【本編完結】コントラクト・スプラウト ~ おじさんでしたが実在合法美少女エルフになったので配信者やりながら世界救うことにしました ~ 作:縁樹
おれたちの独特な容姿の隠れ蓑にするため、主に『にじキャラ』さんたちを盛大に巻き込んで展開した、仮想容姿投影デバイスによる『実在
その根幹を成す特殊デバイスの取り扱い――初期設定やチュートリアルやその後のフォロー、そして貸与関連手続きなどなど――を主な業務とする、各方面の助言のもとでおれたちが立ち上げた新設企業。
それこそが『株式会社マテリアライズアクター』であり、その経営や対外折衝や人材管理を
……いやまあ隠してないけど。ホームページとかにバッチリ顔も名前も出してもらってるけど。言葉のアヤってやつ。
『それにしても……ここまで市場が拡がったのは、他でもない若芽さん御一行のお陰でしょうな。実在
「こちらこそ! こんな心踊る革新的な技術を試みるにあたって、わたしたち『のわめでぃあ』に
『恐縮です。……あなたの後輩となる個人配信者も、順調に増えていっています。まさに順風満帆、実在
「えぇ……盛り上げていきますとも!」
デビュー当初から各界隈で話題になっていた、
3Dアバターとはとても思えない、実在の人物としか思えない、しかし実在しているはずがない、そんな謎に包まれた配信者の正体は……なんとマテリアライズアクター社の手掛けた新型配信デバイスの、極秘先行モニターだったのだ。
……多少無理矢理感が否めないが、つまりはそういう筋書きである。
おれ個人は得体の知れない存在なんかではなくて、とある企業がすべての元凶であり、立役
そうすることで、ここ一年に渡っておれたちが繰り広げてきた、ある種の
加えて、プリミシア博士が提唱する『魔素』関連の理論。
すなわち、おれたちの配信者活動はその実証試験の一環としての、暫定呼称『魔法』技術の
よくよく考えてみれば粗だらけだが、そもそも『魔素』じたいが全く新しい研究分野であるため、ウソがバレる危険は少ないだろう。
万が一、面倒くさそうな
ゴローさんもそのテのことに強い
『唐突に我が社のプロモーションなのですが……先日、弊社の仮想容姿投影デバイスの登録ユーザー様、つまりは実在
「おぉーー! すごい! おめでとうございます!!」
『ふふふ……ありがとうございます。……放送を御覧の皆様はご存じでしょうが、かの『にじキャラ』様や『netファン』様、『ユアライブ』様といった大御所の方々に始まり、特に最近はいわゆる『個人勢』のユーザー様が増えてきてまして』
「聞きました。日に日に増える申し込みに審査が全く追い付いてないって。……あの、お疲れ様です……ほんと」
『いえいえ。まぁ、なにぶん最新魔素技術の結晶ですので……貸与にあたっては、かなり慎重にならざるを得ない経緯がございます。……審査をお待ち戴いている
「んヒェ!? アッ、エット、あっ、ご、ごご、ご迷惑をお掛けしております!!?」
おれたち『のわめでぃあ』が㈱MA社の関係者であることをアピールし、やんわりと宣伝しておくという
事実、量産型デバイス貸与によって誕生した新たなる実在
そんな状況に、更なるテコ入れを企ててくれたということなのだろうか。
本日の『
それすなわち、おれたちの後輩である実在
偉大なる先輩として彼ら彼女らと接し、話題に花を咲かせ、見所をつくってあげてほしい。
つまりは……かわいい後輩が注目されるように、きっかけ作りに協力してあげてくれ、ってことだな。
なるほどなるほど。それくらいならお安いご用です。偉大なる先輩ですので。
「アッ、じゃあ良いっすね? わかめちゃんにオッケー貰えたんで、繋ぐっすよ? ビデオ通話」
「えっ?」
『どうか宜しく頼む。本人たっての希望だからね……『どうか初コラボはわかめちゃんと』ってね』
「えっ? それは光栄です……えっ? あの、はつめちゃ」
「おっけーコンタクト取れました。今から通話繋ぎますんで、お相手ちゃんがメイン画面でわかめちゃんをワイプに入れます。では……心の準備はいいっすね?」
「は、はいっ!!!?」
あれよあれよという間に言質を取られ外堀が埋め立てられ……㈱MA社取締役のテコ入れによって、後輩である実在
とはいえまぁ、内容そのものに対しては別に不満は無い。おれの行動の大原則である『人々が未来への希望を抱くようにする』ためには、人々に『たのしい』を提供する同業者は多いに越したことはないのだ。
なので……だったら、ちゃんと前もって言ってくれればよかったのに。
