極めろ熱界雷!!目指せ一撃逃走   作:花河相

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………は?

 

 

 

 俺と上弦の参……猗窩座の戦闘は俺の防戦一方だ。この光景はまさに鬼ごっこ。

 俺は猗窩座から常に逃げ続け、熱界雷で迎撃や攻撃を繰り返す。

 対して猗窩座は追撃、血鬼術を使い攻撃を繰り返す。

 俺自身も驚いたことなのだが、あの猗窩座相手にギリギリ持ち堪えている。

 ただ、現状はジリ貧だ。

 俺と猗窩座は速さだけならほぼ互角。

 しかし、それ以外は雲泥の差。猗窩座は攻撃を受けても即座に完治、血鬼術破壊式による万能すぎる攻撃手段。そして無限の体力。

 それに比べて俺はというと、一撃即死、体力の限界。

 何より唯一の攻撃手段である熱界雷はほぼ無力化されてしまう。

 本当に無理ゲーだ。

 幸か不幸か地は俺が利していた。

 しかし時間が経つにつれてどんどん不利になっていく。

 

「防戦一方では無いか。まだ何か隠しているのだろう?早く見せたらどうだ?」

『破壊殺 空式』

「うるせぇ!」

『雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷 三連』

 

 俺はできる限り東の方向へ森林の木々や大岩を伝って高速で移動をしており、その後を猗窩座がついて来ている。

 その過程で猗窩座はそんな俺に対して、遠距離攻撃の衝撃波で攻撃。

 俺はそれを熱界雷で迎撃、躱しひたすら避け、隙さえあれば熱界雷で猗窩座に攻撃をする。

 熱界雷は四連までしか見せていない。

 まだ猗窩座は俺がまだ何か隠していると思っており、完全には攻め込めていない。

 この戦闘で運が良かった点は二つ。

 一つ目は今の森林の地形は俺が三年間修業した地形に似ている。そのおかげで地形を活かして戦えている。

 二つ目は猗窩座自身が森林の地を活かすのが苦手としていたこと。

 本当に運が良かった。

 しかしこの均衡は長くは続かない。 

 猗窩座は拳の衝撃波で次々に木々を薙ぎ倒していく。

 そのせいで俺の足場がどんどんなくなり、行動範囲が狭くなっていく。

 そして次の猗窩座の攻撃で完全に崩れた。 

 

「ちょこまかと!」

『破壊殺 砕式 万葉閃柳』

 

ドゴーン!

 

 猗窩座は大きく振りかぶった腕を地面に叩きつけ、地面を叩き割る。 

 地形が崩れてしまい木々が倒れていく。

 

「?!」

 

 木々が倒れてしまったせいか、足場に使おうとした木が不安定になり体勢を崩してしまった。

 猗窩座はその隙をつき接近し、正拳突きをしようとする

 

「終わりだ!」

「まだだ!!」

『雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷 六連』

「何!!」

 

 俺は熱界雷 六連を使って猗窩座を飛ばす。

 俺は着地をできず、体を地面に強打してしまう。

 しかし、上手く受け身を取ったおかげで致命傷は避けた。

 それに対して猗窩座はというと、熱界雷 六連でかなりの威力で飛ばされ、地面に叩きつけられ、止まった時には手足がありえない方向に曲がっていた。

 しかし流石は鬼、即座に完治させてしまった。

 こう言うところは本当に卑怯だ。

 もう終わりだ。

 ついに奥の手を使ってしまい、打つ手がない。

 でもしょうがない。

 それを使わなかったら死んでいた。

 でも、ただ死の時間が延びただけだ。

 無理な体勢から型を使ってしまった為、身体中に激痛が走る。

 そして木々の移動で失敗した時、足首を捻ってしまった。

 多分骨折しているだろう。

 俺はもう戦えない。

 

「やはりまだ上があったか。だが、流石に限界のようだな」

 

 そう言いながら猗窩座が歩いて近づいて来た。

 

「褒めてやろう。よく非才の身でここまでの領域に踏み込んだ。お前の速さ、一つの技のみならば至高の領域に近い」

「……そりゃどうも。まさか上弦の参に褒められるとは思わなかったよ」

 

 限界に達し動けない俺に対して猗窩座が褒めてきた。 

 猗窩座は話を続ける。

 

「お前名前は?」

「………獪岳」

「そうか………」

 

 猗窩座は俺の名を聞くと何故か考え始める。

 そして数秒考え、話しかけてくる。

 

「獪岳、俺は弱い人間は嫌いだ。俺は始めお前をただの雑魚だと思っていた。闘気の練り上げが未熟なお前を。だが、結果は違った。防戦一方ではあったが、柱でも無いのにこの俺相手に善戦した。全てを捨て、速さと一つの技のみを鍛え続けるとは到底正気の沙汰ではない。お前は稀有な存在なのだろう」

「………」

「まだまだ未熟ではあるが獪岳、お前には権利がある」

「……権利?」

 

 猗窩座は俺を称賛し、褒めた。

 そして、俺に対して一つの提案をして来た。

 

「鬼になれ獪岳、未熟だが、永遠の時を鍛えればいずれ本物になる」

  

 

 

 

 

………は?

 

 

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