俺は絵描きに恋をする   作:アッシュクフォルダー

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第七話 両手の秘密

宍戸真二の両手と両腕には、秘密があった。

 

右手には、中二病

左手には、イジメを表しており、

両腕には、痣と傷。そして、無数の赤い斑点が、付いていた。

 

一時、辛すぎた時には、リストカットしたこともあり、

治らないほど、最悪な状態まで、深く傷がついた。

 

父親によって、病院に連れていかれて、

神経が機能不全に陥り、失血死する、可能性まで

あったらしい…

 

そんなこんなで、公立中学から、

皆と離れる為に、神山高校 夜間定時制に

入学して、その時から、両腕に包帯を巻くようになった。

 

指にも包帯を巻いているが、

これは、シルバーの指輪で、何とか、ごまかしている。

 

こんな、痛々しい、傷を誰にも見せるわけにも

いかない、イジメと中二病の名残である。

 

傷と痣が、たくさんある、両手と両腕を

誰にも、見せるわけには、いかなかった。

 

 

そして、ある日の学食。

絵名が、そのことに関して言及していた。

 

「真二くんってさ、いつも、包帯巻いているじゃん?

怪我とか、しているの?」

 

「いや、してない」

 

「そーなんだね…」

 

「じゃあ、俺は先に教室に向かうぞ」

 

「うん、また後でね」

 

「あぁ」

 

 

放課後、絵名が、チンピラに囲まれている所を

見つけたので、黙ってはいられなかった…

 

「すみません、この子、俺の恋人なんで、

やめてもらいませんか?」

 

「チッ…男持ちかよ」

 

いくぞ、と、男は何人か引き連れて、去って行った…

 

「大丈夫か?」

 

すると、絵名は、小声で…

 

「ありがと、真二くん」

 

つい、イジワルしてやりたくなったので、そう言った。

 

「ごめん、聞こえなかった、なんて?」

 

「じゃあ、これなら、わかる?」

 

と、絵名は、背伸びして、

俺のほっぺにキスをした

誰も見ていなくて、良かった…

 

俺の心臓は、しばらく、止まることなく、

うるさい状態だった…

 

「これで、わかった?」

 

「う、うん…」

 

「じゃあ、一緒に帰りたいけど…

家まで、送ってくれない?」

 

「わかった!恋人だからな!」

 

絵名は、俺の手をギュッと、握りしめて、

不安な表情で、一緒に、夜道を共にするのだった…

 

「ねぇ、真二くんは、夜道、怖くない?」

 

「まぁ、平気な方かな?」

 

「お化けは?」

 

「それは、無理、お化け屋敷とか、マジで、嫌だし」

 

「結構、怖がりなんだ、かわいー」

 

「うるせー」

 

「真二くん、手握って、痛くない?」

 

「そんなに、痛くないよ」

 

絵名は真二と手を繋ぐ。

 

「そうなんだ…

あっ、そろそろ、家に着きそう…」

 

「そうだな」

 

「真二くん!また、明日!」

 

「うん、また、明日」

 

明日も、きっと、真二と絵名が一緒にいる。

そんな気がするのだった…。

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