エリア周りの話が書きたくて書いている後日談なので、読まなくても問題ないです。
元の世界に帰ったエリア一行は、巨大な幻想的な大樹の前に立っていた。
「約束通り帰って来ただろ?オレに任せればすべて上手く行くんだ」
⦅そうは言ってもね。やっぱり家族同然の自分の配下がいなくなると心配なんだよ⦆
「ごめんね、ルスカはいつもこんなんだから」
「ルスカの無茶苦茶さは知ってるけど、他の世界だからね」
エリアが仲間たちに迎えられて挨拶をしている傍ら、ルスカと「幻想大樹」幻中 無空とレイと白繭さんはそう話していた。
「一件落着だからいいだろ?アネさんにも苦情は入れといたし、当分は手え出してこねぇよ」
「いつまでもつかどうかわからないけどね。こればかしは」
⦅その件は感謝してるよ。完全に防ぎきれないのは仕方がない。しばらく来ないだけで十分だよ⦆
「五大サイキョウに口出せる奴は少ないから」
裏世界最強格上勢に匹敵する実力者や割と仲がいい奴らしか、五大サイキョウに口出しはできない。あちらの世界で言うなら、覚醒魔王が束になって苦情と嫌がらせをするか、龍種級の存在が直談判してやっと意見を歪める事が出来る程度の存在だ。
「ルスカ様。この度は我が主を無事連れ戻していただきありがとうございます」
「ファンスか。別にいいぞ。オレは友達を助けただけだからな」
そんな話をしていると、後ろから執事服の青年が話しかけてきた。彼はエリアに勝手に仕える「空想の悪魔」のスカイ・ファンスと言うなんとも言えない悪魔だ。
「私たちからもお礼を」
「そうじゃの。感謝するぞ」
『感謝する……』
その後ろから、四方守護者の三人「理想の天使」南原 エンデア、「幻妖の九尾」東山 ナインス、「楽園の巨人」北林 エデンが礼を言いに来ていた。
「わたしからも、ありがとう」
「別にいいって……そうだな。今度遊ぶときになんかおぐってくれよ」
「大丈夫ですよ、ルスカ様。エリア様が帰ってきたら盛大に出迎えようと、準備しておりましたので」
そうファンスが言い、指を鳴らすと一瞬で宴会場のような空間が展開される。そこには既に幻想森林の住人が集まっており、エリアの帰還を待ち望んでいたかのようにワイワイ騒ぎをしていた。
「ファンス……」
「エリア様に喜んでもらえるのが、僕の一番の喜びですから。さ、主役さま……ぐはっ!?」
そう手を引こうとするファンスをエリアは殴り飛ばし、会場はいつのも事のように更に活気経つ。
「わたしは目立つの好きじゃないって何度言えばわかるの!」
「ありが、じゃなかった。も、申し訳ございません。つい興奮して忘れておりました。ではこちらのお飲み物で、ぐはっ!?」
酔っぱらうと気が大きくなる事を知っているファンスは、エリアにアルコール度数高めの酒をサラッと渡そうとするが、再度顔面を殴られて倒れていた。
「飽きないな~あいつも」
「自分を負かした相手の配下になろうする気持ちは分かるが、あそこまで根気強いのは珍しいからの」
ルスカ含め全員が呆れた生暖かい目線でそのやり取りを見て、ナインスがそう答える。
⦅ルスカ、キミのお陰でここも随分と賑やかになった⦆
『そうだな。最初は驚いたが。それでもいい影響が残った』
「あの時は悪かったって、エデン。そんなことより今を楽しもうぜ」
出会いである、一万年と数千年前の話を出されて少し悪気を見せるルスカ。ルスカとしても、あの時代を生きた数少ない生き残りなので、大切にしたいのだろう。
そうして、宴会に行こうとするルスカたちだが、
⦅何の用だ。世界を乱すようなことはしていないぞ⦆
「そうね。貴方の逆鱗に触れるような事はしてないけど?」
「ビックリするようなことしないでよ」
「メイズか、久しぶり。で、何しに来たんだ?」
強大な気配が生えて出てきて、上位勢を除き皆一様に止まる。
「大将、彼女は……」
「なぜ三竦みの一人がここに……」
『貴様を呼んだ思えはないが?』
「貴方は程の存在がなぜここへ?」
⦅みんな、気にしなくていい。何時でも逃げれる準備をしておけで、何の用?⦆
四方守護者とそれが率いる部下たちや幻中さんと白繭さんが警戒態勢を引いて、ピリピリしだす。今目の前に現れたメイズに戦いを挑もうとしている数十人程度の連中は、最低でも神性を得た者や究極能力持ちに匹敵する連中だ。中にはそれを容易く殺せる者も少なくない。だがメイズ相手にこの程度の戦力では勝ち目はない。
「何、気にしないでくれ。ルスカにしか要はないから」
「相変わらず疲れてそうだな、まぁ当然か。で、その用事ってのは?こっちは宴会の続きがあるから手短に済ませて欲しいんだが?」
ルスカが少々機嫌が悪そうにメイズにそう聞き、メイズは単刀直入にこう言う。
「別世界から干渉があった。異次元大会とか言うのを開くから来ないかとね。正直胡散臭いから関わりたくはないんだけど、アネスト、カーセル、古内がその件を聞きつけて勝手に行った。適当に優勝しないように邪魔しながら連れ帰って来て欲しい。移動は明日の朝だ、迎えに来る」
