極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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頑張ろう

 カナエとのお話は一時間ほどで終わった。

 流れを余すことなく全て自白し、何がいけなかったのか、次はしてはいけないとお叱りを受けた。

 

 まぁ、本人はそこまで?……怒っていなかったそうだが、「次やったらどうなるか分かりますよね?」と近くにある日輪刀を手にかけ脅された。

 

 ……俺はもう二度とやらないと誓った。

 

 それから次の日。

 

「いやぁぁぁぁぁ!お薬いやぁぁぁ!」

 

 俺は内心ため息をしながら今日は見舞いに来ている。

 かまぼこ隊の3人の容体を知っておくべきだと思ったからだ。

 カナエからそこまで重症ではないと聞いていたが、かわいい弟弟子の見舞いをいっておくのも兄弟子の務め。

 そう思って病室に足を運んだのだが……。

 

「おい、お前は何をしてるんだよ」

 

 ついた矢先善逸の悲鳴が聞こえ、何かと思ってみれば神崎さんが善逸にも薬を飲ませようと叱っている。

 

 それを呆れて見ている炭治郎。きよ、なほ、すみの3人は黙って見ている。

 

 一番騒がしそうな猪頭の伊之助なのだが……大人しくベッドで寝ていた。

 

「あ!獪岳!獪岳からも言ってやってくれよ!俺に苦い薬を飲ませようとしてるんだ!炭治郎のは飲みやすい薬あげてるのに俺だけ苦いの……すっごい苦いの飲ませようとしてるんだ!!助けて!!」

「何を言ってるんですか!あなたに渡している薬は鬼の毒の特別性の解毒剤です!それを飲まないと縮んだ手足はそのまま!一生治らないんですよ!!」

「いやぁぁ!なら手足は短くてもいいもん!もっと甘くて美味しい薬でもいいでしょ!」

「だから!それは無理と言っているでしょ!……もう!獪岳さんからも何か言ってあげてください!」

 

 ああ、コントみたいで面白い。このやりとり。

 まぁ、そんなことを言ったら神崎さんの怒りの矛先がこちらに向かうかもしれないので言わないが。

 

 しょうがない。ここは兄弟子として説得してやるか。

 

「善逸、いつまでもわがままを言ってるんじゃない。お前は子供か?もう立派な隊士だろ?少しくらい我慢を覚えなさい」

「え!獪岳ひどいよ!獪岳も俺をいじめるの!ひどいよ!それでも兄弟子か!」

「……えぇ」

 

 ここまで面倒臭いのか。

 神崎さんは今の発言に呆れている。

 

「獪岳さん……どうしましょう?」

 

 そんなことを言われても神崎さんは善逸をどうにかしようとしている。

 神崎さんは常に怒っているように見えるが、病人想いの心優しい人だ。ツンデレと言う感じか?

 

 ここは兄弟子として薬を飲むように言ってやろう。その前に謝罪だな。

 

「神崎さん、バカが迷惑かけて申し訳ない」

「バカってなんだよ!」

「い、いえ。大丈夫です。仕事ですから」

「ちなみに善逸の容体はどうなんだ?すぐ治りそうなの?」

「え!無視?!」

「ええ。そこまで深刻では……ただ薬さえ飲めば治るのですが……薬を飲ませようとしてもわがままを言ってくるので」

「迷惑かけて申し訳ない。体は成長しても心はガキのままで成長してなくて」

「ひどい!それが戦地から戻ってきた俺にかける言葉!?」

 

 うるせぇ。

 少しくらい静かに会話させろよ。

 まぁ、でも、これ以上は迷惑をかけられないな。

 

「ここは俺に任せてくれ。この扱いは熟知している」

「すいません」

「俺は物なの!無視しないでよぉぉぉ!!」

「はぁ」

「ため息!?」

 

 俺はため息をし、善逸に向き直る。

 薬を飲むように促すのは簡単だ。

 ただ、言い方を工夫すればいいのだから。

 俺は真剣な顔をして話しかける。

 

「善逸……」

「な……なんだよ」

「お前は……損をしている」

「は?……何言ってんの?」

 

 拗ねてる善逸を無視して言葉を続ける。

 

「この薬はな……カナエやしのぶ……そしてここにいる神崎さん。美少女が煎じているんだぞ?」

「……意味わかんないんだけど」

「はぁ。ここまで言ってわかんないとは……善逸の馬鹿さ加減には」

「なんでそこでディスってくんだよ!」

 

 俺は善逸の両肩に手を乗せて魔法の言葉を話す。

 

「この薬は美少女がお前を思って……お前のことだけを考えて……お前のためだけに煎じているんだぞ?」

「……は!……つまり!」

「気づいたか!そうだ!そんな薬を……お前は……飲まないと言っていたんだ。せっかく……鬼殺隊の中でも屈指の美人姉妹。しかもファンがいるくらい人気の……いわばアイドル的存在の人たちが……お前ただ一人のことを思って煎じたんだぞ」

「ふふふ……ふふふふ!そうだったんだ。なら早く言ってくれればいいのに!」

 

 あー神崎さんゴミを見てる目で見てるわ。

 炭治郎は……呆れていて、きよたち3人はドン引きしてる。

 そんなことを知らず善逸は神崎さんに向けて顔をキリッとした。

 

「葵ちゃん」

「……なんですか?」

「俺を思って煎じてくれた薬をもらえるかな?」

「……わかりました」

 

 うわぁーうわぁーすげぇドン引きしてるよ。

 善逸はごくごくと美味しそうに薬を飲み始める。

 

「うん。美味しい。少し苦いけど、愛情を感じるよ」

 

 やめてくれ。これ以上身内の恥を晒さないでくれ。

 

「なぁ……善逸……これ言ったの俺なんだけどな」

「なんだよ獪岳!」

「いや……なんでもない」

 

 もう諦めよう。

 ただ、迷惑をかけるであろう人たちには謝罪をしておこう。

 

「神崎さん……善逸が迷惑をかける。……本当にごめん」

「い……いえ。薬を飲んでもらえるなら別に」

 

 もう気にしないでおこう。

 こういう物だと思っておこう。……よしとしよう。考えるのが面倒くさくなってきた。

 

 

 その後、3人の容体を再確認した。

 炭治郎は全治二週間。

 伊之助は喉が潰れたのと、骨が何箇所か折れていて、善逸と同じで治療に一ヶ月半ほどかかるとのこと。

 

 

 

 とりあえず、炭治郎が一番軽傷。機能回復訓練も必要なさそうなので治り次第、俺の訓練を受ける約束をして、今日は鬼殺隊の任務に向かうのだった。

 

 

 それから一週間が経過し、炭治郎強化を開始するのだった。

 

 

 

 頑張ろう

 




怪我についてですが、主人公が関わり影響を及ぼしたと考えていただけると。
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