異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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オーク・ディザスター編
大鬼族たち


 結局強化された二人がかりでも、エリアには届かず、へたり込んでいた。

 

「強すぎだろ!どうなってんだよ」

「まったく敵わないな」

 

 クロノが叫び、リムルはやっぱりかと気を落とす。

 

「いやね。こっちだって何千年も生きてるんだから、百年も生きてないようなやつに負けるってのもどうかと思うよ?」

 

 エリアの言うとおりである。リムルたちの成長速度は早いが、だからといって長生きしているエリアを簡単に追い越すなんてことは出来ない。せいぜい追いつくのが限界といったところだろうが、それでも十分すぎる程彼らの能力は高かった。

 

「さて、もうそろそろ止めにして町へ戻るか。クロノの説明もしなきゃだし」

「そうだな。まだ大々的に言ってなかったな」

 

 クロノはずっとエリアの中に居たが、念願の転スラ世界へ来た事に興奮して勝手に声を出し、その度にエリアが説明しなきゃいけなくなるという面倒な事になってた。これもそれも、あの女体化したベニマルがクロノの体を壊してしまった事が原因である。だから今まで外に出れなかったのだ。

 

「よし!そうと決まれば早く行くぞ!」

「ええ、あのオーガにも名付けしなきゃいけないしね」

「そうだな。そう言えば……」

 

 

 そこまで話して、リムルに緊急の連絡が入る。それはオーガが現れ、戦闘になったというものだった。

 

 

(来たね。ベニマルがいないだろうからどうなってることやら?)

(さぁな。もしかしたら原作より荒れてるかもな)

 

 クロノの原作云々についてはリムルには話していない。なぜならそれで話がこじれたら、リムルが魔王にならない可能性が高いからだ。今回の強化とオークロードの捕食だけでは覚醒魔王には届かないし、究極能力がなければ厳しい場面が多すぎるとクロノは話す。

 

(わたしもこの世界にずっといるわけじゃないからね)

(そうだな。そのためにもリムルには絶対に魔王になってもらわないと)

 

 無論エリアがいればすべて解決可能だが、エリアもずっとこの世界にいるわけではない。だからエリアがいなくても、やっていけるようにしなければいけなかった。

 

「リムル!俺達は周囲の警戒をしておく!だからこの先は任せた!」

「わかった!頼んだぞ!」

 

 そう言い襲撃場の近くで分かれる。本当なら周りには誰もいないが、それは原作での話。こっちではどうなるかわからないので、一気に探知を発動させ探りを入れる。

 

 

「ん?七人?」

「なんか多いな」

 

 リムルと向かい合っている六人と、後ろの方にいる一人。そいつは特に気配が薄く、なぜかジリジリと後ずさって物陰に隠れようとしていた。

 

「ちょっと見てくる」

「ああ、俺は警戒を続けておく」

 

 本当に誰か増えており、警戒を強める二人。気配的には大したことないが、イレギュラーなので何が起こるかわからない。そうしてエリアは、こっそりとそいつの背後に移動して、正確な姿を捉える。

 

 焦げ茶色の髪色と狐耳と尾、三度笠と外套以外は大鬼族と服装に違いはない背が小さな化狐がいた。

 

「ちょっとそこの化狐。お前はあいつらの仲間?」

「ッ!?なんだお前ッ!?」

 

 そこでエリアが背後から話しかけると、驚き大声でそう叫ぶ。

 

「結界張ってるから聞こえないよ」

「ふん、なんのことだか。お前ごとき、このミユヒ様一人で十分だ!」

 

 虚勢を張り、虚栄の為に自身の妖気を限界まで身に纏う。それを見たエリアは、不思議そうな顔をして一歩前へ踏み出した。

 

「へっ!戦おうってのか?この私と?」

「……別にそんな気はないよ」

 

 即座に反応したミユヒは、隙のなさそうな構えをより一層強める。だが様子を伺っているのか一向に向かってこない。

 

「ふんっ、ならいい。戦ったって一瞬でケリが付くがな」

「そう?ならやってもムダね」

 

 エリアはそう言い結界を解く。するとミユヒは堂々と構えを解き、妖気を引っ込める。

 

「分かってるじゃないか。そう、ムダなんだよ。実力差はハッキリしてるからな」

「そう、じゃあ手は出ないわ。だってその必要がなくなったもの」

 

 エリアがミユヒの相手をしている間に、リムルがオーガたちの誤解を解き終わっていた。それに気がついたミユヒは……

 

「……ふ、そういうことか。ムダな戦いをするところだったな」

 

 そう締めくくり、皆んなで町へ戻る事になるのだった。

 

 




 今回は投稿キャラを入れました。
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