【本編完結】コントラクト・スプラウト ~ おじさんでしたが実在合法美少女エルフになったので配信者やりながら世界救うことにしました ~ 作:縁樹
気がついたらあと1か月そこらで今年おわるじゃん……
「ヘィリィ! ご機嫌よう! 親愛なる視聴者の皆さ多くない!? 待って、まって、ひと多くない!? ちょっと!?」
「そりゃー告知バッチリだもんねー。……というわけで! 超有能実在
「はいっ! おうちでは皆さまのごはんとお洗濯、そして『わうわう』担当の
「に。おうちではお掃除と、
「おうちではお昼寝と味見と『ゆーすく』の調査とお昼寝と、あと『きゃるきゃる』担当! かわいいかわいい
「今日は機材係なんで、声だけで失礼しますね。広報およびおじさん担当の初芽ちゃんっすよー」
「…………き、局長にょ、
「どうして今さら噛むのさ……」
「だ、だってぇ!!」
おひさしぶりです。親愛なる視聴者の皆様。泣く子も笑う
ほんじつはですね、なんとわたしたち『のわめでぃあ』がですね……先日から度々アピールしてきましたが、なんと登録者数がついにねんがんの百万人を達成しましてですね!
つまりはですね、本日はいわば『
世間は早いもので、あと六時間も後には新年を迎えようとしていまして。
つまりはですね、今回はなんと『百万人記念配信』と『年越し配信』を兼ねてしまおうという、たいへん手抜き……もとい、おトクな配信をお送りしようという魂胆なわけなのですよ!
チャンネル登録者百万人到達自体は、ありがたいことに数週間前には達成していたわけなのですが……なんというかですね、オフレコになるのですが
しかしながら、年越し配信はおれが是非ともやりたいと思っていたことだったので――去年は鶴城さんで巫女さん
まぁつまりは……今日くらいはめいっぱい楽しんじゃおうぜ、ってことなんですな!!
「本日は年の瀬のお忙しい中、みなさん本当にありがとうございます! ……こんなにもたくさんの皆さんに遊びに来ていただけて、『のわめでぃあ』一同とてもうれしく思います!」
「そう、もう年末なんすよねぇ…………コミフェス行った人どうでした? 後でオレの
「ほグゥーーーー!!?」
「年をまたぐ瞬間は、みんな忙しいだろうし……なので他のヒトを巻き込める企画は時間あるウチにやっときたいよね。……というわけで! さっそくだけど始めちゃおっか!」
「ま、まって、わたしはまだエッチブックのショックからかいふくしてな…………ま、まって! 早い早い早い! ちょ、コラッ誰ですか発信しまくってる困ったさんは!? まだ受付開始してないでしょお!!」
「じゃあ開始しちゃおっか。ハイ
「開始する前からすごく
そうそう……こういうの。
ずーっと憧れてた。ずーーっと夢見てた。その光景が今まさに、目の前で繰り広げられようとしてるのだ。
ほかならぬおれの手で始めた、おれたちの
そんなの……嬉しいに決まってる。
『あんなに熱い一夜を過ごしたのに! ぼくのことは遊びだったんですね!?』
「語弊がありますしまずは名乗ってください!! あと領主キャラどこ置いてきたんですか!?」
「み、みるくどの! みるくどのであるか!」
『えっへへぇー! そうですよ
「諦めないでくださいよ! わたしはミルさんの領主様キャラかっこよくて好きですよ!?」
『おフッ!? ……まぁ、褒められて悪い気はせぬな。余は実在
「はい自己紹介ありがとうございます! お客さま記念すべきお一人め! 『にじキャラ』Ⅳ期生【
『わかめさんに言われたくはありませんが!』
「口調」
『ぬ、ぐ…………ひ、卑怯であるぞ!?』
「がはは」
当然今回のおれもご多分に漏れず、おれだけじゃなく
……というわけで、さっそく新アイテムをご紹介しましょう。
セッティング担当の
表面にゴム質のシートが貼り付けられ、そのド真ん中には釘が打たれ、その釘から周囲へ向けて放射状に直線が伸ばされた……まぁもういいか。ルーレットですわ。
