俺とカナエさんは先生と金髪の少年……善逸のやりとりをしばらく見ていたがそろそろいいかと思い、話しかける。
「じいちゃん放してよ!!」
「あの先生………」
「ん? 獪岳帰ったのか」
「え……獪岳?」
とりあえず俺が話しかけることで師弟コントは終了、縛られていた縄が解かれ善逸は解放された。
それからは俺が来たのをわかってか、先生は話を続け善逸は少し俺に怯えてか、それともカナエさんに照れているのか不明だが、先生の後ろに隠れて様子を伺う。
「このバカ弟子が!隊士となってから一度も顔を見せんとは」
「ご……ごめんなさい。色々と……その……」
「事情はそちらのお嬢さんから聞いておる……大変だったな」
「……はい」
「よく無事であった」
どうやらカナエさんが連絡してくれたおかげで話は順調に進んだ。
その後は上弦遭遇の件や柱打診があったことなど。
……すんなり進み過ぎてカナエさんがどこまで話をしていたのかすごい気になるが怖くて聞けないわ。
そして一通り話が終わり、先生は俺に近づいてきてーー。
「獪岳、しゃがみなさい」
と言ってきた。
俺は先生の言った通りに座ると頭に手を乗せてきてそして、話し始めた。
「獪岳、お前は自己評価が低すぎる……お前は立派な隊士だ。そして何よりわしの誇りだ。もっと自分に自信をもて!」
そう言って笑顔を見せた。
俺は泣きそうになるのを我慢してーー。
「はい」
そう返事をした。
それからどのくらいたっただろうか?
この場にいる善逸とカナエさんは空気を察してか少し俺と先生を見つめていた。
そして先生はカナエさんの方を向き、話し始める。
「カナエさん」
「はい」
「此奴は一人でことを進めようとしてしまったり、溜め込んでしまうことがある。少し面倒なところがあるがわしの自慢の弟子だ。何かあっても寄り添い、支えてあげてくれんか?」
「お任せくださいおじい様。獪岳さんは私にとって大切な人です。これからも支えていきます」
「頼むぞ」
「はい!」
先生とカナエさんは俺についてのやりとりをした。
幸せだな………俺はそう思う。
本当に恵まれている。
転生後も先生がいなければ死んでいた。
カナエさんがいなければこんな幸せを知ることはできなかった……幸せ知る前はすごい怖かったけど。
でも、結果として原作の獪岳のままでは絶対になることはなかったであろう。
これも努力の結果なのかな……。
これからもこの幸せを守るために一層努力しよう。
そう決めた。
「それにしても獪岳、良い嫁さんを見つけたな」
「はい……俺にはm「え!獪岳って結婚してんの?」……うん…えーと?」
先生からカナエさんの話題を振られ、素直な気持ちを言おうとしたら、善逸が急に割って入ってきた。
どったの急に
「お!そうじゃった。まだ紹介しとらんかったな……善逸、兄弟子の獪岳だ……ほら挨拶せんか!」
「う……わ、我妻善逸……です」
「よろしく善逸!俺は獪岳だ」
「え?……」
急に思い出したかのように先生から善逸を紹介された。
その後お互い自己紹介をするも、善逸はどこかよそよそしい態度をされたため、友好の証として握手を求めたが、なんか驚いた反応をした。
なんでだろう?
「獪岳は俺をなんとも思わないの?」
「……何が?」
「だって俺……髪黄色だし……俺……その……気持ち悪いし」
「はぁ、なんだ、そんなことか」
善逸の話でなんで俺にそんな態度をしているのか理解できた。
俺は善逸を安心させるために頭に手を置き話し始める
「え?」
「善逸、そんなに自分を卑下にするものじゃない。髪色似合ってるよ。いい個性じゃん!
それに気持ち悪くなんてないよ全然。……さっき自分で言ってたけど善逸は確か壱ノ型を使えるんだって?すごいよそれ!俺できないもん壱ノ型。お前はすごいやつだよ。だからもっと自分に自信を持つんだ!!」
「獪岳……うん、ありがと。そういえばさっきの結婚してるって話はほんとなの?」
善逸は俺の話に照れながら返答。
そして結婚しているのかの確認をしてきた。
何かあったのだろうか?
少し慌ててる気がするけど。
とりあえずカナエさんを紹介するか。
「紹介するよ、胡蝶カナエさんだ。夫婦と言ってもまだ数日だけどね」
「そ……そうなんだ。すごいね獪岳は…モテるもんね」
「ん?どういうこと」
「獪岳さんはもしかして交際経験があるのですか?」
「カナエさん!」
「ひぇ!」
「若いのう……」
善逸にカナエさんを紹介したら意味深な発言をした。
俺はすぐにカナエさんの方へ向くも、目のハイライトが消えていた。
ちなみに今の悲鳴は善逸だ。
俺にカナエさん以外の女性経験がないことを伝えないと!死んでしまう!
あと、先生……なんでそんなこと言ってんですか?
弟子死んでしまうかもしれないんですよ。
「待って善逸何の話?変な誤解を招く言い方はやめてよ。俺はカナエさん以外に交際とか経験ないから!俺はカナエさん以外の女性眼中にないし、カナエさん一筋だ!!」
「獪岳さん……」
「そ……そうなんだ」
俺の必死の弁明によりカナエさんは頬を赤く染めて名前を言い、善逸は引き攣った顔をしていた。
誤解が解けたようでよかった。
まぁ、その後は何もなくカナエさん誤解の件は無事に終了。先生の家に移動し、ご飯を食べて少しばかり話をした。
空は夕暮れになっていたので、今日は先生の家でお世話になり、翌日に帰還した。
ただ、一つ気掛かりなことがあって、なんか善逸が「どうしよう」とすごい悩んでいたのはなんだったのだろう?
善逸の反応は後日判明した。
今の俺はまさかこんなことになるなんて思わない。
俺は何もしてないし不可抗力。
なんでこうなった?……Take2