極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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鬼殺隊を舐めるな。

「はぁ?何かと思ったら、下っ端じゃねぇか?そんな奴らに何ができる?」

「舐めてると足元救われるぞ?」

「やってみろよ」

 

 援軍の登場に一瞬戸惑った妓夫太郎だったが、挑発してきた。

 ならすぐに見せてやるよ。

 

「善逸、俺らであいつら引き離すぞ。……できるな?」

「………ああ。任せろ」

「何する気だ?あん?」

 

 善逸は気絶している時は本当に頼りになる。いつから寝ていたのかはわからないが、これなら問題なく達成できる。

 妓夫太郎は身構えることなく見ている。

 

『雷の呼吸 五の型 熱界雷』

『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』

 

 善逸の技は猗窩座の件を糧に進化した。

 こいつは俺以上の逸材だと思う。俺よりも早く訓練していれば、完全に超えていた。

 

 善逸の持つポテンシャルは高すぎる。それを俺はここ四ヶ月で改めて認識することになった。

 

『『八連』』

 

 俺が数年の月日をかけてやっと届き得た境地に四ヶ月と短い期間で踏み込む。。

 

「こんなもの!」

『跋弧跳梁』

 

 妓夫太郎は正面に血の斬撃で天蓋を作り防御しようとした。

 だが甘い。お前は2つのミスを犯した。1つは俺の技はその程度の防御では相殺できない。2つは善逸の速さを見誤った。

 

「なに!」

「うそ!」

 

 そのミスは致命的だ。

 俺の熱界雷により妓夫太郎は体勢を崩し、その隙を善逸が霹靂一閃で周囲の帯を斬り裂き、堕姫と妓夫太郎を引き離した。

 

「炭治郎、伊之助は女の鬼を頼む!この鬼たちは二体同時に首を斬らないと倒せない!」

「まかせろ!」

「は……はい!」

 

 指示すると伊之助は即答し、炭治郎は何故か嬉しそうな表情し返答する。

 

 炭治郎の表情が一瞬気になるも、切り替え妓夫太郎に向き直る。

 

「やってくれたなぁ……お前ら」

「言ったろう?足元救われるって……あまり、あいつらを舐めてんじゃねぇぞ」

「速攻で勝つぞ!」

「行くぞ!」

 

 こうして戦闘が再び始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺は獪岳のようにはなれない)

 

 それが天元が妓夫太郎と戦っている中で思ったことだ。

 同日に下弦の壱と上弦の参、2体の十二鬼月に遭遇したのにも関わらず一人の死傷者も出すことなく、全てを守り抜いた。

 

 もしも天元が無限列車の任務をこなしたら守り切る自信がない。

 そう思えてならなかった。

   

 天元は獪岳を尊敬しているし信用している。

 

 柱合会議で初めて会った時、天元にとって獪岳は底知れない存在だった。突出した才能がないのに何故か柱と対等の実力を持つ。上弦二体と遭遇するも生還する。

 

 一つのことを極限まで鍛え続けた一芸特化、進化を続ける。

 「底知れない奴」

 天元にとって獪岳を一言で表すとこれだ。

 

 天元は獪岳を鬼殺隊の中で最も頼りになる存在だと思っている。お互い訓練した仲、妻がいるから交流することも柱の中でしのぶを除けば最も多いだろう。

 だから、妓夫太郎の血鬼術を気にせずに接近戦だけに集中できる。

 

 今も妓夫太郎との戦闘は続く。

  

「負ける気がしねぇ!」

 

 猛毒を喰らい、解毒薬を打っても毒の巡りは止まらず、倒れるのも時間の問題。

 だが、獪岳がいれば負ける気がしない。

 

 妓夫太郎を倒すための譜面がもうすぐ完成する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 炭治郎、善逸、伊之助の3人は目の前の上弦の片割れ相手に戦うも恐怖や萎縮することなく感情は昂っていた。

 

 それは獪岳に任された、というのが一番の理由だろう。

 4ヶ月前、自分達は無力であった。獪岳に守られ自分達の力のなさを味わった。

 

 それでこの4ヶ月、仕事以外は全て訓練に当てた。

 カナエに直接指導をお願いした。

 

 相手は上弦、また待機と言われるかも知れないと不安に思っていた。

 

『善逸、俺らであいつら引き離すぞ。……できるな?』

『炭治郎、伊之助は女の鬼を頼む!この鬼たちは二体同時に首を斬らないと倒せない!』

 

 自分達が尊敬する獪岳が自分達を頼ってくれた。実力を認めてくれた。

 今は目の前の戦闘に集中しなければいけないのに、何故か心から嬉しさが込み上げてニヤケが止まらない。

 

「不細工ども!何ニヤケてんのよ!気持ち悪いわね!」

 

 その表情にイラつく堕姫。だが、それでも収まらない感情の昂り。

 

「譜面が完成した!勝ちに行くぞ!」

 

 天元の突然の知らせ。意味がわからないが、何となく首を斬れと察した。

 

「俺様があの鬼の首を斬る!」

「なら俺と善逸は伊之助の補助を」

「わかった!任せろ!」

 

 伊之助、炭治郎、善逸は瞬時に意見を交わし自分の役割を決めた。それをできたのは3人が築き上げた信用から。

 

「3人なら勝てるぜ!遅れんじゃねぇぞ!子分ども!」

『獣の呼吸 捌ノ型 爆裂猛進』

 

 伊之助は炭治郎と善逸を信じて突っ込む。

 迫りくる無数の帯。

 

『水の呼吸 参ノ型 流流舞い』

『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 八連』

 

 炭治郎、善逸は伊之助に迫る帯を捌き続ける。

 

「うぉぉぉぉ!」

 

 伊之助は防御を捨て直進のみに集中、堕姫に接近する。

 

「決めるぜ」

 

 振り上げた二刀の刀を堕姫の左右の首に刃をつける。

 

『獣の呼吸 陸ノ牙 乱杭咬み』

「え?」

 

 伊之助の刃は堕姫の首を切り裂いた。

 

 

 

 




最後まで読んでくださりありがとうございました。
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