アイリスとリムルがシズさんと話し終わり、最後の願いとしてリムルがシズさんを取り込み、すべてが終わる。
そして出てきたリムルたちとカバル、エレン、ギドの三人が話し、アイリス含めた四人は一旦ギルドへの報告のために戻ることになったようだ。
「終わったみたいね」
「ああ、新しい目標も決まった。俺は必ずレオン・クロムウェルとかいう野郎をぶん殴りに行く」
決意は硬いみたいだ。だったらとエリアはリムルを呼び、後で封印の洞窟へ来るようにと伝えた。
「やっと来たわね。じゃあリムル。能力を確かめましょうか。まずわたしへ撃ってみて」
「いきなりかよ!大丈夫なんだろうな!」
用意が終わってリムルが来たのを見計らい、いきなり能力確認をしようとする。それに驚き心配するリムルだったが、愚問だわと返され、調整という名の修行が始まる。そしてリムルは新たなるスキルをエリアにぶつけたり、軽く手合わせして調整を済ませた。
「なかなかのスキルね。戦闘技術も上がってるわ」
「ああ、だがまだ足りないな。魔王を殴りに行くんだから役不足だろうし」
人に擬態できるようになり、ここまで強くなってもまだリムルはエリアに届かない。そしておそらく、魔王レオンは今のエリアより強い。その事が気がかりのようだ。
「だったらこれ使ってみる?」
「何だこれ?」
なにかの結晶を手渡し、リムルはそれを解析鑑定する。
「情報結晶体?」
「わたしの世界にある、演算機みたいなものね。その中でも最上位のものよ」
めったに手に入らない。それどころか最上位の存在でさえ、一生の内に一度お目にかかれればいい方という代物だった。
「こんな高価なモノをもらっていいのか?」
「ええ、異界の中身もある程度戻ってきたし、ひとつぐらいいいわよ。だたやってもらいたい事があるの」
無論ただというわけではない。なんせエリアは、自身が持ちうる最高の手札をリムルに分け渡すのだ。この損失は計り知れず、大国の国家予算レベルのものになるだろう。
「分身体を一体ちょうだい。それとわたしの連れてきたやつらに名付けをして」
「そんなことか。分かった、それぐらいならいいぞ。だがその前にこれを取り込ませてもらう」
そう言い、リムルは結晶を取り込み、エリアは最大の演算補助を施す。するとリムルは動かなくなり、スライムに戻り固まる。
「解析に時間がかかるのね。どれほどかかるかしら?」
エリアもそのまま居座り、補助をし続ける。そして丸一日が経ち、ついに解析を終えた大賢者?が声を上げた。
『解析と最適化が終了しました。同時に能力の大幅上昇が成功しました』
人に戻ったリムルは、そう言い。意識が一瞬にしてリムルに戻る。
「なんだ!?すごく調子が良くなったぞ!これが能力向上の成果か!」
「興奮してるとこ悪いんだけど、説明してもらえる?演算ばっかで見る暇なかったからさ」
興奮するリムルに、落ち着かせるエリア。そして能力の微細を聞き始める。
「俺は大賢者と捕食者、そしてシズさんから受け継いだ変質者ってのがあるんだ。それが
「それは凄い進化ね。でもなんだか足りないわ」
確かにリムルは異常に強くなった。だが何か足りていないと感じたエリア。
「それなんだが、どうやら今の俺じゃ、能力を扱いきれないらしいんだ。容量が足りないとか、エネルギー不足だとかで。そのせいで、解析は済んだのにヴェルドラを開放してやれないんだよ」
「確かにね。違和感はそれだったみたい」
時間と共に解決しそうな問題であるが、それはまだまだ遠い。だが本来よりは大分強くなれたようで、エリアも満足する。
「じゃあ、今度はわたしの手伝いをしてね」
「分かった。じゃあそいつを出してくれ」
「お?やっと出番か?暇だったぞ」
黙り込んでいた転生者が、やっとの出番に元気になった。
「お前は日本人だったのか?」
「吉田 竜也って言うただの日本人だったよ。高校の登校中に事故にあって、死んじまったんだ。で、気がついたらこの世界で生まれ変わってた」
前世はただの高校生だったようで、趣味はアニメ観賞や漫画を読むことらしい。そっから少し二人の話がはずみ、軽く前世や今世のことについて話していた。
「こいつに依代を与えればいいんだな」
「とびっきりのを頼む!」
「それでお願い」
エリアは転生者をリムルに渡し、取り込ませる。そしてしばらくいじくった後、分体を作り出し憑依させる。すると見た目はあまり変わらず、全体的に暗みがかったグラデーションへと変わった。
「おぉ!スゲー体だ!能力も強くなってるし!」
「肉体性能も、エクストラスキルまでは俺と同じだ。ユニークスキルも改造してやったから、相当強くなってるはずだぜ。んで、お前の名前は……黒っぽいから、クロ……、クロノでどうだ?」
名付けをされ、更に強さが増すクロノ。そして能力も自身と同じように、許可があれば改造できるようだ。しかもユニークスキルであろうと例外ではないらしい。
「よし、この調子でお前も鍛えてあげる」
「よし来た!力も試したかったところだし、望むところだ!」
そうして新しくクロノも混じり、軽い手合わせや能力の練習をするのであった。