極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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本当にやめてくれ!

 俺が禰豆子が人を襲わないと言う確証を得る為に行うこと、それは原作と同じやり方だ。

 

 不死川の稀血を嗅がせて人を襲わないことを証明すること。

 

「ほら……これ使えよ」

「んなもん必要ねぇよ!」

 

 俺は不死川に短剣を渡したのだが、拒否する。

 

「いや、まさか自分の日輪刀使うつもりか?」

「答える義理あんのか?……早くしろよ。ここに鬼をおけ」

「人をものみたいに扱うなよ。それに、お前のそばに置いたら危害を加えるだろう?お前の血は匂いだけでも効果が出る。いちいち危害を加える必要はーー」

「あん!ネチネチうるせぇよ!さっさとしろ!」

「いや、危害を加えると言うなら話は別だ」

 

 不死川は禰豆子を日輪刀で刺す気でいた。

 俺は不死川に敵意を向け、箱を守る体制に。 

 

「……チッ。……ならさっさとその箱を開けろ」

 

 不死川の付き合いは長い。俺が一度言ったことは貫き通す面倒臭いやつと不死川もわかっている為、今回は妥協してくれたようだ。

 俺はその場に箱を置き、ゆっくりと箱を開ける。

 

「ムー」

 

 あ、かわいい。

 箱を開け終えるとそこからこの場に似つかない声を出しながら長い黒髪、ピンク色の着物を着た竹を加えた小さい子供が出てきた。

 

 そして、不死川はそれを見ると自ら腕を切り、血を流す。

 

「さーどうした鬼?来いよ?ほしいだろ?」

 

 禰豆子は不死川の流す血を見るや、竹から涎を流し、手を強く握っているせいか、手から血が流れてくる。

 

「ふー…ふー…ふー」

「ふはははは。……さぁ……来いよ」

 

 禰豆子は目の前に血を与えられ、本能で血を欲しているのか?それでも我慢し続ける。

 

「禰豆子……頑張れ」

 

 炭治郎はその場で自分の妹を見つめる。

 原作では食ってかかりそうな炭治郎だったが、俺の説得と不死川が禰豆子に危害を加えていないことから、冷静に待機している。

 

「ふー…ふー………ムン!」

「………」

 

 それから10秒ほどが経過し、ついに禰豆子は自らの欲求を抑え、そっぽを向き、驚く不死川。

 炭治郎はその場で安心し、深呼吸をした。

 

「………どうしたのかな?」

 

 すると、お館様が現状を確認する為、娘に問いかける。

 

「鬼の女の子はそっぽを剥きました」

「不死川様に目の前に血まみれの腕を突き出されても我慢して……噛まなかったです」

「……クッ」

 

 不死川は説明を聞き、舌打ちをした。

 すると、お館様が話始める。

 

「ではこれで、禰豆子が人を襲わない証明になったね」

 

 冷静なこの一言で不死川は苛立ってはいるものの、これ以上は何も口出しをする気はないらしく、禰豆子から離れ、柱たちが集まる場所に移動した。

 俺もそれに習い、禰豆子に箱に入るように言って、不死川に続く。

 

 俺と不死川が元の位置に戻った後、お館様は炭治郎に話しかける。

 

「炭治郎」

「……はい」

「未だに禰豆子のことを快く思わない者も多いだろう。今回は獪岳が説得したから柱たちは妥協しているに過ぎない。証明しなければならない……これから炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦えること。役に立てること」

 

 お館様の言葉に炭治郎はその場で頭を下げた。

 

 本当に今回は俺が事前に手を回していたから、柱の一人一人が禰豆子という存在がいることを妥協して認めた。

 俺が妥協してくれたらそれだけのメリットがあると証明したからに過ぎない。

 一番反対的だった不死川も証明の方法を用意しておいたから、まぁ、今回はいいだろうと諦めさせたにすぎない。

 