こんなサプライズというか不意打ちぎみに持ってこなくたって、入念に打合せした上でプロモーションコラボとか設定すればよかったのに。
……なんてことを、ちょっとだけ拗ねながら考えてたんですけどね。
なるほど……これは不意打ちありきですわ。はいはい、そういうことね。
『どもどもー! みんなネバってるー? メイ・グラツィオーソです!』
『どもどもどもー! サツキ・キーノートでぇーす! 二人合わせてぇー!』
『『となりのマブダチ『ねいばーベスティ』でーす!』』
「なるほどねーーーーーー!!」
なんだかか聞き覚えのある声。
どこか馴染みのあるテンション。
まるで漫才か寸劇かのように息の合った、抜群のコンビネーションの女の子二人組。
そしてなによりも決め手となった……彼女たちのモチーフである音楽用語を盛り込みつつも、なんだかどうにも引っ掛かりを覚える、その名前。
……メグちゃんと、サキちゃん。
おれたちが初めて、
『
『こんなおめでたい場に呼んでいただいて、ありがとうございますっ!』
「い、いえっ! あの、えっと……こちらこそ、ありがとうございます! えーっと……メイさんと、サツキさん?」
『メグです!』『サキです!』
「アッ、ハイ。……えっと、わたしは恥ずかしながら
「ぽェあ!? ふ、ヒゃ、ひゅゃいッ! ……す、すごい! ほんとうの……ほんものの『ねいベス』に御座いまする!」
『『……!!!』』
えーっと……お恥ずかしながらわたくし
……えぇ、誠に恥ずかしい限りなのですが……なかなかね、彼ら彼女らを追えなかったりするんですよ。いやほんとお恥ずかしいのですが。
まあ、その理由を『忙しいから』と片付けるのは楽なんだけど……おれの『願い』的にも、また立ち位置的にも、全く無頓着というのは色々とよろしくないわけで。
そんな中で、わがやにおいて日夜ぐうたらしてる(あぐらかいてたり脚開いてたり着崩しちゃってたりと)いろんな意味でけしからん娘……だと思っていた、クソガキウサギこと
なんとなんと、彼女が四六時中眺めていたタブレット(
ぐうたら食っちゃ寝してたのかと思っていたが、その実自主的に市場調査や情報収集に臨んでくれていたということがわかったので、感動したおれはその日の晩ごはんのデザートにプリンを追加してあげた。
後日、それら
「は、は、は、はじめましてに御座いまする! 小生『のわめでぃあ』いちの愛され美少女、
「なにそれめっちゃおもしろそう」
『えっ、あっ、えっ……ま、まじで!? 見てくれたの!? ……アッ、ごめんなさい! 見てくれたんですか!?』
『ウソ……だってウチ、まだ駆け出しで……知名度だって、全然…………』
「……ほお? ……ふむ…………小生、貴嬢らの『知名度』はよく存じませぬが……御主人殿より『実在
『……(ずびっ)』『……(ぐすっ)』
「ぅえええ!? な、な、な、何ゆえに!? ちょっ、あの…………ご、ご主人どの? 小生、また何やら……
「…………うん、そうだね。間違いなく
「ホェェェェ!!?」
最近はその性格もいくらか丸みを帯びてきて、
構って貰いたがりで、イタズラや他人をおちょくることが好きで、そして『楽しいこと』『楽しそうなこと』に対する嗅覚がとても鋭い。
おれの『実在
そんな鋭敏なアンテナを備えている
おれのかわいい(けど追いきれてない)後輩ちゃんたちのがんばりを見守り、面白そうな事件があれば教えてくれたり、またおれたちのことを話題にしていたらきちんと報告してくれたりと……まぁ、なんとか役に立ってくれてたりする。
今回はそんな『ゆーすく調査担当』の
「と、とにかく! 小生『ねいベス』御両名の御活躍と御健勝を、僭越ながら我が主神様に御祈り申し上げて御座いますゆえ! ……今後とも御活躍、楽しみにしておりまする!」
『う゛ん……っ! がんばるね!』
『ありがどうね……っ!』
「うーん、いいはなしだなぁー。……なんだかいい雰囲気で終わっちゃいそうですが……そうは問屋が卸さないんですよねコレが!
「はいっ! いざいざ、参りまする!」
この場に来たからには、皆さん平等に話題ルーレットダーツの餌食となってもらいますので。
……いえ、若干一名の大正文学美少女
それでは……わたしたちのかわいい後輩にして、息ピッタリのマブダチコンビにして、前途有望な現役女子高生実在
たのしいよるはこれからだぜ!
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