天元たちと情報共有してわかったこと。
雛鶴さんの居場所、蕨姫が鬼の可能性……これは確信。遊郭の地面の下に不自然な空洞がある。
最後のは天元、善逸の二人が共通して同意見らしく、おそらくそこに襲われた人たちがいるかもしれないと思ったらしい。
天元は雛鶴さんを早く助け出したいらしいが今助けると鬼がさらに警戒する可能性があると我慢している。
作戦決行は鯉夏花魁の身請け前夜。その時に助け出す。
作戦の流れはこうだ。
堕姫が鯉夏花魁を攫おうとした瞬間、作戦開始。
気になっている空洞の地面を天元が掘る。伊之助がひな鶴さんの救出を同時に行う。
大雑把だが、シンプルな方がいい。
原作でも柱が来ているのにも関わらず堕姫は大胆に行動をした。
それに調査により身請けが決まっているものは必ず襲っているとわかっている。今夜が決戦だろう。
俺はなるべく気配を消して鯉夏花魁を守りながら交戦をする。
みんなが揃い次第、鯉夏花魁を避難させ戦闘開始。
上弦の六は二体で一体だ。
同時に首を斬らなければ倒せない。だから妓夫太郎が出てくる前に戻るのが最善だろう。
それぞれの役割確認後、別れた。
その日の夕方。
俺は仕事をしながら鯉夏花魁が最後の1日を過ごすのを見ていた。
「花魁、お茶をお持ちしました」
「ありがとう。もう支度はいいからご飯を食べておいで」
「はーい!」
「ご飯お先でーす」
「お先でーす!」
鯉夏花魁は禿の二人にそう言うと、部屋を退出した。
その後禿の二人は襖から顔を出して。
「ん?」
「鯉夏花魁大好き!」
「わっちも大好き!」
その二人の行動に鯉夏花魁は微笑んだ。
「はいはい。私も大好きよ。わかったから行きなさい!」
「「はーい」」
禿の二人は笑いながら退室していった。俺はタイミングに合わせて入室した。
「鯉夏花魁……お話ししたいことがありまして、少しお時間よろしいですか?」
「カナコちゃん?ええ。入って」
俺は鯉夏花魁に許可をもらうと入室した。鯉夏花魁に近くに座るよう促される。
「それで、どうかしたの?」
「……単刀直入に言います。私はときと屋を出ます」
「……え?……どうして?」
戸惑う鯉夏花魁。
俺は正直に全てを話す。
「実は私は最近起こっている事件の調査のため潜入していたのです」
「事件……もしかして須磨ちゃんのことを気にしていたのは」
「はい。実は須磨は私の仲間です。音信不通になってしまい、私が急遽調査のためきました。……鯉夏花魁に良くして頂いたのに……恩を仇で返すような形になってしまい申し訳ありません」
「そう……残念ね」
鯉夏花魁は少し俯く。いきなりのことで考えを整理しているのだろう。それから10秒ほどたち話し始める。
「私ね……明日にはこの街を出て行くのよ」
「はい」
「最近物騒なことが起こって。だから残して行くみんなのことが心配だったの」
「……私はそれを解決するためにいます。……必ず解決します。私の仲間が準備を整えています。……ですので鯉夏花魁も安心してください」
「そう」
必ず解決する。それは約束したい。だが、完全に被害を抑えられるかと聞かれれば俺は無理と断言できる。
でも、少しでも被害を少なくする努力はする。
「本当はカナコちゃんにはときと屋をお願いしたかったんだけどね。貴方は花魁になる素質があるし、あの子たちも貴方を慕っていたから」
……俺は鯉夏花魁の言葉になんといえば良いのかわからなかった。だが、あまり長居はできない。
「……私はもう行きます。鯉夏花魁……お幸せに」
「ありがとうカナコちゃん。……気をつけてね」
「はい」
俺はその場を後にした。
その後俺は来ていた袴を脱ぎすて隊服になる。日輪刀を持ちその場を離れる。
もうすぐ堕姫がくるはず。俺が近くに居ては警戒されて近づかないかもしれない。
俺は近くで気配を沈めて待機する。
「……よかった。……現れた」
ごそっと小さい物音と共に強い気配が現れ、俺は高速で鯉夏花魁の部屋へと向かう。ついたそこには周囲に帯が漂う白い肌に露出が多い女の鬼……堕姫、そして怯える鯉夏花魁。
「誰よあんた」
『雷の呼吸 五の型 熱界雷』
俺は窓の外に向かい技を放ち堕姫を外へ飛ばす。
「何すんのよ!」
外で堕姫は怒り殺気を飛ばしてきた。
俺は気にせず鯉夏花魁を守るように立つ。
「え……貴方は……一体」
……あ、そういえば俺男って白状してねぇわ。
なら、ここは正直に言うべき……いや、初対面ってことにしよう。
「俺の名は獪岳。……あいつを倒すためにきた」
「もしかしてカナコちゃんの」
「そうだ」
俺は堕姫から目を離さず端的に説明する。
「鯉夏花魁、急で申し訳ないがここは危険だ。逃げてくれ」
「……はい」
鯉夏花魁は返事し、逃げていった。
「逃すわけないでしょ!」
「どうかな?」
『雷の呼吸 五の呼吸 熱界雷 四連』
堕姫は帯で四方向から攻撃を迎撃。帯は熱界雷の効果で弾き飛ばされ建物は破損する。
「……何すんのよ……?!なに!…雛鶴?……萩本屋の方も騒がしいわね」
ドカンッと突然の爆発音に堕姫は驚く。……天元たちが動き始めたか。
「ふ、始まったか」
相変わらず派手なやつだ。だが、開戦の合図は派手なくらいがちょうど良い。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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タイトルは「甘い話には罠がある〜俺の奇行は世界を救う」
オリジナルの短編投稿しました。文字数は二万文字弱、
興味のある方、暇つぶしによろしければお読みください。