俺が桑島慈悟郎さん………先生の弟子になって三年が経った。
この三年は充実していた。
なんたって元柱から直々に指南を受けられたのだ。
これほど喜ばしいことはない。
そういえば善逸はまだ来ないのだろうか?
もう少し経ったらくるのかな?
閑話休題。
俺が先生の弟子になった後、今後の方針を決めた。
ちなみにクズにならないための方針ではなく、どうやって生き延びるかだ。
獪岳の一番の壁は上弦の壱、黒死牟だろう。
でも、正直こいつと会うかは分からん。
もうすでに多少原作を変えてしまってるし、会うことはないと思う。
でも、原作の強制力。これの存在は否定できない。
だから会ったとしても対抗しうるだけの力が欲しい。
生き延びることができるだけの力が欲しい。
だから俺はこの三年間、一つの方針を決め、鍛え続けてきた。
ーーー極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走である。
この方針からひたすら二つのことを続けている。
一つ目は熱界雷を極限まで鍛える事。
雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷は下から上に切り上げ、斬撃波を飛ばす型だ。この型を少し改良して如何に威力のある斬撃波を飛ばすかに重点をおき研鑽した。
もちろん他の型も壱の型以外全てできる。
でも原作が始まっていないが、こんなクズキャラ獪岳がまともに鍛えて強くなることは無理と判断。
何より、真っ向から闘い続けたとしても死ぬリスクが上がるだけなので、生き延びるためだけにこの型を鍛え続けた。
しかし先生から
「こら獪岳!!一つの型のみじゃなく他の型も練習せんか!!何にそんな生き急いどる?お前には才能がある!!」
「俺は死にたくないんです先生!!俺みたいなクズなノロマでチキンな人間は一つのことをするしかないんです。それに俺壱の型できないじゃないですか?基本すらできない俺は才能ないんです。だから一つのことをやるしかないんです」
「獪岳……決してお前は自分が思っているような人間じゃない!!もっと自分に自信を持て!!」
「自信を身につけるために一つのことしかしてないんです先生!!それに俺は絶対死にたくない!!俺が死んだら悲しむ人もいる。せっかく先生から助けていただいたんです。俺は先生を悲しませたくないんです」
「獪岳………」
「だから見逃してくれよじいちゃん!!」
「先生と呼べ!!」
とまーこんなやりとりが日常茶飯事にやっている。
でも、先生も最近認めて……いや、諦めてるのか何も言ってこなくなった。
先生には悪いが死にたくないのだ。
だから熱界雷のみを鍛え続けている。
二つ目は全集中常中を身につけ、ひたすら下半身を鍛え続ける。
全集中常中は一年くらいかかってしまったが……。
下半身を鍛える理由は簡単!もしも熱界雷で相手を吹き飛ばした後、相手から距離を空けるため。
そして圧倒的スピードで相手を翻弄し、朝までの時間を稼ぐため。
だから俺は山に入り、ひたすら走り続けた。
重りを背負い、バーピィをし続けた。
ちなみにバーピィをし続けた理由は鍛えるのに効率がいいからだ。
鬼を殺すには二つの方法がある。
一つ目は日輪刀で首を斬る。二つ目は太陽に浴びせる。
鬼の活動時間は太陽の出てない夜間のみ。
どんな鬼でも、太陽は恐怖だ。
たとえ十二鬼月でもこれには勝てない。
だから太陽が出てくるまでひたすら避ける、逃げる、熱界雷で相手を吹き飛ばす。
これを続けようと決めた。
途中で鬼が諦めるかもしれないし。
それができれば儲けもんだ。
だから俺は三年間ひたすら貪欲に己を鍛えまくった。
今日は先生から呼び出しがかかった。
ついに善逸が来るのかな!?そう俺は期待した………が、
「獪岳……この三年間お前は自分の意思を貫き、己を鍛え続けた」
「ありがとうございます先生」
呼ばれるなり褒められた?
周りを見ると善逸がいない。あれ?善逸どこ?
「………最終選抜に行く許可を出そう。頑張るのじゃぞ!獪岳」
「え?」
あれ?善逸は?
………あれ?