極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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あれ?

「では……よろしくお願いします」

「こい」

 

 ここは俺がお館様からいつかの褒美でもらった森林。

 その場所は柱が俺と修練をするために俺が戦いやすいよう、木々や大岩が多い。また、森林の中心には湖もある。

 

 環境だけでは俺が猗窩座と初めて戦った場所に似ている。

 訓練内容は俺が高速で移動、熱界雷を飛ばすというもの。

 反射神経、回避力を高めるのが訓練の目的だ。はじめは苦戦していた柱たちも訓練をこなせるようになり、今では来るものは少ない。俺自身実力が上がったので良かったのだが。

 

 現在は俺が一人で訓練するための場所と成り果てている。

 

 そんな場所で今俺は炭治郎と二人木刀を持ち向かい合う。

 本来なら炭治郎は蝶屋敷で機能回復訓練するべきなのだが、俺が直接訓練をつけるということでしのぶから許可を得て、今この場で訓練をしている。

 

 まだ、善逸と伊之助は完治していないので、この場にはいない。

 

「……は!」

 

 炭治郎は俺相手に全力で切り掛かってきて俺はかわす、捌くを繰り返す。

 

「もう少し相手の動きをよく見ろ!ただがむしゃらに振るだけじゃ意味がない。相手との間合い、駆け引き、予測。それを意識しろ」

「はい!」

 

 こう言ってアドバイスをしながら稽古を行う。

 俺は人に言えるほど戦い方に優れているわけではないが、客観的に言えることはある。

 実戦ではこう言った高等テクニックは俺にはできない。

 駆け引きとか全くできない。

 だって熱界雷しかできないんだし。

 

「型を使っていい。全力でこい!」

「はい!」

 

 この訓練の目的は2つある。

 一つは実力の差を自覚させること。

 そして、もう一つは全集中常中の存在を教えること。

 

 教えるのは簡単なのだが、意味や必要性を自分で理解するのとただ教えるのでは捉え方や感じ方が変わってくる。

 

 原作ではきよ、すみ、なほたち3人が教えていていたが、それで一ヶ月かかった。

 

 善逸と伊之助は一週間くらいで覚えていたことからやり方を変えればもう少し早く覚えられると考えたので訓練をしている。

 

 『水の呼吸 壱ノ型 水面斬り』

 

 炭治郎は水平に俺に斬りかかる。それを上に飛び避ける。

 

 『水の呼吸 捌ノ型 滝壷』

 

 空中にいる俺に飛び上がりながら上から斬りかかる。

 俺は空中で体を捻り交わす。

 

「く!…はあああ!」

『水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き』

 

 着地した俺にかかるように突きを繰り出す。

 ……この辺が限界かな?

 

「水の呼吸……く……はぁ…はぁ」

「一旦やめよう」

「す……すいません」

 

 型を連発したからか、その場でもがいて苦しむ。

 頭がキーンとなるんだよなぁ。

 

 俺も全集中常中の訓練でよくなってたなあ。

 

「病み上がりもあるだろうけど、3回が限界だな」

「……はい」

 

 俺は炭治郎の隣に座り話しかける。

 

「全集中の呼吸は体にかかる負担がすごいからな。連続で使うと誰でもそうなる」

「はぁ…はぁ…はい」

「それが今の炭治郎の限界だ」

 

 ショックを受ける炭治郎。少し焦りが見えてきたな。

 

「今の俺との訓練の意味……わかるか?」

「いえ……わかりません」

 

 呼吸が落ち着いてきたので話を進める。

 とりあえず、話をわかりやすくしていこう。

 

「炭治郎は戦っていて、型が連続で使えたらと思ったことはないか?」

「はい。あります。でも、無理だと思います。今みたいに連続で呼吸を使えば動けなくなってしまいますので」

「まぁね。それが普通だよな」

 

 うん、頃合いだな。

 

「全集中の呼吸は、増強させた心肺により、一度に大量の酸素を血中に取り込む事で、血管や筋肉を強化・熱化させて瞬間的に身体能力を大幅に上昇させる術だ。それは知っているね」

「はい」

「実は、全集中の呼吸には常中という技術がある」

「常中?」

「そう。今はそのままの意味で全集中の呼吸を24時間常に続けること。これは柱はもちろん、鬼殺隊の上の階級のものなら誰でも習得している基本的な技術だ」

「……くは!……はぁ…はぁ」

 

 俺の説明を聞き、すぐに実行したらしく、呼吸を乱した。

 それほどまでにきついのだろう。一応変な先入観を与えないために基本的な技術と言ったが、本当に習得が難しい。

 

 俺も一年間かかったし。

 

「こ、これをずっとですか?」

「そう。常中を習得できれば基本的な体力をあげることができる。とりあえず、戦う技術を教える前にまずはこれを習得しないことには始まらない」

「……そうですか」

「そんなに難しく考えなくていい。わからなかったらなんでも聞いていいし、アドバイスもしよう。この森林もいつでも使っていいから」

「……頑張ります」

 

 炭治郎は黙々と訓練を開始したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「獪岳さん!できました!」

 

 訓練を始めて一週間が経過した。

 俺はおすすめの訓練方法を教えたり、あとはきよ、なほ、すみの3人に協力をお願いしただけなのだが……へ?この短期間で習得したの?

 たった一週間……へぇ。

 

 あれ?原作だと1月かかってなかった?

 

 ……あれ?

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 あれ?

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