お館様の言葉から柱合会議が始まった。
「みんなもわかっていると思うけど、今回集まってもらったのは上弦の参についてだ」
お館様がそういうと柱たちの視線が俺に向く。
それよりも俺ベッドに寝たままでいいのかな?失礼に当たらないかな?
「獪岳、別にそのままでいいよ。重症なのに無理に呼んでしまったからね。本当にすまなかった」
「い、いえお気になさらず。私もこのような失礼な体勢で申し訳ありません。上弦の参についてお話しします」
「うん。お願いね」
お館様は俺の反応に気付いたのか、許可と謝罪をしてきた。
流石に鬼殺隊トップの人に謝罪をされるのは居た堪れない。
しかもベッドで寝た体勢でずっといるのも嫌だったので即座撤退をするため、お館様と柱たちに猗窩座との戦闘に関することからやりとりまで全て説明した。
「獪岳……お前よく無事だったな。まぁ、重症ではあるが、生きて帰るなんてスゲーじゃねーか!」
「どうも」
説明が終わると音柱……宇髄天元に俺は労いの言葉をもらった。
自分で説明していて本当によく生きてたなーって再度思った。
そしてお館様が話しかけてきた。
「獪岳、本当によく帰還してくれた。君が情報を持ち帰ってきてくれたおかげで貴重な上弦の鬼について知ることができた。本当にありがとう」
「いえ、隊士として当たり前のことをしたまでです。それに俺が生き残れたのは運が良かっただけです」
俺は鬼殺隊の中で一番偉い人にそう言われてしまい、調子に乗ってしまいそう返してしまった。
そして、お館様は俺の言葉を聞いたあと、上弦の鬼の件は終了させ、次の話に移った。
「上弦の鬼の件はここまでにして、次の話に行こうか。獪岳、君の功績は大きい。良かったら柱となって鬼殺隊を支えてくれないだろうか?」
来た。俺はそう思い、あらかじめ考えていた理由を話した。
「申し訳ありません。柱の件はお断りさせてください」
「理由を聞いてもいいかな?」
俺が理由を話すと柱の人たちがざわめいたが気にせず、言葉を続ける。
「理由はいくつかあります。まず、私は隊士となってから鬼を十一体しか倒しておらず、階級も辛のまま。何より、柱になるための条件をーつも満たしておりません。それでは隊士に示しがつきません。ですので私は柱になるべきではありません」
俺がそういうとお館様は黙り考え込んでしまった。
お館様も無理強いはしたくないのだろう。
「おい、お館様からの願いを断るとは何様だテメェ!」
「?!痛いんだよ何すんだよ!」
すると、風柱…不死川実弥が胸ぐらを掴み俺に怒鳴ってきたため、俺も体の痛みが増してしまい、ついタメ口で返してしまった。
その態度が気に入らなかったのか不死川実弥は苛立ちを増したが、この件はこれ以上大きくなることはなかった。
「実弥」
「……申し訳ありません」
お館様が名前を呼んだ瞬間、不死川は謝罪をしすぐに膝をついた。
数秒の静寂のあと、お館様は俺に話しかけてきた。
「獪岳、柱は今もなお空席がある。本当なら君に柱をやって貰いたいけど、無理強いはしないよ」
「……はい」
よし!!柱フラグ回避!!
これで死のリスクが減るぜ!!
俺は有頂天になってしまった。
そのせいで気を抜いてしまった。
抜いてしまったのだ。
「でも、君の功績は大きい。階級を三つ上げるけどいいかな?」
「はい!」
まじか!!
これで給料アップじゃん。
俺のやることは変わらないけど、それを承知で昇格させたのだろう。
お館様本当にいい人だ。
「君は上弦の参相手に立ち回れるほどの実力がある。これから危険な鬼の仕事を振ることもある。すまないが協力してくれるね」
「はい!」
上弦の参を退けたんだ。
その他の鬼など有象無象に過ぎない。
「でもまずは怪我を完治させることに専念してほしい」
「はい!」
「完治し次第任務に戻るように」
「はい!」
「柱達に稽古をつけてあげて欲しい」
「はい!……………え?」
今なんて言った?
柱に稽古?
聞き間違えかな?
「獪岳、引き受けてくれてありがとう。では怪我が治り次第お願いね」
「え、ちょ「みんなもいいね?」
「「「「御意!」」」」
俺は即座に否定しようとするも、お館様は遮ってきた。
そして柱もみんなも同意した。
文句ある奴いんじゃないか?と思い、痛いのを無理に体を動かし、周囲を確認するが不死川ですら嫌な顔せずに従った。
てか俺を見て殺してやる的な顔をしている。
こいつ、絶対根に持ってやがる!
そしてふと、お館様を見たら笑っていた。
クソ!嵌められた!