俺ってどうするの?まさかこのまま担架の上で話すわけじゃないよね?」

「それについては大丈夫です。こちらに準備してありますから。……獪岳さんをあちらのベッドに運んでください」

 

 俺がカナエさんに質問をするとカナエさんが隠の人たちに指示を出す。

 え?ベッド?

 

「悲鳴嶼さん、ご協力お願いできますか?」

「うむ」

「悲鳴嶼さん!?」

 

 俺は悲鳴嶼さんの名前を聞いた瞬間、声を上げてしまった。

 悲鳴嶼さんの鬼殺隊入隊の原因は俺であって、俺が原作と違う行動をしたためフラグを折ってしまったのかと思った。

 カナエさんとしのぶさんがいたが、それは別の誰かが助けたのかと思っていた。

 

「獪岳さん、悲鳴嶼さんとお知り合いなのですか?」

「む……まさか!獪岳なのか?」

 

 カナエさん、悲鳴嶼さんが反応する。

 俺は悲鳴嶼さんに聞きたいことが山ほどある。

 でもまずは謝罪をしなければと思い話し始めた。

 

「はい。昔寺にいた獪岳です!悲鳴嶼さんなんでここにいるんですか?他のみんなは?」

「そうか……。よかった。生きていたのだな」

 

 俺は色々聞きたすぎて一気に質問してしまった。

 すると、悲鳴嶼さんはそう言い泣き始めてしまった。

 

「悲鳴嶼さん?」

 

 俺は急に泣き始めた悲鳴嶼さんに対して理由が分からず名前を呼んだ。

 

「獪岳…守れなくてすまなかった。無事で何よりだ」

「そんな!俺の方こそ勝手にいなくなってしまってすいません。これにはじじょ「知っている」……え?」

「獪岳、君がいなくなったのは鬼から私たちを守るためだったのだろう?」

 

 守るため?もしかして鬼から逃げたことを言っているのだろうか?

 でも、それは自分のためであってそんな大層な理由はない。

 

「君がいなくなった日から数日後、鬼殺隊の隊員が寺に来て、話は全て聞いた。鬼が現れたこと、寺の子供が一名行方不明となってしまったこと」

 

 そうか。

 俺がいなくなってしまった後、そんなことが。

 

「そして全てを聞いた後、君は死んでしまったと思った。そのことを私は後悔した。そしてもうこんな思いは二度としないと、同じ境遇の者たちが現れないようにすると。だから鬼殺隊士となり鬼をこの世から屠り去ると決意した」

「悲鳴嶼さん……」

 

 俺がいなくなった後のことを聞いて、まず思ったことは、獪岳は居ない方がいい存在だと言うことだ。

 形はどうあれ、鬼殺隊最強の岩柱の加入、悲鳴嶼さんが罪に問われることがなく、寺の人たちは皆生存。

 獪岳は不幸の象徴なのかも知らない。

 ただ、一つ気になる点は俺の行動に悲鳴嶼さんが勘違いしていることだ。

 皆を守るためではなく、俺一人生き延びたいがために逃げ出した。

 俺はそのことはすぐに否定するため話す。

 

「悲鳴嶼さん。本当に心配をおかけしてすいません。でも、俺が居なくなったのは自分が助かるためです。寺のことはそこまで考えていませんでした。本当にごめんなさい」

「獪岳……君はどこまで善人なんだ……」

「え?違います。俺は本当に自分のことだけを考えて「大丈夫だ。もう気を遣わなくてもいい。そこまで自分を卑下するものじゃない」………」

 

 俺が真実を伝え、謝罪をすると悲鳴嶼さんは泣きながら話した。

 なんかすごい誤解をされてるんだけど。

 100%の善意ではなく、120%の自己保身での行動だったんだけど。

 誤解を解こうにも、解けない。

 ふと隣にいるカナエさんを見ると感動していた。

 その表情は「獪岳さんはなんていい人なんでしょう」とでも言いたげな表情だった。

 なんで顔赤くしてるのカナエさん?

 確かに原作獪岳と違う行動をした。

 結果、全てハッピーエンドに進んでいた。

 でも、それは自分のための行動なのに他の人はそっちのけ。

 なんかどんどん自己保身の行動が勘違いを生み、俺という存在が美化されていってしまう。

 俺はどうしよう、と思いつつ否定しすぎるのも気が引けた為、そのままにした。

 そして最後に悲鳴嶼さんから

 

「獪岳……本当に無事でよかった。私たちを守ってくれてありがとう」

 

 と感謝された俺はその言葉に心が痛むも、否定をせずに

 

「悲鳴嶼さんも無事でよかったです。また会えてよかったです」

 

 と言った。

 その後は悲鳴嶼さんにベッドに運んでもらった。

 そしてそれから数分後お館様が現れた。

 

「急に集まってもらって悪かったね。そしてよく集まってくれたね私のかわいい子ども達。それでは柱合会議を始めようか」

 

 お館様がそう宣言し、柱合会議が始まった。

 

 

 

 

 

 心が痛い……

 

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