宍戸真二と東雲絵名は、金魚の展覧を観ていた。
「近くにいるのは、白石さんと…もう一人は?」
と、絵名が声を掛けた。
「あ、絵名さんに…えっと、彰人が言ってたな…
真二さんだ!」
「あ、はい!宍戸真二です!」
と、真二は杏にお辞儀をした。
「そっちの子は、お友達?」
「はい!買い物途中で、ばったり会って」
「日野森志歩です。よろしくお願いします」
「日野森…?いや、待てよ」
「貴女は、もしかして、雫の妹さん?」
「え?」
と、志歩が困惑しつつ、こう言った。
「えっと、雫は私の姉ですが…」
「あ、やっぱり、そうだったんだ!
ねぇ、桃井愛莉って知っている?」
「あ、はい。姉と一緒にグループを組んでいます」
「そうそう!愛莉とは、同じ中学なんだ!
それで、雫とも仲良くなって、たまに遊んでいるの」
「あ、そうだったんですね。姉がお世話になっています。
えっと…」
「ああ、私は東雲絵名、よろしくね。
志歩ちゃん」
「はい。よろしくお願いします。東雲さん」
「でも、一緒に来ているなんて、二人とも、
こういうのは、好きなの?」
「あー、そういう訳じゃないですけど、
ただ、たまたま、気になっただけっていうか…」
「まぁ…珍しいよね、金魚の展覧会って」
「そうそう、それ!」
「金魚って、縁日の屋台で観たりするくらいだからな…」
「絵名さんは、どうしてここに?」
「うーん。今日は絵の勉強がしたくて、真二くんと一緒に来ているんだ」
「絵の勉強ですか…?」
「うん。実は私、普段から絵の勉強をしていてね、
今より、もっと、上手に描きたいんだ」
「でも、金魚って、動いているから、難しそう…」
「あはは、確かにね。金魚もだけど、
水の動きを表現するのって、難しいんだ。
金魚が泳いでいる様子を、絵で表現するのは、なかなか、難しいんだ…」
「なるほど…結構、難しそうですね…」
「水の表現って、どう描いたらいいのか、
難しいですからね」
「あはは、そうだよね。桜の木もあるから、
結構、映えるって、感じがするからね」
「あ、それ、わかります!金魚も可愛いから、
オシャレな絵になりそうです!」
「そういうこと!じゃあ、真二くん!
スケッチブックの用意を!」
「わかりました!」
と、真二がスケッチブックを取り出して、
それを絵名に渡した。
絵名と真二が、スケッチをした。
「絵名さん、頑張ってくださいね!」
別れた後…
「さてと、どの金魚をモデルにしようかな…?」
「色鮮やかな、金魚が泳いでいるからな…」
と、二人は金魚の絵を描くのに、どの金魚をモデルにしようか、
迷っているのだった。