ちなみにこちらの大道具ですが……例の番組の動画を見せて『こんな感じで』とお願いしてみたところ、
「じゃあ
「はいっ! ご期待に応えてご覧にいれまするっ!」
「アーカワイイ!」
壁際に立て掛けられた巨大ルーレットが勢いよく回され、
果たして、彼女の可愛らしいおててから(多分に手心を加えられて)放たれたダーツは、幸いにもタワシ……もとい
「…………えー、あの、えっと…………」
「はわわわわわわうわうわう」
「いきなり引いちゃったかぁ。…………『今日のパンツの色』……なん、です、けど」
『パンツですかぁ……黒ですねぇ』
「おフッ!? え、ちょっ!?」
「わ、わうぅぅぅぅ!!?」
『いえ、その……わかりますよ? ぼくってばイメージカラー真っ白ですし、突っ込みたいのもわかりますけど……』
「う、うん、まぁミルさんといえば白っていうイメージはあるんですけど、あの、でもですね、」
『そうなんですよ。でもですね、ボクサータイプで白いパンツってなかなか無くてですね、売ってるの大抵黒とかグレーとかが多いんですけど、』
「そこじゃないんだよなあ!!!」
『トランクスタイプだとやっぱほら、心許ないんですよ。不安定っていうか、ぶらぶらっていうか。だからといってブーメランはさすがにどうかと思いますし、なのでボクサータイプの』
「ま、まって! 待って! 待って!? 一旦落ち着いてくださいミルさん!! これ以上はわたしが
『じゃあ帳消しにしましょう。わかめさんの今日のパンツは何色なんですか?』
「ライトブルーです! ………………ちょっと!?」
『
「は、はいっ! さくら色で「わあああああああ!! ンナアアアアアアアア!!?」
『ごちそうさまです!!!』
「ちょっと!!!?」
けらけらと悪びれた様子もなく笑っている、公私共に非常に懇意にさせてもらっている配信者、ミルク・イシェルさん。
自信満々に『今のでお咎め無しですよ』なーんて言っちゃってる彼だが……おれと同様リアル受肉を果たしてからというもの、随分とオープンな性格が
以前の彼は、『領主』として(のキャラクターを演じて)振る舞わなきゃならない
しかし……ほんにんの言葉を借りる限りでは、『
特にここ最近は……もはや『男の娘』としての
それがまた男性視聴者さんたちに大いにウケてましてですね、清楚で可憐な見た目(とお声)とちょっとエッチな本性とのギャップが新たなファンを獲得しているらしい。
「こ、この話題は危険です! 色々と危険です!!
「は、はいっ! えいっ!」
『えー、もっとパンツのお話ししません? 視聴者さんきっと興味ありますよ?』
「ハイ次の話題はァー! 『いちばん尊敬している人物』! さぁどうですか!?」
『無理やりだなぁ』
「いいから!!」
ミルさんに言われるまでもなく、好色なわれらが視聴者さんたちはパンツの話題に興味津々である。
しかしながら、そこは小学生も見てる健全チャンネル『のわめでぃあ』である。センシティブな話題になる前に
……いや、『ぶらぶら』とか言っちゃってたけど。まぁそれだけならセーフでしょう。……多分。
「いいから! 尊敬してるひとです、尊敬してるひと! ちなみに、わたしはですね…………手前みそで恐縮なのですが、ラニちゃんこと
「『おぉ!?』」「「おぉー」」
「…………うん。やっぱそうですね。わたしがこうして、この日を迎えられているのも……ラニが一緒にいてくれてるからですし。もちろんモリ……
「あ、あの……ごしゅじんどの? えっとあの、かわいい小生は」
「とても責任感が強くて、視野が広くて、面倒見がよくて、いい意味で諦めが悪くて、よく気が利いて。…………ちょっとだけエッチなとこありますけど、とても尊敬してる……大切な相棒です」
「ぅノワぁーーーー!!!」
「ぅごわァーーーー!!?」
『あぁ~~
「あ、あの、ごしゅじん……あの」
もしもラニが……いや、ニコラさんが【魔王】メイルスの追跡を諦め、この世界に来なかったら。
