極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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花魁候補、なんのこと?

「花魁花魁!あそぼ、あそぼ」

「はいはい」

「花魁!」

「うん?」

「御本読んで」

「はいよ……どれにするの?」

「うんとねー」

 

 うん、ここは平和だなぁ。

 ここはときと屋。

 天元の妻の一人、須磨さんが潜入していた場所。

 俺はそこで遊女として潜入していた。もう一度言おう。

 遊女として……だ。

 

「鯉夏花魁、失礼します」

「あら、カナコちゃん」

 

 俺は鯉夏花魁から頼まれていたお茶とお菓子を持ち入室した。

 鯉夏花魁は禿の二人と遊んでいた。

 

 

 俺は化粧をし、声も女声に変えている。声変性は天元から教わった。

 

 原作ならばここには炭治郎が潜入するのだが俺がこの場にいる。

 ちなみに京極屋には炭治郎、萩本屋にはカナエが潜入中。

 

 伊之助と善逸は売れ残り、二人は天元と外から探っている。

 

 俺は事前に天元と話し合い、入るところは決めていた。足抜けや行方不明になる花魁や遊女たちの情報から決めた。

 行方不明になる人たちは身請けが決まっている人がほとんど。

 鯉夏花魁は身請け前日に襲われる。その可能性が高いと天元に話し潜入先を決めた。

 

「カナコちゃん、疲れているでしょ?少しここでやすみなさい」

「え?」

「カナコちゃんもあそぼ!」

「一緒に御本読も!」

 

 

 鯉夏花魁から提案され少し休むことにする。カナコというのは俺の遊女としての名前で雑用をやりつつ芸を磨いている。

 

 今この場には鯉夏花魁から4人分のお茶とお菓子を持ってくるように言われたからきたのだが。

 

「無理をするのは良くないわよ」

「……お気遣いありがとうございます」

「はい。よろしい」

 

 鯉夏花魁はもしかして俺に気を遣ってくれたのかな?

 別に疲れることはないけど、そういえば少しオーバーワークだったかもしれない。一日中荷物運びに掃除、洗濯、炊事……うん普通の女性はここまで重労働はできないな。こりゃ心配かけて当然か。

 

 俺はその場に座り人数分のお茶とお菓子が載っているお盆を机に置いた。

 

「どうだい?ここには慣れた?」

「はい。皆さんよくしてくださって……お陰様で」

 

 鯉夏花魁は一言で言えば心優しい。入ったばかりの新人の俺まで気を使ってくれている。

 

「ならよかったよ」

「お心遣いありがとうございます」

 

 ここにきて数日、分かったことは少ない。一応調べて分かったことは須磨さんが足抜けしたという話だけ。日記も見つかり、そこには足抜けしますと書かれていたそうだ。

 なんともまぁわかりやすい偽装工作、原作と同じだ。

 

 やはり調査して足抜けした人は大体同じような形で証拠が残っていることがわかった。

 

「ねぇねぇカナコちゃん!一緒に遊ぼうよ!」

「わっちもわっちも!」

「はい」

 

 この二人の禿たちにも随分と懐かれたものだ。これも鯉夏花魁のおかげかな?もしかして自分がいなくなった後のことも考え俺が心を許せる存在を作ってくれたのかもしれない。

 

 ……その厚意を裏切る形で返してしまうのが申し訳ないな。

 

「なら、カナコちゃんに御本読んでもらったら?」

「「うん!」」

「お願いね」

「はい」

 

 俺はこの後禿の二人の前で本を読んだ。

 もう、明日には出て行く。……本当に申し訳ない。俺は心の中で謝罪するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、俺らは集まり集めた情報の共有のため集まっていた。

 潜入していた俺、外から探りを入れていた天元、サポートに徹していた善逸の3人が集まった

 炭治郎は今、身動きが取れないらしい。おそらく……いや十中八九鬼に目をつけられている。

 

 ここ数日、調べて行くうちに原作とは違い、蕨姫花魁が鬼である可能性が高まった。外から探りを入れていた善逸が耳で聞いたらしい。

 だから炭治郎は身動きが取れないらしく、今は蕨姫花魁……堕姫を警戒しつつも待機している。

 伊之助も何かあったときに対応するため近場で待機している。

 だが、一つ気になるのは。

 

「カナエは?」

 

 ふと、集まっているメンバーが足りないことに気がつく。

 

「あー、カナエさんなら芸を磨いているよ」

「……は?」

 

 え、今善逸なんて言った?

 まだ入って数日だよな?

 

「善逸……ごめん……意味わからないんだけど」

「今や胡蝶姉は派手に吉原一の花魁候補だ」

「……まじなん?天元」

 

 マジですか?

 

「ああ、マジだ。胡蝶姉の容姿は派手に優れてるってのもあるが、地味に努力を怠らねぇ」

「いや、あいつ俺の嫁よ?……何目指してんだよ。え?他の男に何かされてへんよな?」

「おい、落ち着けよ。地味に口調おかしくなってるぞ」

「まさかカナエ……本気で花魁目指してるわけじゃないよな?……やばくね?」

「派手に男のくせに花魁候補になってるお前が言うんじゃねぇよ!」

 

 何やってんだよカナエ。

 いや、それよりも。

 

「なんだよ……その、俺が花魁候補とかって」

「善逸が外からときと屋見てる時に聞いたんだとよ。明日には鯉夏花魁が身請けが決まってんだろ。それで有力候補がお前らしい」

「……え?善逸、嘘だよな?」

 

 本当に悪い冗談だ。俺は唯頼まれたことをやってただけの……はず。あれ?今思えば周りの遊女たちに比べて熱心に指導されてるような。

 

「聞き間違いじゃないよ。俺……耳はいいし、何回も聞いてたから」

「えぇ……」

 

 マジだったわ。

 どうしよう。期待させて最後に裏切るって。

 最悪のやろうじゃん。

 

「そんな些細なこたぁ、どうでもいい。地味に時間がねぇ。早く集めた情報共有をするぞ」

「いや……わかったよ」

 

 俺は納得できないが、切り替え情報共有を開始した。

 

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