「十二鬼月を倒しておいで。そうしたらみんなに認められる。炭治郎の言葉の重みが変わってくる」

「……は!」

 

 お館様の言葉を聞き、はっとするように炭治郎は声をあげた。

 それは一種の決意の表れに見える。

 

「俺は……俺と禰豆子は…鬼舞辻無惨を倒します。俺と禰豆子が必ず!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!」

 

 ああ、かっこいいな主人公。

 こんな大物たちがいる前でよくもまぁ、宣言できたものだ。

 

 だが、今の炭治郎では実力不足。ただのビックマウスに過ぎない。

 お館様は炭治郎の言葉に笑い、話しかける。

 

「今の炭治郎にはできないから……まずは十二鬼月を一人倒そうね?」

 

 ボン!……と、炭治郎はお館様の言葉で顔を真っ赤にする。

 

「はい」

 

 炭治郎はそう返事をした。

 柱はその光景を見てか、くすくすと笑い声が溢れる。

 

「鬼殺隊の柱たちは当然抜きん出た才能がある。血を吐き出すような鍛錬で自らを鍛え上げ、死線をくぐり、十二鬼月をも倒している」

「うむ!!いい心がけだ!!」

 

 だめだ、このまじめな雰囲気なのに笑いが止まらん。

 杏寿郎は笑いながらも炭治郎をほめた。

 

「だがら、柱は優遇され尊敬されるんだよ。炭治郎も口の聞き方には気をつけるようにね」

「は……はい」

 

 炭治郎はお館様の言葉に返事をする。

 お館様は炭治郎の言葉を聞くと、視線を不死川に向ける。

 

「それから実弥、あまり下の子に意地悪をしないこと」

「……御意」

 

 そうだぞ、少しは反省しろよ。

 俺は不死川にざまぁという意味を込めてフッと笑って見せると額に血管が浮き出る。

 

 あーあ怖い怖い。

 

「獪岳、君もだよ」

「……へ?」

 

 え?俺も?俺が何をしたと言うんだ。

 

「今回は獪岳のお陰で丸く収まった。でもね。禰豆子の安全の証明するためとはいえ……やりすぎだよ」

「……申し訳ありません」

 

 何も言い返せねぇ。

 でも、だって不死川に納得させるのあれが一番いいって思ったんだもん!

 

「屋敷も血で汚れてしまったしね……ちょっとした罰を受けてもらうけどいいかな?」

「……御意」

 

 どうせ罰って言ったって仕事押し付けられるとか雑用だろ?

 大したことねぇよそんなこと。

 

「炭治郎の件はこれで終わり」

 

 これでどうにか丸く収まったな。

 後は炭治郎の処遇だが、これはしのぶのところがいいかもな。

 

「炭治郎は私の屋敷でお預かりしましょう」

 

 しのぶは右手を上げて提案する。

 

「うん、それがいいかもね。獪岳がいるし、炭治郎にとって学べることが多いだろう」

「え?」

 

 学べることとは?

 いや、俺見ても何もわからねぇよ。

 

「頼んだよ獪岳。君は鬼殺隊で唯一、上弦の鬼と渡り合うことのできる剣士だからね。炭治郎に色々教えてあげてほしい」

「……御意」

 

 何余計なこと言ってんだよ!たしかに真実だけど!意味が変わってくるよ。

 

 渡り合うと言っても防戦一方で一撃離脱を繰り返すだけ。

 しかも、こっちからはダメージは与えられない。

 その言い方だと……俺がやばいやつに聞こえるじゃん!

 

「炭治郎と獪岳はもう下がっていいよ」

「……はい」

「御意」

 

 俺と炭治郎はお館様にそう言われ、柱を残して退散した。

 

 ただ、今回はうまくいったが、一つ文句が有れば、炭治郎は俺に新たな勘違いを受けたくらいか。

 

 だから、やめて。

 その純粋な瞳で尊敬の意を示すのはやめて!

 

 

 

 

 

 本当にやめてくれ!

 

 

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