次の日になり、オーガ一行がリムルのもとに来ていた。
「決めたのか?」
案会の時に話した事の答えを聞こうと、リムルはベニマルにそう問う。
「オーガの一族は戦闘種族だ。人に仕え、戦場を駆ける事に抵抗はない。主が強者なら、尚の事喜んで仕えよう」
どうやら決心がついたようで、リムルの部下になるようだ。それを聞いたエリアは納得し、クロノは驚きエリアに思念を飛ばす。
(なんですぐに部下になってんの!?オークロード倒した後だったはずだけど……)
(あ~、わたしがあれ言ったからかな?でも別にいいでしょ、結果は変わらないんだから)
リムルとベニマルの話が進む中、エリアは宴会での出来事をクロノに話した。
(なるほど、確かにそうだな。まぁ細かいところは覚えてないが、大丈夫だろ)
クロノが早まったが問題ないと判断したその後、リムルがベニマルたちへと名付けをすると言い出したのだ。
「大丈夫なの?こいつら結構高位の魔物よね」
「ああ、オーガといえばそうだな。やるにしても分けてとか出来ないのか?」
二人はリムルとベニマル一行の戦いを見ていたのだが、クロノがなんだか原作より強かった気がすると言い出していたのだ。と言うことは、思った以上に魔素を持っていかれてしまうのでは?原作通りでは済まないのでは?と心配していた。
「ん~、まぁ大丈夫だろ。俺も強くなったしな」
だがリムルは自身も強化されているから大丈夫だと、新しく入ったベニマルの妹含め、原作通り名付けをしていく。
若を"
双子の妹には
姫に"
家臣団にそれぞれ、
と名付け、最後に化狐の名付けをしようとした瞬間……
「うぅ……」
「え?」
そして案の定、全員に名付けをし終わる前にリムルは力尽きた。そして端っこで呆然と立ち尽くす化狐をよそに、
「言わんこっちゃない」
「だな」
そう言いリムルを介護する二人。ベニマルたちもこれから進化の眠りにつくだろうと一旦返し、化狐だけがその場に残される。と言うか残っていた。
「どうした?すまないが今日はこれで終わりだ。見ての通りリムルは動けない」
「そういやお前には、ミユヒって言う名があったよね?」
「……そ、そうだな。私には名があるのだ」
取り繕ってはいるが、気づいていないのか動揺を隠しきれてはいなかった。心なしかフラフラしている。だが二人は、リムルの流体型の体を持ち上げるのに悪戦苦闘しており、気づいていない。
「じゃあ、失礼する」
何処かショックを受けているミユヒは、雰囲気を落としながら家から出ようと歩みを進めていた。
「あ、そう言えばミユヒ……ッッ!!?」
その時だった。クロノがなにを思ったのかミユヒの名を呼び、引き留めようとする。それが名付けに該当したのか、クロノの魔素がごっそり持っていかれ、ミユヒはパタリと倒れ込む。
「なんだ!?一気に魔素を持っていかれた!?」
それに驚くクロノは、気だるげそうに近くにあった椅子に座った。エリアはミユヒを適当なベットに移し、どうなっているのかとクロノの尋ねる。
「なんで名付け出来たの?と言うかなんでお前はそんなに疲弊してるの?」
「俺はリムルみたいに、中にヴェルドラがいるわけじゃないんだよ」
基礎性能は同じでも、それだけが違った。だからクロノは、リムルよりも劣るのだ。
「なるほどね。魔素の供給がないと。で、名付けの方は?」
「多分上書きだと思うわ。原作でもリムルがガビルにやってたし」
あれは事故のようなものだが、出来なくもない。以前の名付け主よりも上位の存在であれば上書き可能だった。
「悪いことをしたな」
「そうね。あんなに名乗っていたのだから、きっと大切な思い入れがあったのかもしれないわね」
勝手に名乗っていただけなのだが、誰もそれに気づいておらず、反省する二人。特にエリアは、自分の名に思い入れがあったために、もっと注意出来なかったのかと思っていた。
「今度からは気をつけないとな」
「ええ、そうした方がいいわ」
後で謝ろうと、できるだけ優しくしてやらねばと思う二人であった。
投稿キャラの名付けですが、全てがすべてリムルが名付けるとは限りません。ですので、物語の都合上、こうやってクロノが名付ける場合もある事を念頭にお願いします。