おれは敵の正体も目的も知ることなく、やがては【魔王】メイルスの目論み通り、『異世界』と不完全な合一を果たしてしまっていただろう。
おれはそれを阻止しようとしたかもしれないけど、恐らくは勝てなかっただろうし……【使徒】として仕立て上げられた彼女たちの何人か、あるいは全員は、世界の境界を破るための爆弾にされて……その幼い命を散らしていただろう。
世界は今よりもっともっと混乱していただろうし、社会の体裁さえ保てていたかわからない。
こうして平和に……アホみたいな配信に興じることだって、きっとできなかった。そもそも、
この、ちっちゃくて可愛らしくて好奇心旺盛で、ちょっと破廉恥でえっちな妖精さんを……実はおれは、とても尊敬しているのだ。
『……まぁ、そんな
「最初から真面目にやってくださいよ。あと口調」
『…………そこはまぁ、ほら。やっぱ今更ですので』
「グヌーーーー!!?」
『まぁ続けますよ。……こっ恥ずかしいんで、一度しか言いません。ぼくが最も尊敬している人物はですね…………世界初の実在
「…………ヌ??」「おほぉーー!」
『彼女は覚えてるかどうかわかりませんが……およそ一年くらい前ですかね。一身上の都合で塞ぎ込んで……スランプだったぼくに、打開するきっかけを与えてくれました。悩みを聞いて、彼女ならではのアドバイスをくれて、親身になって接してくれて……外に連れ出してくれました。そのおかげで
「…………忘れるわけ、ないですよ」
『………………えへへー』
……そうとも、忘れるわけがない。
彼の存在はおれにとって、状況を大きく好転させるきっかけとなったのは、紛れもない事実だ。
『苗』にまつわるアレコレで大きな助けとなっただけじゃなく、配信者業界大手の『にじキャラ』さんと深く関わることができたのも、彼らのおかげなのだ。
ミルク・イシェルさんと、村崎うにさん(の
そこそこ忙しくなってからも、ことあるごとに気にかけてくれて……あれやこれやと手助けしてくれた。
そんな存在が。おれが以前から憧れを抱き続けている
おれを『最も尊敬している』と評してくれたのだ。
そんなの……うれしいに決まってる。
「……わたしも、ミルさんのこと……とても尊敬してますので。……今のわたしたちがあるのは……ミルさんとうにさんが、とてもよくしてくださったからだと思ってますので」
『わかりました。つまり両想いってことですね? 結婚してもらっていいですか?』
「んブぉ!? そ、そ、そ、それとこれとは話が違いますので! もぉーー……冗談も大概にしてくださいミルさん! 直結ですか!?」
『んふふ、半分は本気なんですけど……つれないなぁー。…………あ、海産物だけに?』
「いいかげんにしろ。どうも、ありがとうございました」
『ありがとうございました』
「「「「おぉーー……」」」」
さんざん場を騒がせまくったミルさんだったが……そこはやはり登録者数五十万人オーバー、三年近く一線で活躍し続ける一流
記念配信なんかにおける『
……いや、もしかしたら
ともあれこれで、お
既にものすごい着信アラートが届いてるのを敢えて気にしないようにして、ホワイトボードに『①、ミルク・イシェルさん』と記入する。
……さて、そろそろ腹をくくろうか。
次の通話相手が誰になるのか、それは器機操作担当の
『不安』二割、『楽しみ』五割……そして『嬉しい』が七割。
限界を遥かに越えたおれは、今とても絶好調なのである!
『①、ミルク・イシェルさん』
初めてコラボさせて頂いたお相手の一人。また『正義の魔法使い』として共に活躍する間柄の、心強い同胞。
ここ半年くらいで一気に明るく、とてもアクティブになった。反面『領主』キャラはもはや風前の灯。視聴者さんも『にじキャラ』さんももはや諦めてる。
最近では下ネタにもバッチリ順応し、その可愛らしい容姿にもかかわらず同性ということもあり、中高生男子を中心とした分厚い支持層を築いている。