「異次元大会な。面白そうじゃねえか。それをオレ一人でか゚?」
簡単な内容だ。こういう雑用はよく頼まれていたし、別に断る理由もないと毎回引き受けていた。
「宴会をした後でいい。無理を言ってるのは分かっているけど、アンタぐらいにしか頼れる奴がいない。できれば断らないで欲しい」
「別に嫌じゃねえよ。断りもしねぇ」
世界の管理者、迷宮神 メイズである彼女は、常にこの世界のために身を割かなければいけない立場だ。長い付き合いという事もあって、ルスカもその心情はなんとなく察することが出来る。
「他の奴は連れていちゃいけねぇんだろ?」
「そうだ。できるだけ流失は抑えたいし、足手まといが増えても邪魔なだけだろ?それに変なものを持って帰って来ても困る」
要はルスカ一人で、五大サイキョウのうち三人を連れ戻して来いと言う話だ。倒してこいとかなら難しいが、連れ戻すだけならルスカでも割と簡単な事だ。
「アネさんの諦めが割と早かった理由はこれか。新しいオモチャを見つけたから、そっちに行ったのな」
「アネさんにも困ったもんね。いつもそうだけど」
「その件に関してもキッチリ言っておく。流石に最近は目に余る事が多いからな」
定期的に忠告しなければ枷が外れるのだ、アネストは。それに全員が呆れて迷惑をかけられている。
「ま、わかったよ。じゃ迎えよろしく。ってことで、飲むぞ!お前らッ!!」
「「「おおおっっっ!!!」」」
ルスカがメイズを追い払い、酒瓶を手に取り掲げて一気に飲む。それを合図に宴会が元に戻り
「エリアはこっちの方がいいだろ?目一杯楽しもうぜ」
「あなたはホント……」
ルスカや他の守護者が場を盛り上げ、エリアが隣で見ているという構図にしていた。それにエリアは呆れ気味に安心したのか、軽いため息を吐くのだった。
~おまけキャラ紹介~
簡単なキャラ説明や転スラ基準での強さ比べ用です。気にしないでください。
・名前 スカイ・ファンス
存在値 1000万以上
種族 超越種 悪魔
能力 空想
説明
エリアに心酔程はいかないが、凄く慕っている配下の一人。勝手に近くにいて世話をしているだけで認められていないので、ホントの意味での配下ではない。
・名前 東山 ナインス
存在値 1600万以上
種族 超越種 九尾
能力 幻妖
説明
エリアの同僚で四方守護者の内の一人。東にある山々を守護する者。多くの妖怪や怪異たちの長で、懐が広くよく慕われている優しい奴。
・名前 西森 エリア
存在値 2000万~一億程度
種族 超越種 世霊
能力 異界
説明
今作の主人公で四方守護者の内の一人。西にある森を守護する者。広大な異界の世界を支配する異界その者。通常時は、2000万程度で、異界化した際には一時的に一億程度の存在値になる。異界化すれば守護者の中では最強だが、デメリットも大きいので中々使いたがらない。因みにこれでも幻想大樹を倒しきれない。
・名前 南原 エンデア
存在値 1800万以上
種族 超越種 天使
能力 理想
説明
エリアの同僚で四方守護者の内の一人。南の草原を守護する者。真面目で礼儀正しく、天使としての理想形をしている。
・名前 北林 エデン
存在値 2000万以上
種族 超越種 巨人
能力 楽園
説明
エリアの同僚で四方守護者の内の一人。北にある林を守護する者。最古参で、最も長く幻想大樹に使えている者でもある。普段は温和で優しいが、怒らせると怖い。
・名前 幻中 無空
存在値 3500万以上?
能力 幻想
説明
エリア含む四方守護者の上司。防衛に特化した裏世界最強格の一人。その戦力は、覚醒魔王や究極能力持ちに匹敵する存在を数百人配下に持つ序列80台中位の奴。配下の数と質は上位に位置するが、幻想大樹自体はすこぶるタフでめんどくさいだけで、大して強くない。温和で平和主義、基本的に戦いを避けるのが常套手段。
・名前 メイズ
存在値 一億以上?
能力 迷宮
説明
三竦みの一人。世界を管理する者。常に疲れている少女。部下に厳しく辛辣だが、メイズ自身が一番働いているので誰も文句が言えない。たまに優しい。
・名前 蒼原 ルスカ
存在値 1700万以上?
説明
最強は誰かと言う話には出て来ないが、無敵が誰かと言われたら必ず出てくる奴。転スラ世界で存在値を計ったら1700万ぐらいに見えるだろうが、どれだけ行動しても攻撃を受けてもそこから下がる事がないと言うか傷付かないので当てにならないだろう。熟練した超越者以上の実力者は、消耗しない最低値として見える存在値を出しているが、こいつのように攻撃を受けても減らないものではない。
実力としては、今作のラスボスを遊んで倒せる程度。リムルやギィ、竜種などの上位勢は全力で遊べる相手、停止世界は付き合ってあげていると言う感覚。なので転スラ世界の戦力が束になってかかっても、楽しい遊び相手ぐらいの認識で終わる。