異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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帰って一週間、そして尋ね人

 エリアたちが帰ったら、それはもう酷い有様で周囲が焼け野原のようになっていた。そしてシズさんは気を失っており、一瞬間が経とうとしていた頃のこと。

 

「やっとここまで復興した。やっぱ力強いオーガがいると捗るね」

「は、はい!」

 

 オーガの女性もどうにか馴染ませ、復興の手伝いをさせたことにより、結構早く作業は進む。なんだか怖がられているのは気のせいだろう。

 

 そこでまた何かを感じ、町の入口の方に意識を向けた。

 

「で、次は誰?」

 

 そう思い町の入口付近へ行く。

 

「……アイリスね。よくここが分かったわね」

「大きな力を感じたから」

 

 久々の再開だが、その顔色はあまりいいとは言えない。

 

「シズさんいる?」

「あなたの探し人って、シズさんだったのね。いるわよ」

 

 そう言い、シズさんの眠っているテントまで案内する。

 

(この子も、この世界いない子だったわね)

(ああ、シズさんの教え子には、この人はいなかったな)

 

 中にいる転生者と話し、アイリスを見る。金髪で髪は長いが今は結んでる。瞳の色は金色。身長165程度で、武術と炎魔法に精通している少女。

 

「ここよ。今は眠っているから静かにね」

「ええ、ありがとう」

 

 そう言いテントに入っていく。同時に結界を張ってやって、出てくるのを待つ。因みに、いずれ来るだろうからとアイリスのことはリムルに伝えてある。その時は歓迎すると言っていたので、見つかっても問題ないだろう。

 

 そしてしばらくして、少し目が赤いアイリスが出てきた。

 

「ありがとう。最後にシズさんに合わせてくれて」

「なに、気にすることはないよ。わたしにできることはこれぐらいしかないから」

 

 そう微笑んで、アイリスの話を聞く。

 

 この世界に迷い込んで、右も左もわからなかった時に拾われ助けてくれたこと。そこから色々なことを教えてくれて、生きる力をくれたこと。辛いときには支えてくれたこと。その他様々な思い出を、エリアに教えるアイリス。

 

 そして後悔していることもあったという。

 

「ヒナタさんがシズさんのとこを去ってから、私も元の世界に帰る方法を探すために旅に出たの」

 

 手紙でのやり取りはしていたようだが、それでも側を離れてしまった事を後悔していた。自分が近くにいたら、もっと早く異変に気がついてどうにか出来たかもしれないのにと……

 

「だからね。また会おうと思って、シズさんを探していたの。もう、手遅れだったみたいだけどね」

 

 アイリスは、後悔している悲しそうな顔をする。

 こんな世界だ。手紙もいつも届くわけではない。やり取りをしている間に手遅れになるのではないかと思い、探したが間に合わなかったと言う。

 

「……わたしはシズさんのことはあまり知らないし、助けられない。だけど、仲間を失う悲しさは知ってる」

 

 そう言い背中を擦る。

 

「エリア、さん?」

「こう見えても結構長生きしててね。出会いも別れもたくさんしてきてるし、見てきたの。だから、別に我慢しなくていいと思うよ。人間そっちのほうが辛いだろうからさ」

 

 数え切れないほどの別れを経験しているエリアは、もうそんな深い思いはなくなっていた。だが他人は別だと理解しているのか、アイリスに優しくする。

 

 そしてエリアは結界を張り、だれも中を認識できなくした。

 

 そうしてしばらく時間が経ち、結界が消える。

 

「ありがとう、エリアさん」

「お安い御用さ」

 

 事が終わり、アイリスが帰ろうとしたその時だった。

 

 

「シズさんが、目覚めた?」

「え?」

 

 エリアがシズさんの目覚めを感じ取り、突然のことに驚くアイリス。

 

「会いに行く?今なら伝えられるよ」

「う、うん。本当にありがとう」

 

 そうしてアイリスを送り出すエリア。

 

(お前は行かないのか?)

(わたしは当事者じゃない。無関係だから手を出すべきじゃないの)

 

 転生者にそう聞かれ、当然の回答を返すエリア。それに深い悲しみを捨ててしまったエリアには、何処まで行ってもそれは響かないものでしかないからでもある。

 

「さて、こっから忙しくなるね」

(ああ、どうなるかまったく想像つかんな)

 

 これから起きる事はきっと何かしらズレている。そのズレは、きっと後に響いてくるだろう。

 

 だがここにはエリアがいる。すべてを飲み込む異界であるエリアが……

 

 

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