東雲絵名と宍戸真二は、ある人の家にやって来た。
「ここが、鳳家…あの鳳財閥のか」
「その鳳家の令嬢である、えむちゃんに言われて、
イラスト教室をすることになったけど…
まさか、アシスタントを喜んで引き受けてくれるとはね…」
「だって、絵名ちゃんの為だからね」
「それもそうね。気が利くじゃん!」
こうして、えむの部屋で、イラスト教室をすることになって…
講師は東雲絵名。アシスタントは宍戸真二。
そして、生徒は…鳳えむ、望月穂波、花海陽菜だった。
「みんな、えむちゃんのお友達なんだね」
「はいっ!穂波ちゃんも、陽菜ちゃんも、
すっごく、仲良くしていますっ!」
「…」
宍戸真二と東雲絵名は花海陽菜に挨拶した。
「初めまして。宍戸真二だ」
「東雲絵名って、言います」
「花海陽菜だ」
「陽菜ちゃんって、すっごく頭が良くってね、
数学の成績は、トップなんだよ!」
「花海陽菜…どこかで聞いたことがあるような…?」
「思い出したぞ!
どこかの雑誌を読んだ時、
その実力は大学等の研究機関の論文が掲載されている、
科学雑誌に自ら書いた論文が載るほどって!」
「そんな大したことはしていない」
「陽菜ちゃんは、人見知りだから、
人馴れしていないから…」
「わ、わかった…」
絵名は穂波とマンツーマン指導。
真二は陽菜とえむの二人に、
それぞれ、イラストを教えた。
「じゃあ、陽菜ちゃん。
とりあえず、この紙に絵を描いてみようか」
「あいにく、私は絵を描いたことが、
一度も無い」
「えっ?そうなの?」
「あぁ。あまり、小さい子どもらしいことは、
やったことが無いので」
「陽菜ちゃんの好きなのを、描いたらいいよ!」
「そうだな…」
陽菜は、難しそうに悩んでいた。
「じゃあ…そうだな…食べ物!」
「悪いが、食に関心は無い」
「じゃあ、動物!」
「それも、そんなに関心は無い」
「…じゃあ、近くにある何か!」
陽菜は、えむの部屋の辺りを見ていた。
陽菜は、クレヨンを持ちながら、
何を描こうかと思ってしまい、
思わず、部屋を飛び出した!
「陽菜ちゃん?」
「陽菜ちゃんは、きっと、あたしの家で、
何を描こうか、探しに行っていると思う!」
えむと真二は、後を追った!
陽菜はリビングに向かった。
「あら?陽菜ちゃん?」
「えっと…」
「あたしのお姉ちゃんだよ!陽菜ちゃん!真二くん!」
陽菜は首を傾げていた。
「あらあら、陽菜ちゃん。何か困っているみたいだね」
「何を描いたらいいのか、何も感じなくてな」
「そうね…じゃあ、このカード使ったら?」
と、鳳ひなたは、自分の部屋から、イラストのカードを取り出した。
「ここから決めたら良いと思うよ?」
と、植物や花の大図鑑を、陽菜に手渡した。
「なるほどな」
「じゃあ、描いてみるか」
「わんだほーいだね!」
「…」
陽菜は、図鑑を見ながら、ピンク色のコスモスを描くのだった。